静岡銀行の不動産投資ローンの融資とメリット・デメリット(一棟アパート・マンション)

不動産投資を検討されている方に、静岡銀行の不動産投資ローンについて詳しくご紹介します。静岡銀行は、高額サラリーマン向けに特徴的な融資条件を提供しており、築古物件や耐用年数を超えた物件にも融資を行う珍しい金融機関です。最長35年という長期の融資期間設定や、諸費用も含めたオーバーローン対応など、柔軟な融資条件が特徴となっています。この記事では、静岡銀行の不動産投資ローンの特徴やメリット・デメリット、おすすめの利用者像について、詳しく解説していきます。

静岡銀行の特徴

概要

静岡銀行のアパートローンは、高額サラリーマン向けの不動産投資ローン商品です。特に注目すべき特徴として、築古物件や耐用年数を超えた物件にも融資を行う点があります。最長35年という長期の融資期間を設定可能で、木造物件は原則30年以内となっています。また、オーバーローンにも対応しており、諸費用分も含めた融資が可能となっているため、自己資金の回収が比較的早く行えるという利点があります。新築から築古まで幅広い物件に対応し、金利プランもA・B・Cの3つのプランを用意しており、物件の築年数に応じて柔軟な融資条件を提供しています。

融資エリア

静岡銀行の融資エリアは、主に関東圏と東海地方を中心としています。具体的には、居住地または勤務地が東京・神奈川・静岡・愛知・大阪(要相談)の方が対象となります。融資対象となる物件所在地は、東京都、神奈川県、名古屋市内、そして埼玉県と千葉県の一部(国道16号線内を目安)に限定されています。このように、融資エリアは比較的限定的で、居住地と融資対象エリアの合致が必要となります。これは地域特性や不動産市場の把握、リスク管理の観点から設定された条件といえます。

申込者の属性

静岡銀行のアパートローンは、主に東京の高額サラリーマンをターゲットとしています。申込者の基本的な要件として、年収700万円以上の上場企業勤務者などが想定されています。年齢条件としては、融資申込時および実行時で18歳以上70歳以下であり、最終返済時の年齢が82歳未満という制限があります。また、団体信用生命保険への加入が可能で、保険料は銀行負担となっています。自営業者やフリーランスの方には適していない商品設計となっているため、安定した収入を持つ会社員が主な対象となります。

融資期間

静岡銀行の融資期間は最長35年と設定されており、木造物件については原則30年以内となっています。特筆すべき点として、耐用年数を超えた物件であっても長期の融資期間を設定できることが挙げられます。これは不動産投資市場において画期的な取り組みといえます。融資期間は1ヶ月単位で設定可能で、物件の状態や借入者の年齢条件に応じて柔軟に調整することができます。また、返済方法については変動金利型と固定・変動ミックス型から選択可能で、固定金利期間は2年、3年、5年、7年、10年から選べる仕組みとなっています。

金利手数料

築年数でA・B・Cの3プランに分かれ、Aプラン(新築から築10年未満)が年1.8%、Bプラン(築10年以上26年未満)が年2.3%、Cプラン(築26年以上)が年3.6%、事務手数料はいずれも1.1%。繰上返済や条件変更時の手数料は6,600円(税込、残高200万円未満または借入から1年未満なら不要)、固定金利の切り替え手数料は5,500円(税込)。これが、この記事を作成した2025年2月の時点で出回っていた条件です。
※ この金利は、2026年9月14日時点の静岡銀行公式サイトでは確認できませんでした。後述のとおり、同行は賃貸用不動産向けの商品ページも金利表も公表していません。同行の変動金利は短期プライムレートに連動する基準金利へ上乗せする方式で、公式に金利が出ている不動産担保型ローンは2026年8月時点で年3.70%から年5.40%です。年1%台を前提に採算を組まないでください。実際の適用金利は必ず窓口または提携先にご確認ください。

融資比率(自己資金割合)

静岡銀行の融資比率は非常に柔軟で、基本的にフルローンが可能となっています。融資額は年収の10倍程度を目安としており、さらに特徴的なのは諸費用を含めたオーバーローンにも対応している点です。具体的には、登記費用、仲介手数料、火災保険料など、決済時に確定できる費用についてもローンの対象となります。ただし、土地評価額が物件価格の70%以上であることが望ましく、土地価値の低い物件については融資額が抑えられる可能性があります。融資限度額は1億円以内(10万円単位)と設定されています。

審査基準

静岡銀行の審査基準は、物件評価と借入者の属性の両面から行われます。物件評価については、積算評価と収益還元評価の両方を採用していますが、特に土地価値を重視する傾向があります。具体的には、土地評価額が売買価格の70%以上の物件が好まれます。借入者については、安定した収入があり信用力の高いサラリーマンを重視しています。また、法人での融資も可能で、サラリーマンが設立した資産管理会社なども対象となります。審査期間については、新商品のため対応に時間がかかる可能性がありますが、築古物件への融資など、他行では難しい案件にも積極的に取り組む姿勢を見せています。

静岡銀行の利用をおすすめな人

年収700万円以上の高額サラリーマンの方

静岡銀行のアパートローンは、以下のような方に特におすすめです。まず、年収700万円以上の安定した収入がある会社員の方。特に上場企業などに勤務し、高い信用力をお持ちの方が対象となります。また、東京近郊で土地価値の高い物件への投資を考えている方、特に築古木造アパートや軽量鉄骨造アパートへの投資に興味がある方に適しています。さらに、できるだけ自己資金を抑えて投資を始めたい方や、諸費用も含めたフルローンでの融資を希望される方にも向いています。

土地価値の低い物件への投資を検討している方

一方で、以下のような方には静岡銀行のアパートローンは向いていないかもしれません。まず、自営業者やフリーランスの方は、安定収入の証明が難しいため対象外となります。また、指定された融資エリア外での投資を考えている方や、土地価値の低い物件への投資を検討している方にも適していません。年収700万円未満の方や、信用力が十分でない方も融資を受けることが困難です。さらに、短期での売却を前提とした投資戦略を考えている方は、築古物件の売却時の融資が他行では難しい点を考慮する必要があります。

静岡銀行に「アパートローン」という商品ページはありません(2026年9月14日 実測)

静岡銀行の公式サイトには、「アパートローン」という名前の商品ページがありません。公式サイトマップに載っている4,168件のURLと、個人向けローン一覧に並ぶ全商品を機械で数えて確認した結果です(2026年9月14日取得)。
「アパートローン」は、賃貸用のアパートやマンションを取得するための融資を指す通称です。オリックス銀行のように商品名と金利を公表している銀行もありますが、静岡銀行はこの区分を公表していません。だから「静岡銀行 アパートローン」で検索しても、公式の商品ページにはたどり着けません。

不動産がらみで個人が申し込めるのは2コースだけです

個人向けローン一覧に並んでいるのは、マイカーローン、教育ローン、カードローン(セレカ/ミープラス)、ネクストワン、住宅ローン、移住応援ローン、しずぎんリフォーム天国、Myローン、フリーローン(無担保)、フリーローン(不動産担保型)、リ・バース60、リバースモーゲージ「かがやき」、ビジネスクイックローンです。
このうち不動産を担保にして借りられるのは「しずぎんフリーローン(不動産担保型)」の2コースだけで、条件は次のとおりです。
項目不動産関連コースフリーコース
資金使途土地・居宅・セカンドハウス等の購入資金とその借替資金、リフォーム資金/賃貸用不動産のリフォーム資金自由(事業性資金、投機性資金を除く)
融資金額100万円以上1億円未満100万円以上5,000万円以内
融資期間1年以上35年以内1年以上25年以内
適用金利(2026年8月時点)年3.70%/4.50%/4.90%/5.40%年3.80%/5.90%/6.90%/8.90%/10.90%
事務取扱手数料110,000円(税込、融資額300万円未満なら不要)110,000円(税込、融資額300万円未満なら不要)
保証会社セゾンファンデックスセゾンファンデックス
Webでの仮審査受付中(結果連絡は最短3営業日)一時中止中
※ 商品概要(2026年8月3日現在)と商品概要説明書(2025年10月1日現在)より。2026年9月14日取得。

不動産関連コースでは、賃貸用不動産を「買う」ことはできません

不動産関連コースの資金使途には、「賃貸用不動産の購入資金および借替資金にはご利用いただけません」と明記されています(商品概要説明書・2025年10月1日現在)。使えるのは賃貸用不動産のリフォーム資金までです。
借入資格にも条件があります。不動産関連コースを利用する場合、本件を含めた賃貸物件の保有物件数が5件以内であることが求められます。すでに5件持っている方は、この商品では申し込めません。
つまり、公式サイトから個人が申し込める商品の中に、アパートやマンションを一棟買うための融資はありません。ここを取り違えると、申し込んでから使途で弾かれます。

賃貸用の購入資金は、事業性資金の窓口になります

賃貸経営は事業なので、窓口は法人・個人事業主向けの融資に移ります。公式サイトの「資金の融資・調達」に並んでいるのは、しずぎんビジネスクイックローン(使途は事業性資金、変動金利年5.9%から年14.9%、固定金利年5.0%から年14.9%)、シンジケートローン、コミットメントライン、インパクトローンなどで、賃貸住宅の取得を名指しした商品と、その金利・期間・上限額の記載は見当たりませんでした(2026年9月14日取得)。
条件が公表されていないということは、金利も融資年数も個別の審査で決まるということです。不動産会社から提示された条件が唯一の情報源になりやすいので、その数字が何年何月時点のものか、団信の種類は何かまで確認してください。

金利の下限は、公表値から逆算できます

静岡銀行の変動金利は、短期プライムレートに連動する基準金利に一定の利率を上乗せする方式です。商品概要説明書に書かれた上乗せ幅と、公式サイトに出ている2026年8月時点の適用金利を突き合わせると、基準金利は年3.375%と計算できます。
コース上乗せ幅(2025年10月1日現在)適用金利(2026年8月時点)差
不動産関連コース基準金利+0.325%年3.70%3.375%
不動産関連コース基準金利+2.025%年5.40%3.375%
フリーコース基準金利+0.425%年3.80%3.375%
フリーコース基準金利+7.525%年10.90%3.375%
公表されている9区分すべてで差が3.375%に一致しました。上乗せ幅が2025年10月1日時点のままであれば、という条件付きの計算ですが、担保も団信も付く個人向けローンで最も条件の良い区分でも年3.70%というのが、2026年8月時点の実際です。
参考までに、賃貸用の融資条件を公表している銀行の例を挙げます。オリックス銀行の不動産投資ローンは変動金利年2.425%から年4.425%(短期プライムレートを基準・2026年9月1日現在)、借入金額2,000万円以上2億円以下、借入期間1年以上35年以下です。静岡銀行の条件が分からないまま進めるより、公表している銀行と並べて初めて判断ができます。

他行と比べるなら

融資手数料が定率(%)か定額かで、負担は融資額が大きいほど変わります。静岡銀行が公表している不動産担保型ローンは110,000円の定額で、融資額300万円未満なら不要です(2026年8月3日現在)。
1行だけで決めず、金利・年数・手数料・評価の出方を並べて見るのが基本です。

フルローンが組めることは、良い物件であることを意味しない

静岡銀行の魅力はオーバーローン対応ですが、これは自己資金が少なくても買えてしまうということでもあります。借りられたことと、その物件が回ることは別の話です。
とくに築古の物件を金利3%台で借りる想定なら、利回りと空室想定を厳しめに見ないとキャッシュフローが残りません。元利均等返済で年数を伸ばして月々の返済を下げても、支払利息の総額は増えます。
利回り・キャッシュフロー・融資の見方を体系的に押さえたい場合は、不動産投資スクールの無料WEBセミナーが入口として使いやすいです。物件を売られる場ではなく、数字の読み方を扱う講座です。
年収700万円以上という属性を活かすなら、借りる前に家計と税金の土台を固めておくのも有効です。

まとめ

静岡銀行のアパートローンは、高額所得者向けの特徴的な不動産投資ローン商品です。築古物件への融資や長期の融資期間設定、オーバーローン対応など、柔軟な融資条件が特徴となっています。特に、年収700万円以上の安定した収入がある会社員で、東京近郊の土地価値の高い物件への投資を考えている方に適した商品といえます。ただし、融資エリアや対象となる借入者の属性には制限があり、全ての投資家に適しているわけではありません。投資を検討する際は、自身の状況や投資戦略に合わせて、慎重に検討することが重要です。

よくある質問

静岡銀行にアパートローンはありますか

公式サイトに「アパートローン」という名前の商品ページはありません(2026年9月14日確認)。公式サイトマップ4,168件のURLと個人向けローン一覧を確認した範囲では見当たりませんでした。賃貸用不動産の取得資金は、個人向けの公表商品ではなく事業性資金の窓口での相談になります。

不動産関連コースでアパートを買えますか

買えません。商品概要説明書(2025年10月1日現在)に「賃貸用不動産の購入資金および借替資金にはご利用いただけません」と明記されています。賃貸用で使えるのはリフォーム資金までです。

すでに賃貸物件を5件持っていますが申し込めますか

不動産関連コースは申し込めません。借入資格に「本件を含めた賃貸物件の保有物件数が5件以内」という条件があります(商品概要説明書・2025年10月1日現在)。

いま年1.8%で借りられますか

2026年8月時点で公表されている同行の不動産担保型ローンの金利は、いちばん低い区分でも年3.70%です。年1.8%という数字は2025年2月の記事作成時点で出回っていたもので、2026年9月14日時点の公式サイトでは確認できませんでした。

事務手数料はいくらですか

公表されている不動産担保型ローン2コースは、どちらも110,000円(税込)の定額です。融資額が300万円未満なら不要で、繰上返済や条件変更をする場合は別に11,000円(税込)がかかります(2026年8月3日現在)。

申し込みはインターネットでできますか

不動産関連コースはWebで仮審査を受け付けており、結果連絡は最短3営業日です。フリーコースは2026年9月14日時点でホームページでの仮審査受付を一時中止しています。
※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の物件・金融商品・投資手法を推奨するものではありません。融資条件(金利・年数・手数料・審査基準・対象エリア)は時期と年収・資産属性によって変わります。実際の条件は必ず金融機関または提携不動産業者にご確認ください。不動産投資には空室・金利上昇・価格下落などのリスクがあり、元本が保証されるものではありません。