クーリングオフのはがきに書き入れる項目は7つです|内容証明は、はがきでは出せません
この記事を読むと分かること
- ★はがきに書き入れる項目は7つで、国民生活センターが記載例を公開していること
- ★内容証明は、はがきでは出せないこと(第一種郵便物だけが対象)
- ★クレジット契約なら、クレジット会社あての書面を出した時点で販売契約も解除されたとみなされること
- ★効力が生じるのは「届いた時」ではなく「発した時」であること
クーリング・オフの通知は、自分で書けます。決まった様式の用紙も、専門家への依頼も要りません。はがき1枚で足ります。
この記事は、国民生活センター「クーリング・オフ」(2022年6月1日更新)、消費者庁「特定商取引法ガイド」および「特定商取引法における電磁的記録によるクーリング・オフに関するQ&A」、割賦販売法(e-Gov 法令データ)、日本郵便の料金表に書かれている内容だけを整理したものです(いずれも2026年9月7日取得)。
クーリングオフのはがきには何を書きますか
クーリング・オフのはがきに書き入れるのは、契約年月日・商品名・契約金額・販売会社名・通知を発した日・自分の住所・氏名の7つです。残りは「通知書」という表題と、契約を解除する旨の一文だけです。国民生活センターが公開している記載例(販売会社あて)が、この形になっています。
| 書く項目 | 書く内容 | なぜ要るか |
|---|---|---|
| 表題 | 通知書 | 何の書面かを示す |
| 本文 | 次の契約を解除します。 | 解除の意思を示す |
| 契約年月日 | 契約した日 | 事業者が対象の契約を特定するため |
| 商品名 | 買ったもの・受けた役務の名前 | 同上 |
| 契約金額 | 契約した金額 | 同上 |
| 販売会社 | 契約した会社の名前 | 同上 |
| 求めること | 支払った代金◯◯円を返金し、商品を引き取ってください。 | 代金の返還と商品の引取りを求める |
| 通知を発した日 | はがきを出す日 | 期間内に発したことを示す |
| 自分の住所・氏名 | 契約者本人のもの | 誰からの通知かを示す |
※ 国民生活センター「クーリング・オフ」の通知はがき記載例(販売会社あて)の内容による(2026年9月7日取得)。
★様式は決まっていません
消費者庁と国民生活センターが求めているのは、事業者が対象となる契約を特定するために必要な情報(契約年月日、契約者名、購入商品名、契約金額等)と、クーリング・オフの通知を発した日が書かれていることです。
専用の書式も、市販の用紙も必要ありません。手書きでかまいません。
誰あてに出せばいいですか
販売会社の代表者あてに出します。国民生活センターは、はがきを「代表者あてに送付」するよう案内しています。担当者の個人名ではありません。
そして、クレジット契約をしている場合は、販売会社とクレジット会社に同時に通知します。これも国民生活センターの案内です。クレジット会社あての記載例では、契約年月日・商品名・契約金額・販売会社に加えて、クレジット会社の名前も書く形になっています。
自宅に来た業者に買い取られた場合(訪問購入)は、買取業者あてに出します。すでに商品を引き渡しているときは、「引き渡し済みの商品◯◯を返還してください。」を追記する例が示されています。
クレジットで契約したときは、クレジット会社あての1枚が効きます
個別クレジット(その場で申し込む分割払いの契約)では、クレジット会社あての書面を発した時に、販売契約のほうも解除されたものとみなされます。割賦販売法第35条の3の10第5項が、そう定めています。
| 条項 | 定めている内容 |
|---|---|
| 第1項 | 書面により、申込みの撤回等を行うことができる。期間は、個別クレジット契約の書面を受け取った日から起算して8日 |
| 第2項 | 書面を発した時に、その効力を生ずる |
| 第4項 | クレジット会社は書面を受領した時には、直ちに販売業者に通知しなければならない |
| 第5項 | 書面を発した時に、販売契約も解除されたものとみなす(本人が反対の意思を表示しているときを除く) |
| 第9項 | クレジット会社が受け取っている金銭は、速やかに返還しなければならない |
| 第10項 | 引き渡された商品の引取り費用は販売業者の負担 |
| 第11項 | 商品を使用していても、使用により得られた利益の支払を請求できない |
| 第14項 | 役務の提供で土地または建物その他の工作物の現状が変更されたときは、無償で原状回復に必要な措置を講ずるよう請求できる |
| 第15項 | これらに反する特約で消費者に不利なものは無効 |
※ 割賦販売法第35条の3の10(個別信用購入あつせん関係受領契約の申込みの撤回等)の条文による。e-Gov 法令データで2026年9月7日に取得。これは個別クレジットについての規定です。クレジットカードの分割払い(包括信用購入あつせん)の扱いは、本記事では確認していません。
★それでも、販売会社にも出しておくのが安全です
みなしの規定があっても、販売会社に直接伝わらなければ、工事の中止や商品の引取りの話が進みません。
国民生活センターも「販売会社とクレジット会社に同時に通知します」と案内しています。2枚出してください。
出す前にやることが2つあります
はがきの両面をコピーしてから、発信の記録が残る方法で出します。国民生活センターは、この2つをはがきで通知する場合の手順として示しています。
- 送付する前に、はがきの両面をコピーしておく
- 「特定記録郵便」または「簡易書留」など、発信の記録が残る方法で代表者あてに送付する
- コピーや送付の記録は一緒に保管する
保管の期間も示されています。送付の記録や関係書類は、少なくとも5年間保管してください。
どの送り方が、いくらかかりますか
はがきを特定記録で出す場合、合計295円です。通常はがきの85円に、特定記録の加算料金210円を足した額です(2026年9月7日時点の日本郵便の料金表)。
| 送り方 | 郵便料金 | 加算料金 | 合計 | 何が残るか |
|---|---|---|---|---|
| はがき+特定記録 | 85円 | +210円 | 295円 | 引受けの記録(受領証)。配達は郵便受箱へ入れる形で、受領印や署名は取らない |
| はがき+簡易書留 | 85円 | +350円 | 435円 | 引受けと配達の記録。賠償は原則として5万円までの実損額 |
| はがき+一般書留+配達証明 | 85円 | +480円 +350円 | 915円 | 配達したことの証明 |
| 内容証明(定形郵便50g以内・1枚)+一般書留 | 110円 | +480円 +480円 | 1,070円 | 文書の内容の証明。はがきでは出せない |
※ 郵便料金と加算料金は日本郵便の公式ページによる(2026年9月7日取得)。合計はその2つを足したもの。
★内容証明は、はがきでは出せません
日本郵便は、内容証明を利用できる郵便物として第一種郵便物(手紙)だけを挙げ、「はがき(第二種郵便物)でのご利用はできません」と明記しています。
内容証明には一般書留が必須で、2枚目以降は290円ずつ加算されます。
差出人は、差し出した日から5年以内に限り、差出郵便局に保存されている謄本の閲覧を請求できます(閲覧の料金は480円)。
配達証明も一般書留とする必要があり、差し出した後から請求する場合は480円になります。この場合は、発送後1年以内に、差し出した郵便局へ受領証を提示します。
メールやウェブフォームでもいいですか
2022年6月1日から、書面だけでなく電磁的記録でもクーリング・オフの通知ができます。消費者庁のQ&Aは、電子メールのほか、USBメモリ等の記録媒体、事業者が自社のウェブサイトに設けるクーリング・オフ専用フォームを例に挙げ、FAXも可能としています。
消費者側が気をつけることとして、同じQ&Aは次を挙げています。
- まず契約書を確認する。電磁的記録による通知先や具体的な通知方法の記載があれば、それを参照して通知する
- 書面と同じ情報を書く。契約年月日、契約者名、購入品名、契約金額等と、クーリング・オフの通知を発した日
- 証拠を残す。電子メールなら送信メールを保存、専用フォームなら画面のスクリーンショットを残す
★「メールでは受け付けない」は無効になり得ます
消費者庁のQ&Aは、事業者が一方的に通知の方法を不合理なものに限定すること——たとえば、電子メールでアポイントを取るような訪問販売でクーリング・オフを書面のみに限定する場合や、契約の際に連絡手段としてSNSを使っていたのにSNSでの通知を受け付けない場合——は、クーリング・オフの方法を制限する消費者に不利な特約に該当し、無効となるものと考えられる、としています(特定商取引法第9条第8項等)。
ただし、クレジット会社あては書面のほうが確実です。割賦販売法第35条の3の10第1項は「書面により、申込みの撤回等を行うことができる」と定めており、この条には電磁的記録による方法の記載が見当たりません(2026年9月7日にe-Govの条文で確認)。
期間は「届いた日」ではなく「出した日」で見ます
クーリング・オフの効力は、通知を発した時に生じます。割賦販売法第35条の3の10第2項は「申込みの撤回等は、前項本文の書面を発した時に、その効力を生ずる」と定めています。消費者庁も、書面の場合は特定記録郵便・書留・内容証明郵便等で行うことを薦めるにとどめており、相手に届いた日を基準にはしていません。
8日目に迷っているなら、その日のうちに出してしまうのが確実です。
数えはじめについても間違えやすい点があります。国民生活センターは、クーリング・オフ期間は「申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日」から起算するとしています。契約した日ではありません。さらに、書面の記載内容に不備があるときは、所定の期間を過ぎていてもクーリング・オフできる場合があります。
書き方が分からないときは、書く前に相談できます
クーリング・オフの通知は自分で行うことができます。そのうえで国民生活センターは、クーリング・オフができる取引かどうか不明なときや、書き方や手続き方法が分からないときは、悩まず、すぐに近くの消費生活センター等へ相談するよう案内しています。
窓口は、消費者ホットライン「188(いやや!)」番から案内されます。ただし相談は無料でも通話料は自己負担で、受付時間は窓口ごとに違います。
住宅設備では「点検」から入ってくる形が多い
訪問販売でクーリング・オフの対象になりやすいのは、点検を名目に入ってきて、その場で交換契約を持ちかける型です。当ブログで扱ってきた範囲では、給湯器・レンジフード・浴室乾燥機・食洗機・分電盤で同じ形が確認できます。
断ったあとで、本当に交換が必要だったら
はがきを出して契約が解けても、古い機器が古いままであることは変わりません。訪問してきた業者と正規のルートの決定的な違いは、こちらから声をかけて、こちらの都合で比べられるかどうかです。
給湯器・コンロ・レンジフード・浴室乾燥機・食洗機・トイレ・エアコンを一つの窓口で扱っています。急がされない場所で見積もりを取り直してください。
よくある質問
決まった様式の用紙は必要ですか
必要ありません。求められているのは、事業者が対象の契約を特定できる情報(契約年月日、契約者名、購入商品名、契約金額等)と、クーリング・オフの通知を発した日が書かれていることだけです。手書きのはがきでかまいません。なお内容証明で出す場合も、日本郵便は市販の内容証明用紙以外の用紙やコピーでもよいとしています(ただし謄本には字数・行数の制限があります)。
内容証明で出さないと無効ですか
いいえ。国民生活センターは「クーリング・オフは書面(はがき可)または電磁的記録で行います」としています。消費者庁も、後々のトラブルを避けるために特定記録郵便・書留・内容証明郵便等で行うことを薦めるという書き方です。内容証明は義務ではありません。
クレジット会社にも出す必要がありますか
国民生活センターは、販売会社とクレジット会社に同時に通知するよう案内しています。個別クレジットでは、クレジット会社あての書面を発した時に販売契約も解除されたものとみなす規定があります(割賦販売法第35条の3の10第5項)。ただしクレジットカードの分割払い(包括信用購入あつせん)の扱いは、本記事では確認していません。
事業者に「メールでは受け付けない」と言われました
消費者庁のQ&Aは、事業者が一方的に通知の方法を不合理なものに限定することは、消費者に不利な特約に該当し無効となるものと考えられる、としています。とはいえ争いになるより、記録の残る書面で出してしまうほうが早い場面もあります。判断に迷うときは消費生活センター等にご相談ください。
送った記録は、いつまで取っておきますか
国民生活センターは、送付の記録や関係書類を少なくとも5年間保管するよう求めています。はがきの両面のコピーと、郵便局で受け取る受領証をまとめて保管してください。
工事が終わってしまっていても出せますか
役務がすでに提供されていても、対価を支払う必要はないと定められています。個別クレジットでも、土地または建物その他の工作物の現状が変更されたときは、無償で原状回復に必要な措置を講ずるよう請求できるとされています(割賦販売法第35条の3の10第14項)。適用は契約の内容や個別の事情によります。実際の判断は消費生活センター等にご相談ください。
まとめ
- はがきに書くのは、表題(通知書)・解除する旨・契約年月日・商品名・契約金額・販売会社・求めること・発信日・自分の住所と氏名
- 様式は決まっていない。手書きのはがきでよい
- あて先は販売会社の代表者。クレジット契約なら、販売会社とクレジット会社の両方へ
- 個別クレジットでは、クレジット会社あての書面を発した時に、販売契約も解除されたものとみなされる
- 出す前に両面をコピーし、特定記録郵便や簡易書留など発信の記録が残る方法で出す
- はがき+特定記録なら合計295円(85円+210円)。簡易書留なら435円
- ★内容証明は、はがきでは出せない。第一種郵便物のみで、一般書留が必須。定形50g以内1枚なら合計1,070円
- メール・FAX・専用フォームでも通知できる(2022年6月1日から)。ただしクレジット会社あては書面が確実
- 効力が生じるのは「発した時」。8日目でもその日のうちに出せばよい
- 記録は少なくとも5年間保管
- 迷ったら消費者ホットライン「188」
※ 本記事の記載事項・手続き・保管期間は国民生活センター「クーリング・オフ」(2022年6月1日更新)、通知方法と電磁的記録の扱いは消費者庁「特定商取引法ガイド」および「特定商取引法における電磁的記録によるクーリング・オフに関するQ&A」、条文は割賦販売法(e-Gov 法令データ)、郵便料金は日本郵便の公式ページによります(いずれも2026年9月7日取得)。法令や制度の適用は、契約の内容や個別の事情によります。実際の判断は、お住まいの消費生活センター等にご相談ください。