エコジョーズとエコキュートはどちらを選ぶか|初期費用の差20万円と、補助金の対象が違う理由

この記事を読むと分かること
  • 初期費用の差はいくらか(実価格で比較)
  • 国の補助金は片方しか対象にならないことと、その金額
  • 設置できないケース(ここで決まることが多い)
  • ランニングコストの差をどう評価すべきか
先に結論だけ
  • 初期費用はエコキュートが2〜3倍。補助金を使ってもこの差は埋まりません
  • 国の「給湯省エネ2026事業」の対象はエコキュート・ハイブリッド・エネファームの3種だけ。
    • エコジョーズは対象外です
  • ただし設置スペースがなければ、そもそもエコキュートは選べません
  • マンションや狭小地なら、考える前に結論が出ます
  • 今ガス給湯器を使っていて、壊れて急いでいるならエコジョーズが現実的です

初期費用の差

工事費込みの実価格で並べます。
エコジョーズエコキュート
工事費込み総額15〜20万円35〜49万円(補助金適用後)
基本工事費53,900円(東京ガス・ふろ給湯器エコジョーズ)139,800円〜(エコキュートから交換の場合)
国の補助金対象外基本7万円+性能加算3万円
※ 東京ガスの機器交換および交換できるくんの公開価格(2026年8月時点・編集部調べ)。エコキュートは370Lで351,360円〜、460Lで393,530円〜。
補助金を使ったあとでも、エコキュートはエコジョーズの2〜3倍です。差額は20〜30万円
この差をランニングコストで回収できるかが、判断の中心になります。

★国の補助金はエコジョーズを対象にしていません

ここを知らないで見積もりを取る方が多い部分です。
給湯省エネ2026事業の対象機器は、次の3種類だけです。
機器対象
エコキュート(ヒートポンプ給湯機)
ハイブリッド給湯機
エネファーム(家庭用燃料電池)
エコジョーズ(潜熱回収型ガス給湯器)× 対象外
※ 給湯省エネ2026事業公式サイトの記載をもとに作成(2026年8月時点)。

エコキュートの補助額

区分金額条件
基本7万円/台2025年度目標基準値以上+ネット接続可+昼間の沸き上げシフト機能(またはおひさまエコキュート)
性能加算+3万円/台基本要件の機種よりCO2排出量が5%以上少ない(2025年度目標基準値+0.2以上)
機器分で最大10万円このほか電気温水器・蓄熱暖房機の撤去加算が別途あります
要件は「タンク容量」ではなく「沸き上げシフト機能」です
エコキュートなら何でも対象、ではありません。
インターネットに接続でき、翌日の天気予報に連動して昼間に沸き上げを寄せられる機種が条件です。
機種によっては台所リモコンまたは無線LANアダプターの設置で要件を満たします。
安い機種を選んだら補助金が出なかったということが起きます。見積もり時に型番で確認してください。
エコジョーズに国の補助金がまったくないわけではありません。ただし賃貸オーナー向けの「賃貸集合給湯省エネ2026事業」など、別枠の制度になります。持ち家で自分が住む場合は対象外と考えてください。

★設置できないなら、費用の話はしません

実はここで決まるケースが一番多いです。
エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプユニットの2台構成です。ガス給湯器のように壁に掛けられません。
条件エコジョーズエコキュート
設置場所壁掛け・PS内でも可地上に2台分のスペースが必要
基礎工事不要必要(コンクリート基礎)
マンション交換できる基本的に不可
電気工事不要200Vの専用回路が必要
運転音短時間夜間に沸き上げる(隣家との距離に注意)
先に調べるのは金額ではなく置き場所です
  • 貯湯タンクは幅1m弱×奥行70cm前後の置き場所が要ります
  • 搬入経路も必要です。狭い通路しかない場合はクレーン代が乗ることも
  • 隣家の寝室の真前には置かない。低周波音の苦情は実際に起きています
    • マンションや狭小地の戸建てなら、この時点でエコジョーズ一択になります。

ランニングコストをどう見るか

エコキュートは安い夜間電力でお湯を沸かして貯めておく仕組みで、ランニングコストはガスより安くなるのが一般的です。
ただし、具体的な金額をここで断定することはしません。
「年で5万円安くなる」という数字を鍵にしないでください
回収年数は次のすべてで変わります。
  • 契約している電力プラン(夜間割引があるか)
  • 都市ガスかプロパンか(プロパンならエコキュートが有利になりやすい)
  • 家族人数とお湯の使い方
  • 電気・ガス単価の今後10年の推移
    • 初期費用の差20〜30万円を、ご自宅の実際の光熱費で割ってみてください。
      回収に10年以上かかるなら、機器の寿命と同じ長さです。
プロパン地域は例外です。都市ガスより単価が高いので、エコキュートへの切り替えが回収しやすくなります。

それぞれの弱点

エコキュートの弱点

  • 湯切れがある。タンク分を使い切ると、沸き上がるまで待ちます
  • 水圧が弱い。貯湯式なのでシャワーの勢いが落ちることがあります(高圧型で緩和可)
  • 本体が大きい。故障時の交換費も高い
  • 飲み水には適さない(貯湯タンクの水なので、飲用は非常時に限って煎沸が前提)

エコジョーズの弱点

  • ドレン排水の処理が必要。排水先がないと工事が増えます
  • 国の補助金の対象外(上述)
  • ガス単価が上がれば直擊を受けます
非常時はどちらも一長一短です
  • エコキュート… 断水時にタンクの水を取り出せます(生活用水として)。ただし停電すると沸かせません
  • エコジョーズ… 停電すると使えませんが、ガスと水が生きていれば復電後すぐに使えます

こう選ぶと失敗しにくい

あなたの状況おすすめ
マンションに住んでいるエコジョーズ(エコキュートは基本的に置けない)
給湯器が壊れて急いでいるエコジョーズ(エコキュートは基礎工事で工期が伸びます)
初期費用を抑えたいエコジョーズ
プロパン地域で、置き場所があるエコキュート(回収しやすい)
太陽光発電があるエコキュート(昼間の余剰電力を使えます)
すでにオール電化で、電気温水器があるエコキュート撤去加算の対象になります)

見積もりの取り方

両方の見積もりを並べないと比べられません。ただし、得意な業者が違います。

エコジョーズ(ガス給湯器)なら

東京ガスの機器交換は、商品ページに工事費込みの総額が表示され、注文後に要望以外の追加費用が発生しない設計です。基本工事費には機器の取外し・処分費が含まれます。見積もりは無料で、写真を送るだけで金額が分かります。

エコキュートなら

エコキュートは基礎工事・200V電気工事・搬入経路が絡むので、現地を見てからでないと正確な金額が出ません。補助金の申請代行に対応しているかも確認してください。

よくある質問

Q. エコジョーズに国の補助金は使えませんか?
「給湯省エネ2026事業」の対象外です。同事業の対象はエコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファームの3種類だけです。ただし賃貸オーナー向けの別枠の制度はあります。自治体の独自補助も別ですので、お住まいの市区町村を確認してください。
Q. エコキュートならどれでも補助金が出ますか?
出ません。要件はインターネットに接続でき、翌日の天気予報に連動して昼間に沸き上げをシフトできる機能(またはおひさまエコキュート)です。タンク容量は要件ではありません。安い機種を選んで対象外だった、ということが起きます。
Q. マンションでエコキュートにできますか?
基本的にできません。貯湯タンクとヒートポンプの2台を地上に置く場所と基礎工事が必要で、共用部分の制約もあります。マンションならエコジョーズ一択と考えて問題ありません。
Q. 今壊れています。エコキュートにしたいのですが
急いでいるならエコジョーズを勧めます。エコキュートは基礎工事・200V電気工事・補助金の申請が絡むため、ガス給湯器のように即日・翻日とはいきません。お風呂のない生活を何日も続けるのは現実的ではありません。
Q. 何年で元が取れますか?
ご家庭の条件次第なので、一律の年数は出せません。電力プラン、都市ガスかプロパンか、家族人数で大きく変わります。初期費用の差20〜30万円を、ご自宅の実際の光熱費で割って判断してください。回収に10年以上かかるなら、機器の寿命と同じ長さです。

まとめ

  • 初期費用はエコキュートが2〜3倍(エコジョーズ15〜20万円、エコキュート35〜49万円)
  • 国の補助金はエコキュート・ハイブリッド・エネファームの3種だけ。エコジョーズは対象外
  • エコキュートの補助は基本7万円+性能加算3万円で機器分最大10万円。要件は沸き上げシフト機能
  • 設置スペースがなければ費用の話になりません。マンションは基本的にエコジョーズ一択
  • 壊れて急いでいるならエコジョーズ。エコキュートは工期が伸びます
  • プロパン地域・太陽光あり・電気温水器からの切替なら、エコキュートが有利
回収年数の計算より先に、置き場所を見てください。多くの家庭はそこで結論が出ます。

あわせて読みたい