【給湯器】121エラーが出たら?症状・原因・修理方法を解説
給湯器に表示される121エラー。このエラーが出たときは、どのように対処すればよいのでしょうか?本記事では、給湯器の121エラーの意味から、考えられる原因、自分でできる対処法、修理が必要な場合の費用まで、詳しく解説していきます。突然お湯が出なくなって困っている方はもちろん、今後のトラブル対策としても、ぜひ最後までお読みください。専門家の視点から、具体的な解決方法をご紹介します。
給湯器の121エラーとは?
給湯器の121(または12)エラーは、給湯器が点火不良を起こして緊急停止している状態を示すエラーコードです。お湯を使用中に突然水になってしまう症状が特徴的です。このエラーはメーカーによって「給湯立ち消え安全装置作動」(ノーリツ)、「給湯途中失火」(リンナイ)、「給湯立ち消え安全装置作動・給気汚染異常」(パロマ)、「給湯失火・給気汚染異常」(パーパス)など、異なる名称で呼ばれています。
重要なのは、このエラーが表示されること自体は給湯器の安全装置が正常に作動している証拠であり、ガス漏れやガス爆発などの危険性はないということです。ただし、お湯が使えないという不便さから、解決の緊急性は高いと言えます。
121エラーの原因
給湯器に121エラーが表示される主な原因について、詳しく見ていきましょう。
原因① ガスの供給問題
最も一般的な原因は、ガスの供給に関する問題です。具体的には以下のようなケースが考えられます:
・ガス料金の滞納によるガスの供給停止
・ガスメーターの自動遮断
・ガスメーターコックやガス栓の閉鎖
・ガスの供給圧力の低下
・プロパンガスの場合、ガスボンベの残量不足
これらの問題は、給湯器への適切なガス供給を妨げ、点火不良を引き起こします。
原因② 気象条件の影響
気象条件も121エラーの重要な原因となります。特に以下のような状況で発生しやすくなります:
・大雨や台風による給湯器への雨水の侵入
・強風による排気の乱れ
・気温の急激な変化による機器内部の結露
・冬季の寒冷による給湯器の凍結
これらの気象条件は、給湯器の正常な動作を妨げ、点火不良や緊急停止を引き起こす可能性があります。
原因③ 吸排気口の問題
給湯器の吸排気口に関する問題も、121エラーの主要な原因の一つです:
・落ち葉や小動物の巣による目詰まり
・植物の成長による吸排気口の遮断
・経年劣化による吸排気口の変形や損傷
・設置環境の変化による換気不良
これらの問題は、給湯器への適切な空気の供給や排気を妨げ、燃焼不良を引き起こします。
原因④ 部品の劣化
給湯器の使用年数が増えるにつれて、様々な部品が劣化することで121エラーが発生する可能性があります:
・点火プラグの劣化による着火不良
・熱交換器の目詰まりによる性能低下
・電子基板の故障
・センサー類の精度低下
特に設置から10年以上経過している給湯器では、これらの部品劣化が原因でエラーが発生するケースが増えてきます。
原因⑤ 設置環境の問題
給湯器の設置環境に関する問題も、121エラーの原因となることがあります:
・換気不足による燃焼不良
・周囲の建物や設備による風の影響
・振動や衝撃による機器の損傷
・不適切な設置角度や固定方法
これらの環境要因は、給湯器の安定した運転を妨げ、結果としてエラーを引き起こす可能性があります。
121エラーの対策
121エラーが発生した場合の対策について、専門業者に依頼する前に試せる方法と、修理が必要な場合の対応に分けて説明します。
修理しない方法
まずは以下の簡単な確認と対処を試してみましょう:
- ガスの供給状態の確認 ・ガスメーターのランプ確認 ・ガス栓が開いているかの確認 ・プロパンガスの残量確認
- リセット操作の実施 ・給湯器の電源を一度切って、再度入れ直す ・リモコンのリセットボタンを押す
- 吸排気口の点検と清掃 ・落ち葉や虫の巣などの除去 ・周囲の障害物の確認と除去
- 凍結防止の対策 ・給湯器や配管の保温 ・凍結予防運転モードの設定
これらの対処で改善が見られない場合は、専門業者による点検・修理が必要となります。
修理する方法
専門業者による修理が必要な場合、以下のような手順で対応します:
- 修理依頼前の準備 ・エラーコードの記録 ・症状の発生状況のメモ ・給湯器の型番や設置年数の確認 ・保証書の確認
- 適切な修理業者の選択 ・メーカーのサービス窓口 ・ガス会社の修理サービス ・地域の認定施工店 ・修理実績のある設備業者
- 修理時の確認事項 ・修理内容の詳細説明 ・見積もり内容の確認 ・保証内容の確認 ・今後のメンテナンス計画の相談
121エラーの修理費用
121エラーの修理費用は、原因や必要な作業内容によって大きく異なります。一般的な費用の目安は以下の通りです:
- 点検・診断費用 ・基本出張料:5,000円~10,000円 ・点検診断料:3,000円~8,000円
- 軽微な修理の場合 ・清掃やリセット作業:5,000円~15,000円 ・簡単な部品交換:10,000円~30,000円
- 本格的な修理の場合 ・電子基板の交換:30,000円~80,000円 ・熱交換器の交換:50,000円~150,000円 ・その他の主要部品交換:20,000円~100,000円
なお、給湯器の設置から10年以上経過している場合は、修理ではなく新規交換を検討することをお勧めします。新しい給湯器は省エネ性能が向上しており、ランニングコストの削減にもつながります。
修理する?交換する?
修理するか、交換するか、悩むものです。
給湯器の耐用年数は、メーカーにより10年間と定められています。10年以内であれば修理部品も保管されている可能性が高く、修理可能な場合が多いです。
東京ガスの実績によると、暖房機能なしの給湯器の故障において、1万円未満で修理できるのが65%、3万円未満が30%、5万円未満が4%、5万円以上が1%となっています。1万円未満が65%と多いですが、出張料だけで5,000円ほどかかります。部品代や技術料はほとんど必要なく、実は故障していなかったレベルの作業だったのではないかと思われます。例えば、
- 電源を入れなおすだけで直った
- 排気口が植木の枝葉によって塞がっていた
などは良くあります。
また、交換と修理のどちらを選択するか、を見てみると、修理を選択するのは、5年未満は71.9%、10年未満は57.5%、15年未満は35.0%、15年以上は31.0%となっています。耐用年数である10年を過ぎると、メーカーも部品を保有しておらず修理ができなかったり、次々の故障していくので、交換してしまったほうが経済的な選択肢です。

修理するなら
給湯器の修理を依頼する際、主に4つの選択肢があります。それぞれの特徴や注意点を以下で詳しく解説していきます。価格だけでなく信頼できそうかを重視して選びましょう。
ガス会社
東京ガスや大阪ガスなど、ガスの提供を行っている企業に修理依頼ができます。ガス機器の工事・メンテナンスには専門資格や届け出が必要なため、ガス会社に相談するのが最も安心できます。
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メーカー
リンナイ・ノーリツ・パロマ・パーパスと言った、ガス機器メーカーに修理依頼する方法もあります。設置から1年以内、BL製品(ベターリビング認定品)であれば2年以内、メーカー保証期間となっています。
メーカーに修理を依頼してもガス会社の工事業者に再委託となるケースもあります。メーカー自体は大手企業で信頼できるものの、そのメンテナンスネットワークに所属している設備業者は中小企業が多いです。一般消費者が選ぶことはできないため、品質にバラつきがあるのが難点です。
地場の設備業者
工事したばかりであれば、対応した設備業者に相談するのが最良です。契約不適合責任として無償で対応してくれる可能性があります。ただし、激安価格をうたった悪徳な業者には注意してください。一般消費者に知識がないことを狙って、高額な請求をしたり、逆に壊されたり、トラブルに発展するケースも少なくありません。
個人事業主
必要資格を持っているか確認が難しかったり、届け出を行っている可能性がありますので、信頼できる人以外には頼まないほうが良いでしょう。作業トラブルになったとしても対応してもらえない可能性もあります。
まとめ
本記事では、給湯器の121エラーについて解説しました。121エラーは、給湯器が点火不良を起こして緊急停止している状態を示すエラーコードで、お湯を使用中に突然水になってしまう症状が特徴的でした。このエラーはメーカーによって呼び方が異なりましたが、エラーの内容や原因、対処法などには大きな違いがないことを説明しました。
修理方法については、修理依頼前の準備から適切な修理業者の選択まで、具体的な手順を解説しました。修理費用は、点検・診断費用から本格的な修理まで、状況によって5,000円から15万円程度かかることを示しました。また、給湯器の設置年数が10年を超えている場合は、修理よりも交換を検討することをお勧めしました。
修理業者の選択肢として、ガス会社、メーカー、地場の設備業者、個人事業主について、それぞれの特徴や注意点を詳しく解説しました。
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給湯器を交換するなら
給湯器の交換を検討する際は、設置年数や修理費用、今後の使用予定などを総合的に判断することが重要です。一般的に、設置から10年以上経過している場合や、修理費用が高額になる場合は、新しい給湯器への交換をおすすめします。最新の給湯器は省エネ性能が向上しており、ランニングコストの削減にもつながります。
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