給湯器のリセットを何回も繰り返すのは危険?完全に壊れる前に知っておくべきこと

この記事を読むと分かること
  • 給湯器を何回もリセットすることで内部機器に負荷がかかり症状が悪化する場合がある。ガス臭・不完全燃焼が疑われる場合はリセット厳禁
  • 繰り返すエラーは「一時的な不具合」ではなく「部品劣化・故障の進行」のサイン。エラーコードの種類で危険度が異なる
  • リセットで直るかより「誰に修理・交換を依頼するか」の方がコストと安全性に直結する

給湯器のリセットとは?3種類の方法を確認

給湯器が突然動かなくなる、リモコンにエラーコードが表示される――こうしたトラブルに直面したとき、最初に試みるのがリセット操作です。リセットとは、給湯器の電源を一時的にオフにして再起動させる操作のことです。パソコンやスマートフォンの「強制再起動」と同じイメージで、一時的なエラーや安全装置の誤作動を解除できる場合があります。
給湯器のリセット方法は大きく3種類あります。
1. リモコンのリセット(電源入れ直し)
最も手軽な方法です。リモコンの運転スイッチをオフにし、少し待ってから再びオンにします。「お客さまで対処できる」カテゴリのエラーコードであれば、この操作でエラーが解除されることがあります。手順は以下の通りです。家中のすべての給湯を止め、リモコンの運転スイッチをオフにします。しばらく経ってから運転スイッチをオンにし、エラーコードが消えているか確認します。その後お湯を出して正常に動作するか確認します。
2. ガスメーターの復帰操作
地震など外部要因でガスメーターの安全装置が作動した場合に行います。すべてのガス機器を止め、ガスメーターの復帰ボタンを押して約3分待ちます。ランプが消えたことを確認してから、ガス機器を使い始めます。
3. 電源プラグの抜き差し
リモコンでのリセットでは解決しない場合に試します。給湯器本体のコンセントを抜いて数分間放置し、電源を完全にリセットします。ただしガス臭がする場合や、水濡れがある場合は絶対に行ってはいけません。
東京ガスの公式情報によると、リセットを試みてもすぐに同じエラーが繰り返される場合は「故障の可能性が考えられるため、修理を依頼するのが望ましい」とされています。1〜2回試してみて改善しないようなら、繰り返すのではなく専門業者へ相談することが正しい対処法です。

給湯器を絶対にリセットしてはいけない3つの危険な状況

給湯器のリセットを何回も繰り返す前に、まずリセットを行うこと自体が危険な状況でないかを確認してください。以下の3つの状況でリセットを行うと、命に関わる事故につながる可能性があります。
「とりあえずリセットすれば動く」という発想でいると、取り返しのつかない事故を招くことがあります。
状況1:ガス臭がするとき
ガス臭がする場合、電源プラグの抜き差しによるリセット操作が引火の原因になることがあります。ガスは空気より重く、床付近に溜まりやすいため、少しの火花でも爆発・引火のリスクがあります。ガス臭を感じたら、すぐにすべての機器を止め、窓を開けて換気し、ガス会社に連絡してください。絶対に電気のスイッチやコンセントを触ってはいけません。
状況2:浸水・水濡れ後
台風・豪雨・洪水などで給湯器が水に浸かったり、激しい雨にさらされた後もリセット作業は禁物です。感電・漏電による故障や事故の危険があります。給湯器が自然乾燥した後、専門業者に点検を依頼してから復旧させるのが正しい手順です。「雨が止んだからすぐに試してみよう」という行動は大変危険です。
状況3:不完全燃焼が疑われるとき
これが最も見落とされやすい危険状況です。不完全燃焼とは、酸素不足や機器の不具合によってガスが完全に燃えず、猛毒の一酸化炭素(CO)が発生する現象です。一酸化炭素は無色・無臭のため気づきにくく、室内濃度が0.04%になると1〜2時間で頭痛・吐き気などの中毒症状が出現し、1.28%の濃度では1〜3分で死亡に至ります。
平成20年4月以降に製造された給湯器には、不完全燃焼が3回連続で検知されると自動的に点火できなくなる「再使用禁止機能(インターロック)」が搭載されています。このインターロックが作動した状態で無理にリセットを繰り返すことは、一酸化炭素中毒の重大リスクを招く行為です。不完全燃焼関連のエラーコードが表示されたら、すぐに使用を中止してメーカーや専門業者に連絡してください。
「エラーが消えたから大丈夫」と安易に判断せず、浴室や室内で気分が悪くなった、頭痛がするという症状を感じたら、すぐに窓を開けて外に出てください。

同じエラーが何回も繰り返される場合の危険なサイン

では、ガス臭も浸水も不完全燃焼の疑いもない――それでも同じエラーが何度も繰り返される場合、どう判断すればよいでしょうか。
繰り返すエラーの多くは「部品劣化・故障の進行」のサインです。一度リセットで消えても、しばらくするとまた同じエラーが出る場合、それは根本的な問題が解決されていないことを意味します。
繰り返しエラーが示す代表的な内部問題として、フレームロッド(燃焼センサー)の汚れや劣化、点火プラグの劣化(スパークが弱くなっている)、給排気経路の詰まりや排気管の劣化、制御基板(マイコン)の不具合、熱交換器のスケール詰まりなどが挙げられます。
実際に、Yahoo!知恵袋にはこんな投稿があります。
「NORITZの給湯器が壊れたみたいでエラー101がでましたがブレーカー切ってリセットしたら直りました、何だったのでしょうか?」
— Yahoo!知恵袋より(2016年9月)
これに対してベストアンサーに選ばれた回答がこちらです。
「給排気異常(能力低下運転)です。販売店にて点検した方が良いと思います。」
— Yahoo!知恵袋より(2016年9月)
投稿者は「リセットしたら直った」と感じていますが、専門家の回答は「点検を」という指摘でした。これがまさに見落とされやすい落とし穴です。
「リセットしたら直った」は「本当に直った」ではありません。根本原因を放置したまま繰り返していると、最終的には完全停止という形で突然お湯が出なくなります。特に寒い冬の朝に「お湯が出ない」という状況に陥るのは、それまでに何度もエラーとリセットを繰り返してきた結果であることが多いのです。
あなたも「またエラーが出た、またリセットすれば直る」というサイクルを繰り返していませんか?そのサイクルが続く限り、給湯器は少しずつ確実に限界に近づいています。

繰り返すリセットで給湯器は完全に壊れるのか

「リセットを繰り返すことで給湯器が完全に壊れることはあるのか」という疑問は、多くの方が持たれています。
答えは「可能性はある」です。ただし、「リセット操作そのもの」が故障の直接原因になるというより、「故障が進行している状態を無視して使い続けることで、症状が悪化する」というメカニズムです。
繰り返す再起動によって制御基板や電子部品に微小な電気的ストレスが蓄積されます。特にコンデンサーや接点部品は、頻繁な電源オン/オフに弱い設計になっています。
次に、エラーの根本原因(例:給排気系の詰まり)を放置したまま再起動を繰り返すと、熱交換器や燃焼部品に過負荷がかかり続けます。本来なら安全装置が保護してくれるところを、リセットで強制的に動かし続けることで、保護対象の部品が早期に劣化します。
さらに、修理可能な段階を過ぎると交換しか選択肢がなくなります。部品が1〜2点の交換で直る修理費用は2〜5万円程度で済む場合もありますが、複数の基幹部品が損傷すると10万円超の修理費になるか、交換の方が合理的という判断になります。
「リセットすれば動く」という状態に慣れてしまい、対応を先延ばしにした結果、最も費用のかかるタイミング(真冬の突然の完全停止)で交換を迫られる――これが最も避けるべきシナリオです。
メーカーから交換用部品を取り寄せる場合は在庫の確認や調達に1週間程度かかるケースもあります。「動かなくなってから」では、その間お湯が使えない状態が続きます。早めに動くほど選択肢が広がります。

エラーコード別に見る「繰り返し出るエラー」の意味

リセットで対処できるエラーと、リセットで対処すべきでないエラーは、表示されるエラーコードによって大きく異なります。主なエラーコードとその意味を整理します。
なお、エラーコードはメーカーによって番号体系が異なります。ご使用中の給湯器の取扱説明書またはメーカーの公式サイトで必ず確認してください。
比較的軽微なエラー(1回程度のリセットで様子見できるもの):
ガスメーター遮断(地震・ガス漏れ検知による自動遮断)はガスメーターの復帰操作で解決することがほとんどです。また、瞬時停電・電源ノイズによる制御エラーもリモコンの電源入れ直しで解決するケースが多いです。これらは繰り返さなければ特別な心配は不要です。
繰り返す場合は早急に専門業者へ連絡すべきエラー:
給排気異常(ノーリツの101番など)は換気口の詰まり・排気管の劣化・室内の酸素不足が疑われます。リセットで一時的に動いても、放置すると能力低下のまま運転し続けることになり、不完全燃焼リスクが高まります。点火異常は点火プラグの劣化・ガス供給の問題です。繰り返す場合は部品交換または交換の検討が必要です。
リセット厳禁・即専門業者連絡のエラー:
不完全燃焼関連のエラーが出た場合、一酸化炭素発生リスクがあるため再点火は絶対に行わないでください。インターロック(再使用禁止機能)が作動したエラーも同様に、無理なリセットは極めて危険です。この状態でリセットを繰り返すことは、非常に深刻な事故につながる可能性があります。
寿命サインのエラー(修理・交換の検討が必要):
エコジョーズの920番エラーは給湯器内の中和器の寿命が近づいていることを示します。930番になると給湯器が停止するため、920番の段階で専門業者に連絡することが重要です。888番は設備のメンテナンス推奨サインで、使用継続は可能ですが定期点検・部品交換の時期であることを示しています。

「リセットすれば直る」の落とし穴:本当に重要なのは業者選び

リセット操作にばかり目が向きがちですが、実は給湯器トラブルで読者が最もコストと安全性に影響を受けるのは「誰に修理・交換を依頼するか」という選択です。
インターネット上には格安をうたう業者が数多く存在します。一見安く見える見積もりでも、施工後に追加費用が発生したり、無資格者による施工でガス漏れや水漏れが起きたりするケースが後を絶ちません。「リセットで直ったから安い業者でいい」という油断が、後々大きなトラブルを引き起こします。
業者選びの際に確認すべき資格:
給湯器の交換工事には、水道接続部分の工事を行うために自治体の指定給水装置工事事業者であることが法的に求められます(給水装置工事主任技術者の配置が原則必要)。これは自治体ごとに指定を受けた業者のみが合法的に施工できる仕組みです。都市ガスのガス配管を扱う場合は「ガス可とう管接続工事監督者」、プロパンガスの場合は「液化石油ガス設備士」が必要です。これらの資格を持たない業者による施工は違法となり得るだけでなく、施工後のガス漏れや水漏れという深刻なリスクにつながります。
「10年保証」の言葉を鵜呑みにしない:
多くの業者が「10年保証」を訴求していますが、実態を理解した上で判断することが大切です。給湯器が実際に故障し始めるのは設置から12〜15年後が多く、保証期間内に壊れる確率自体が高くありません。また、製造終了から約10年で部品供給が終わるため、保証期間内でも修理できないケースがあります。さらに小規模業者は10年後の存続が保証されず、会社が消えれば保証も消えます。
東京ガスの機器交換を最有力候補として推薦する理由:
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給湯器交換を決断するタイミングの見極め方

繰り返すリセットが必要な状況になったとき、修理と交換のどちらを選ぶかは悩みどころです。判断の目安を整理します。
交換を強く検討すべきサイン:
使用年数が10年以上(メーカーの設計標準使用期間)で、同じエラーが1ヶ月以内に2回以上繰り返されている場合は交換を検討するタイミングです。修理見積もりが5万円を超え、かつ使用年数が7年以上の場合も同様です。また、1つの箇所を修理したあとに別の箇所が故障した場合、異音(キーン音・ガタガタ音)が継続的に聞こえる場合、お湯の温度が安定しない・設定温度に達しない場合も、交換を検討すべきサインです。
特に「使用10年超 + 繰り返すエラー」の組み合わせは、修理よりも交換の方が長期的にコスト合理性が高いことが多いです。修理で延命させても、また別の箇所が故障するリスクが高く、結果的に修理費が交換費用を超えてしまうケースが珍しくありません。
修理で対応できる可能性があるケース:
使用年数5年未満で、点火プラグや燃焼センサーなど特定の部品交換で対応できる場合は修理の方が合理的です。給排気口の詰まり清掃など、部品交換を伴わないケースも修理で解決します。東京ガスの修理事例では、ふろ給湯器の部品交換修理のうち25,000円以下で対応できたケースが7割以上を占めるとされています(2022年度調べ)。
いずれにせよ、「リセットで直るうちは動かし続ける」という対処は短期的な解決でしかありません。特に冬場は給湯器の需要が高まり、メーカーへの部品発注に時間がかかることもあります。「まだ動くから」という段階で早めに専門業者に相談しておくことで、突然の完全停止という最悪のシナリオを避けられます。

まとめ:繰り返すリセットは「警告サイン」として受け取る

給湯器のリセットを何回も繰り返す必要がある状況は、機器が「そろそろ限界です」と警告しているサインです。
リセット自体が故障の直接の原因になることはほぼありませんが、根本原因を無視して使い続けることで症状が悪化します。ガス臭・浸水・不完全燃焼の疑いがある場合は絶対にリセットしないでください。繰り返すエラーは部品劣化・故障進行のサインであり、エラーコードによっては即専門業者へ連絡が必要です。使用10年超の給湯器でエラーが頻発している場合は、修理より交換の方が合理的なことが多いです。
最も重要な選択は「リセットで直るか」ではなく「誰に修理・交換を依頼するか」です。東証プライム上場・認定施工制度を持つ東京ガスの機器交換を軸に、信頼できる業者を選んでください。冬になって突然お湯が出なくなってから動くのではなく、繰り返すエラーが始まった段階で早めに対処することが、家族の安全とコストの両方を守ることにつながります。

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