食洗機は「乾燥のみ」で運転できます|パナソニックは乾燥時間の設定、リンナイは運転コース。ただし除菌はかかりません
食洗機を「乾燥だけ」で動かすことはできます。パナソニックとリンナイのビルトイン食洗機について、2026年9月20日に両社の公式サイトで確認しました。ただし操作の入り口が2社で違い、パナソニックは乾燥時間の設定、リンナイは運転コースの1つとして持っています。
食洗機は乾燥のみで運転できますか
できます。パナソニックには「乾燥のみ」という設定があり、リンナイには「乾燥」という運転コースがあります(いずれも2026年9月20日に公式サイトで確認)。ただし、同じことをするのに触る場所が違います。
| メーカー | 乾燥だけを動かすとき | 洗いだけを動かすとき |
|---|---|---|
| パナソニック | コースを選んだあとに乾燥時間を設定する。乾燥のみの設定もある | 高速洗浄コース・高速すすぎコースは初期設定が乾燥なし |
| リンナイ | 運転コースから「乾燥」を選ぶ | 「洗浄のみ」コースがある機種がある |
※ 今回確認したのはパナソニックとリンナイの2社です。三菱電機・東芝と、海外メーカーの機種は確認していません。
食洗機の説明で「乾燥コースが見当たらない」と感じるのは、多くの場合ここが原因です。パナソニックの製品ページで乾燥が出てくるのは、コースの説明ではなく「乾燥時間」を指定する注記のほうです。探す場所が違います。
パナソニックの乾燥は、コースではなく「時間」で決まります
パナソニックのビルトイン食洗機は、乾燥を運転コースとは別の軸で持っています。プルオープンのA1シリーズ・B1シリーズの製品ページには、高速洗浄コースと高速すすぎコースの注記として、次のように書かれています。
初期設定は乾燥なしです。乾燥が必要な場合は、乾燥時間を設定してください。
つまり、コースを選ぶことと、乾燥を何分かけるかを決めることが別の操作になっています。乾燥を1分も入れない運転が初期設定になっているコースがある、ということでもあります。
フロントオープンのNP-45EF1Wでは、運転音の測定条件が「汚れレベル2+乾燥120分設定で運転」と書かれています。乾燥が分単位で指定するものであることは、この注記からも読み取れます。
乾燥そのものの仕組みはヒーター式です。NP-45EF1Wのページは「ヒーターで熱した温風をファンで庫内に送り込む」と説明し、排気は足元の排気口から約35℃の低温・低湿で出す「ケコミ排気乾燥システム」だとしています。
加熱すすぎと乾燥の間に、約30分のクールダウンが入ります
A1シリーズ・B1シリーズの消費電力のグラフには、次の注記が付いています。
実際は、加熱すすぎ工程と乾燥工程の間にクールダウン工程が約30分動作します。
運転が終わったように見えて庫内が静かな時間があるのは、この工程です。この30分が終わってから乾燥工程に入る、という順番になります。
リンナイの「乾燥」は、運転コースの1つです
リンナイの製品機能比較表(2026年7月現在)には、運転コースの組み合わせが10通り載っています。2026年9月20日に数えたところ、10通りのすべてに「乾燥」が入っていました。コース数は3から9まで幅がありますが、いちばん少ない3コースの構成でも「標準、念入り、乾燥」です。
グレードによって減るのは重曹コースや夜エココースのほうで、乾燥は残ります。
| コース数 | 運転コースの構成 |
|---|---|
| 9コース | 標準、重曹、念入り、少量、洗浄のみ、夜エコ、乾燥、クリーンキープ、庫内洗浄 |
| 5コース | 標準、念入り、洗浄のみ、乾燥、庫内洗浄 |
| 3コース | 標準、念入り、乾燥 |
※ 同じ比較表に載っている10通りのうち3通りを抜き出したものです。どの型式がどの構成かは、同じ表の型式欄で確認してください。
乾燥の中身は「からっとキープ」という名前が付いています。リンナイの製品ページは「ヒーター加熱による乾燥運転の後に、乾燥ファンでしっかり乾かす」と説明しています。ヒーターで温めて終わりではなく、そのあとの送風までを含めて1つの乾燥運転です。
乾燥の強さは、機械が決めている機種があります
ハイグレードの機種には「エコギア」という制御が入っています。リンナイの説明では、庫内温度センサーと排気温度センサーの2つで庫内の食器量や排気温度をみて、食器量にあわせてすすぎ回数を調整し、乾燥時のヒーターを制御するものです。
つまり、同じ「乾燥」を選んでも、庫内の状態によってヒーターの働き方が変わります。乾燥の仕上がりが日によって違うように感じるのは、必ずしも不具合ではありません。
乾燥のみでは、除菌はかかりません
ここは見落としやすい点です。パナソニックのストリーム除菌洗浄は、50℃以上の高温・高圧水流で洗うと同時に除菌する仕組みです。その試験の注記に、次のように明記されています。
「高速すすぎ」「乾燥のみ」の設定では除菌できません。
まな板の除菌についての注記も同じ文言です。NP-45EF1Wのページでも「『乾燥』のみの設定では除菌できません」と書かれています。
除菌は水流の工程で起きるので、水を使わない乾燥だけを回しても、そこは動きません。乾燥のみは「食器に残った水気を飛ばす」ためには使えますが、「もう一度洗う代わり」にはなりません。手洗いした食器を入れて乾燥だけかけた場合も、除菌したことにはならない、ということです。
乾燥だけ使いたくなる場面
実際に乾燥のみが要るのは、次のような場面です。
- 手洗いした食器を入れて、水気だけ飛ばしたいとき
- 運転が終わったあと、プラスチックの容器だけ濡れていたとき
- 庫内が湿ったままで、次に開けたときのにおいが気になるとき
- 洗い終わった食器を、しばらく庫内に置いておきたいとき
ただし、2つめについては注意が必要です。プラスチックが乾かないのは乾燥時間が足りないからとは限らず、素材と乾燥方式の相性の話が大きいためです。乾燥を追加しても変わらないことがあります。
4つめについては、乾燥運転とは別の機能が用意されている機種があります。パナソニックの「ナノイーX送風」は、試験条件が「洗浄や乾燥運転後の食器の保管庫として」使う場合とされています。保管のための送風であって、乾燥運転そのものではありません。
リンナイの「クリーンキープコース」も同じ位置づけです。リンナイの説明では、食器の乾燥時に外気から取り込まれる空気をプラズマクラスターイオンが浄化し、手洗いした食器もこのコースで保管すれば清潔さを保てる、とされています。
どちらも、乾燥のみとは別のボタンです。「乾いた食器を庫内に置いておきたい」だけなら、乾燥を延ばすのではなく、こちらを使うほうが本来の使い方に近いことになります。
逆に「乾燥なし」で使いたいとき
夏場や、急いで洗いたいときは、乾燥を省きたいこともあります。こちらも2社で入り口が違います。
- パナソニック……高速洗浄コースと高速すすぎコースは、初期設定が乾燥なしです。乾燥を足したいときだけ時間を設定します
- リンナイ……「洗浄のみ」というコースがあります。製品機能比較表の10通りのうち、4通りに入っていました
乾燥を省くと、食器は自然乾燥になります。庫内が湿ったまま閉じることになるので、扉を少し開けておくなどの手当てが要ります。海外メーカーの機種は、この「自然乾燥をどう扱うか」で設計が分かれています。
よくある質問
乾燥のみのコースが見当たりません
パナソニックの機種では、乾燥はコースではなく時間として設定する項目です。コース名を探しても見つからないときは、乾燥時間の設定を見てください。リンナイの機種であれば、運転コースの中に「乾燥」があります。どちらの場合も、取扱説明書の乾燥の章が確実です。
乾燥のみで除菌もできますか
できません。パナソニックはストリーム除菌洗浄・まな板除菌の両方について「『乾燥のみ』の設定では除菌できません」と注記しています(2026年9月20日確認)。除菌は50℃以上の水流の工程で起きるためです。
乾燥のみにすると電気は多くかかりますか
1回あたりの金額は、契約しているプランや地域で変わるので、この記事では出しません。仕組みとして言えるのは、乾燥はヒーターを使う工程だということです。リンナイは「夜エココース」を、ヒーターの消費電力を抑えながらゆっくり洗浄・乾燥するコースとして説明しています。ヒーターの使い方で消費電力が変わることは、メーカー自身が前提にしています。
運転の途中で乾燥だけ追加できますか
機種によって操作が違うため、今回の調査では確認できませんでした。パナソニックは乾燥時間を設定する方式、リンナイはコースを選ぶ方式なので、運転中に足せるかどうかは取扱説明書の該当ページで確かめてください。
まとめ
乾燥のみの運転は、パナソニックでもリンナイでもできます。違うのは置き場所で、パナソニックは乾燥時間の設定、リンナイは運転コースです。コースの一覧に「乾燥」が無いことを「この機種にはできない」と読まないでください。
そして、乾燥のみでは除菌はかかりません。手洗いした食器を入れて乾燥だけかけるのは、水気を飛ばす操作であって、洗浄の代わりではありません。
乾燥が弱くなってきた、ヒーターが効いていない気がするというときは、部品の保有期間が終わっていないかも含めて、交換も選択肢に入ります。東京ガスの機器交換は、食洗機も扱っています。
出典:パナソニック 公式サイト「ビルトイン食器洗い乾燥機 プルオープンタイプ A1/B1シリーズ」「幅45cm フロントオープンタイプ NP-45EF1W」(2026年9月20日取得)/リンナイ 公式サイト「食器洗い乾燥機 製品機能比較表」(2026年7月現在・2026年9月20日取得)「深型スライドオープンタイプ」(2026年9月20日取得)