家の中にムカデが出るのは、餌になる虫がいるからです|小さいムカデは子どもとは限らず、2〜3cmの種類もいます
この記事で分かること
- ムカデが家の中に入ってくる理由を、自治体が何と説明しているか
- 家の中で見た小さいムカデが、子どもなのか、小さい種類なのか、ゲジやヤスデなのか
- ムカデが出やすい家の周りの条件と、出る時期
- 自分で続ける対策と、業者に見てもらう段階の分かれ目
ムカデが家の中に出るのは、餌になるゴキブリなどの虫を求めて屋外から入ってくるためだと、川崎市と堺市はそろって説明しています(2026年10月9日確認)。ムカデはもともと屋外の落ち葉の下や石垣のすき間に住む生き物で、家の中で繁殖する虫として書かれてはいません。この記事では、家の中でムカデを見た人がまず知りたい「なぜ入ってきたのか」「小さいのは子どもなのか」「また出るのか」を、自治体と衛生研究所の公開資料だけで整理します。
ムカデはなぜ家の中に入ってくるのですか
ムカデが家に入ってくる理由として自治体が挙げているのは、餌と湿気の2つです。どちらも「家の中に住みたいから」ではなく、家の外の暮らしの延長で入ってきます。
| 出どころ | 住んでいる場所 | 家に入ってくる理由 |
|---|---|---|
| 川崎市 | 屋外の落ち葉の下や石垣の下。昼間は草むら・落ち葉の下・石垣の間など暗くて湿った所に潜む | ゴキブリなどのえさを求めて屋内へ侵入する |
| 堺市保健所 | 湿気のある狭い暗所。生い茂った草むら・落葉の下・石垣の隙間・庭石やブロックの下・プランターの下 | 餌となる小昆虫が豊富であることが生息条件 |
| 京都産業大学 保健管理センター | 雑草や木、石や落ち葉の下 | 梅雨時の湿気の多い時期に活動をはじめ、そこから建物内へ侵入する |
※ 川崎市「ムカデ」(PDF資料)、堺市 健康福祉局 保健所 生活衛生課「ムカデ」(2025年5月21日更新)、京都産業大学 保健管理センターの公開内容を2026年10月9日に確認。
つまり、家の中でムカデを見たということは、家のすぐ外に住める場所があり、家の中か周りに餌になる虫がいるということです。川崎市の資料は、ムカデが「昆虫やゴキブリを襲って食べています」と書いています。ムカデだけを外に出しても、この2つが残っていれば、また入ってきます。
小さいムカデが家の中にいたら、子どもですか
小さいムカデは、子どもとは限りません。可能性は大きく分けて4つあります。
| 可能性 | 根拠 | 見分けの手がかり |
|---|---|---|
| もともと小さい種類のムカデ | 川崎市は「体長は2〜3cmのものから15cm位までの種類があり」としている。名古屋市衛生研究所によると、日本には約150種が知られている | 体が平たく、1つの節から足が1対ずつ出ている |
| 大きくなる種類の子ども | 名古屋市衛生研究所は、トビズムカデ・アオズムカデなどについて「春から夏に産卵し、3年を経て成体となる」としている | 大きいムカデと同じく、頭が赤褐色や暗い青色をしていることがある |
| ゲジ(ゲジゲジ) | ゲジもムカデの仲間(ゲジ目)。成体でも体長約3cm(名古屋市衛生研究所) | 体に比べて脚がとても長い。体は平たくなく棒状 |
| ヤスデ | ムカデとは別の仲間。1つの節から足が2対出ている | 動きがのろく、つつくと丸まる |
※ 名古屋市 健康福祉局 衛生研究所「ムカデ・ゲジ」(2025年10月17日更新)、川崎市「ムカデ」の公開内容を2026年10月9日に確認。
ゲジとヤスデは、人を咬みません。名古屋市衛生研究所はゲジについて「ムカデのように咬むこともない」と書いており、ヤスデも咬んだり刺したりする虫ではありません。ゲジ・ヤスデとムカデの見分け方は、別の記事で詳しくまとめています。
子どもでも咬むので、素手で触らない
名古屋市衛生研究所が「人に対して咬傷を与えることがある」と名前を挙げているのは、トビズムカデ・アオズムカデなどオオムカデ類の大型種です。ただ、小さいからといって大型種の子どもでないとは言い切れません。川崎市の資料にあるとおり、ムカデは「防御のために瞬時に咬みつきます」。種類が分からないうちは、大きいムカデと同じ扱いにしておくのが安全です。
子どもがいるなら、近くに巣がありますか
名古屋市衛生研究所によると、オオムカデ類の雌は「卵を腹の下に抱えて保護する習性」があり、その保護は「幼体が自分で餌を取り自活できるようになるまで続く」とされています。昼間は石の下などにひそんでいる、とも書かれています。
家の中で産卵していると書いた公的資料は、この記事で確認した範囲には見つかりませんでした。どの自治体も、ムカデの住む場所を屋外の落ち葉や石の下として説明しています。小さいムカデが続けて出るなら、まず疑うのは家のすぐ外です。
ムカデが出やすい家には、どんな条件がありますか
自治体の資料から読み取れる「出やすい家」の条件は、家の周りに湿った隠れ場所があり、餌になる虫が多いことです。堺市と川崎市が挙げている場所を、家の周りで確かめられる形に並べると次のとおりです。
| 見る場所 | 自治体の記載 |
|---|---|
| 建物のすぐ外の草 | 生い茂った草むら(堺市)。家の周りの雑草を刈り取る(川崎市) |
| 落ち葉 | 落葉の下(堺市)。落ち葉を捨てる(川崎市) |
| 石垣・庭石・ブロック | 石垣の隙間・庭石やブロックの下(堺市) |
| プランター・植木鉢 | プランターの下(堺市) |
| 廃材・がれき | 家屋周りの廃材や瓦れきなどは撤去する(堺市)。廃材など不要な物を処理する(川崎市) |
| 日当たり | 清掃をして日当たりをよくする(川崎市) |
※ 堺市保健所・川崎市の公開内容を2026年10月9日に確認。
家の中で見るべきなのは、餌になる虫です。ゴキブリや小さな虫が出ている家は、ムカデにとって餌場です。家の中の小さい虫の正体が分からないときは、色から絞り込めます。
ムカデが家に出やすい時期はいつですか
ムカデは冬以外のどの季節にも出ますが、とくに活発になるのは5〜8月の産卵期です。自治体の資料は、時期について次のように書いています。
| 出どころ | 時期についての記載 |
|---|---|
| 川崎市 | 5〜8月頃が産卵期で、活動が活発になる。春〜秋に発生 |
| 島根県益田保健所 | 5〜8月が産卵期であり、そのころに活動が活発になる |
| 堺市保健所 | 冬を除くすべてのシーズンで発生が見られる |
| 京都産業大学 保健管理センター | 梅雨時の湿気の多い時期に活動をはじめる |
※ 島根県益田保健所の記載は2026年9月6日、ほかは2026年10月9日に確認。
名古屋市衛生研究所の「春から夏に産卵し」という記載とあわせると、夏から秋に小さいムカデを見かけることがあっても不思議ではありません。ただし、何月に生まれた幼体が何月に家へ入ってきやすいかまで書いた公的資料は、この記事では見つけられませんでした。
家の中でムカデが大量に出たら、本当にムカデですか
「大量発生」なら、まずヤスデを疑ってください。この記事で確認した自治体の資料に、ムカデが集団で家に入ってくるという記載はありませんでした。一方、札幌市保健所はヤスデについて「雨の日の前後に、壁や塀に集団で這い上がり、室内に侵入することがあります」と書いています(2026年9月13日確認)。
ヤスデには熱湯をかけないでください。神奈川県葉山町は、ヤスデについて「刺激を与えると、シアン化合物を含む臭気を発することがあります。焼いたり、熱湯をかけて駆除することは避けましょう」と案内しています。のろのろしていて、つつくと丸まるならヤスデです。
本当にムカデが何匹も続けて出ている場合は、家の周りに隠れ場所と餌がそろっているということです。次の章の対策を続けても止まらないなら、業者に見てもらう段階です。
ムカデを家に入れないために、自分でできることは
公的機関はそろって、ムカデを完全に防ぐのは難しいと書いています。島根県益田保健所は「今のところムカデの有効な防除策はなく、ムカデの侵入を完全に防ぐのは困難です」、堺市保健所は「発生源の抜本的な駆除は難しく」としています。そのうえで挙げられている対策は、次の3つにまとまります。
- 隠れ場所を減らす。家の周りの廃材・がれき・落ち葉を片づけ、雑草を刈り、日当たりをよくする(堺市・川崎市)
- 家の周りに薬剤の帯を作る。粉状または粒状の薬剤を、家屋を取り囲むように幅5から10センチメートルの帯状にまく(堺市)。川崎市も、床下や家の周りに粉剤を帯状にまいて屋内への侵入を防ぐ方法を挙げています
- 餌になる虫を減らす。ゴキブリなどがいる限り、ムカデは寄ってきます(川崎市・堺市)
玄関やエアコンのドレンホースなど、家のどこから入ってくるかの具体的な場所は、ヤスデとムカデの見分け方の記事に表でまとめています。
寝室や布団の近くで見たときに気をつけること
ムカデに咬まれる場面として自治体が挙げているのは、寝ているときと靴をはくときです。堺市保健所は「夜間、寝具などに潜んでいるところにうっかり触れてしまい咬まれるケースがほとんど」、名古屋市衛生研究所は「靴などに潜んでいることに気づかずに触れた場合」に咬傷被害が起きると書いています。
見つけた1匹を処理するときも注意が要ります。川崎市の資料は、スプレー式殺虫剤をかけた直後について「暴れて咬まれる可能性があるので注意が必要」としています。名古屋市衛生研究所も、大型の個体はエアゾール殺虫剤の「効果の発現に時間がかかる場合がある」と書いています。かけてすぐ素手で片づけないでください。
屋内と屋外で使える殺し方が違うこと、凍結スプレーに屋外専用があることは、別の記事にまとめています。
咬まれたときの手当ては、公的機関によって書き方が分かれています。共通しているのは、全身に症状が出たら自己判断せず医療機関を受診することです。堺市保健所は「全身の脱力感や発熱・めまい・どうき・吐き気などの症状が出たときは、必ず医師の診断を受けてください」と書いています。
業者に頼むのは、どういうときですか
目安は「1匹か、続いているか」です。1匹なら、市販のスプレーで処理できます。次のような状態なら、家の周りのどこが隠れ場所になっているか、薬剤をどこにまくかを、現地で見てもらう価値があります。
- 片づけや薬剤の帯を続けても、ムカデが何度も家の中に出る
- 小さいムカデが続けて出ていて、家の周りのどこかに潜んでいそう
- 寝室や子ども部屋で出ていて、咬まれるのが心配
- 床下や家の周りが広く、自分で薬剤をまききれない
害虫駆除110番(シェアリングテクノロジー株式会社)は、対応する害虫にムカデを挙げており、公式サイトの料金はムカデ駆除が11,000円〜(税込)です。受付は日本全国・24時間365日で、加盟店が現地で見積もりを作り、作業日が確定するまではキャンセルできる流れになっています。家の周りの状況で費用が変わる作業なので、まず見積もりを取って、作業の範囲と金額を確かめるのが先です。
※ 2026年10月9日に害虫駆除110番の公式サイトで確認。公式サイトには「対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます」「対応エリア・加盟店により記載価格や条件では対応できない場合がございます」との注記があります。
賃貸にお住まいの場合は、自分で業者を手配する前に管理会社か大家さんへ連絡してください。建物のすき間や共用部の植え込みが原因のときは、対応する人と費用の負担が変わります。
何度も出るなら、家の周りを見てもらう
よくある質問
ムカデが1匹出たら、家の中に巣がありますか。
この記事で確認した公的資料は、ムカデの住む場所を屋外の落ち葉の下・石垣の隙間・庭石やブロックの下などとして説明しており、家の中で繁殖するとは書いていません。1匹出たときにまず見るのは家のすぐ外の隠れ場所と、家の中の餌になる虫です。
小さいムカデは咬みませんか。
小さいから咬まないとは言えません。名古屋市衛生研究所によると、トビズムカデなどは産卵から成体まで3年かかるので、小さい個体が大型種の子どもである可能性があります。種類が分からないうちは素手で触らないでください。
ムカデは家の中で冬を越しますか。
堺市保健所は「冬を除くすべてのシーズンで発生が見られます」としていますが、冬に家の中でどう過ごすかについての記載は、この記事で確認した資料にはありませんでした。
マンションの上の階でもムカデは出ますか。
何階まで上がってくるかを示した公的資料は、この記事では見つけられませんでした。確かめられるのは、ムカデが湿った隠れ場所と餌の虫を求めて動くという点です。上の階で出た場合は、ベランダのプランターや植え込み、共用部の状態も含めて管理会社に相談してください。
ゲジゲジが出る家は、ムカデも出ますか。
出やすい条件は重なっています。札幌市保健所はゲジ類の住む場所を「石や落ち葉の下、コンクリートの裂け目など」とし、京都産業大学はムカデについて「雑草や木、石や落ち葉の下から建物内へ侵入します」としています。どちらも餌になる虫を求めて入ってくるので、家の周りの片づけは両方に効きます。
まとめ
- ムカデが家に入ってくるのは、餌になる虫を求めて。住んでいるのは屋外の落ち葉・石垣・ブロックの下(川崎市・堺市)
- 小さいムカデは子どもとは限らない。2〜3cmの種類もある(川崎市)。ゲジ・ヤスデの可能性もある
- 大型種は産卵から成体まで3年。小さくても大型種の子どもなら咬むことがある(名古屋市衛生研究所)
- 活発になるのは5〜8月の産卵期。冬以外はどの季節にも出る
- 大量に出たら、まずヤスデを疑う。ヤスデに熱湯は使わない(葉山町)
- 対策は隠れ場所・薬剤の帯・餌の3つ。完全には防げないと公的機関も書いている
- 片づけと薬剤を続けても出るなら、見積もりを取って現地を見てもらう
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※ 本記事の公的機関の記載は、川崎市「ムカデ」、堺市 健康福祉局 保健所 生活衛生課「ムカデ」(2025年5月21日更新)、名古屋市 健康福祉局 衛生研究所「ムカデ・ゲジ」(2025年10月17日更新)、京都産業大学 保健管理センターの公開内容を2026年10月9日に、島根県益田保健所の公開内容を2026年9月6日に、札幌市保健所「ゲジ類・ヤスデ類」の公開内容を2026年9月13日に、神奈川県葉山町の公開内容を2026年8月31日に確認したものです。料金・受付条件は害虫駆除110番の公式サイトの2026年10月9日時点の記載です。症状や住宅の状況によって適切な対応は変わります。