焼網とプレートパン、魚の脂はどこへ落ちる?ピアットとプログレのグリルを仕組みから比較

この記事を読むと分かること
  • ピアットのグリルは焼網1種類で、マルチグリルは別機種(プログレ)の機能だと分かる
  • 焼網とプレートパンで、魚から出た脂の行き先がどう変わるかが分かる
  • ピアットへのコンロ交換で、依頼先を見分ける手がかりが分かる

先に結論:ピアットのグリルは焼網1種類で、マルチグリルは載っていません

「ピアットのワイドグリルとマルチグリル、どっちが魚をおいしく焼けるの?」という疑問で来た方に、先に前提を直しておきます。
ピアットのグリルは焼網グリル(ワイドグリル)の1種類だけです。メーカーの商品ページにマルチグリルという語は一度も出てきません(ハーマン公式・2026年9月12日取得)。マルチグリルとプレートパンを積んでいるのは、同じハーマンの上位機種「プログレ(PROGRE)」のほうです。
もうひとつ直しておきたいのが、メーカー名です。ピアットを作っているのは株式会社ハーマンで、ノーリツのグループ会社にあたります。「ノーリツのピアット」と紹介されることがあるのはこのためですが、商品情報が載っているのはハーマンの商品ページです。
そのうえで、この記事が本当に比べたいところは残ります。焼網で焼くのとプレートで焼くのとでは、魚から出た脂の行き先が違い、それが仕上がり・煙の量・後片付けのすべてに効いてくるからです。ピアットの焼網とプログレのプレートパンを、仕組みから比べていきます。

ピアットのワイドグリル(焼網グリル)でできること

ピアットは株式会社ハーマンのビルトインガスコンロです。グリルは焼網グリルで、公式の説明は「遠赤外線とガス火による対流熱で、食材を両面から焼き上げる従来型のグリルタイプ」。裏表を返す手間がない無水両面焼です(ハーマン公式・2026年9月12日取得)。
「ワイドグリル」は、そのグリルの庫内幅を従来品に比べて約20%広げたという意味の名前です。大きな魚を切らずに入れやすいのはこのためです。

ピアットのグリルまわりで公式に挙がっている機能

  • ワイドグリル:従来品に比べて約20%幅を広げ、一度にたくさん調理できる
  • オートグリル機能:調理物の量に応じて火加減と焼き時間を自動で調節する
  • 無水両面焼:遠赤外線と対流熱で両面から加熱し、ひっくり返す手間がない
  • ロティプレート対応:別売のロティプレートを使うと、グリル庫内への油はねを99.9%カット
ロティプレートの「99.9%カット」には試験条件が付いています。グリル庫内(ロティプレートを除く)への飛び散り量を5回測定した平均値で、比較したのはオートグリルの焼網(姿焼き・弱)とロティプレート(焼き魚・中)、いずれも株式会社ハーマン調べです。数字だけを切り出さずに、この条件とセットで読んでください。
なお、ここで名前を挙げたロティプレートは別売品です。買えば付いてくるものではない点に注意してください。

マルチグリルはプログレの機能です

マルチグリルを積んでいるのは、同じハーマンの上位機種プログレ(PROGRE)です。焼網ではなく専用容器(プレートパンL・キャセロールL)で焼く方式で、どちらも本体に付属します。

プログレのマルチグリルで公式に挙がっている数

  • オートメニュー:14メニュー
  • 調理モード:12種
  • おすすめメニュー:9メニュー
  • 無水調理:野菜と少量の水で調理するモードを搭載
グリル庫内の作りも違います。両サイドのバーナーをなくして側面をフラットにした「フラット構造」で、着脱式サイドカバーと排気口落下物ガードが付き、専用容器にはセラミックコーティングが施されています(ハーマン公式・2026年9月12日取得)。汚れが落としやすいのは、この構造とコーティングによるものです。

魚を焼くときの脂の落ち方を比べてみた:焼網 vs 専用容器

ここからが、この記事の核心です。
「網で焼く」と「プレートで焼く」では、魚から出た脂がどこへ行くかが根本的に異なります。この差が、仕上がりの食感・においの多さ・後片付けの大変さすべてに影響します。

焼き網の場合:脂が「真下に落ちる」

焼き網で魚を焼いたとき、魚の皮や身から出た脂は重力に従って、そのまま網の目から真下に落ちます。落ちた脂はグリルのバーナーや庫内の熱に触れ、煙となって発生します。
この「脂が真下に素直に落ちる」という仕組みが、焼き網調理の最大の特徴です。
  • 脂が食材の接触面に残りにくく、皮面がパリッとした仕上がりになりやすい
  • 食材自体がよりあっさり(低脂肪)な仕上がりになる
  • ただし煙が出やすく、グリル庫内の汚れも広範囲に散らばりやすい
「ガスグリルで焼いた魚の皮がパリパリしておいしい」という体験の正体は、まさにこの「脂が真下に素直に落ちる」という仕組みによるものです。昔ながらの魚焼きの味にこだわりたい方にとって、ワイドグリルの焼き網はこの点で優位性があります。

専用容器(プレートパン)の場合:脂が「容器の中にとどまる」

プレートパンのような専用容器で焼いた場合、魚から出た脂は容器の底に落ち、そこにとどまります。バーナーの炎や庫内の高温部に直接触れないぶん、脂が焦げて煙になる量が減ります。
この仕組みにより、以下の特徴が生まれます。
  • 脂が高温部に触れにくいため、煙とにおいが出にくい
  • 脂が容器に残るので、焼き上がりは網焼きよりしっとりしやすい
  • 庫内に脂が飛び散らないぶん、洗うのは容器だけで済む
  • 一方で、食材の下面は脂に触れたまま加熱されるので、皮面のパリッと感は焼網に一歩譲る
この「脂が下に落ちきるか、容器にとどまるか」が、焼網とプレートの本当の分かれ目です。多機能かどうかの差ではありません。

まとめ:焼網とプレート、どちらを取るか

皮面をパリッと焼き上げることを最優先するなら、脂が真下に落ちきる焼網のほう、つまりピアットです。煙とにおいを減らし、洗うものを1つにしたいなら、専用容器で焼くプログレのマルチグリルです。
「どちらが優れているか」ではなく、どちらの不便を引き受けるかの選択だと考えてください。焼網は仕上がりを取って掃除を引き受け、プレートは掃除を取って皮面のパリッと感を少し譲ります。

「お手入れ」の現実:焼網と専用容器、どっちが楽か

毎日の料理で「おいしく作れるか」と同じくらい重要なのが「後片付けが続けられるか」です。

焼網(ピアット)を洗うとき

焼網は、魚の皮やたんぱく質が網目に絡みます。しかもこの方式では脂が庫内に落ちるので、洗う対象は網と受け皿、そして庫内の3つになります。脂の多い魚を焼いた回ほど、この3つ目が効いてきます。
ピアットにはこれを減らす手当てが用意されています。別売のロティプレートを使うと、庫内への油はねを抑えられます。前述の試験条件つきの数字が示しているのは、焼網のまま使うかロティプレートを使うかで、庫内の汚れ方が変わるということです。

専用容器(プログレ)を洗うとき

プログレは両サイドのバーナーをなくした「フラット構造」で、庫内の側面がまっすぐです。側面には着脱式サイドカバーが付き、排気口落下物ガードも取り外して洗えます。専用容器にはセラミックコーティングが施されています(ハーマン公式・2026年9月12日取得)。
つまり洗いやすさは「プレートだから」ではなく、庫内をフラットにして、汚れる部分を外せる部品に置き換えた設計から来ています。同じ「プレートで焼く」でも、この作りがなければ庫内は汚れます。

価格差は約1万円ではありません。12万円以上あります

ここは数字を実際に引いてください。同と60cmタイプ・ガラストップで比べた希望小売価格は次のとおりです(ハーマン公式・2026年9月12日取得、いずれも税別)。
  • ピアット(60cmタイプ):285,000円〜318,000円
  • プログレ(60cmタイプ):413,700円〜436,700円
いちばん安い構成どうしで比べても差は128,700円です。「マルチグリルは約1万円高い」という説明をどこかで読んだ方は、それが同一シリーズ内のグリル違いの話として書かれたものだと思われます。ピアットとプログレは別の機種なので、その前提自体が成り立ちません。

ピアットが向く人

  • 焼網で焼いた魚の皮のパリッと感を優先したい
  • グリルは焼く用途に絞ってよい
  • 本体価格を抑えたい

プログレが向く人

  • グリルで焼く以外の調理(煮る・蒸す・無水調理など)もしたい
  • 煙とにおいを減らしたい(換気が弱いキッチン、マンションなど)
  • 庫内の掃除にかける手間を減らしたい
12万円以上の差なので、「お手入れが楽だから回収できる」とは言えません。プログレを選ぶ理由になるのは、掃除の手間ではなく、グリルを焼く以外にも使うかどうかです。

買ってから気づきやすい、仕様上の差

口コミの点数ではなく、カタログを読めば先に分かることを並べます。
焼網は、網そのものが洗う対象になります。魚の皮とたんぱく質は網目に絡むので、焼いた直後に湯をかけて緩めるかどうかで手間が大きく変わります。焼きっぱなしで冷ますと、たんぱく質が固まって落ちにくくなります。
ロティプレートは別売です。ピアットで庫内の油はねを抑えたい場合、本体とは別に用意することになります。見積もりに入っているかを先に確かめてください。
プレートで焼くと、焼き時間の感覚が変わります。焼網は下から炎と輻射熱が直接当たりますが、専用容器では容器を介して熱が入るため、同じ時間では同じ焼き色になりません。プログレのオートメニュー14種と調理モード12種は、この差を機器側で吸収するために用意されているものです。
グリルの引き出しの滑らかさは、使用年数で変わります。レール部分に脂が回ると動きが重くなるため、ここは機種の優劣ではなく手入れの頻度の話です。

ピアットへの交換を考えているなら業者選びが最重要

「ピアットが気に入ったので交換したい」——そう思ったとき、次に直面するのが「どこに工事を頼むか」という問題です。これは機種選びと同じくらい慎重に考えるべき部分です。
ビルトインガスコンロの設置は、施工内容によって必要な資格が変わります。ハーマンも「ガス機器の設置は、施工内容により必要な資格が法律で定められています」と案内しています。プロパンガスの配管に関わる工事では液化石油ガス設備士、都市ガスでガス可とう管を接続する工事ではガス可とう管接続工事監督者、というように、工事の中身で必要なものが決まる仕組みです。
だから確認の仕方は「資格を持っていますか」ではなく、今回の工事で何をするのか、それにはどの資格が要るのかを聞くことになります。見積もりの段階で工事内容が書かれているかどうかが、そのまま見分ける手がかりになります。

「10年保証」を読むときに、そろえておきたい数字

コンロ交換業者を選ぶとき、必ずと言っていいほど目にするのが「10年保証」という言葉です。この年数を評価するには、メーカー側が公表している年数と並べてみる必要があります。
メーカーが公表しているのは、故障が増える年数ではなく次の2つです。設計上の標準使用期間はビルトインこんろで製造から10年。補修用の部品の保有期間は、製造が打ち切られた日から数えてリンナイがこんろの整備用部品10年、ノーリツが5年です(各社公式・2026年9月時点)。
ここで大事なのは起算点です。どちらも「買った日から」ではありません。買った時点ですでにモデルチェンジが近い機種を選ぶと、部品が手に入る期間はその分だけ短くなります。
そのうえで、工事に対する保証は少し性質が違います。施工に起因する不具合は設置から早い時期に出るものが多く、年数が経ってから施工不良であることを示すのは簡単ではありません。保証の年数そのものより、何が対象で、どう申し出るのかが書かれているかを見てください。

依頼先の候補:東京ガスの機器交換

関東で交換先を探すなら、候補のひとつが「東京ガスの機器交換」です。
注意したいのは対応エリアの考え方です。ガスの供給エリアと、機器交換の対応エリアは別物です。東京ガスの公式サイトは「対応エリアは商品によって異なります」と明記していて、市区町村の単位で決まります。ガスを別の会社から買っていても対象になる市があるので、供給エリアで判断せず、商品ページで住所を確かめてください。
施工については認定施工会社の制度があり、どの会社が工事に入るかが最初から決まっています。相見積もりサイト経由のように、申し込んだ直後に複数の会社から連絡が来る形ではありません。

まとめ:焼網とプレートパンは、別の機種の話です

この記事では、ピアットの焼網グリルと、プログレのマルチグリルを、魚から出た脂の行き先を軸に比べました。要点は3つです。
ピアットにマルチグリルはありません。グリルは焼網1種類で、マルチグリルとプレートパンは上位機種プログレの機能です(ハーマン公式・2026年9月12日取得)。
脂の行き先が仕上がりを決めます。焼網は脂が真下に落ちきるので皮面がパリッとし、そのぶん煙が出て庫内が汚れます。専用容器は脂が容器にとどまるので煙が減り、洗うものが減ります。
価格差は約1万円ではありません。同と60cmタイプで比べて128,700円以上あります。この差を払う理由になるのは掃除の手間ではなく、グリルを焼く以外にも使うかどうかです。

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