マンションの指定業者は給湯器が高い|自分で選べるケースと注意点
この記事を読むと分かること
- 管理会社経由の給湯器交換が高くなりやすい構造上の理由
- 分譲と賃貸でルールが全く違うこと(ここを間違えると損をします)
- 自分で業者を選ぶときの手順と、やってはいけないこと
「マンションの給湯器が壊れて管理会社に連絡したら、思っていたよりも高い金額を提示された」――これはよくある話です。
ただし、ここで最初に確かめるべきは価格ではありません。あなたの住まいが分譲か賃貸かで、そもそも「自分で選んでいいのか」「そもそも自分が払うのか」が変わるからです。
まずここを判別してください
賃貸なら、そもそもあなたが払うものではない可能性が高いです。賃貸物件の給湯器は大家さんの所有物で、民法606条により修繕は原則として貸主の義務とされています。入居者の使い方に問題がなければ、交換費用を入居者が負担する必要は原則としてありません。
つまり、賃貸の方が「安い業者を探す」のは、そもそも方向が違います。まずは管理会社・オーナーに連絡して、負担の話をするのが先です。勝手に業者を手配して交換すると、費用が認められないだけでなく、原状回復を求められたり契約違反になったりするリスクがあります。
以降は主に分譲マンションに住んでいて、自分で費用を払う方向けの内容です。
指定業者が高くなりやすい理由
中間マージンが乗る
管理会社が紹介する形を取る場合、実際に工事をする業者との間に紹介の仕組みが入ることがあります。家電量販店やホームセンターと下請け業者の関係と同じ構造で、その分が最終的な金額に乗ります。
価格を下げる動機が生まれにくい
住人が「管理会社に言われたから」という理由だけで依頼し続ける限り、その業者は他社と価格を比べられません。競争が働かない分、価格が高止まりしやすくなります。
ただし、高い分に見合うものもある
公平に見ると、指定業者には次の利点があります。
- そのマンションの設備を知っている(配管経路や排気の仕様は物件ごとに違う)
- 管理組合への手続きを慣れている
- 窓口が管理会社に一本化される
この手間を自分で引き受けるかどうかが、判断の分かれ目です。
分譲マンションで自分で選ぶ場合の手順
①管理規約を確認する
まず管理規約を見て、工事業者の指定に関する条項があるかを調べます。「指定業者に依頼すること」と明記されていれば、原則としてそれに従うことになります。
②専有部分と共用部分の境界を把握する
ここがマンション固有のつまずきです。給湯器本体は通常専有部分ですが、設置場所であるPS(パイプスペース)の扇や、排気口・配管の一部は共用部分にかかることがあります。
共用部分に手を入れる工事になるなら、管理組合の承認は必須です。
③管理組合・管理会社に先に伝える
「他の業者でも見積もりを取りたい」と先に伝えてください。届出の書式や必要な書類(工事の概要、施工業者名、作業日)を確認しておくと、あとでもめません。
④同じ条件で2〜3社に見積もりを取る
指定業者と同じ号数・同じタイプで揃えないと比較になりません。見積もりは「一式」ではなく、機器代・工事費・撤去処分費が分かれた明細でもらいましょう。
⑤工事前後の写真を残す
共用部分との接続箇所や、既存設備の撤去状態を撮っておきます。後日「共用部を傷つけた」と言われたときの裏付けになります。
見積もりを取る前に、型番シールと、扇を開けた状態の全体写真を撮っておくと話が早いです。PS設置型は扇の形状や排気方式で適合機種が決まるためです。詳しくは給湯器の前方排気型とは?マンションPS設置の注意点をご覧ください。
指定業者を使ったほうがいいケース
「高い」とはいえ、次の場合は素直に指定業者を使ったほうが合理的です。
- 賃貸で、費用を払うのが自分ではない:安くする動機がそもそもありません
- 管理規約で指定業者のみ認められている:規約違反のリスクを背負う価値はありません
- 共用部分に大きく手を入れる工事が必要:物件を知っている業者のほうが安全です
- 今日明日でお湯が必要:比較している時間がない
逆に、分譲で・自費で・時間に余裕があるなら、見積もりを並べる価値は十分にあります。
マンション対応の主な依頼先
東京ガスの機器交換
東京ガス(東証プライム上場)が運営するWeb専用サービスで、認定を受けた施工会社が工事を担当します。マンションの施工実績も豊富で、PS設置や排気方向の条件を含めた提案が期待できます。
なお対応エリアは東京ガスの供給エリアを中心とした関東圏ですが、市町村単位で細かく決まっているので、公式サイトでご自宅の住所を確認してください。
交換できるくん
株式会社交換できるくん(東証グロース上場)の全国対応サービスです。見積もり確定後の追加費用が発生しない明朗会計なので、管理組合に金額を報告する必要があるときに扱いやすいのが利点です。
やってはいけないこと
- 賃貸で勝手に交換する:費用が認められない、原状回復を求められるなどのリスクがあります
- 管理組合への届出を飛ばす:後から問題になりやすいです
- 号数やタイプを勝手に変える:マンションはガスメーター容量や設置スペースの制約があり、号数を上げられないことがあります
まとめ
- まず分譲か賃貸か。賃貸なら修繕は原則貸主の義務(民法606条)で、安い業者を探す話ではない
- 指定業者が高くなるのは中間マージンと競争の不在という構造のせい
- 分譲で自分で選ぶなら、管理規約→専有・共用の境界→事前相談→相見積もり→写真の順
- 見積もりは同じ号数・同じタイプで揃えて初めて比較になる
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