ハイブリッド給湯器とエコキュートはどちらを選ぶか|補助金は12万円と10万円、エコワンのプラグイン機は寒冷地に置けません

ハイブリッド給湯器(リンナイのエコワン、ノーリツのHPHB R290)とエコキュートは、どちらも国の補助金の対象です。ただし受け取れる上限は同じではなく、ハイブリッドが12万円、エコキュートが10万円です。本体の希望小売価格も、メーカー公式の価格表で並べるとハイブリッドのほうが安い側に入ります。一方で、寒冷地では選べる機種が減り、買える窓口も限られます。この記事では公式サイトで確認できる範囲だけを並べます。

補助金の上限は、ハイブリッドのほうが2万円多いです

給湯省エネ2026事業の補助額は、基本額と性能加算額の合計で決まります。2026年9月25日に公式サイトで確認した金額は次のとおりです。
設置する給湯器基本額性能加算額合計
ヒートポンプ給湯機(エコキュート)7万円/台3万円/台10万円/台
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)10万円/台2万円/台12万円/台
家庭用燃料電池(エネファーム)17万円/台加算なし17万円/台
補助上限は戸建住宅でいずれか2台まで、共同住宅等で1台までです。
ここに撤去加算が付く場合がありますが、撤去加算の額は設置する機器で変わりません。電気蓄熱暖房機の撤去で4万円/台(2台まで)、電気温水器の撤去で2万円/台です。つまり電気温水器から替える家では、エコキュートで最大12万円、ハイブリッドで最大14万円になり、差は常に2万円のままです。なお、エコキュートの撤去は加算の対象になりません。
※ 給湯省エネ2026事業の公式サイト「対象要件の詳細」を2026年9月25日に確認。撤去加算は予算額36億円を目途に実施し、達し次第終了と予告されています。工事発注者が機器を購入して取り付けだけを依頼する工事(施主支給・材工分離)は対象外です。

対象になる条件は、機器ごとに中身が違います

金額だけを見て機種を決めると外します。要件の文言が別物です。
エコキュートハイブリッド給湯機
基本の性能要件2025年度目標基準値以上で、インターネットに接続でき、翌日の天気予報や日射量予報に連動して昼間に沸き上げをシフトする機能を持つこと(または おひさまエコキュート)電気式ヒートポンプとガス補助熱源機を併用し貯湯タンクを持つこと。JGKAS A705の年間給湯効率が108%以上で、インターネットに接続でき昼間の再エネ電気を積極的に自家消費する機能を持つこと
性能加算の要件目標基準値+0.2以上年間給湯効率116.2%以上(基本要件の機種より二酸化炭素排出量が5%以上少ないもの)
どちらも「一部の機種は追加部品(台所リモコンまたは無線LANアダプター)の設置で要件を満たす」と書かれています。安い構成を選んだために対象外になることがあり、リモコンの型番で結果が変わります。手続きの流れはハイブリッド給湯機の補助金と申請代行の記事にまとめてあります。
※ 公式サイトは、経済産業省が2025年12月2日付で複数の事業者に対して行った指名停止等の措置により、措置対象の事業者と契約しても補助対象とならない場合があると注意書きを添えています(2026年9月25日確認)。

本体の希望小売価格は、ハイブリッドのほうが安い側です

「ハイブリッドは高い」と説明されがちですが、メーカーが公表している価格表を並べるとそうは読めません。2026年9月25日に各社公式で確認した値です。
メーカー・機種希望小売価格価格に含まれるもの
リンナイ ECO ONE X5 プラグインモデル(70L・ふろ給湯・24号フルオート)税込937,200円(税抜852,000円)工事費・リモコンは別
リンナイ ECO ONE X5 プラグインモデル(70L・給湯+暖房・暖房能力11.6kW)税込985,600円(税抜896,000円)工事費・リモコンは別
ノーリツ HPHB R290 70L MODEL プラグイン機税込939,400円(税抜854,000円)給湯器GT-C2472AW-1 BLとリモコンRC-K101PEWマルチセットを選定した参考価格
ノーリツ HPHB R290 145L MODEL 標準機税込988,900円(税抜899,000円)同上
三菱電機 エコキュート 370Lクラス(本体システム)税抜970,000円〜1,440,000円リモコン(7万円)・脚部カバーは別
エコキュートの370Lクラスは、同じ容量でもシリーズによって税抜47万円の幅があります。容量を決めただけでは価格が定まりません。
ただし、この表の差額をそのまま値引き後の差額として読まないでください。希望小売価格は実売価格ではなく、表ごとにリモコンや給湯器本体の含み方が違います。言えるのは「定価の段階でハイブリッドが極端に高いわけではない」ということまでです。

取り替え工事では、プラグイン機の工事項目が減ります

リンナイはプラグインモデルの特徴として、基礎工事不要・ヒートポンプ専用電源工事不要と明記しています。ヒートポンプの電源に屋外コンセントを使う仕様だからです。
エコキュート側は、三菱電機が浸水時の対処として「200V電源ブレーカーと貯湯ユニットの電源レバーを切にする」と案内しています。200Vの電源を新しく引く工事が前提になります。貯湯タンクは水を満たすと重くなるため、転倒しないための据付も必要です。
ノーリツはヒートポンプユニットを業界最小の25kgとし、必要設置奥行きを500mmと公表しています。冷媒に自然冷媒R290を使っているため、取替時の冷媒回収が不要とも書いています。
ここで言えるのは工事の項目が減るところまでで、金額は現場で決まります。

寒冷地では、プラグイン機が候補から外れます

これは2社の公式が同じ方向で書いている制約です。
機種設置の条件
リンナイ ECO ONE X5 プラグインモデル5地域〜8地域で使用可能(地域区分は市区町村別に定められている)
ノーリツ HPHB R290 70L MODEL プラグイン機設置可能最低外気温 −5℃以上
ノーリツ HPHB R290 145L MODEL・70L MODEL 標準機設置可能最低外気温 −15℃以上
寒冷地でハイブリッドを選ぶなら、プラグイン機ではなく標準機や屋内設置タイプになります。エコキュートにも寒冷地向けの機種がありますが、国の性能要件そのものが一般地と寒冷地で分かれており、貯湯容量320L以上550L未満の区分では一般地3.5・寒冷地2.9と数値が違います。

お湯切れの考え方が、逆になっています

エコキュートは貯湯タンクに沸かしたお湯をためて使う機器です。国の目標基準値も貯湯容量で320L未満・320L以上550L未満・550L以上に区分されています。使い切れば沸き増しを待つことになります。
ハイブリッドのタンクは70L・145L・160Lと小さいのですが、これは事前沸き上げによる貯湯量です。リンナイの仕様表には「タンクのお湯がなくなった場合はガスのエコジョーズで給湯をサポートします」と書かれており、公式サイトも「お湯切れの心配がありません」と説明しています。タンクを大きくする代わりに、足りない分をガスで即座に沸かす設計です。
その代わり、ガスの契約は残ります。電気とガスの両方を使い続ける前提なので、ガスを止めてオール電化にしたい人の選択肢には入りません。ガス機器のまま高効率化する場合との比較はエコジョーズとエコキュートの比較記事を参照してください。

停電と断水のときに取り出せるお湯

どちらもタンクを持つため非常時に生活用水を取り出せますが、量はタンクの容量に比例します。三菱電機のエコキュートは前面の脚部カバーを外して非常用取水栓から取水する方式です。ノーリツのHPHB R290は停電やガスの供給停止時でもお湯をつくれるとし、ポータブル電源に接続できることを挙げています。リンナイは気象警報に連動して自動で沸き上げる機能を備え、プラグインモデルで最大270Lを確保できるとしています。

どこで買えるかを、値段より先に確かめてください

リンナイは購入の問い合わせ先として、新築は設計・建築担当業者、既存住宅への取付けや買替えは「お近くのガス事業者・リフォーム事業者」と案内しています。
Web完結型のサービスでは扱いが分かれます。東京ガスの機器交換の給湯器ページには「エコジョーズ(潜熱回収型ガス給湯器)の交換が対象です」と書かれており、ハイブリッド給湯機やエコワンという記載はありません(2026年9月25日確認)。対象の条件は、暖房付きふろ給湯器で給湯部熱効率94%以上、給湯専用・ふろ給湯器でモード熱効率83.7%以上です。
記載が無いことは「扱っていない」の証明ではありません。取り扱いの有無は申し込み前に窓口で確認してください。

こう選ぶと後悔しにくい

  • ガスを止めてオール電化にしたい → エコキュート。ハイブリッドはガス契約が残るので目的に合いません
  • ガスを残したまま光熱費を下げたい/お湯切れを避けたい → ハイブリッド。補助金の上限も2万円多いです
  • 寒冷地に住んでいる → プラグイン機は外れます。標準機・屋内設置タイプか、寒冷地向けエコキュートで比べてください
  • 床暖房を使っている → ハイブリッドには給湯+暖房のモデル(暖房能力11.6kW・14.0kW)があります
  • とにかく工事を軽くしたい → プラグイン機は基礎工事とヒートポンプ専用電源工事が不要です
導入後に後悔しやすい点はリンナイ エコワンのデメリットの記事に、エネファームを含めた3機種の損益分岐点はエネファームとエコワンの比較記事にまとめてあります。

交換の相談先

エコキュートへの切り替えを見積もるなら、キンライサーのエコキュート交換で現在の設置状況を伝えるところからです。寒冷地仕様が必要か、いまの場所に貯湯タンクが入るかは現地を見ないと決まりません。
ガス側に残してエコジョーズに替える場合は、東京ガスの給湯器交換が候補になります。首都圏に都市ガスを供給する東京ガスのサービスで、申し込みから工事まで一社で完結します。Web専用のオンライン販売に絞って価格を抑えており、工事は東京ガスの審査を通った認定施工会社が担当します。
型番ごとの価格をネットで確かめたい場合は、交換できるくんの給湯器交換が総額を公開しています。工事エリアは機器の種類ごとに決まっているので、申し込み前に確認してください。

よくある質問

ハイブリッド給湯器の補助金はいくらですか

基本額10万円と性能加算額2万円の合計で、1台あたり最大12万円です(2026年9月25日確認)。電気温水器の撤去を伴う場合はさらに2万円、電気蓄熱暖房機の撤去なら4万円が加算されます。加算を受けるには年間給湯効率116.2%以上という要件があります。

ハイブリッド給湯器はリンナイだけが作っているのですか

いいえ。ノーリツも「ハイブリッド給湯機」を独立したカテゴリとして扱い、HPHB R290シリーズを公表しています(145L MODEL・70L MODEL 標準機・70L MODEL プラグイン機)。リンナイは2010年に世界初の家庭用ハイブリッド給湯器を発売し、累計出荷台数が20万台を超えたとしています。

プラグインモデルと標準機は何が違うのですか

プラグインモデルはヒートポンプの電源に屋外コンセントを使うため、基礎工事とヒートポンプ専用電源工事が不要です。その代わり設置できる地域が限られ、リンナイは5地域〜8地域、ノーリツは最低外気温−5℃以上としています。標準機は−15℃以上まで対応します。

ハイブリッドにすると、ガスの契約は解約できますか

できません。ハイブリッドは電気のヒートポンプとガスの補助熱源機を併用する機器で、国の性能要件にも「併用するシステム」と明記されています。ガスを止めたい場合はエコキュートなど電気だけで完結する機器を選ぶことになります。

補助金の申請は自分でできますか

原則としてできません。交付申請の手続きを行うのは、給湯省エネ事業者として登録を受けた施工業者や販売事業者、リース事業者です。受け取った補助金は、あらかじめ合意した方法で消費者に還元されます。契約先が登録済みかどうかを先に確かめてください。

まとめ

  • 給湯省エネ2026事業の上限はハイブリッド12万円・エコキュート10万円で、撤去加算の額は機器で変わらないため差は常に2万円です
  • 性能要件の中身は別物です。エコキュートは昼間へ沸き上げをシフトする機能、ハイブリッドは年間給湯効率108%以上(加算は116.2%以上)が条件です
  • 希望小売価格は、ハイブリッド70Lクラスが税込93万円台から、三菱電機のエコキュート370Lクラスが税抜97万円からでした
  • プラグイン機は寒冷地に置けません。リンナイは5地域〜8地域、ノーリツは最低外気温−5℃以上です
  • ハイブリッドのタンクは小さくても、足りない分をガスで沸かすためお湯切れの心配がない代わりに、ガス契約は残ります
※ 補助金の金額と要件は給湯省エネ2026事業の公式サイト(対象要件の詳細・対象機器の詳細【エコキュート】【ハイブリッド給湯機】)、機種の仕様と価格はリンナイ公式・ノーリツ公式・三菱電機公式の価格一覧表、機器交換の対象は東京ガス公式を、いずれも2026年9月25日に確認したものです。制度の内容と価格は変わることがあるため、契約前に最新の情報をご確認ください。