リンナイ リッセのサイズ・設置条件完全ガイド：60cm・75cm幅の選び方
はじめに
ビルトインガスコンロの交換や新規設置を検討する際、最も重要な要素の一つがサイズと設置条件の確認です。リンナイ リッセは60cm幅と75cm幅の2つのサイズ展開があり、それぞれ異なる設置条件と特徴を持っています。
本記事では、リンナイ リッセの詳細なサイズ仕様から設置に必要な条件、既存コンロからの交換時の注意点まで、購入前に知っておくべき重要な情報を包括的に解説します。適切なサイズ選択と設置条件の確認により、スムーズな導入と長期間の安全使用を実現できます。
リッセのサイズバリエーション
60cm幅（標準幅）タイプ
外形寸法：高さ269mm × 幅596mm × 奥行539mm
トッププレート寸法：高さ9mm × 幅742mm × 奥行507mm
グリル庫内寸法：高さ67mm × 幅265mm × 奥行332mm
本体質量：約25.0kg
60cm幅タイプは、最も一般的なビルトインガスコンロのサイズで、多くの住宅で採用されています。コンパクトなキッチンでも設置しやすく、必要十分な調理スペースを確保できます。価格も75cm幅タイプと比較してやや抑えられており、コストパフォーマンスに優れています。
75cm幅（ワイド幅）タイプ
外形寸法：高さ269mm × 幅596mm × 奥行539mm
トッププレート寸法：高さ9mm × 幅742mm × 奥行507mm
グリル庫内寸法：高さ67mm × 幅265mm × 奥行332mm
本体質量：約25.0kg
75cm幅タイプは、より広い調理スペースを提供し、大きなフライパンや鍋を同時に使用する際に便利です。バーナー間の距離が370mmと広く設計されており、調理中の干渉を最小限に抑えます。料理を頻繁に行う家庭や、複数人での調理が多い場合に適しています。
設置条件の詳細
キッチン開口部の寸法確認
ビルトインガスコンロの設置には、キッチンの開口部が適切なサイズである必要があります。60cm幅タイプの場合、開口部の幅は約560mm以上、75cm幅タイプの場合は約710mm以上が必要です。
開口部の奥行きは、両タイプとも約490mm以上が標準的な要件となります。設置前には、必ず現在の開口部寸法を正確に測定し、選択する製品との適合性を確認してください。
高さ方向の設置条件
リッセの設置には、適切な高さの確保が重要です。操作部下端からキッチン天板（ワークトップ）までの距離が220mm以上必要です。この寸法が不足する場合は、低脚タイプの製品を選択するか、キッチン側の改修が必要になる場合があります。
また、上部には十分な空間を確保し、レンジフードとの適切な距離を保つ必要があります。一般的には、コンロ上面からレンジフード下端まで650mm以上の距離が推奨されています。
周辺スペースの要件
安全な設置と使用のため、コンロ周辺には適切なスペースが必要です。左右の壁面からは150mm以上、背面の壁からは100mm以上の距離を確保してください。
特に可燃物（木製キャビネットなど）が近くにある場合は、より大きな距離を確保するか、適切な防火対策を施す必要があります。
ガス接続・電源の要件
ガス接続仕様
リッセのガス接続は、15A（1/2B）鋼管またはガス用フレキシブル管を使用します。都市ガス（12A・13A）とプロパンガス（LPG）の両方に対応していますが、ガス種に応じた専用製品を選択する必要があります。
ガス接続工事は、ガス工事の資格を持つ専門業者が行う必要があり、DIYでの接続は法律で禁止されています。
電源要件
リッセの動作には、AC100V（50/60Hz）の電源が必要です。消費電力は約20W程度で、一般的な家庭用コンセントで対応可能です。
電源コードの長さは約1.5mで、設置場所近くにコンセントがない場合は、電気工事による増設が必要になる場合があります。
既存コンロからの交換条件
同サイズ製品からの交換
現在使用中のビルトインガスコンロと同じサイズのリッセに交換する場合、基本的には既存の設置条件をそのまま利用できます。ただし、製品の厚みや接続部の位置が異なる場合があるため、事前の確認が重要です。
特に古い製品からの交換では、ガス接続部の規格や電源仕様が異なる場合があり、追加工事が必要になることがあります。
サイズアップ時の注意点
60cm幅から75cm幅への変更を検討する場合、キッチンの開口部拡張工事が必要になります。この工事には、キッチンカウンターの切断・加工、周辺部材の調整などが含まれ、相応の費用と時間がかかります。
また、レンジフードのサイズも合わせて変更する必要がある場合が多く、総合的なリフォーム計画として検討することをお勧めします。
設置工事の流れ
事前調査・採寸
設置工事の前に、専門業者による現地調査が行われます。この際、開口部寸法、ガス配管の位置、電源の確認、周辺環境の安全性などが詳細にチェックされます。
調査結果に基づいて、必要な追加工事や部材の有無が判断され、最終的な工事内容と費用が確定します。
既存機器の撤去
既存のビルトインガスコンロがある場合は、まず安全にガスを遮断し、電源を切断してから撤去作業を行います。撤去時には、ガス漏れの確認や配管の点検も同時に実施されます。
新規設置・接続
リッセ本体の設置後、ガス配管と電源の接続を行います。接続完了後は、ガス漏れ検査、点火確認、各種機能の動作確認を実施し、安全性を確保します。
最後に、使用方法の説明と注意事項の説明が行われ、工事完了となります。
特殊設置条件への対応
低脚タイプの選択
キッチンの高さ制約がある場合、低脚タイプのリッセを選択できます。低脚タイプは、標準タイプよりも約20mm低く設計されており、限られた空間での設置を可能にします。
ただし、低脚タイプは機種が限定される場合があり、希望する機能やカラーが選択できない可能性があります。
オーブン併設時の注意点
ビルトインオーブンと併設する場合、高さ方向の制約がより厳しくなります。オーブンの上端からコンロの下端まで適切な距離を確保し、熱の干渉を防ぐ必要があります。
また、電源容量の確認も重要で、オーブンとコンロの同時使用時に電源容量が不足しないよう注意が必要です。
メンテナンス性を考慮した設置
清掃・点検のためのアクセス
リッセの長期使用には、定期的な清掃と点検が必要です。設置時には、これらの作業を容易に行えるよう、適切なアクセススペースを確保することが重要です。
特に側面や背面へのアクセスが制限される場合、将来的なメンテナンス作業に支障をきたす可能性があります。
部品交換への配慮
長期使用により部品交換が必要になった場合を考慮し、主要部品へのアクセスルートを確保しておくことをお勧めします。特に電装部品や安全装置の交換時には、本体の一部取り外しが必要になる場合があります。
安全基準・法規制の遵守
建築基準法への適合
ビルトインガスコンロの設置は、建築基準法の防火規定に適合する必要があります。可燃物からの離隔距離、防火構造の要件などを満たした設置が義務付けられています。
ガス事業法の規定
ガス配管工事は、ガス事業法に基づく有資格者が実施する必要があります。無資格者による工事は法律違反となり、事故の原因にもなるため、必ず認定業者に依頼してください。
設置費用の目安
標準的な交換工事
既存のビルトインガスコンロからリッセへの同サイズ交換の場合、工事費用は約15,000円〜25,000円程度が一般的です。この費用には、撤去、設置、接続、動作確認が含まれます。
追加工事が必要な場合
開口部の拡張、電源工事、ガス配管の延長などが必要な場合、追加費用が発生します。これらの工事費用は、作業内容により大きく変動するため、事前の詳細見積もりが重要です。
まとめ
リンナイ リッセの適切な選択と設置には、サイズ仕様の正確な理解と設置条件の詳細な確認が不可欠です。60cm幅と75cm幅の選択は、キッチンのサイズと使用スタイルに応じて決定し、設置条件については安全性と法規制の遵守を最優先に検討してください。
設置工事は必ず有資格者に依頼し、事前の現地調査を通じて最適な設置計画を立てることが重要です。適切な設置により、リッセの優れた機能を長期間安全に活用できるでしょう。
購入前には、複数の業者から見積もりを取得し、工事内容と費用を十分に比較検討することをお勧めします。
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参考文献
- リンナイ公式「Lisse（リッセ）ラインアップ」https://rinnai.jp/products/kitchen/gas_conro_lisse/gc_lisse/lisse_lineup
- 東京ガス「ビルトインコンロのサイズを解説」https://uchi.tokyo-gas.co.jp/conro/10049
- サンリフレ「ビルトインガスコンロの選び方」https://www.sunrefre.jp/gastable/contents/news.html