ツメダニに刺された跡は、服で隠れる場所に出ます|首や手足だけなら、犯人は別の虫です

この記事を読むと分かること
  • ツメダニに刺された跡が出るのは、脇の下・お腹・お尻・太ももなど、服で隠れる場所であること
  • 首や手足だけを刺されているなら、ツメダニではないこと
  • 「新しい畳」も「1〜2日後のかゆみ」も、別の虫と条件が重なること。分かれるのは部位であること
「これはツメダニに刺された跡だろうか」と、写真を探して見比べている方が多いようです。
先に書いておきます。跡の見た目だけでは、どの虫かを確定できません。皮膚の反応には個人差があり、同じ虫に刺されても、赤いだけの人と大きく腫れる人がいます。
そのかわり、刺された「場所」は虫ごとにはっきり分かれます。自治体が公開している判別表も、症状ではなく部位と状況を手がかりにしています。この記事では、岐阜県・豊島区・埼玉県・新宿区・東京都の公表内容をもとに、部位からどの虫かを絞る手順を整理します。

ツメダニに刺された跡は、どこに出ますか

ツメダニに刺された跡は、脇の下・お腹・お尻・太ももなど、服で隠れる皮膚のやわらかい場所に出ます。刺されてから1〜2日後に赤みとかゆみが出るため、刺された瞬間の自覚はありません。
※ 部位は岐阜県生活衛生課、症状の出方は埼玉県衛生研究所の公表内容に基づく(2026年9月6日時点で確認)。
岐阜県生活衛生課は「何の虫に刺されたか」という判別表を公開しています。屋内で刺された場合だけを抜き出すと、こうなります。
いつ・どこで刺されたところ症状刺されたときの状況
居住場所脇の下、腹、尻、太腿部痒みと発赤畳が比較的新しい/ネズミがいる/ニワトリや小鳥を飼っているダニ
居住場所首、手足等の露出部刺されてから1〜2日後にしつこい痒み畳が比較的新しいアリガタバチ
寝室(寝ている時)首、手足等の露出部痒みと発赤ブーンという飛び回る音を聞いた
寝室(夜間)首、手足等の露出部激しい痒み床板、壁の割れ目に血糞が付いているトコジラミ
知らないうちに長期間の痒みと発赤ネコを飼っているノミ
※ 岐阜県生活衛生課「何の虫に刺されたか」の記載に基づく(2026年9月6日時点で確認)。
2列目を見てください。屋内で人を刺す虫のうち、服で隠れる部分を刺すのはダニだけです。ほかはすべて「首、手足等の露出部」か「足」になっています。
埼玉県衛生研究所は、ツメダニをこう説明しています。
「体長0.3〜0.6mm程度で大きな爪のある顎体部を持ち、屋内でヒョウヒダニ類やチャタテムシやコナダニ類を摂食しています。人の皮膚に触れると偶発的に刺し、刺されると1〜2日後に赤み、痒みが出ます
※ 埼玉県衛生研究所「ダニのなかま」の記載に基づく(掲載日2025年1月9日/2026年9月6日時点で確認)。
「偶発的に刺し」とあるとおり、ツメダニは血を吸いに来ているわけではありません。本来の餌は他のダニやチャタテムシで、人を刺すのは事故です。だから跡が規則正しく並ぶこともありません。
姿は見えません
東京都健康安全研究センターは、マダニの説明の中で「アレルギーの原因となるチリダニ(0.3〜0.4mm)や、夏場に室内で刺されて痒くなるツメダニ(0.3mm)などとは違い、肉眼で見ることができます」と書いています。
裏を返すと、ツメダニは肉眼では見えません。「虫が見当たらないから気のせいだ」とはなりません。
※ 東京都健康安全研究センターの公表内容に基づく(2026年9月6日時点で確認)。

首や手足だけを刺されているなら、ツメダニではありません

跡が首・手首・足首・ふくらはぎといった、服から出ている部分にだけ出ているなら、ツメダニは外して構いません。岐阜県の表で「露出部」に並ぶのは、カ・アリガタバチ・トコジラミ・ムカデです。
そして、ここからが間違えられやすいところです。

新しい畳で人を刺すのは、ツメダニだけではありません

「畳が新しい」も「1〜2日後にかゆくなる」も、ツメダニだけの特徴ではありません。シバンムシアリガタバチという小さなハチが、まったく同じ条件で人を刺します。
豊島区は、ツメダニの発生しやすい条件に「比較的新しい畳(特に新築や畳入れ替え2年目に多い)」を挙げています。ところが同じ豊島区の、シバンムシアリガタバチのページにも「新しい2年目の畳は要注意です」とあります。
ツメダニシバンムシアリガタバチ
正体ダニ(体長0.3〜0.6mm)ハチ(体長2mm前後)
刺される部位脇の下・腹・尻・太腿部(服で隠れる場所)首・手足などの露出部
刺されたとき気づかないチクッとした痛みがある
症状の出方1〜2日後に赤み・痒み刺されてから1〜2日後にしつこい痒み
続く期間記載を確認できず赤いはれとかゆみが1週間から10日間続く
畳の条件新築や畳入れ替え2年目に多い新しい2年目の畳は要注意
なぜ増えたか餌のダニ・チャタテムシが増えた畳のタバコシバンムシに寄生して増えた
※ ツメダニは豊島区・埼玉県衛生研究所、アリガタバチは新宿区・豊島区・岐阜県生活衛生課の公表内容に基づく(いずれも2026年9月6日時点で確認)。
時間差では分かれません。どちらも1〜2日後です。分かれるのは、部位と、刺された瞬間の痛みの有無だけでした。
新宿区は、アリガタバチについて「刺されるとチクッとした痛みがあり、赤いはれとかゆみが1週間から10日間続きます」「被害は、夜間に多く、知らぬ間に刺されていることが多いようです」としています。
チクッとした痛みに覚えがあり、跡が首や腕に出ていて、1週間たっても引かない。そろっているなら、ダニではなくハチのほうです。
やるべきことも変わります。新宿区は「アリガタバチが寄生するシバンムシ類を駆除します。また、発生源の食品類を処分することや、タタミの場合には加熱乾燥すると効果的です」としています。ハチを叩いても止まりません。宿主のほうを断つ必要があります。

ひざから下ばかりなら、ノミです

豊島区は、ネコノミについて決定的なことを書いています。
ネコノミの成虫は30センチメートルくらいジャンプしますので、主にひざ下が多く刺されます
跳べる高さが決まっているので、部位がそのまま証拠になります。岐阜県の表でも、ノミの欄は刺されるところが「足」、状況が「ネコを飼っている」です。
犬や猫を飼っている、野良猫が床下に入る、以前ペットを飼っていた。このどれかに当てはまってひざ下ばかり刺されているなら、ダニよりノミを先に疑ってください。
豊島区は掃除の仕方まで書いています。「ひざから下の高さの埃(ゴミ)を徹底的に吸い取ってください」
※ 豊島区の公表内容に基づく(2026年9月6日時点で確認)。

寝室で、割れ目に黒い点があるならトコジラミです

岐阜県の表は、トコジラミの欄だけ状況の書き方が違います。「床板、壁の割れ目に血糞が付いている」。症状ではなく、部屋に残る痕跡で見分けています。
寝ている間に露出部を激しく刺され、ベッドのすき間や壁の割れ目に黒い点々が付いているなら、ダニではありません。トコジラミはダニですらなく、カメムシの仲間です。対処もまったく違います。

跡の写真では確定できません

ここははっきり書いておきます。
自治体の判別表は、どれも部位・時期・状況で組み立てられていて、跡の見た目そのものでは分けていません。岐阜県の表にも「痒みと発赤」「激しい痒み」といった程度の記述しかなく、形や色で区別する欄はありません。
理由は単純で、皮膚の反応が人によって違うからです。同じ虫でも、赤い点だけで済む人と、水ぶくれになる人がいます。画像検索で似た写真を見つけても、それは確定にはなりません。
岐阜県も「痛みがとれない場合等は、早めに医療機関に相談してください」としています。跡がひどい、広がる、化膿している場合は、虫の特定より先に皮膚科です。
この記事で絞れるのは「どこを探すか」までです。そのうえで、探す場所が分かれば十分に打ち手は変わります。

ツメダニだったなら、殺しても止まりません

埼玉県衛生研究所は、対策をこう書いています。
「ツメダニ刺症が起こる場所(タタミ、じゅうたん、寝具など)の湿度を下げ、クリーニングを行うことでツメダニを減らします。さらに捕食するヒョウヒダニ類やコナダニ類を減らしていくことが必要です
豊島区も同じで、「ツメダニの発生を防ぐには、ツメダニの餌となるチャタテムシや他のダニなどを減らすことです」としています。
ツメダニに効く薬を探すより、餌を減らすほうが早いということです。
豊島区が挙げているツメダニの発生条件は6つです。
  • 掃除をしない部屋
  • 畳の上にジュウタンやゴザ等を敷いている
  • 比較的新しい畳(特に新築や畳入れ替え2年目に多い)
  • 通気が悪い部屋(閉め切っている部屋)
  • 殆ど使用しない部屋
  • 夏の暑い時期に旅行などで部屋を空けた時
※ 豊島区「室内で問題となるダニ」の記載に基づく(更新日2025年9月2日/2026年9月6日時点で確認)。
6つのうち「畳の上に敷物を重ねている」と「留守にした」は、今日から戻せます。畳とじゅうたんの間は乾きません。まずそこを開けてください。
餌になっている側の虫は、それぞれ発生源が違います。
刺しているのがツメダニ以外のダニだった場合は、原因の断ち方がまるごと変わります。イエダニならネズミ、トリサシダニなら鳥の巣です。

やることの順番

跡が出ている場所まず疑うもの最初にやること
脇の下・お腹・お尻・太もも(服で隠れる場所)ツメダニ畳の上の敷物をやめる。湿度を下げて掃除機。餌のダニを減らす
首や腕などの露出部。刺された瞬間チクッとしたシバンムシアリガタバチ畳と乾物の発生源を探す。ハチではなく宿主を断つ
ひざから下ばかりノミひざ下の高さのほこりを徹底的に吸い取る
寝室で、すき間や割れ目に黒い点があるトコジラミ燻煙剤を使う前に相談する(散らばります)
脇の下・内腿・お腹。天井裏に物音がするイエダニネズミのほうを断つ
刺されていないのに咳や鼻炎があるチリダニ(刺さない)寝具を乾燥機にかけ、そのあと掃除機をかける

相談先

餌になっている虫、天井裏のネズミ、畳の中のシバンムシ。そこまで届かないと、刺されるのは止まりません。発生源に自分でたどり着けないなら、調べてもらうほうが早いです。
害虫駆除110番は、東証上場のシェアリングテクノロジー株式会社(証券コード3989)が運営する紹介サービスです。ダニ・ノミの駆除に対応しており、日本全国・24時間365日受付です。現地で無料の見積もりを作成し、作業日が確定するまではキャンセルできるとされています。ただし公式サイトには、対応エリア・加盟店・現場状況によっては、調査・見積りに費用がかかる場合があるとも書かれています。「必ず無料」ではありません。
※ 対応範囲・受付時間・見積もりの条件は害虫駆除110番の公式サイトの公表内容に基づきます(2026年8月31日時点・編集部調べ)。
同じ会社が、ダニ・ノミ・トコジラミに対象を絞った窓口も出しています。衛生害虫110番です。どの虫か分からない段階なら、こちらのほうが話が早いかもしれません。
料金の目安について、同社が運営する生活110番の公式サイトは、ダニ・ノミ・トコジラミ駆除を20,000円〜(税込)と表示しています。内訳はダニ駆除22,000円〜/ノミ駆除25,850円〜/トコジラミ駆除20,000円〜(いずれも税込)です。
ただし、実際の事例はこの金額では収まっていません。同じサイトに載っている施工事例です。
事例金額
住宅内のダニ駆除(松山市)33,000円
倉庫内のダニ駆除(川崎市高津区)30,000円
お座敷のノミ駆除(大分市)27,000円
自宅のダニ調査(浦安市)60,000円
ベッドのトコジラミ駆除(市川市)154,545円
虫さされの調査と駆除(横浜市中区)186,000円
※ 生活110番の公式サイトの表示に基づく(2026年9月6日時点で確認)。加盟店・現場状況により記載どおりの対応ができない場合があると注記されています。
「2万円で終わる」と思って呼ぶと、話が合いません。発生源の調査が入るか、範囲が広いかで大きく変わります。見積もりだけの依頼も受け付けているとされているので、金額を先に確かめてください。
保健所は無料で相談に応じています。豊島区もダニについて「詳しくは保健所に相談しましょう」としています。まずそちらでも構いません。

よくある質問

刺された跡が1週間以上かゆいのですが、ツメダニですか

部位を見てください。新宿区は、シバンムシアリガタバチに刺されると「赤いはれとかゆみが1週間から10日間続きます」としています。跡が首や腕などの露出部にあり、刺された瞬間にチクッとした痛みがあったなら、ダニではなくハチのほうが疑わしいです。跡が服で隠れる部分に出ているなら、ダニ側で考えます。

畳にダニ用のスプレーをまいたのに、また刺されました

ツメダニの餌が残っているからです。埼玉県衛生研究所は、ツメダニ対策として「捕食するヒョウヒダニ類やコナダニ類を減らしていくことが必要です」としています。豊島区も「ツメダニの餌となるチャタテムシや他のダニなどを減らすこと」が先だとしています。刺す側だけを叩いても、餌がある限り戻ってきます。

新築なのにダニが出るのはおかしいですか

おかしくありません。豊島区はツメダニの発生条件に「比較的新しい畳(特に新築や畳入れ替え2年目に多い)」を挙げています。古い家だから虫が湧く、という理解は逆です。畳の上にじゅうたんやゴザを敷いていると、さらに条件がそろいます。

ツメダニは布団にもいますか

います。埼玉県衛生研究所は、ツメダニ刺症が起こる場所として「タタミ、じゅうたん、寝具など」を挙げています。畳の部屋でなくても起こります。対策は同じで、湿度を下げ、クリーニングを行い、餌になるダニを減らすことです。

何科を受診すればいいですか

皮膚科です。岐阜県は判別表の末尾に「痛みがとれない場合等は、早めに医療機関に相談してください」と添えています。跡が広がる、化膿している、痛みが強いときは、虫の特定より受診が先です。この記事の判別は、あくまで発生源を探すためのものです。

まとめ

  • ★ツメダニに刺された跡は、脇の下・腹・尻・太腿部など、服で隠れる場所に出る(岐阜県)
  • 屋内で刺す虫のうち、覆われた部分を刺すのはダニだけ。ほかは首・手足などの露出部
  • ★「新しい畳」も「1〜2日後」も、シバンムシアリガタバチと重なる。分かれるのは部位と、刺された瞬間の痛みの有無
  • ひざから下ばかりならノミ。ネコノミは30cmしか跳べない(豊島区)
  • 割れ目に黒い点があるならトコジラミ(岐阜県)。ダニではなくカメムシの仲間
  • ★跡の写真では確定できない。自治体の判別表も見た目では分けていない
  • ツメダニは殺しても止まらない。餌のチャタテムシ・コナダニを減らすほうが先。畳の上の敷物と、夏の長期不在は、今日から戻せる
※ 本記事の判別表は岐阜県生活衛生課「何の虫に刺されたか」、ツメダニ・イエダニ・ネコノミの生態と発生条件は豊島区、各種の体長・症状・対策は埼玉県衛生研究所「ダニのなかま」、シバンムシアリガタバチは新宿区、ツメダニの大きさは東京都健康安全研究センターの公表内容に基づきます(いずれも2026年9月6日時点で確認)。症状が強い場合や長く続く場合は、自己判断せず皮膚科などの医療機関を受診してください。