不動産投資の融資限度額を年収・属性別に解説|審査基準と属性判断のコツ

この記事を読むと分かること
  • 融資限度額の考え方(年収・属性別の目安)
  • 融資可能額を左右する審査ポイント
  • 属性を消耗させないための進め方

融資限度額を「年収の何倍」と公表している金融機関はありません

不動産投資の融資限度額を調べると「年収の10倍」「年収の20倍まで」といった目安が並びます。しかし、この記事で公式サイトを確認した範囲(2026年9月20日時点)では、年収を基準にした限度額を公表している金融機関は1社もありませんでした。公表されているのは、借入金額の上限と下限、借入期間、申込時と完済時の年齢、対象になる物件のエリアと条件です。
つまり、自分の限度額を先に知る方法はありません。代わりにできるのは、公表されている条件に自分と物件が当てはまるかを1つずつ確かめることです。ここが合わないまま申し込むと、年収がいくらでも通りません。

公表されている借入金額の上限と下限

主な4社が公式サイトで公表している条件です。金利は変動しますので、必ず各社の最新の表示を確認してください。
金融機関・商品借入金額借入期間金利(表示時点)
オリックス銀行 不動産投資ローン2,000万円以上2億円以下1年以上35年以下変動 年2.425%〜年4.425%(2026年9月1日現在)
三井住友銀行 直担アパートローン200万円以上(上限額の記載なし)1年以上最長35年以内非公表。窓口に問い合わせる形
セゾンファンデックス 不動産投資ローン500万円〜5億円5年〜30年変動 年4.4%〜年5.2%(団信なし・2026年5月時点)
静岡銀行 しずぎんフリーローン(不動産担保型・不動産関連コース)100万円以上1億円未満1年以上35年以内年3.70%/4.50%/4.90%/5.40%(2026年8月3日現在)
出典はいずれも各社の公式サイトです。オリックス銀行とセゾンファンデックスは2026年9月20日、三井住友銀行は2026年9月6日、静岡銀行は2026年9月14日に確認しました。

下限に届かない買い方は、審査に進む前に外れます

上の表でまず見てほしいのは、上限ではなく下限です。
オリックス銀行の不動産投資ローンは借入金額が2,000万円以上です。価格の安い築古の区分を1戸だけ買うつもりなら、属性がどれほど良くても、その商品では土俵に乗りません。逆に、セゾンファンデックスは500万円から、三井住友銀行の直担アパートローンは200万円から借りられます。
静岡銀行のしずぎんフリーローン(不動産担保型)はさらに注意が要ります。不動産関連コースの資金使途に賃貸用不動産のリフォーム資金は入っていますが、「賃貸用不動産の購入資金および借替資金にはご利用いただけません」と明記されています。同行の場合、賃貸用の購入資金は個人向けローンではなく事業性資金の窓口になります。
「断られた」と感じている人の一部は、属性ではなく、金額か資金使途で商品の要件から外れています。ここは申し込む前に自分で確かめられます。

年収について公式が書いているのは「安定した収入」だけ

申込者の条件として各社が公表しているのは、ほぼ年齢だけです。
  • オリックス銀行…借入期間は最長35年、最終返済時85歳未満
  • セゾンファンデックス…申込時満20歳以上70歳以下、完済時85歳未満、安定した収入のある方
  • 三井住友銀行…借入時満18歳以上の個人。団信は借入時満18歳から満70歳の誕生日まで、完済時満80歳まで
年収の下限は、4社とも公表していません。他サイトでよく見る「年収800万円から1,000万円以上が目安」という数字は、三井住友銀行の公式サイトには記載がありませんでした(2026年9月6日確認)。同じく「資産負債比60%以内」といった独自指標も公式には見当たりません。
年収別の限度額の表が作れないのは、元になる数字が公表されていないからです。年収別の目安を載せているページを見たときは、出典と時点が書いてあるかを確かめてください。

限度額を動かすのは、属性より先に「物件」です

公表条件のうち、いちばん細かく書かれているのは物件側です。
オリックス銀行は、借入対象不動産を原則として首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市の居住用不動産としています。札幌市、仙台市、高崎市、前橋市、水戸市、つくば市、宇都宮市、浜松市、岐阜市、北九州市、久留米市、熊本市は、アパート1棟に限り取り扱える場合があるという扱いです。マンションの場合は専有面積40平方メートル以上という条件も付きます。
セゾンファンデックスは首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城)と近畿圏(大阪・兵庫・京都・奈良・滋賀)のうち同社が定めるエリアで、申し込みの前にエリアチェックがあります。三井住友銀行は「担保物件の評価により制限あり」と書いています。
エリアや面積の条件から外れている物件は、年収を上げても、自己資金を増やしても通りません。物件を探す前にエリアの条件を見ておくと、無駄な申し込みが減ります。

「耐用年数マイナス経過年数」は一般則ではありません

築古物件の融資では「木造なら40年から経過年数を引いた年数までしか期間が出ない」という説明をよく見ます。この式を公表している金融機関は、今回確認した中にはありませんでした。
むしろオリックス銀行は、公式サイトの対応実績(CASE01)として「このケースにおける購入不動産の法定耐用年数は22年でしたが、当社では少ない自己資金でも期間35年の融資を実行しました」と書いています(2026年9月20日確認)。同社は同時に「借入期間は、借入対象不動産の構造・築年数によって、一部制限があります」とも書いており、制限があること自体は事実です。
確かなのは、制限の中身が公表されていないということだけです。築年数を理由に自分で候補を外す前に、対象エリアと金額の下限を満たしているかを先に見てください。

属性を消耗させないための進め方

申し込みは無料ですが、記録は残ります。
銀行のローンは全国銀行個人信用情報センターに登録されます。同センターの公表によると、照会記録情報(会員がセンターを利用した日、申し込みや契約の内容など)の登録期間は、利用日から会員への提供が6か月を超えない期間、本人開示の対象は1年を超えない期間です。取引情報は契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間です(2026年9月20日確認)。
信販会社系のローンはCIC(株式会社シー・アイ・シー)に登録されます。CICの保有期間は、申込情報が照会日より6ヶ月間、利用記録が利用日より6ヶ月間、クレジット情報が契約期間中および契約終了後5年以内です(2026年9月20日確認)。
つまり、同じ時期に何社も申し込むと、後から審査する金融機関には「他でも申し込んでいる」という事実が半年間見えます。手当たり次第に出すのではなく、金額の下限・資金使途・物件のエリアと面積という公表条件で絞り、残った先にだけ出すほうが結果的に早く進みます。
共同担保を使った融資の考え方は、【不動産投資】共同担保を活用した融資戦略と対応銀行の選び方で扱っています。
個人の属性で難しいときの選択肢として、法人名義があります。オリックス銀行は対応実績(CASE03)で、代表者や出資者を連帯債務者とすることで資産管理会社を借主とする融資を実行したこと、資産管理会社も融資期間や団体信用生命保険への加入を含めて個人と同等の借入条件で利用できることを公表しています。セゾンファンデックスも法人名義での契約が可能だと明記しています(いずれも2026年9月20日確認)。

まとめ

  • 年収から限度額を逆算する公式の基準はありません。公表されているのは金額の上下限・期間・年齢・物件の条件です
  • 先に見るべきは上限ではなく下限と資金使途です。金額や使いみちで外れていれば、属性に関係なく通りません
  • 申し込みの記録は6か月残ります。公表条件で絞ってから、出す先を決めてください

不動産投資を考えている人向け

わたしも日々学びながら不動産投資に取り組んでいます。ちゃんと勉強せずにいきなり物件探しをしてしまう人が意外と多いのですが、何千万円・何億円というお金を動かす投資方法です。誤った方法で取り組むと、ご自身の貴重な属性を消耗して拡大できなくなるだけでなく、多額の負債を背負ってしまう可能性もあります。まずは落ち着いて基礎的な知識から習得してみてください。 Financial Academyが開催している不動産投資スクールはその候補の一つです。これまでに80万人超が受講していて実績も豊富で安心できる講座です。 体験セミナーは無料ですので、迷ったらまず受講してみてくださいね。早く行動した人が成功しています。