ラ・クックグランでパンが焦げるのは器具違い|焼き調理専門とポットの深さを公式の数字で比べる
この記事を読むと分かること
- ラ・クックグランとラ・クックグランポットは、公式に用途が分けられていること
- パンを焼いて上だけ焦げるのは、器具の高さと熱の当たり方で説明がつくこと
- パロマが出している純正の対策品と、その型番
先に結論:パンを焼く器具は「ラ・クックグランポット」です
パロマの「ラ・クック」シリーズは、ガスコンロのグリルで使う専用の調理容器です。表記は中黒を入れたラ・クックが正式で、「ラクック」ではありません。
そして、パン焼きで迷う前に押さえておきたいのが、シリーズ内で用途がはっきり分かれていることです。パロマの公式サイトは、2つの製品にそれぞれ次の但し書きを付けています(パロマ公式・2026年9月12日取得)。
- ラ・クックグラン:焼き調理専門。さんまも丸ごと焼ける大きさ
- ラ・クックグランポット:焼き物以外調理用。深さがあって料理が楽しくなる
公式がグリル調理の例として「パン」を挙げているのは、ラ・クックグランポットのほうです。焼き調理専門と書かれているラ・クックグランで膨らむものを焼こうとすれば、うまくいかないのは当然ということになります。
ラ・クックグラン(焼き調理専門)の寸法と特徴
底面が波形になっていて、余分な油を落とします。波の高さは4mmで、パロマの従来品(2mm)の2倍です。プレートの深さは約4cm(ふたの高さを含まず)。器具の寸法は高さ50mm×幅240mm×奥行310mm、質量1150g(ふた含まず)です。
ふたの上面に大きな穴がないので、油のとびはねをふたが受け止めます。パロマの試験では、グリル庫内のお手入れ部品への油はねを99.9%カットしたとされています。試験方法はPA-A96WCRで焼き網とラ・クックグランを使い、さんま3尾を調理して庫内の各お手入れ部品(焼き網・ラ・クックグランを除く)への油はねの量を5回測定して平均した値で、焼き網は強火12分、ラ・クックグランは強火15分。パロマ調べです。
内面は黒色セラミック塗装で、遠赤外線効果はパロマ従来のガスコンロ両面焼きグリルバーナーより約9%高いとされています(2022年12月パロマ調べ・調査機関は三重県工業研究所)。ふたの後ろの小さな穴から蒸気を逃がすので、ふた付きでも蒸し焼きにならず焼き目が付きます。
ここまでが「焼く」ための設計です。深さ約4cmは、魚や肉を寝かせて焼くための高さであって、生地が上に伸びる食材を入れる高さではありません。
ラ・クックグランポット(焼き物以外調理用)の寸法と特徴
深さ8.5cm、容量2.4リットル。器具の寸法は高さ85mm×幅200mm×奥行265mm、質量1430g(ふた含む)です。本体はアルミニウム合金製で、軽量の約1.4kg。ふたと本体にWセラミックコートが採用されています。
公式が挙げている使い方は、使う場所によって分かれています(パロマ公式・2026年9月12日取得)。
- コンロで:炊く、燻製
- グリルで:炊く、煮る、冷凍食品の調理、パン、蒸し料理
- 付属の内網を使うと蒸し料理ができ、無水調理鍋がなくても無水調理ができる
- 炊飯はコンロで1〜3合、グリルで1〜2合。容器の内側に1〜3合の水位線がある
パンについて公式が書いているのは「両面一気に焼ける」「オーブン無しで手軽に手作りパンが焼ける」の2点です。
対応機種が限られる点に注意してください。公式が挙げているのはCREA、AVANCE、FACEIS、WITHNAの各シリーズです。手持ちのコンロが対象かどうかを先に確かめてください。
2つの違いは、数字で見ると分かりやすい
- 公式の位置づけ:ラ・クックグラン=焼き調理専門/ポット=焼き物以外調理用
- 深さ:約4cm(プレート部)/8.5cm
- 器具の高さ:50mm/85mm
- 質量:1150g(ふた含まず)/1430g(ふた含む)
- 素材:内面は黒色セラミック塗装/アルミニウム合金製
生地は二次発酵で大きく膨らみます。深さ約4cmの容器に入れれば、膨らんだ生地の上面がふたに近づきます。ふたに近いほど上からの熱を強く受けるので、上面だけが先に固まって焦げます。これが「上だけ焦げて中が生焼け」の正体です。
ラ・クックグランでパンが焦げてしまう3つの原因
パンを焼いて上部だけが焦げる、または表面が焦げているのに中が生焼けという失敗は、ほぼすべて「火力」か「道具の選択」か「生地のサイズ」に起因します。
原因1:火力が強すぎる
グリルを使ったパン焼きで最もよくある失敗が、「火力を強くしすぎること」です。
魚や肉を焼くときは中火〜強火が基本ですが、パンの焼き方は全く異なります。パン生地は外側が急激に加熱されると、中心部まで熱が届く前に表面だけが固まって焦げてしまいます。
具体的な火加減と時間は、お使いのコンロの取扱説明書か、パロマの公式レシピで確認してください。グリルの火力の目盛りは機種によって実際の熱量が違うため、記事側で「弱火で何分」と一律に書くと、機種によっては焦げます。パロマは公式のレシピサイト(楽ラクレシピ)と、ラ・クックの専用レシピブック(10カテゴリー・70レシピ)を用意しています。
原因2:密閉空間で上部に熱が集中する
ポット型の密閉構造は、スープや炊飯には素晴らしい特性です。しかし、パン焼きでは注意が必要な側面でもあります。
フタをして密閉した状態で加熱すると、上火の熱がポット内の上部空間に充満します。特に上火が強い設定だと、この集中した熱がパンの上面に直接当たり続けることになります。結果として、「上だけ焦げて下は生焼け」という状態が生まれやすいのです。
この問題を解決するのが、次の「アルミホイルドーム法」です。
原因3:パン生地のサイズが大きすぎる
パン生地は発酵によって元の体積の2倍近くに膨らみます。発酵後の生地が大きすぎると、深型のポットの中でもフタに接触してしまう場合があります。
この場合にできるのは、生地量を減らすか、一回で焼く個数を減らすことです。膨らんだあとの高さが、ふたまでの残りより低く収まるように逆算してください。
そしてラ・クックグラン(焼き調理専門)でパンを焼いている場合は、器具を変えるのが先です。深さ約4cmでは、ふたを閉めれば生地が当たり、ふたを開ければ庫内の熱が逃げます。どちらに振っても、うまくいく範囲が狭くなります。
パンを焦がさない!3つの実践的な対策
原因が分かれば対策は簡単です。3つの対策を組み合わせることで、グリルでのパン焼きの成功率は格段に上がります。
対策1:まず純正の専用クッキングシートを使う
パロマが出している純正品は、アルミホイルではなく専用クッキングシートです。ラ・クックグラン用の型番はPLCS-2Aで、パロマの公式通販「パロマプラス」で扱っています(2026年9月12日確認)。シリコン樹脂加工なので油なしでも食材がくっつきにくく、本体にぴったりのサイズなので切ったり折ったりする必要がありません。ラ・クックグランポット用の専用シートも別に用意されています。
アルミホイルをかぶせる方法については、まず取扱説明書を確認してください。グリルでアルミホイルを使ってよいかどうかは機種によって書かれ方が違います。この記事で「かぶせて大丈夫です」と言い切ることはしません。
仕組みとして知っておいてほしいことは2つあります。アルミホイルの上に油が溜まった状態で加熱が続けば、油が発火点に達して燃えることがあります。またアルミニウムの融点は約660℃で、グリルの炎が直接当たる場所では溶けることがあります。ホイルを使うなら、油が溜まらないようにすること、炎に直接触れさせないことの2点が必要になります。
対策2:自分のコンロで一度、基準を取る
火加減と時間は、取扱説明書か公式レシピの設定を出発点にしてください。そのうえで、最初の数回は短めに切って様子を見ます。
理由は、同じ「弱」でも機種によって実際の熱量が違うからです。グリルの火力表示は目盛りであって温度ではありません。だから他人の設定をそのまま持ってきても、同じ焼き色にはなりません。
焼き色が薄ければ短く足す、途中で焦げ色が出たら止めて余熱で通す。この2つを1〜2回やれば、自分のコンロでの基準が決まります。1回目から成功させようとせず、1回目を測定だと考えてください。
対策3:市販のクッキングシートを流用しない
専用シートは、その容器の内寸に合わせて作られています。市販の汎用シートを切って使うと、縁から立ち上がった部分が本来の高さより高くなったり、逆に底面を覆いきれずに汁が回り込んだりします。
サイズの合わないシートは、ふたとの間に挿まって浮くこともあります。浮いたシートは熱源に近づくので、ここでも「炎に触れさせない」が守りにくくなります。
専用品を使う理由は「安心だから」ではなく、寸法が決まっているからです。切る手間と、失敗の原因をひとつ減らせることの両方が理由になります。
深型(ポット)でパンを美味しく焼くための追加コツ
基本的な設定を守った上で、さらに仕上がりを向上させるためのコツをご紹介します。
二次発酵は十分に完了させてから焼く
パン生地をグリルに入れる前に、二次発酵が十分に完了しているか必ず確認しましょう。発酵が不十分な場合、グリルの熱で外側だけが固まり、内部が重くなって膨らみが悪くなります。
目安は「元の生地の約2倍の大きさになっていること」、そして「表面を軽く指で押すとゆっくり戻ってくること」です。まだ跳ね返りが早い場合はさらに10〜15分発酵させましょう。
発酵が完了した生地をポットに入れたら、できるだけ速やかに焼き始めることも大切です。待ち時間が長くなると、発酵が進みすぎて生地がへたってしまうことがあります。
焼き上がりはすぐに取り出す
グリルのタイマーが切れたら、ポット内に置きっぱなしにしないようにしましょう。グリルを止めた後も余熱が続くため、長時間放置すると蒸気でパンの表面がしなしなになってしまいます。
焼き上がり後はすぐにポットを取り出し、網やクッキングペーパーの上に置いて粗熱を取ってください。熱いうちにラップをすると蒸気が逃げずにべたついてしまうため避けましょう。
生地量はポットのサイズに合わせて調整する
ラ・クックグランポットのサイズに対して生地量が多すぎると、膨らんだときにフタに当たってしまいます。目安として、焼く前の生地量がポットの容量の半分以下になるようにしてください。
大きなパンを焼きたい場合は、ポット内に収まるサイズに分割するか、平べったい形(フォカッチャなど)を選ぶと対処しやすいです。
生地を小さく分けると、膨らんでもふたに届かず、中心まで熱が届く距離も短くなります。大きなパンを1つ焼くより、小さく分けたほうが失敗しにくいのはこのためです。
コンロ側の機能で、できることが変わります
ここで少し視点を変えて、「コンロ側の性能」という観点を考えてみましょう。これはラ・クックグランへの批判ではなく、「道具の実力を引き出すためには、土台となるコンロ側の性能も重要」という話です。
上下火を独立調整できないコンロでの限界
グリルでパンや繊細な料理を美味しく仕上げるには、上火と下火を独立してコントロールできる機能が非常に重要です。
機種によって、グリルの火力をどこまで細かく設定できるかは違います。上と下を別々に扱える機種もあれば、一括でしか設定できない機種もあります。手持ちの機種がどちらかは、取扱説明書のグリルの項を見れば分かります。
上下火独立調整ができないコンロでラ・クックグランポットを使ってパンを焼く場合、上火が強くなりすぎてしまうことを避けられない状況が生まれます。そのような環境では、どれだけアルミホイルやシートで工夫しても、焦げの問題を根本から解決するのが難しくなります。
「コンロのせいかもしれないとは思っていたけれど、これほど影響があるとは」という声をよく耳にします。実際にコンロを交換した後、同じレシピ・同じ設定でグリル調理の仕上がりが劇的に改善したという経験をする方は少なくありません。
コンロのグレードが調理品質に与える影響
現在の中〜上位グレードのガスコンロには、次のような機能が充実しています。グリル機能では、上下火独立調整(上火のみ・下火のみ・両方の組み合わせ)、予熱機能(設定温度に達したら知らせてくれる)、自動温度制御(設定温度をキープする)などが搭載されています。
安全・便利機能としては、タイマー自動消火、立ち消え安全装置、料理に合わせたオートクッキングメニューなどがあります。
これらの機能は、パン焼きだけでなく日常の魚・肉料理の品質向上にも直結します。古いコンロで「何となく焦げやすい」「火加減が難しい」と感じていた方が、コンロ交換後に「料理が楽しくなった」と感想を持つのはよくあることです。
コンロの交換を考えるタイミング
メーカーが公表しているのは、故障が増える年数ではありません。設計上の標準使用期間がビルトインこんろで製造から10年、補修用の部品の保有期間が製造を打ち切った日からリンナイのこんろ整備用部品で10年、ノーリツで5年です(各社公式・2026年9月時点)。どちらも買った日からの年数ではない点に注意してください。
つまり「何年で壊れるか」ではなく、「部品がいつまで手に入るか」で考えることになります。
コンロの交換を検討する際に多くの方が気になるのは「費用」と「業者選び」でしょう。費用については、ネット専業の業者を活用することで店舗販売よりも安く交換できるケースが増えています。
業者選びでは「10年保証」の中身を見てください。年数だけを並べても比べられません。使っている機種の製造が終わってから年数が経っているほど、修理という選択肢は細くなります。保証の年数そのものより、何が対象で、どう申し出るのかが書かれているかを見てください。
「でも、どの業者も10年後のことなんて分からないのでは?」確かにそうです。だから保証の年数だけを根拠にせず、工事内容と保証の対象範囲が書面で示されるかどうかで判断してください。
依頼先の候補:東京ガスの機器交換
関東で交換先を探すなら、候補のひとつが東京ガスの機器交換です。東証プライム市場に上場する都市ガス会社で、機器交換はWeb専用のオンライン販売として提供されています。
注意したいのは対応エリアです。ガスの供給エリアと機器交換の対応エリアは別物で、東京ガスの公式サイトは「対応エリアは商品によって異なります」と明記しています。市区町村の単位で決まるので、ガスを別の会社から買っていても対象になる市があります。
工事は東京ガスの認定施工会社が担当します。相見積もりサイト経由のように、申し込んだ直後に複数の会社から連絡が来る形ではありません。
供給エリアで判断せず、商品ページで住所を確かめてください。
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まとめ:ラ・クックグランでパンを焼く前に
ここまでの内容を整理しましょう。
まず、器具を合わせることです。パロマの公式サイトはラ・クックグランを「焼き調理専門」、ラ・クックグランポットを「焼き物以外調理用」と分けていて、グリル調理の例に「パン」を挙げているのはポットのほうです。深さは約4cmと8.5cm。この4.5cmの差が、膨らんだ生地とふたの距離になります。
次に、火加減は自分のコンロで決めることです。取扱説明書か公式レシピを出発点にして、最初の1〜2回は短めに切って様子を見ます。グリルの火力表示は目盛りであって温度ではないので、他人の設定はそのまま使えません。
シートは純正を使ってください。ラ・クックグラン用の専用クッキングシートはPLCS-2Aです。アルミホイルをかぶせる方法は、可否を取扱説明書で確認してから。油が溜まれば燃えること、アルミニウムの融点が約660℃であることの2点は、機種にかかわらず物理の話として当てはまります。
そして生地は小さく分けること。膨らんでもふたに届かず、中心まで熱が届く距離も短くなります。
なお、ラ・クックグランポットの対応機種は、パロマ公式が挙げているCREA、AVANCE、FACEIS、WITHNAの各シリーズです。手持ちのコンロが対象外だった場合は、器具だけを買っても使えません。買う前に型番を確かめてください。
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