レンジフードのプロペラファンからシロッコファンへの交換費用と工事の注意点を徹底解説

この記事を読むと分かること
  • プロペラファンとシロッコファンの仕組みの違いと、それぞれのメリット・デメリットが分かる
  • プロペラファンからシロッコファンへの切り替えにかかる費用相場が具体的に分かる
  • 切り替え工事の流れと失敗しない業者選びのポイントが分かる
キッチンのレンジフードを「そろそろ換えたいな」と思い始めたとき、プロペラファンとシロッコファンという言葉を目にしたことはありませんか?特に築年数が経った住宅では、外壁に直接プロペラが取り付けられた昔ながらのレンジフードが今でも現役で動いていることも珍しくありません。
「虫が入ってくる」「冬になると冷気が直接キッチンに流れ込む」「換気扇の運転音がうるさくて困っている」——そんな悩みを抱えているなら、プロペラファンからシロッコファンへの交換が根本的な解決策になるかもしれません。
ただ、この交換はただのレンジフード取り替えではなく、壁の開口部を塞いでダクトを新設するという大がかりな工事が必要になります。費用も通常の交換より高くなりますし、工事内容も複雑です。見積もりの段階で、何が含まれているかを確かめることが大切です。
この記事では、プロペラファンとシロッコファンの違いから始まり、交換費用の相場、工事の流れ、そして信頼できる業者の選び方まで、しっかりと解説します。ぜひ最後まで読んで、後悔のない選択に役立ててください。

プロペラファンとシロッコファンの違い——仕組みを理解しておくと判断が楽になります

まずは、この2種類のファンがどう違うのかを整理しておきましょう。仕組みを理解しておくと、交換後のイメージが格段につかみやすくなります。

プロペラファンの仕組みと特徴

プロペラファンは、羽根車(プロペラ)が回転することで外壁に開けた穴から直接空気を屋外へ押し出す仕組みです。ダクト(排気管)が不要で、構造がシンプルなのが特徴です。
昭和から平成初期の住宅に多く取り付けられており、今でもアパートや古い一戸建てでよく見かけます。設置工事が安価で構造がシンプルなため、かつては広く普及していました。
プロペラファンのメリット
  • 構造がシンプルで故障が少ない
  • 設置工事が比較的安価
  • 排気力が強い(直接排気のため圧力損失が少ない)
  • 機器自体の価格が安い
プロペラファンのデメリット
プロペラファンには、現代の生活環境では無視できないデメリットが複数あります。
  • 虫・小動物が入りやすい:換気扇を止めると壁の穴がほぼ直通になるため、虫や小動物が侵入しやすくなります。
  • 冷気・熱気が逆流しやすい:冬は外の冷たい空気が逆流してキッチンが寒くなりやすく、夏は熱風が入ることもあります。
  • 運転音が大きい:プロペラが高速回転するため、運転中の音が大きめです。
  • 雨・風の影響を受けやすい:台風や強風時に逆流が起きやすく、雨が吹き込むこともあります。
  • 気密性が確保しにくい:外壁の穴が室内にほぼ直結しているため、住宅の気密性・断熱性に影響することがあります。
このような悩みは、プロペラファン特有の構造上の問題です。シロッコファンに切り替えることで、これらの多くが解決できます。

シロッコファンの仕組みと特徴

シロッコファンは、多翼型の羽根車が回転し、ダクト(排気管)を通して空気を屋外へ排出する仕組みです。プロペラのように壁に直接大きな穴を開ける必要がなく、ダクトの引き回しによって排気ルートを自由に設計できます。
現在販売されている多くのシステムキッチン用レンジフードはシロッコファン方式を採用しており、マンションや近年建てられた住宅の標準仕様となっています。
シロッコファンのメリット
  • 虫・小動物が入りにくい:逆流防止ダンパーが付いているため、ファンを止めても外気が逆流しにくい構造です。
  • 静かな運転音:多翼型の羽根が回転する方式のため、プロペラファンに比べて静音性が高い機種が多いです。
  • 気密性・断熱性の確保:ダクトを通した排気のため、外壁と室内が直通にならず、冷気・熱気・においの逆流を防ぎます。
  • デザイン・機能が豊富:スリムタイプからボックス型まで、現代のキッチンに合ったデザインが選べます。整流板付きのタイプは油煙を効率よく吸い込みます。
  • お手入れがしやすい:フィルターや整流板をシンクで丸洗いできる機種が多く、清潔を保ちやすいです。
シロッコファンのデメリット
  • プロペラファンより本体価格が高め
  • ダクト工事が必要なため、プロペラファンからの切り替えには費用がかかる
  • ダクトの掃除・メンテナンスが必要(5〜10年に一度が目安)
  • 排気力(風量)がプロペラファンより低い機種もある

プロペラファンからシロッコファンへの切り替えが向いているケース

次のような状況に当てはまるなら、切り替えを積極的に検討してみましょう。
  • 台所に虫(ゴキブリ・コバエなど)が頻繁に入ってくる
  • 冬場にキッチンが寒く、換気扇の周辺から冷気を感じる
  • 換気扇の運転音がうるさくて会話しにくい、または気になる
  • キッチンをリフォームしてシステムキッチンに入れ替える予定がある
  • 築20年以上で、プロペラ式の換気扇が古くなってきた
  • 省エネ・気密性向上を意識したリフォームを検討している
一方で、以下のようなケースでは専門家への事前相談をおすすめします。
  • 外壁の構造上、ダクトの引き回しが難しい可能性がある場合
  • 集合住宅(マンション)では管理組合の許可が必要になる場合があります
  • 外壁材が特殊な素材(ALCパネルなど)で補修に手間がかかる場合

こんなサインが出ていたら、切り替えを前倒しで考えます

上の条件に当てはまらなくても、次のサインが出ているなら本体が寿命に近づいています。切り替えのタイミングとしては良い時期です。
  • 異音がする(ゴロゴロ、キーキー、カラカラ)。軸受けやモーターの劣化が疑われます
  • 回転が遅い、風量が落ちた。掃除しても戻らないなら内部の問題です
  • スイッチを入れても回らないことがある
  • 運転中に振動する、本体が揺れる
  • 設置から15年以上たっている
古い機種は部品の供給が終わっていることが多く、直せずに交換になるのが実情です。
壊れてから慌てて決めると、工事内容を比べる時間が取れません。サインが出た段階で見積もりだけ取っておくと落ち着いて選べます。

交換費用の相場——本体代・工事費・追加費用の内訳

プロペラファンからシロッコファンへの交換費用は、同じシロッコファン同士を交換する場合と比べて、追加の工事費が発生するため割高になります。それぞれの費用を詳しく見ていきましょう。

シロッコファン本体の費用

グレード本体価格(目安)主な特徴
ベーシック(スタンダード)3〜6万円フィルター交換式。機能は必要最低限
ミドルグレード6〜10万円整流板付き、自動フィルター清掃機能など
ハイグレード10〜18万円ノンフィルタータイプ、デザイン性の高い機種も
上の価格帯は大まかな目安で、メーカーの希望小売価格や実売価格を集計したものではありません。リンナイ・富士工業・パナソニック・クリナップなど、各メーカーからさまざまな機種が販売されています。機能と予算のバランスを考えながら選びましょう。

工事費の内訳

プロペラファンからシロッコファンへの切り替えでは、通常の交換工事に加えて以下の工事が発生します。
既存プロペラファンの撤去・処分費:処分費が見積もりに含まれているかを確かめます
壁の開口部(穴)を塞ぐ工事:外壁の素材によって手間が変わります
プロペラファン用に開けられた外壁の穴を、不燃材(耐火ボードなど)とパテで埋めます。外壁の素材によって難易度が変わり、費用も変動します。
ダクト新設工事:排気の経路によって部材の量が変わります
新たに排気ダクトを設置する場合の費用です。新しい位置に開口が必要な場合はさらに費用が加算されます。
新しいシロッコファン型レンジフードの取り付け:本体の幅で基本工事費が変わる業者もあります

合計費用の目安

構成費用の目安
ベーシック本体(3〜6万円)+工事費8〜15万円程度
ミドルグレード本体(6〜10万円)+工事費12〜20万円程度
ハイグレード本体(10〜18万円)+工事費18〜30万円程度
この表も公表された相場データではなく、大まかな目安です。費用が上がるのは、開口部をふさぐ作業とダクトの接続という追加作業が必要なためです。参考までに、料金を公開している東京ガスの機器交換では、レンジフードの基本工事費が38,500円(60cm・75cm幅)、プロペラファンからの交換に工事費5,500円と専用部材10,345円(穴をふさぐ金属板・木枠を守る不燃材・防鳥網のセット)が加わり、工事にかかる分は本体代とは別に54,345円からです。条例に適合するダクト部材が要る場合は1個10,345円が加わります(いずれも税込・2026年9月27日時点・東京ガス公式より)。事前に複数の業者から見積もりを取り、適正価格を確認することをおすすめします。

見積もりに含まれているかを確認すべき費用

業者によっては、基本工事費のほかに以下が別途請求される場合があります。
  • 外壁の開口部を塞ぐ際の外壁補修費(外壁の素材・仕上げによって高額になることも)
  • 足場代(外壁作業で足場が必要な場合)
  • 廃材処分費
  • 電気工事が必要な場合の追加費用
見積もりを依頼する際は「壁の穴を塞ぐ工事」と「ダクト工事」が含まれているかどうかを必ず確認しましょう。後から「それは別途です」と言われないよう、書面での確認が大切です。

交換工事の流れ——当日はどんな作業が行われる?

実際の工事の流れを理解しておくと、業者とのやり取りがスムーズになります。
ステップ1:現地調査・見積もり
まず、業者が現地に来て状況を確認します。プロペラファンの位置、外壁の構造、既存の電気配線の状況などを調べます。この段階で「ダクトの引き回しが可能かどうか」「壁の補修がどの程度必要か」が明確になります。
ステップ2:既存プロペラファンの撤去
取り付けられているプロペラファンと換気扇フードを取り外します。電源を切ることを確認し、安全に作業を進めます。
ステップ3:外壁の開口部を塞ぐ
プロペラファン用に開けられた外壁の穴を、不燃材(石膏ボードなど)とパテで埋めます。外壁面はしっかり補修して、防水処理も施します。この工程が完了すると、長年の虫の侵入口・冷気の通り道が塞がれます。
ステップ4:新しい排気ダクトの取り付け・引き回し
シロッコファン用の排気ダクトを設置します。屋外への排気口(フード付き)も設置し、逆流防止ダンパーが正常に動作することを確認します。
ステップ5:新しいレンジフードの取り付け
シロッコファン型のレンジフードを取り付けます。電気配線の接続、ダクトとの接合部の気密確保なども行います。
ステップ6:動作確認・清掃
取り付け完了後、実際に運転して排気が正常に行われるか確認します。施工箇所の清掃も行って完了です。
工事時間の目安は通常半日〜1日程度です。外壁の開口部補修の難易度によって変動します。

工事で見落とされやすい2点

見積もりの金額には出てきませんが、あとから効いてくる部分です。依頼の段階で触れておくと確実です。

① こんろとの距離(火災予防条例)

レンジフードとこんろの間隔は、自治体の火災予防条例で決まっています。
こんろの上方に必要な距離は、不燃材料で仕上げた部分までなら80cm、それ以外なら100cmで、不燃材料で造るレンジフードは80cm以上が基準です(総務省令の基準にそろえて各自治体が火災予防条例で定めています。2026年9月17日にe-Govで省令の条文を確認)。
プロペラファンからシロッコファンへ切り替えると、フードの形も取り付け位置も変わります。
元の換気扇が高い位置にあった住宅では、新しいレンジフードを下げて付けたくなることがありますが、ここで基準を外すと是正が必要になります。
見積もりのときに「こんろとの離隔距離は基準を満たしますか」と一言確認してください。
資格を持った業者なら即答できます。答えられない業者は、その時点で候補から外して構いません。

② 排気口の防鳥網・防虫網

外壁側に付ける排気口(ベントキャップ)には、鳥や虫の侵入を防ぐ網が付きます。
東京ガスの専用部材にも防鳥網がセットになっています。網が付いていないと、プロペラファンの虫の侵入が嫌で切り替えたのに、
排気口から入られては元も子もありません。
同じく、開口部を塞ぐときの不燃材の使用も見落とされることがあります。可燃材で塞ぐのは論外です。
工事完了後、外に出て排気口を見上げてください。網が入っているか、フードが下向きに付いているかは、素人目でも確認できます。
気になる点があれば、その場で施工者に聞くのが一番早いです。

失敗しない業者選びの3つのポイント

費用も手間もかかるプロペラからシロッコへの切り替え工事だからこそ、業者選びには慎重になりましょう。安さだけで選ぶと後悔する可能性があります。

ポイント1:電気工事と換気工事の両方に対応できる業者を選ぶ

レンジフードの交換には、換気・ダクト工事に加えて電気配線の接続作業が含まれます。電気工事士の資格が必要な作業もあるため、電気工事士の資格を持った業者か、あるいは専門業者と連携して工事できる会社かを確認しましょう。
電気工事士でない人は、資格が必要な配線作業を行えません。見積もりの段階で資格の保有状況を確認しておくと安心です。

ポイント2:設置状況を見せたうえでの見積もりで契約する

プロペラからシロッコへの切り替えは、外壁の状態・キッチン周辺の構造・既存電気配線の状態によって工事内容が大きく変わります。現地調査も写真の確認もせずに価格だけ提示してくる業者は、後で「追加費用が発生した」というトラブルになりやすいです。
現地調査か、設置状況が分かる写真を送ったうえで、詳細な見積書をもらってから判断しましょう。

ポイント3:複数の業者から見積もりを取る

同じ工事内容でも、業者によって料金に大きな差があります。2〜3社から見積もりを取ることで、適正価格の感覚をつかむことができます。また、見積もり内容を比較することで、各業者が何を含んでいて何を含んでいないかも明確になります。

東京ガスの機器交換の対応エリアにお住まいなら、「東京ガスの機器交換」も選択肢の一つです。プロペラファンからシロッコファンへの交換を受けていて、工事は東京ガスが委託する施工パートナーが担当します。ただし、壁に直接取り付けられていてフードのない換気扇は受け付けていません(2026年9月27日時点・東京ガス公式より)。レンジフード交換の対応エリアは東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県などの市区町村単位で決まっているので、公式ページで確かめてください。

「10年保証」に惑わされないために

業者を比較していると、「10年保証」を売りにしているところをよく見かけます。一見魅力的に感じますが、実際のところをよく考えてみましょう。
東京ガスは、レンジフードの寿命を10年〜15年と案内しています(2026年9月27日時点・東京ガス公式より)。10年保証が切れる頃に、本体が寿命に差しかかる計算です。
また、設置から数週間〜数ヶ月以内に発覚する施工不良(排気漏れ、ダクトの接合不良など)を10年後に証明することは実質的に困難です。そして、小規模な業者が10年後も存続しているかどうかの保証はどこにもありません。会社が廃業していれば保証も消えてしまいます。
「10年保証」を比べるときは、保証を出すのが施工業者なのかメーカーなのか、対象は本体だけか工事も含むのか、起算日はいつなのかの3点を書面で確かめてください。

よくある質問

Q:賃貸住宅でもプロペラからシロッコへの切り替えはできますか?
賃貸の場合は、外壁に手を加える工事(開口部の補修、ダクト取り付けなど)は原則としてオーナーの許可が必要です。まずは管理会社・大家さんに相談し、許可を得てから進めてください。
Q:マンションでの切り替えはどうですか?
マンションでは、外壁・パイプスペースは共用部として扱われることが多く、管理組合の許可が必要な場合があります。リフォーム前に管理規約を確認し、必要に応じて管理組合に申請することをおすすめします。
Q:DIYでプロペラからシロッコへの切り替えはできますか?
外壁の開口部補修や電気配線の接続は専門知識・資格が必要な作業を含むため、DIYは推奨しません。特に電気工事士の資格が必要な配線作業を無資格で行うことは法律違反になります。安全のためにも専門業者に依頼しましょう。
Q:プロペラファンのまま交換する場合と比べて費用はどのくらい違いますか?
切り替えでは、プロペラファン同士の交換にはない「外壁の穴をふさぐ工事」と専用部材が加わります。東京ガスの機器交換の場合、その上乗せは工事費5,500円+専用部材10,345円です(税込・2026年9月27日時点・東京ガス公式より)。切り替えによって虫の侵入・冷気の逆流・騒音などの問題が解決できるため、長期的なメリットを考えると十分に検討する価値があります。
Q:プロペラ用に開けた外壁の穴はどのくらいの大きさですか?
開口部の大きさは、付いている換気扇の機種で決まります。取扱説明書や本体の型番から、壁の開口寸法を確かめられます。この穴を塞ぐ工事は比較的標準的な作業ですが、外壁の素材(サイディング・モルタル・タイルなど)によって補修方法や仕上がりが異なります。業者に確認しながら進めましょう。
Q:シロッコファンに切り替えた後のメンテナンスはどうすればよいですか?
整流板・フィルターは月1回程度、シンクで丸洗いすることをおすすめします。ダクト内部は5〜10年に一度、専門業者に清掃を依頼するのが理想的です。逆流防止ダンパーの動作確認(手で軽く動かして引っかかりがないか)も年1回程度行うと安心です。

まとめ:プロペラからシロッコへの切り替えは「快適性への投資」

プロペラファンからシロッコファンへの切り替えは、単なる換気扇の交換ではなく、キッチンの快適性を根本的に改善するための工事です。
虫の侵入、冷気の逆流、騒音といった長年の悩みを一気に解決できる可能性がある一方で、外壁の穴をふさぐ工事と部材の分が上乗せになり、一般的なレンジフード交換よりも高くなります。
だからこそ、業者選びが特に重要です。電気工事士の資格保有、現地調査での詳細な見積もり提示、複数社での比較——この3つをしっかり押さえた上で業者を選びましょう。そして、「10年保証」の文句よりも業者の実績・企業規模・対応体制を重視することが、後悔しない選択につながります。
東京ガスの機器交換の対応エリアにお住まいなら、工事費を公開している「東京ガスの機器交換」も選択肢の一つです(フードのない壁付けの換気扇は対象外)。費用や工事内容についての確認も、まずは公式サイトでチェックしてみましょう。

レンジフード交換おすすめサービス一覧

東京ガスの機器交換

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