IHからガスコンロに戻す配管工事費用はいくら?ケース別の相場と業者選びの注意点
この記事を読むと分かること
- IHからガスコンロに戻す工事費用は「既存のガス配管の有無」によって大きく変わり、配管が残っていれば2〜6万円程度、ゼロから引く場合は10万円以上になることもある
- 都市ガスとプロパンガスでは工事の内容と費用が異なり、プロパンの場合は「ガス会社への無償貸与」という罠に注意が必要
- コンロ交換の工事には資格が必要で、施工業者が正規の資格を持っているかどうかを確認することが安全な工事への第一歩
IHクッキングヒーターを使っていて、「やっぱりガスコンロに戻したい」と感じたことはありませんか?あるいは、IH仕様の中古住宅を購入したけれど、料理好きとしてはどうしてもガスで調理したい、という方もいるかもしれません。
実は「IHからガスに戻す」という選択は、思ったよりも多く行われています。ただし、工事費用がどのくらいかかるかは、ご自宅の状況によって大きく異なるのが現実です。
この記事では、IHからガスコンロへ切り替える際の工事費用の相場を、ガス配管の有無・ガスの種類・住宅タイプ別に整理してわかりやすく解説します。また、プロパンガス業者との契約で降りやすい「無償貸与の罠」についても、しっかり触れていきます。
IHからガスコンロに戻したいと思う主な理由
まず、なぜIHからガスに戻そうとする方が一定数いるのかを確認しておきましょう。IHに慣れない方が感じる不満を理解することで、ガスへの切り替えが「本当に自分に合った選択か」も見えてきます。
直火調理へのこだわり
IHクッキングヒーターは底面だけを加熱する仕組みのため、鍋の側面は直接加熱されません。炒め物のときに火力がいまひとつ足りなかったり、フライパンを振る動作をしたときに熱の伝わり方が変わったりと、料理好きの方ほどガスとの違いを感じやすいです。
実際に使った方の声として、Yahoo!知恵袋にこんな投稿がありました。
「8〜9年前にガスからIHに替えて、1年前にまたガスに戻しました。炒め物をしたり、直火で焼き色を付けたりといった作業が、ガスコンロのほうが断然うまくいっています」
— Yahoo!知恵袋より
こうした経験談は決して少なくありません。料理に対するこだわりがある方にとって、「熱の入り方の差」は想像以上に大きなストレスになることがあります。
調理器具を選ばない手軽さ
IHクッキングヒーターは、鍋底が平らで磁性体(鉄・ステンレス等)でできた調理器具でないと使えません。土鍋や銅鍋、アルミの雪平鍋など、長年愛用してきた道具が一切使えなくなることは、特にベテランの料理好きの方にとって大きなデメリットです。ガスコンロなら原則としてすべての調理器具が使えるため、そうした制約がありません。
オール電化物件の購入後に後悔
中古のオール電化住宅を購入したあとで「IHには慣れなかった」と感じ、ガスに戻すことを検討する方もいます。このケースでは、最初からガス管がキッチン周辺にない可能性が高く、工事費用が高くなりがちです。
どんな理由であれ、「もう一度ガスで料理したい」という気持ちは自然なものです。ただし、実際に工事を進める前に費用の全体像を把握することが大切です。
工事費用の全体像—ケース別の相場
IHからガスコンロへの切り替えにかかる費用は、大きく分けて「コンロ本体の費用」「設置工事費」「ガス配管工事費」の3つで構成されます。ただし、ガス配管工事費は状況によって0円から10万円以上まで幅があります。
ビルトインガスコンロへの交換費用(本体+設置)
IHがビルトインタイプ(キッチンに埋め込まれたタイプ)の場合、交換するガスコンロもビルトインタイプになります。
| グレード | 本体価格目安 | 設置工事費 | 小計(本体+工事) |
|---|---|---|---|
| エントリー | 3万~8万円 | 5,000〜15,000円 | 3.5万~9.5万円 |
| ミドル | 8万~15万円 | 5,000〜15,000円 | 8.5万~16.5万円 |
| ハイエンド | 15万~30万円 | 5,000〜15,000円 | 15.5万~31.5万円 |
ビルトインIHとビルトインガスコンロは開口サイズが異なる場合があるため、パネルの取り替えや調整が必要になることがあります(詳しくは後述)。
ガス配管工事費(状況別)
ガス配管工事費は、ご自宅のガス配管の状況によって大きく異なります。
| 状況 | 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 元々ガスコンロだった(配管残存) | ガス栓の再開通・接続 | 1万~3万円 |
| キッチン近くにガス配管がある | 配管を延長・分岐 | 2万~4万円 |
| ガス配管がキッチンから遠い | 床下・壁内を通して配管 | 5万~15万円以上 |
| ガス管が一切ない(オール電化) | 道路からの引き込み工事含む | 10万~数十万円 |
つまり、元々ガスコンロだった物件でガスに戻す場合は、合計「2万~6万円程度」で済むことも十分あります。一方、最初からオール電化でガス管が一切ない物件の場合は、10万円を大幅に超える可能性があります。
ガス配管の有無で費用が大きく変わる
工事費用を見積もる上で最も重要なポイントは「今のキッチンにガス管があるかどうか」です。
元々ガスコンロだった住宅の場合
IHにリフォームした際、ガス管を完全に撤去するケースは少なく、床下や壁内に残置されていることがほとんどです。この場合、ガス管の再開通と接続工事だけで済むため、費用は比較的押えられます。
実際にYahoo!不動産の知恵袋には、こんな回答がありました。
「IHの一戸建てだと3口のビルトインタイプだと思いますが、ガス配管工事は既設配管から分岐延長するだけなので、15,000~30,000円見れば十分だと思います。合計で 0~55,000円で変更できます」
— Yahoo!不動産(住まいの先生)より
このように、配管が近くにあれば比較的安価に工事を完了できる場合もあります。ただし、これはあくまでベストケースです。現地調査なしに「安いはず」と決め込まないようにしましょう。
最初からIHだった住宅・オール電化の場合
新築時からオール電化で設計された住宅では、ガス管が一切引かれていないことがあります。この場合は、道路下のガス本管から敷地内に引き込む「ガス引き込み工事」から始まる大規模な工事が必要になります。都市ガスの場合、引き込み工事だけで数万〜数十万円かかることもあります(距離・地盤・建物構造によって大きく変わります)。まずは現地調査を業者に依頼し、ガス管の状況を確認するところから始めましょう。
都市ガスとプロパンで工事内容が異なる
IHからガスへ切り替える際には、「都市ガス」か「プロパンガス(LPガス)」かによって、工事の内容・費用・その後の生活コストが大きく異なります。
都市ガスへの切り替え
都市ガスは地中に埋設されたガス管から供給されます。ガス管が近くまで来ていれば引き込みは比較的スムーズですが、距離が遠かったり道路を掘削する必要があったりする場合は費用が高くなります。都市ガスのメリットは、ガス料金がプロパンと比べて安い傾向にあることです。一般的に、都市ガスとプロパンを比べると、プロパンのほうが熱量単価が2、3倍高くなることも珍しくありません。
まずは自宅が都市ガスの供給エリア内かどうかを確認する必要があります。
プロパンガスへの切り替え
プロパンガスはガスボンベを設置するだけで利用を始められるため、都市ガスの引き込み工事が必要な地域でも比較的早期に対応できます。プロパン業者との契約をうまく活用すると、配管工事費を業者側が負担してくれる場合もあります。ただし、これには大きな落とし穴があります。次のセクションでくわしく解説します。
プロパン業者選びの落とし穴:無償貸与の罠
プロパンガスへの切り替えを検討している方が特に注意すべきなのが、「ガス機器の無償貸与」という慣行です。
無償貸与とはどのような仕組みか
プロパンガス業者の中には、「ガス配管工事費をサービスします」「給湯器を無料で設置します」という条件を提示してくる業者があります。これは一見お得に見えますが、その代わりに「うちのガスを使い続ける」という長期契約が前提になっているケースがほとんどです。
無償貸与の機器(給湯器・ガスコンロなど)は、あくまで「業者からの貸り物」であるため、業者との契約を解除すると機器を返却しなければならない場合があります。また、契約期間中はガス料金の値上げに対抗する手段が限られてしまいます。
なぜ業者乗り換えが難しくなるのか
プロパンガスは自由競争市場であり、業者ごとのガス料金に大きな差があります。本来であれば、より安い業者に自由に乗り換えることができます。しかし、無償貸与の機器がある場合は、乗り換えの際に「貸与機器の返却」「違約金の発生」などの問題が生じるため、実質的に乗り換えが難しくなります。
知恵袋にはこの点を指摘する回答もありました。
「プロパンは、レモン市場(いい加減で粗悪なこと)なので、値上げのリスクに備えて、いつでも解約して他社に乗り換えできるようフラットな取引を心がけた方が良いです。そのために絶対に貸与を受けてはいけません。」
— Yahoo!不動産(住まいの先生)より
正しい契約の仕方
プロパンガスでガスコンロへ切り替えを検討する場合は、以下の点を必ず確認してください。
- 配管工事費や機器の費用を「自分で支払う」か「業者から受け取ったと明示されているか」を書面で確認する
- 「無償貸与」ではなく「自前で購入・設置」することで、将来の業者変更の自由を守る
- 複数の業者に相見積もりを依頼し、ガス料金の単価(従量単価)を必ず比較する
工事費を安く押えるために無償貸与を受けてしまうと、その後何年もの間、割高なガス料金を払い続けるリスクがあります。短期的な節約が長期的な損失につながることがあることを、頭に入れておきましょう。
ビルトインIHとガスコンロの開口サイズ問題
IHからガスコンロへの切り替えを行う際にもう一つ見落とされがちなのが、キッチンの開口部(天板の穴)のサイズの違いです。
IHとガスコンロでは開口が異なる
ビルトインのIHクッキングヒーターとビルトインのガスコンロは、キッチンに組み込むための開口部のサイズが異なります。規格によって幅・奥行きが微妙に違うため、そのままでは設置できないケースがあります。一般的な対応方法としては、以下の2つが挙げられます。
- 専用の埋め込みパネルを使う: システムキッチンのメーカーが専用のパネルを用意していることがあり、これを使って隙間を埋める方法です。費用は5,000〜15,000円程度が目安です。
- 既存のキッチン天板を加工する: 開口サイズを変更するために天板を加工する方法です。ケースによりますが、キッチン全体のリフォームに発展する場合もあります。
使用しているキッチンのメーカーに問い合わせ、ビルトインガスコンロへの変更が可能かどうか、必要な部材は何かを確認しておくと、工事がスムーズに進みます。
工事の流れと必要な資格
IHからガスコンロへの切り替えは、見た目には「機器を入れ替えるだけ」に見えますが、ガスという危険物を扱う工事であるため、必ず資格のある業者に依頼する必要があります。
ビルトインガスコンロ設置に必要な資格
| ガス種 | 最低限必要な資格 |
|---|---|
| 都市ガス | ガス可とう管接続工事監督者 |
| プロパンガス(LPガス) | 液化石油ガス設備士 |
さらに、ガス配管を延長・分岐する工事が発生する場合は、「簡易内管施工士」の資格と所轄ガス会社の認可が必要になります。資格を持たない業者がガス工事を行うことは違法であり、工事後にガス漏れや火災が発生した場合に保険が適用されないリスクもあります。
東京ガスのような大手インフラ企業であれば、こうした資格の保有が組織的に担保されているため、安心して依頼できます。「安い業者」を選ぶ際も、必ず施工資格の確認を行ってから判断するようにしましょう。
まとめ
IHからガスコンロに戻す際の工事費用は、一言でまとめると「ガス配管の状況次第」です。
元々ガスコンロだった住宅でIHにリフォームし、ガス管がまだ残っていれば、配管工事と設置工事を合わせて2万~6万円程度で収まることもあります。一方、最初からオール電化でガス管がない物件では、10万円以上の費用がかかるケースが少なくありません。
プロパンガスで工事費の「無料」に飛びつくと、長期的に割高なガス料金を払い続けるリスクがあります。業者の選択肢を守るため、機器は自前で購入・設置することをおすすめします。
工事業者を選ぶ際は、施工資格(都市ガスなら「ガス可とう管接続工事監督者」、プロパンなら「液化石油ガス設備士」)の保有を必ず確認してください。安さだけで選ぶと、資格のない業者が工事を行うリスクがあります。
まずは現地調査を依頼し、ご自宅のガス管の状況と費用の全体像を把握した上で判断することが、失敗しないIH→ガスへの切り替えへの第一歩です。下記のサービスに相談してみましょう。
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