冬の光熱費、どうやって節約する？プロが教える光熱費削減術

2025/9/28 10:442025/10/2 8:27

冬の到来とともに気になるのが、高騰する光熱費。特に「給湯」と「暖房」は家庭のエネルギー消費の約半分を占めます。本記事では、シャワーの使い方や窓の断熱対策といった今すぐできる節約術から、最も効果的な給湯器の見直しまで、家計にやさしい冬の過ごし方をプロの視点でご紹介します。日々の小さな工夫と適切な設備選びで、快適さを損なわずに光熱費を削減する方法を徹底解説します。

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はじめに

冬になると、毎月の請求書を見て「今月も光熱費が高い…」とため息をついている方はいませんか？暖房や給湯の使用が増える冬は、どうしても光熱費がかさみがちです。

しかし、日々の暮らしの中に潜むエネルギーの無駄を見直し、適切な対策を講じることで、光熱費は大きく削減できます。

実は、家庭におけるエネルギー消費の約3割は「給湯」が占めています。（出典：資源エネルギー庁「家庭部門のエネルギー消費動向」）。

この記事では、給湯や暖房を中心に、明日からすぐに実践できる具体的な節約術から、最も効果的な設備の見直しまで、プロの視点で徹底解説します。

第1章：なぜ冬の光熱費は高くなるのか？

冬の光熱費が高騰する主な原因は、「暖房」と「給湯」にあります。

資源エネルギー庁の調査によると、家庭のエネルギー消費の内訳は以下のようになっています。

給湯：27.8%

暖房：25.1%

動力・照明他：34.0%

厨房：10.7%

冷房：2.4% （出典：資源エネルギー庁「令和2年度エネルギーに関する年次報告」）

給湯と暖房を合わせると、実にエネルギー消費全体の50%以上を占めます。外気温が低く、お湯や暖房が欠かせない冬に光熱費が跳ね上がるのは、このためです。

第2章：今すぐできる！場所別・光熱費節約テクニック

まずは、今日からすぐに取り組める具体的な節約術を場所別にご紹介します。小さなことでも、積み重ねれば大きな節約に繋がります。

お風呂での節約術

シャワーを出す時間を1日1分短縮する シャワーを1分間流しっぱなしにすると、約12Lの水を使用します。これを毎日続けると、年間で約4,380Lもの水を無駄にしていることに。ガス代と水道代を合わせると、年間で約2,000円の損をしている計算になります。（※）体を洗っている間はシャワーを止める習慣をつけましょう。

追い焚きの回数を減らす 家族がいる場合、入浴間隔が空くとお湯はどんどん冷めてしまいます。2時間で約3℃下がったお湯を追い焚きすると、1回あたり約14円（都市ガスの場合）のガス代がかかります。できるだけ間隔をあけずに入浴し、浴槽には必ずフタをして保温しましょう。

節水シャワーヘッドに交換する 節水シャワーヘッドは、少ない水量でも水圧を保てるように設計されています。製品によっては50%以上の節水効果が期待でき、水道代・ガス代合わせて年間10,000円以上の節約になるケースもあります。

（※）算出条件：水道料金1Lあたり0.24円、ガス料金（都市ガス）1分あたり約2.5円として計算。

リビング・キッチンでの節約術

エアコンのフィルターを2週間に1回掃除する フィルターが目詰まりしていると、暖房効率が下がり、無駄な電力を消費します。フィルターを掃除するだけで、暖房時の消費電力を約6%削減できます。

窓の断熱対策を徹底する 冬場、部屋の熱の約58%は窓から逃げていきます。厚手のカーテンや断熱シートを活用するだけで、室温の低下を防ぎ、暖房効率を大幅にアップさせることができます。

給湯器の設定温度を1℃下げる 食器洗いや手洗いの給湯温度を、必要以上に高く設定していませんか？給湯器の設定温度を1℃下げるだけで、年間で約1,000円のガス代節約に繋がります。

第3章：最も効果的なのは「給湯器」の見直し

日々の節約も大切ですが、光熱費を根本から見直すなら「給湯器の交換」が最も効果的です。

給湯器の寿命は、一般的に約10年と言われています。 10年以上使用している給湯器は、経年劣化により熱効率が低下し、知らず知らずのうちに多くのガスを消費している可能性があります。

省エネ給湯器「エコジョーズ」とは？

そこでおすすめしたいのが、高効率ガス給湯器「エコジョーズ」です。

仕組み 従来の給湯器では、お湯を沸かす際に発生する約200℃の排気ガスをそのまま捨てていました。エコジョーズは、この排気熱を再利用して水をあらかじめ温めることで、少ないガス量で効率的にお湯を沸かすことができます。

ガス代の節約効果 エコジョーズは、従来の給湯器に比べて熱効率が80%から95%に向上します。これにより、ガスの消費量を約10%〜15%削減できます。 4人家族の場合、従来の給湯器からエコジョーズに交換すると、年間で約18,000円のガス代がお得になるという試算もあります。（※リンナイ調べ）

エコジョーズのメリット・デメリット

もちろん、良いことばかりではありません。導入を検討する際は、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが重要です。

メリット

ガス代を大幅に節約できる：お湯の使用量が多い家庭ほど、節約効果は大きくなります。

環境に優しい：CO2排出量を約13%削減でき、地球温暖化防止に貢献できます。

ガス会社によっては優遇プランがある：エコジョーズ専用のガス料金プランが適用され、さらにガス代が割引になる場合があります。

デメリット

初期費用が高い：本体価格が従来型より2〜4万円ほど高くなる傾向があります。

排水工事が必要：排気熱を再利用する際に結露水（ドレン水）が発生するため、これを排出するための工事が必要です。

中和器の交換が必要：約10年を目安に、ドレン水を中和する「中和器」という部品の交換（費用：1.2万〜2.6万円程度）が必要になる場合があります。

【結論】10年使った給湯器は交換が断然お得

エコジョーズの初期費用は従来型より高いものの、毎年のガス代削減額を考慮すれば、数年で元が取れる計算になります。特に、お湯の使用量が多いご家庭や、プロパンガスをご利用のご家庭では、そのメリットはさらに大きくなります。

まとめ

冬の光熱費を節約するには、日々の小さな工夫と、エネルギー消費の根源である「設備」の見直しが不可欠です。

シャワーの時間を短くする、浴槽にフタをするなどの日々の節約

家庭のエネルギー消費の約3割を占める給湯器を高効率なものに見直す

「うちの給湯器、もう10年以上使っているかも…」「最近、お湯の温度が安定しない…」

もし、そう感じたら、それは給湯器の交換を検討するサインかもしれません。給湯器が完全に故障してしまうと、数日間お湯が使えない不便な生活を強いられることになります。

最新の給湯器は、省エネ性能が格段に向上しています。光熱費にお悩みなら、ぜひ一度、専門家への相談やリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。