くらしのマーケットの引っ越しは安いのか|安さの仕組みと、補償制度の正しい読み方
この記事を読むと分かること
- 安さの仕組みと、作業員1名を選ぶと自分が手伝う前提になること
- 「急な追加料金なし」の正確な意味(公式サイトに条件が併記されています)
- 「最高1億円の補償」の読み方と、利用者が自分で申請できないこと
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くらしのマーケットで引っ越しを探すと、6,000円台から2万円前後の金額が並びます。大手の見積もりを見たあとだと、桁が違って見えます。
安さには理由があり、その理由自体は筋が通っています。ただし大手と同じつもりで使うと前提が違います。とくに補償の仕組みは、公式サイトを読み込まないと分からない部分があります。順に整理します。
安さの仕組み
くらしのマーケットは、事業者が直接出店するプラットフォームです。公式が挙げている特徴は次のとおりです。
| 特徴 | 公式の説明 |
|---|---|
| とにかく安い | 「地元の小さな店舗が多いので、料金も安く抑えられます」 |
| 予約が簡単 | 「一覧の中から気に入ったサービスを選ぶだけ」 |
| 口コミで人を選べる | 「実際に利用した人なので内容がリアル」 |
| 営業電話が来ない | 「登録直後に大量の見積もり電話やメールに悩まされることもありません」 |
※ くらしのマーケット公式「格安引越し」ページの記載に基づく(2026年8月時点・編集部調べ)。
掲載されているサービスは軽バン・軽トラックを使うものが中心で、単身や少量の引っ越しに向いた構成です。料金は距離と荷物量で事前に表示されます。
一括見積もりサイトのように電話が集中しないという点は、公式が明確に打ち出しています。ここは実務上の大きな違いです。
含まれる作業は3つだけ
公式に記載されている作業範囲は次のとおりです。
- 部屋からの運び出し
- 積み込み・積み下ろし
- 養生
荷造りと荷解きは含まれません。段ボールに荷物を詰める作業は自分で終わらせておく前提です。ここは大手の「荷造りおまかせ」系プランとは比較になりません。
作業員は1名か2名かを、自分で選びます
これが見落とされやすい部分です。予約画面で作業員の人数を選択します。公式の説明はこうです。
「作業員の人数は『手伝うから少しでも安くしたい!』という方は1名、『少しでも楽をしたい!』という方は2名を選ぶことをおすすめします。」
— くらしのマーケット公式「格安引越し」ページより
1名を選ぶと、自分が手伝う前提になります
公式が「手伝うから」と明記しています。冷蔵庫や洗濯機、ベッドを1人で運べるかを考えてから選んでください。
安いほうを選んだ結果、当日に自分が階段を往復することになった、というのは仕組み上そうなるだけで、業者の問題ではありません。
「急な追加料金なし」の正確な意味
公式サイトには「選ばれる6つの理由」のひとつとして「急な追加料金なし 事前に料金を確認できるから安心!」と書かれています。
一方で、同じページの下の方にこう書かれています。
「ただし、事前に伝えていた家具や家電より荷物が多くてトラックに乗りきらないなどの理由で、当日に追加料金が発生することがあります。前日までにしておかなければいけないことやトラックに乗る荷物量は必ず事前に確認をしておきましょう。」
— くらしのマーケット公式「格安引越し」ページより
矛盾しているわけではありません。「申告した荷物量が正しければ、追加はない」という意味です。裏を返すと、荷物量の申告がすべてということになります。
訪問見積もりでは荷物量を確定させる責任がプロ側にありますが、事前料金表示の仕組みではその責任が申込者側に移ります。ここは同じくネット完結型のサービスと共通する構造です。
「最高1億円の補償」の読み方
公式には「最高1億円の補償あり」と表示されています。制度は実在しますが、数字の意味を正確に読む必要があります。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 制度名 | くらしのマーケット損害賠償補償制度 |
| 対象 | 予約すべてが対象。保険料はかかりません |
| 引受保険会社 | 三井住友海上火災保険株式会社 |
| 「最高1億円」の意味 | 「くらしのマーケット経由の予約全体の補償限度額です。必ず1億円が補償されるものではなく、ご請求のタイミング等によっては補償されない場合がございます」 |
| 1事故あたり | 支払限度額500万円 |
| 被保険者 | くらしのマーケットに出店している店舗(利用者ではありません) |
※ くらしのマーケット公式「損害賠償補償制度」ページの記載に基づく(2026年8月時点・編集部調べ)。
「最高1億円」は1件あたりの金額ではありません。プラットフォーム全体の限度額であり、1事故あたりの支払限度額は500万円です。この違いは公式サイトの注釈に明記されています。
利用者が自分で申請することはできません
補償を受けるまでの流れも押さえておいてください。
| 順 | 誰が何をするか |
|---|---|
| 1 | お客様から店舗へ事故の発生と状況を連絡 |
| 2 | 店舗から事故報告窓口(保険会社とくらしのマーケット)へ連絡 |
| 3 | 保険会社が審査し、補償の適用可否を判断 |
| 4 | 店舗からお客様へ補償内容を連絡 |
店舗と連絡が取れないと、補償が受けられません
公式FAQにこうあります。「店舗と連絡がとれませんと事故の事実確認がとれないため、補償ができません」。連絡がつかない場合は、くらしのマーケットの問い合わせ窓口から連絡すると、該当店舗への連絡や情報開示に協力してもらえるとされています。
申請の起点が店舗側にある、というのがこの制度の構造です。予約前に、メッセージのやり取りが丁寧な出店者かどうかを見ておく意味はここにあります。
補償の対象外になるケース
公式に明記されているものを挙げます。
| 対象外 | 公式の例 |
|---|---|
| 店舗の責めに帰さない事象 | 作業中に地震が発生し、所有物が壊れた |
| 自動車、原動機付自転車等による事故 | 店舗が自動車操作を誤り、自宅の外壁を壊した |
| 自然発火・自然爆発、雨や雪の吹き込み | 預けた物が倉庫で自然発火した |
| 作業後に発見された事故のうち、原因となった作業が加えられた財物 | 配線ミスでエアコンが“作業後”に出火して壊れた |
| 貨幣・紙幣・有価証券・宝石・貴金属・美術品・骨とう品など | — |
※ くらしのマーケット公式「損害賠償補償制度」ページの記載に基づく(2026年8月時点・編集部調べ)。
引っ越しで注意したいのが「自動車、原動機付自転車等による事故」です。引っ越しは車で荷物を運ぶサービスなので、自動車事故に起因する損害はこの制度の枠外になります。通常は出店者側の自動車保険や貨物保険が対応する領域です。
公式も「当補償制度の適用外であっても、別途店舗独自の補償が適用できる場合がございます。気になる方は、サービス予約前に店舗にご確認ください」と案内しています。
予約前に、出店者へ貨物保険・車両保険の加入状況を聞いてください。サービス名に「損害保険加入済」「貨物保険加入」と書いている出店者もいます。
なお、現金や貴金属、美術品は補償の対象外です。これらは自分で持って移動してください。
向いている引っ越し・向いていない引っ越し
| 向いている | 向いていない |
|---|---|
| 単身・少量・近距離 | 家族の引っ越しで荷物が多い |
| 荷造りを自分で終わらせられる | 荷造りから任せたい |
| 自分も手を動かせる(1名を選ぶ場合) | 当日は立ち会うだけにしたい |
| 営業電話を避けたい | 高価な荷物がある(対象外の品目がある) |
| 口コミを読んで自分で選びたい | 作業品質を一定に揃えたい |
大手・赤帽との位置づけ
3つは「安い順」ではなく、仕組みが違うものとして並べたほうが選びやすくなります。
| 料金の決まり方 | 作業範囲 | 補償 | |
|---|---|---|---|
| くらしのマーケット | 出店者ごとに事前表示 | 運び出し・積み下ろし・養生 | 制度は1事故500万円+出店者独自の保険 |
| 赤帽 | 運賃表(距離制・時間制) | 運送が中心 | 貨物300万円・第三者300万円 |
| 大手引っ越し会社 | 見積もり(荷物量ベース) | プランで選べる(荷造り・荷解きまで) | 各社の約款に基づく |
荷物が少なく、自分で荷造りができて、手も動かせるなら、この3つはどれも成立します。そのうえで、金額と補償と手間のどれを優先するかで決まります。
比べ方は、優先したいことで変わる
引っ越し料金には定価がありません。時期・荷物量・距離・作業条件で倍以上変わり、同じ条件でも空き状況で動きます。くらしのマーケットの表示価格が安いかどうかも、大手の実額と並べて初めて分かります。
| 優先したいこと | 向いている方法 | 受け入れること |
|---|---|---|
| 手間を減らして、厳選された数社で比べたい | HALESEE(ハレシー) | 比較できる社数は少なめ |
| とにかく多く比べて、できるだけ安くしたい | 引越し侍の一括見積もり | 電話とメールの本数 |
まとめ
- 安さの理由は地元の小さな店舗が直接出店していること。営業やコールセンターのコストがない
- 一括見積もりのような大量の電話・メールが来ないと公式が明記している
- 含まれる作業は運び出し・積み込み・積み下ろし・養生の3つ。荷造りと荷解きは含まれない
- 作業員1名を選ぶと、自分が手伝う前提になる(公式に明記)
- 「急な追加料金なし」は申告した荷物量が正しければという条件付き。公式に追加料金が発生する場合が併記されている
- 「最高1億円」は予約全体の限度額。1事故あたりの支払限度額は500万円
- 被保険者は出店店舗で、利用者が直接申請することはできない
- 店舗と連絡が取れないと補償ができない(公式FAQ)
- 自動車による事故は補償制度の対象外。予約前に出店者の貨物保険・車両保険を確認する
- 現金・貴金属・美術品は対象外。自分で持って移動する
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※ 本記事のサービス内容・補償制度は2026年8月時点のくらしのマーケット公式サイトの記載に基づきます。制度は予告なく終了する場合があるとされています。内容は変更されることがあるため、ご予約前に必ず公式サイトでご確認ください。