ガス衣類乾燥機と電気式の違い|乾くのは速いが、工事が要る。メーカーが公表している数値で並べました

この記事を読むと分かること
  • ガス式と電気式の乾かし方そのものが違うこと
  • メーカーとガス会社が公表している乾燥時間とコストの実数
  • 仕上がりと生乾き臭についての試験機関名付きの根拠
  • ガス式の最大の弱点(ここを見ないと失敗します)
衣類乾燥機を調べると、ガス式(乾太くん)と電気式(ドラム式洗濯乾燥機など)のどちらにするかで必ず迷います。
この記事では、メーカーとガス会社が試験条件つきで公表している数値だけを並べます。メーカーが出していない数値は推定しません。
先に結論だけ
  • ガス式は外に湿気を捨てる、電気式は中で水に戻して排水する。この違いが速さに出ます
  • 乾燥時間は5kgで約52分(東邦ガス)、6kgで約60分(大阪ガス)
  • コストは1回約62円(東邦ガス)、5kgで約40円(大阪ガス)
  • ガス式の弱点は、排湿管・ガス栓・電源の3つが必要なこと。電気式は工事が要りません
  • 選び目は性能より「工事ができる家かどうか」

1. 乾かし方そのものが違います

ガス式(乾太くん)電気式
熱源ガスの燃焼ヒートポンプまたは電気ヒーター
湿気の行き先排湿管で屋外へ出す機内で水に戻して排水
設置工事必要(排湿管・ガス栓・電源)不要(洗濯機と兼用の場合)
洗濯機との関係別の機器として追加洗濯乾燥機なら一体
この「湿気の行き先」が、速さと工事の両方を決めています。
ガス式は湿った空気をそのまま外へ逃がすので速い一方、壁に穴を開けて排湿管を通す工事が必ず付いてきます。

2. 乾燥時間(各社の公表値)

出典洗濯物の量乾燥時間
東邦ガス5kg約52分(電気ヒートポンプ式より約90分短い)
大阪ガス6kg約60分(電気式の約3分の1
※ 東邦ガスは RDT-54S(A)-SV(ガス消費量4.65kWタイプ)のリンナイ実測データにもとづく試算。電気ヒートポンプ式はドラム式洗濯乾燥機(定格消費電力1.19kWタイプ)で測定。2026年9月3日確認。
この2つは条件が違うので、直接は比べられません。どちらも「電気式より大幅に短い」という点では一致しています。
リンナイのカタログでも、比較対象は「電気ヒートポンプ式全自動洗濯乾燥機」と「電気ヒーター式全自動洗濯乾燥機」と明記されています(試験実施:リンナイ・標準コース・ガス種LPG)。

3. 1回あたりのコスト

出典条件コスト
東邦ガス1回約62円(エココースなら約46円
大阪ガス5kg約40円。毎日使って1か月約1,200円
※ 東邦ガスの試算条件:ガス料金は東邦ガス一般ガス供給約款B(2026年4月時点)、電気料金は中部電力ミライズ従量電灯B。ガス料金は地域と契約で変わるので、この金額がそのまま当てはまるわけではありません。とくにプロパンガスと都市ガスでは単価が大きく違います。
電気式側の数値は、ここでは出しません
ガス会社もリンナイも、自社機の数値と「電気式との差」は出していますが、電気式単体のコストは公表していません。
ここで推定値を並べると、条件の違う数字を並べて比較したことになるのでやめておきます。
電気代を知りたい場合は、検討中のドラム式洗濯乾燥機のカタログにある「乾燥時の消費電力量」を、契約している電力単価で掛けてください。それがいちばん確かです。

4. 仕上がりと生乾き臭

ここは試験機関名が公表されているので、根拠をたどれます。

ふんわり感

リンナイはバスタオルを折りたたんだ状態の高さを、天日干し・全自動洗濯乾燥機(ヒーター式)・乾太くんの3つで比較しています(リンナイ調べ)。
理屈は「ガスの強い温風で繊維が根元から立ち上がる」というもので、天日干しは「繊維が寝たまま乾燥するのでふんわり感は少ない」と説明されています。

生乾き臭

原因菌はモラクセラ菌(モラクセラ・オスロエンシス)と名指しされています。
  • 菌の減少率 99.9%
  • 試験機関:愛知学院大学薬学部
  • 試験方法:菌付着布の生菌数測定。緩衝液中で菌を洗い出し、寒天平板にて培養
カタログには「外干しや日光消毒でも除去できないニオイさえ、取り除きます」とあります。

除菌・花粉

上位機に搭載されるプラズマクラスターの除菌試験は、試験機関が名古屋市立大学大学院医学研究科。このほか花粉ケアコース(ドラム回転と送風で花粉を落とす)、ドラム除菌運転(試験機関:愛知学院大学薬学部)があります。
※ いずれもメーカーの試験条件下の結果です。すべての菌を除菌できるわけではありませんとカタログにも明記されています。

5. ガス式の弱点は「工事」です

ここが選び目です。性能の話ではありません。
ガス式の設置には排湿管・ガス栓・電源コンセントの3つが必要で、屋内設置なら屋外に面した壁を貫通させる工事になります。
洗面所が家の中央にあって外壁に面していない場合、そもそも置けません。マンションでは管理規約も関わってきます。
一方、ドラム式洗濯乾燥機なら洗濯機を買い替えるだけで済み、工事は不要です。賃貲で壁に穴を開けられない方もこちらになります。
選び方はこの順番でどうぞ
  1. 洗面所が外壁に面していますか?→ いいえなら電気式
  1. ガス栓があるか、増設できますか?→ できなければ電気式
  1. 本体を置く場所(洗濯機の上または横)がありますか?
  1. ここまで全部Yesなら、速さと仕上がりでガス式が有利
逆に、性能だけ見て決めてから工事ができないと分かるのが、いちばんもったいないパターンです。

6. 両方使うという選択肢もあります

意外と見落とされますが、乾太くんは洗濯機とは別の機器です。つまり、
  • 洗濯は今の縦型洗濯機のまま
  • 乾燥だけ乾太くん
という使い方ができます。リンナイのカタログでも「1回目の洗濯物を乾かしながら、2回目の洗濯ができます」と、洗濯と乾燥を並行できる点を利点として挙げています。
ドラム式洗濯乾燥機は1台で順番にやるので、この並行はできません。洗濯回数が多い家には、ここが効いてきます。

7. ガス式を選ぶなら

乾太くんの設置はガス栓の増設壁の貫通を伴います。ガス配管まで含めて一度に相談できるという点で、ガス会社は相性のよい窓口です。関東の方は東京ガスで乾太くんの相談ができ、見積もりは無料です。
「そもそもうちに置けるのか」を先に見てもらうのが、この機器では最短ルートです。
※ 東京ガスのオンライン専用サービス「機器交換」の商品ラインアップに、ガス衣類乾燥機は含まれていません。相談はサービスサイトの窓口からになります。

まとめ

  • 違いの根っこは湿気を外に捨てるか、中で水に戻すか
  • 乾燥時間は5kgで約52分(東邦ガス)、6kgで約60分(大阪ガス)
  • コストは1回約62円5kg約40円。ただしガス料金は地域と契約で変わります
  • 生乾き臭の原因菌はモラクセラ菌。減少率99.9%(愛知学院大学薬学部
  • 電気式単体のコストはどこも公表していません。比べるなら検討中の機種の消費電力量×契約単価で
  • 決め手は性能ではなく、排湿管・ガス栓・電源の3つが用意できるか

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※ 本記事の数値は2026年9月3日にメーカー及びガス会社の公式資料で確認したものです。いずれも各社の試験・試算条件下の値で、ご使用の環境や機器によって結果は変わります。また当サイトはアフィリエイトリンクを含む媒体です。