ムクドリの困りごとは2種類あります|街路樹のねぐらは市、戸袋の巣は自分。連絡先が変わります

この記事を読むと分かること
  • ムクドリの困りごとは2種類あり、連絡先が変わること
  • 街路樹のねぐらは市が対応するが、「全国的にも根本的な解決策が見つかっていない」と市が書いていること
  • 戸袋の巣は、繁殖が終わった後にダニが発生すること
「市役所に言えば何とかしてくれるのか」。ムクドリで調べる人の多くが、まずここでつまずきます。
答えは「場所による」です。ムクドリの困りごとにはまったく違う2種類があり、それぞれ相手が違います。

★まず、どちらの話かを決めてください

① 街路樹などのねぐら② 家の戸袋などの巣
時期夏から秋(繁殖後)3月下旬〜7月(繁殖期)
規模数百〜数万羽1つがい
困ること鳴き声の騒音・フン害鳴き声・悪臭・ダニ
場所街路樹・公園=市などの管理地自分の家
連絡先市の担当課(道路・公園・環境)自分で対応するか業者へ
①なら市に言う意味があります。②なら市は動きません。ここを分けないまま電話すると、話が噛み合いません。

★街路樹のねぐら:市は動きますが、限界も公表しています

千葉県市川市は、市の対策を具体的に書いています。
対策内容
鳥獣対策用LED照明人間の目には刺激が少なく、目の応答性が高いムクドリには刺激を与えられる携帯型の照明で追い払う
拍子木ムクドリは突然の大きな音を嫌うため、「カン!カン!」という不規則で乾いた音を出す
※ 市川市の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
ただし、同じページにこう但し書きがあります。
LED照明および拍子木による追い払いは駅前等に限定しており、職員が住宅街等に出張する対応は行っておりません」— 市川市の公表内容より
住宅街に来てくれるわけではありません。
そして、市自身がこう書いています。
ムクドリ対策については、全国的にも根本的な解決策が見つかっていないのが現状です
「追い払っても、近くに移るだけ」だからです
ムクドリのねぐらは、1万羽に及ぶこともあります(新潟市)。これを追い払っても、近くの樹木や人工物に群れが分散して移るだけになりがちです。
だから「市に言えば解決する」とは期待しないでください。それでも剪定は効果があるので、連絡する価値はあります。
新潟市は、対策としてこう挙げています。
  • ねぐらや集結場所が樹木の場合、枝の剪定が効果的
  • ★集結場所が電線であれば、電力会社に問い合わせる(新潟市は東北電力を案内)
  • ムクドリの忌避音(警戒する時に鳴く声)を流すことで、集団が拡散することがある。新潟市は忌避音CDの貸し出しを自治会などに行っている(効果のためには大きなボリュームが必要で、近隣への注意が要る)
※ 新潟市の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。制度や貸し出しの有無は自治体ごとに異なります。
★電線は市ではなく電力会社です。ここを間違えると、たらい回しになります。木なのか電線なのかを先に見てください。

★家の戸袋の巣:繁殖が終わった後にダニが出ます

こちらは自分の問題です。そして、終わった後が本番です。
農研機構(中央農業総合研究センター)の資料には、こう書かれています。
「疎林の樹洞や人家の戸袋など建物のちょっとしたすき間に、枯れ草、羽毛、獣毛、落ち葉などで巣を造る」
家の戸袋などで繁殖した場合、繁殖中の鳴き声、悪臭、繁殖終了後にはダニが発生し問題になることもある」— 農研機構「鳥種別生態と防除の概要:ムクドリ」より
※ 農研機構 中央農業総合研究センター 鳥獣害研究室「鳥種別生態と防除の概要:ムクドリ」(Ver.3.3・2021年2月25日)に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
巣がなくなれば終わり、ではありません。巣材とヒナがいた場所には、ダニが残ります。巣立った後に室内でダニ被害が出るのは、これが理由のことがあります。
巣立ちまでの日数は、計算できます
同じ資料に、卵を4〜7個産み、雌雄で抱卵して約12日でふ化、その後約23日で巣立つとあります。
卵が確認できた時点から、およそ35日が目安です。巣立ちヒナはその後1ヶ月くらい親と行動を共にします。
「あと1か月ちょっと」と分かっていれば、耐え方も変わります。そして巣立った直後が、撤去と清掃のタイミングです。
卵やヒナがいる間は、撤去できません。これはハトと同じで、鳥獣保護管理法の話です。
戸袋・軒下・換気口のすき間をふさぐのは、巣立った後です。そしてふさぐ前に、巣材を取り除いて清掃・消毒してください。残せばダニの発生源になります。

なぜ脅かす対策が効きにくいのか

農研機構の資料に、はっきりした理由が書かれています。
「人間社会との関係が密接なために、かなり人に慣れており、10mくらいに近づいても逃げないことが多く、防除を難しいものとしている」
10メートルまで近づいても逃げません。カラスの模型や案山子のような「脅かす」対策が効きにくいのは、これが理由です。

もともとは益鳥でした

これも知っておくと、対策の考え方が変わります。
古くは田畑にて害虫を多く食べることより益鳥とされていた。しかし、1960年代以降になるとナシへの被害が問題になり、他の果樹にも被害を出すようになったことから現在では害鳥と位置づけられることが多い」(農研機構)
市川市も、こう書いています。
「以前は山や農村などに多く生息し、虫を食べてくれる益鳥としての側面がありましたが、近年では餌が豊富で天敵の少ない都市部でも多く繁殖するようになりました
市街地に来たのは、餌があって天敵がいないからです。だから追い払っても、条件が変わらなければ戻ります。

ムクドリの1年(市川市の目安)

時期様子
7〜10月頃夏の繁殖期が終わり、数が増え始めて夕方に群れで集まりだす(※近年時期が早くなっています)
11〜2月頃市街地に大群でねぐらを作る
3月頃繁殖期に入ると群れが解散して、市街地から徐々に減る
4〜6月頃郊外や農地に分散し、市街地では目立たなくなる
※ 市川市の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。時期は地域によって異なります。農研機構の資料では、繁殖終了後の6月末頃から夏ねぐらが形成され、10月半ば頃にはなくなって冬ねぐらに移る(冬ねぐらはほとんどが竹林)とされています。
市川市は「ムクドリは1年を通して市街地にいるわけではありません」としています。群れの問題には、終わりがあります。

相談先

状況連絡先
街路樹・公園のねぐら市の担当課(道路・公園・環境のいずれか)。無料
電線に集まっている電力会社
自宅の戸袋・軒下・換気口の巣自分で対応するか、業者へ
まず市役所と電力会社です。無料ですし、木の剪定は実際に効果があります。
そのうえで、自宅の巣とその後始末は業者の領域になります。
害獣駆除110番は、上場企業シェアリングテクノロジー株式会社(証券コード3989)が運営する紹介サービスです。公式サイトに害鳥駆除のサービスがあり、ネズミ・イタチ・ハクビシン・アライグマ・モグラ・コウモリにも対応しています。日本全国・24時間365日受付です。
料金に駆除費用だけでなく殺菌・消毒費用と清掃費用が含まれ、見積もり以上の追加料金はかからないとしています。ムクドリの場合、巣材の撤去と清掃・消毒が含まれているかどうかが重要です。ダニはそこから出ます。
※ 料金・対応範囲・受付時間は害獣駆除110番の公式サイトの記載に基づきます(2026年8月31日時点・編集部調べ)。現地調査と見積もりは無料とされていますが、対応エリア・加盟店・現場の状況によって費用が発生する場合があると注記されています。
賃貸なら、まず管理会社・大家に連絡してください。戸袋や換気口は建物の設備です。

まとめ

  • ★ムクドリの困りごとは2種類。①街路樹のねぐら ②家の戸袋の巣
  • ①は市(道路・公園・環境)、②は自分。連絡先が変わる
  • ★街路樹なら市が動く。市川市はLED照明と拍子木で追い払っている
  • ただし「駅前等に限定。住宅街への出張は行っておりません」(市川市)
  • ★市自身が「全国的にも根本的な解決策が見つかっていない」と書いている
  • 樹木なら剪定が効果的(新潟市)。ねぐらは1万羽に及ぶこともある
  • ★電線に集まっているなら、市ではなく電力会社
  • 忌避音CDを貸し出している自治体もある(新潟市)
  • ★戸袋の巣は、繁殖終了後にダニが発生する(農研機構)
  • 巣立ちまでは、ふ化まで約12日+巣立ちまで約23日=およそ35日
  • ふさぐのは巣立った後。巣材を取り除いて清掃・消毒してから
  • ★10mまで近づいても逃げないので、脅かす対策が効きにくい
  • もともと益鳥。餌が豊富で天敵が少ないから市街地に来た
  • 1年を通して市街地にいるわけではない(市川市)

あわせて読みたい

巣の撤去のルール(卵やヒナがいると撤去できない)は、ハトと共通です。
天井裏で音がするなら、鳥ではなく獣の可能性があります。
※ 本記事のムクドリの生態・繁殖・防除の難しさに関する記述は農研機構 中央農業総合研究センター 鳥獣害研究室「鳥種別生態と防除の概要:ムクドリ」(Ver.3.3)、市の対策と1年の動きは市川市、剪定・電線・忌避音CDは新潟市の公表内容に基づきます(いずれも2026年8月31日時点で確認)。自治体の対応・貸し出し制度は地域によって異なります。必ずお住まいの自治体にご確認ください。