【後悔しないために】蓄熱暖房器のメリット・デメリットを徹底解説！電気代は？撤去は必要？【2025年最新】

2025/9/29 15:152025/9/29 15:15

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本記事は作成日時時点の情報を元に調査・記載されています。

はじめに

冬の厳しい寒さを乗り切るための暖房設備。その選択肢は多岐にわたりますが、かつて、特にオール電化住宅のオーナーから絶大な支持を集めた暖房器具がありました。それが「蓄熱暖房器」です。深夜の割安な電力を利用してレンガに熱を蓄え、一日中、春の陽だまりのような穏やかな暖かさで家全体を包み込む。そのコンセプトは、多くの家庭にとって理想的な暖房の形に映りました。しかし、時代は移り変わり、近年では「蓄熱暖房器を導入して後悔した」「電気代が高すぎて使えない」といったネガティブな声がインターネット上で散見されるようになりました。一体、何が起こったのでしょうか。本記事では、今まさに蓄熱暖房器の導入を検討している方、あるいは既に設置済みで、その扱いに頭を悩ませている方に向けて、蓄熱暖房器が「後悔」の象徴となりつつあるその真相に迫ります。その基本的な仕組みから、使用者だけが知るリアルなメリット・デメリット、そして気になる電気代の実情、さらには撤去や交換の判断基準に至るまで、2025年の最新情報をもとに、専門的な視点から忖度なく徹底的に解説していきます。

蓄熱暖房器とは？その仕組みを再確認

蓄熱暖房器のメリット・デメリットを正しく理解するためには、まずその基本的な仕組みを再確認しておく必要があります。蓄熱暖房器は、その名の通り「熱を蓄えて」暖房を行う器具です。本体内部には、非常に高い蓄熱性を持つレンガ（蓄熱体）が収められています。そして、多くの電力会社が提供している、夜間時間帯（例えば午後11時から翌朝7時まで）の電気料金が割安になる「深夜電力プラン」を利用して、この時間帯に集中的に電気ヒーターへ通電し、内部の蓄熱レンガを500℃〜700℃という高温状態に加熱します。これが「蓄熱」のプロセスです。そして、日中の電気料金が高い時間帯には、この蓄えた熱を、ファンによる強制的な対流や、本体からの自然な輻射熱（※）によってゆっくりと室内に放熱し、暖房を行います。つまり、電気を使う時間と暖房をする時間を意図的にずらすことで、トータルのランニングコストを抑えようというのが、蓄熱暖房器の基本的なコンセプトなのです。

（※輻射熱：遠赤外線などの熱線によって直接伝わる熱のこと。物質の表面だけでなく、体の芯から温める効果がある。）

【使用者だけが知る】蓄熱暖房器のメリット

ネガティブな評判が目立つ一方で、蓄熱暖房器には、他の暖房器具では得難い、根強いファンがいるのも事実です。まずは、その独特の魅力であるメリットから見ていきましょう。

1. 24時間、春のような陽だまりの暖かさ

蓄熱暖房器が提供する最大の価値は、その「暖かさの質」にあります。エアコンのように温風が直接体に当たって不快に感じたり、部屋の上の方ばかりが暖かくて足元がスースーしたり、といったことがありません。輻射熱と自然対流の組み合わせによって、室温の変動が極めて少なく、一日を通して家全体がじんわりとした、まるで春の陽だまりにいるかのような均一で穏やかな暖かさに包まれます。この唯一無二の快適さは、一度体験すると他の暖房には戻れないと感じるユーザーが多い最大の理由です。

2. 空気を汚さず、乾燥しにくい

石油ファンヒーターやガスファンヒーターのように、室内で火を燃やすわけではないため、燃焼に伴う二酸化炭素や一酸化炭素、窒素酸化物などの有害物質が発生せず、室内の空気を常にクリーンに保つことができます。また、定期的な換気の必要もありません。さらに、エアコンのように強い温風を吹き出すことがないため、空気中の水分を過度に奪わず、肌や喉の乾燥を感じにくいというメリットもあります。特に、小さなお子様や高齢のご家族、アレルギー体質の方がいる家庭にとっては、非常に安心感の高い暖房方式と言えるでしょう。

3. 運転音が非常に静か

蓄熱暖房器の運転は、基本的に極めて静かです。深夜の蓄熱中は完全に無音であり、日中の放熱中も、ファンが作動する際のわずかな風切り音がする程度です。エアコンの室外機の音や、ファンヒーターの燃焼音などが気になる方にとっては、就寝中や読書、音楽鑑賞といった静かに過ごしたい時間帯でも、その存在を意識することなく快適に過ごせる点は、大きなメリットと感じられるでしょう。

【後悔の真相】無視できない蓄熱暖房器のデメリット

では、なぜこれほどのメリットがありながら、「後悔した」という声が後を絶たないのでしょうか。その背景には、現代の住宅事情やエネルギー価格の変動に起因する、看過できないデメリットが存在します。

1. 電気代が想定以上に高い

「深夜電力を使うから安いはず」という導入時の期待を裏切る、これが後悔の最大の原因です。この背景には二つの大きな要因があります。一つは、近年の世界的な燃料費高騰や再生可能エネルギー賦課金の上昇に伴う、電気料金そのものの大幅な値上げです。そしてもう一つが、電力自由化以降、各電力会社が従来の「深夜電力プラン」の新規受付を停止し、深夜時間帯の割引率が低い新たな料金プランへと移行していることです。これにより、「深夜に電気を蓄えても、かつてほどの経済的メリットは得られない」という状況が生まれています。特に、日中の在宅時間が長く、暖房以外の電力使用量も多い家庭では、トータルの電気代が予想をはるかに超えて高騰してしまうケースが少なくありません。

2. 温度調整が極めて難しい

蓄熱暖房器は、天気予報や外気温を予測し、「翌日に必要となるであろう熱量」を前日の夜にまとめて蓄えるというシステムです。これは、裏を返せば「急な温度変化に対応できない」という致命的な弱点を抱えていることを意味します。「今日は思ったより日差しが強くて暖かいから暖房を止めたい」「急な寒波で冷え込んできたから、もっとパワフルに暖めたい」といった、リアルタイムの温度調整が一切できません。熱くなりすぎた場合は、窓を開けて熱を逃がすしかなく、これは蓄えたエネルギーを無駄に捨てる行為に他なりません。逆に、蓄熱量が足りなかった場合は、エアコンなど他の暖房器具で補う必要があり、余計な光熱費がかかる原因となります。

3. 本体が大きく、非常に重い

高い蓄熱性能を確保するため、内部には大量の蓄熱レンガが詰め込まれています。そのため、本体は非常に大きく、存在感があり、部屋のレイアウトを大きく制約します。重量も小型のもので100kg以上、大型のものになると500kgを超えることも珍しくありません。これは、一度設置すると、模様替えなどで個人が気軽に移動させることは絶対に不可能であることを意味します。また、その重量を支えるために、設置場所の床にはあらかじめ補強工事が必要となるケースも多く、導入時の初期費用を押し上げる一因にもなっています。

4. 高気密・高断熱住宅との相性の問題

皮肉なことに、住宅の省エネ性能が向上したことが、蓄熱暖房器のデメリットを助長しています。近年の住宅は気密性・断熱性が飛躍的に向上しており、一度暖まると熱が逃げにくい構造になっています。このような住宅で、旧来の感覚で大量の熱を蓄えてしまうと、放熱量が過剰となり、春や秋といった中間期に室内が暑くなりすぎる「オーバーヒーティング」という現象が頻発します。結果として、暖房しているにもかかわらず窓を開けて冷房するという、本末転倒な事態に陥りがちです。

蓄熱暖房器の撤去・交換を検討すべき時

もし、あなたが現在使用している蓄熱暖房器に対して以下のような不満を感じているのであれば、それは暖房システムの見直しを検討すべきサインかもしれません。

判断の目安

毎月の電気代明細を見て、深夜電力プランのメリットを全く感じられなくなった。

子供の独立や働き方の変化で、日中に家を空ける時間が長くなった。

住宅の断熱性能を高めるリフォーム（内窓設置や断熱材追加など）を行った。

毎日のように「暑すぎる」「寒すぎる」と感じ、温度調整の不便さにストレスを感じている。

これらのサインに当てはまる場合、蓄熱暖房器を撤去し、より現代のライフスタイルに合った最新の暖房設備へ交換することで、暮らしの快適性と経済性を大幅に改善できる可能性があります。代替となる暖房設備としては、省エネ性能が飛躍的に向上した高効率エアコンや、足元から自然な暖かさを提供するヒートポンプ式温水床暖房、デザイン性にも優れたパネルヒーターなどが挙げられます。

まとめ

蓄熱暖房器は、24時間、家全体を均一で質の高い暖かさで満たしてくれるという、他にはない大きな魅力を持った暖房器具です。しかしその一方で、その特性は、電気料金が安く、住宅性能がまだ発展途上であった時代の価値観に最適化されたものであり、現代のエネルギー事情や高機能化した住宅においては、そのデメリットが無視できないレベルで顕在化してきているのも、また紛れもない事実です。「後悔」という結果を招かないためには、そのメリットとデメリットの両方を正しく天秤にかけ、ご自身の住まいの性能、家族のライフスタイル、そして最新のエネルギー事情を総合的に考慮して、導入や継続使用を冷静に判断する必要があります。蓄熱暖房器の撤去や、それに代わる新たな暖房システムの導入は、専門的な知識と技術を要するリフォームです。どの暖房が最適か、光熱費は実際にどのくらい変わるのか。そうした疑問も含め、信頼できる住まいの専門業者に相談することが、これからの冬を快適で経済的に過ごすための最も賢明な第一歩となります。東京ガスでは、お客様一人ひとりの暮らしに寄り添った最適なエネルギーソリューションをご提案しています。暖房に関するお悩みも、ぜひお気軽にご相談ください。

参考文献

匠工房. (n.d.). 【電気代は？】蓄熱暖房機のメリットデメリット. Retrieved from https://www.takumikobo.ne.jp/blog2/010/post_62.html

株式会社菅又設備. (2023). 今後は？蓄熱暖房機のメリット・デメリットについても紹介. Retrieved from https://www.sugamata-setsubi.jp/blog/column/161489

星野建築. (2025). 蓄熱暖房機のデメリットとは？導入前に知っておくべきポイント. Retrieved from https://hoshiken.net/blog/heat-storage-heater/

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