光回線の電話勧誘トラブルは5年で最多です|「今の回線が終了する」と言われたら、その日に契約しないでください
この記事を読むと分かること
- ★相談件数は2025年度に8,491件で、5年で最多だということ
- ★「高齢者の割合が増えている」わけではないこと(ょ5年間ずっと3割前後)
- ★戻す制度が2つあり、回線本体とオプションで違うこと
自宅の固定電話に、契約している会社らしい相手から電話がかかってくる。「今の光回線が終了するので変更の手続きが必要です」と言われて、必要なことだと思って承諾した。あとから届いた書面を見たら、知らない会社との契約になっていた。国民生活センターが2026年7月1日に公表した資料には、この型の相談が並んでいます。この記事では、その公表資料だけをもとに、何が起きているのか、電話口で何を確かめればいいのか、そして契約してしまったときに戻す方法を整理します。
★相談件数は5年で最多です
国民生活センターは、全国の消費生活センター等に寄せられた相談をPIO-NETというデータベースに蓄えています。その件数がこちらです。
| 年度 | 相談件数 | 契約当事者70歳以上の割合 |
|---|---|---|
| 2021年度 | 6,355件 | 33.5% |
| 2022年度 | 4,899件 | 32.2% |
| 2023年度 | 5,627件 | 30.1% |
| 2024年度 | 6,862件 | 32.3% |
| 2025年度 | 8,491件 | 32.6% |
※ 国民生活センター「光回線サービスの電話勧誘トラブルが増えています!」(令和8年7月1日公表)の図1に基づく。相談件数は2026年4月30日までの登録分で、消費生活センター等からの経由相談は含まれません(2026年9月3日時点で確認)。
2025年度は、5年間で最も多い件数です。
★ここを読み違えないでください
このデータには、見出しになりにくいが大事な点が2つあります。
★① 「2022年度から増え続けている」は、伸びが大きく見える書き方です
確かに2022年度の4,899件からは+73.3%です。
ただし2021年度は6,355件で、2022年度はいったん減っています。
2021年度と比べると+33.6%。どちらも同じデータから出ますが、印象が変わります。
確かなのは「5年で最多」ということです。
★② 70歳以上の「割合」は、この5年ほとんど動いていません
33.5%→ 32.2%→ 30.1%→ 32.3%→ 32.6%。ずっと3割前後です。
つまり、高齢者に寄ってきているのではなく、全体が増えています。
「高齢者が狙われている」のは事実ですが、(「自分は若いから大丈夫」という読み方はできません。)
相談の約7割は70歳未満の人からです。
光回線のトラブル全体のうち、電話勧誘が6割
国民生活センターは、光回線サービスのトラブル全体(n=56,335)を販売購入形態で分けています。
電話勧誘販売が57.2%で最も高く、訪問販売、店舗購入と続きます。
※ 同資料の図2に基づく(2026年9月3日時点で確認)。
実際の相談事例
公表資料に載っている4件のうち、型がはっきりしているものを挙げます。
事例:「契約中の会社の回線が終了する」と言われた
自宅の固定電話に「A社の光回線を契約している方に、A社の光回線が終了するため
当社で変更手続を行う旨連絡している」と電話。契約中のA社関連の会社と思い承諾した。
後日A社に問い合わせると、「契約はB社へ変更されており、当社との契約は解約になっている。
当社の光回線が終了する予定はなく、そのような案内電話はしていない」と言われた。
※ 国民生活センターの公表資料の事例1(2026年1月受付、50歳代男性)を要約。
もうひとつ、要点が違う事例があります。「安くなる」と言われて契約したところ、覚えのないオプションがいくつも付いていたというものです(事例4・70歳代女性)。「ビデオ見放題」「クラウドストレージ」などが契約になっており、契約書をよく見て初めて気づいたとされています。
★電話口で確かめるのは「会社名とサービス名」です
国民生活センターのアドバイスの1番目がこれです。
「突然電話がかかってきた際は、必ず事業者名とサービス名を確認しましょう」
そもそも、電気通信事業法で説明が義務付けられています。同センターによれば、説明すべき内容には次が含まれます。
| 説明されるはずのこと |
|---|
| 勧誘するサービスの名称 |
| そのサービスを提供している事業者の名称 |
| 電話をかけて勧誘を行う事業者(販売代理店等)の名称および連絡先 |
| 通信サービスの料金(契約時の事務手数料も含む) |
| 解約時の連絡先および方法 |
※ 国民生活センターの公表資料による(電気通信事業法第26条、同法施行規則第22条の2の3第1項)。法令の適用の判断は個別の事情によります(2026年9月3日時点で確認)。
つまり「どこの会社か」を名乗らないこと自体が、本来はあってはならないことです。
そうは言っても、電話口で卸すのは気が引けますよね。ですがここは聞くだけです。名乗らない、あるいはあいまいにするなら、その時点で判断がつきます。
★「説明書面」と「契約書面」は別のものです
ここが、あまり知られていないところだと思います。
| 書面 | いつ届くか | 何のためのものか |
|---|---|---|
| 説明書面 | 契約の前 | これを見ながら説明を受けるためのもの |
| 契約書面 | 契約の後 | 契約内容を確認するためのもの |
国民生活センターは、説明書面についてこう書いています。
「勧誘を受ける消費者が、積極的に「メールやSMS」等の電子的な方法や、「電話による口頭説明」を求めない限り、紙媒体の説明書面を送る必要があります」
※ 国民生活センターの公表資料による(2026年9月3日時点で確認)。
★「メールで送りますね」と向こうから言われたときは
紙以外の方法が認められるのは、消費者が積極的にそれを求めた場合に限られます。
国民生活センターは、事業者に代替的方法へ「誘導されたと考えられる場合」は、
消費者が積極的に求めたわけではないとしています。
「紙で送ってください」と言っていい、ということです。
そして、アドバイスの3番目がこれです。
「電話がかかってきた日に契約しないようにしましょう」
理由として「電話勧誘は不意打ち性が強く、その場で冷静な判断ができない可能性があります」としています。
この1行だけでも覚えて帰っていただければ、この記事の目的は半分達しています。
★契約してしまったとき ─ 戻す制度は2つあります
ここを混同すると、使えるはずの制度を使い損ねます。
| 対象 | 制度 | 期限 | 払うことになるもの |
|---|---|---|---|
| 光回線サービス本体 | 電気通信事業法の「初期契約解除制度」 | 契約書面が届いた日を初日として8日目まで | 中途解約の違約金は不要。ただし事務手数料・利用した通信料金・実施済みの工事費用等の実費は支払う |
| 電気通信サービス以外のオプション | 特定商取引法の「クーリング・オフ」の対象となる場合がある | 制度が違います | — |
※ 国民生活センターの公表資料による。「対象となる場合があります」という書き方で、常に対象とは書かれていません。個別の判断は消費生活センター等にご相談ください(2026年9月3日時点で確認)。
回線本体は「初期契約解除」、オプションは「クーリング・オフ」。同じ電話で一緒に契約していても、根拠になる法律が違います。
覚えのない書面が届いたら、その日のうちに開けてください
初期契約解除の起算日は「契約書面が届いた日」です。
国民生活センターは「契約した認識がなくても契約になっている事例がある」として、
覚えのない事業者から書面やメール・SMSが届いたらすぐに内容を確認するよう案内しています。
封を切らずに置いておくのが、一番もったいないやり方です。
相談先
不安に思った場合やトラブルが生じた場合の相談先は、国民生活センターが案内しています。
消費者ホットライン「188(いやや!)」番。お住まいの地域の消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の番号です。
※ 国民生活センターの公表内容による(2026年9月3日時点で確認)。
この記事は特定の回線や事業者をすすめるものではありません。契約の見直しは、トラブルが片付いて、自分のペースで調べられるときにやることです。
国と業界に何を求めているのか
この公表は注意喉起だけではなく、行政と業界団体への要望を含んでいます。要望先は総務省と電気通信サービス向上推進協議会です。
中身は「説明書面の交付および、交付方法を正しく説明し、消費者が交付方法を主体的に選択できるよう指導を徹底すること」。
つまり、問題の中心は「説明書面が渡されていないこと」だと、国民生活センターは見ています。
読む側からすれば、「説明書面を紙でください」と言えるかどうかが、分かれ目になるということです。
まとめ
- ★相談件数は2025年度が8,491件で、5年で最多(国民生活センター・PIO-NET)
- ★2021年度は6,355件、2022年度は4,899件で、一度減ってから増えている
- ★70歳以上の割合は5年間 30~33%でほぼ一定。増えているのは割合ではなく件数
- 光回線のトラブル全体(n=56,335)のうち電話勧誘販売が57.2%
- 多いのは「契約中の会社のサービスが終了する」「契約中の事業者と誤認させられた」型
- ★電話口で確かめるのは「事業者名」と「サービス名」。名乗るのは法上の説明事項に含まれる
- ★「説明書面」と「契約書面」は別物。説明書面は契約の前に、原則紙で
- ★電話がかかってきた日に契約しない(国民生活センターのアドバイス)
- ★戻す制度は2つ。回線本体は初期契約解除(8日目まで・違約金なし、実費は支払う)
- オプションは特定商取引法のクーリング・オフの対象となる場合がある
- 覚えのない書面が届いたらその日のうちに開ける。起算日は契約書面が届いた日
- 不安なら消費者ホットライン「188」
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※ 本記事の相談件数・割合・相談事例・問題点・アドバイス・要望先は、独立行政法人国民生活センター「光回線サービスの電話勧誘トラブルが増えています!−口頭説明だけで契約せず、必ず説明書面を見てから検討しましょう−」(令和8年7月1日公表)の公表内容に基づきます(2026年9月3日時点で確認)。法令や制度の適用は、契約の内容や個別の事情によります。実際の判断は、お住まいの消費生活センター等にご相談ください。