レンジフードの横幅60cm・75cm・90cm変更はできる?工事費用と相場を徹底解説
この記事を読むと分かること
- レンジフードの横幅60cm・75cm・90cmの違いと適切なサイズの選び方が分かる
- 横幅変更工事の費用相場と追加費用が発生するケースを具体的に知れる
- サイズ変更で失敗しない業者選びのポイントが分かる
レンジフードの横幅サイズは3種類——それぞれの特徴と選び方
レンジフード(キッチン換気扇)の横幅は、主流となる60cm・75cm・90cmの3種類で設計されています。このサイズはコンロの幅と連動しており、コンロの幅と同じか、それ以上のレンジフードを選ぶのが基本です(詳しくは後述の「サイズと取り付け高さを決めるもの」で解説します)。
60cmレンジフードはコンロ幅60cmのキッチンに対応したスタンダードサイズです。マンション・アパート・コンパクトなシステムキッチンに多く設置されており、日本の住宅で最も普及しているサイズです。
75cmレンジフードはコンロ幅75cmのキッチンに対応したサイズです。比較的広いキッチンやコンロ幅75cmのシステムキッチンに使用されます。一戸建てやリフォーム後にシステムキッチンに変更した場合によく見られます。
90cmレンジフードはコンロ幅90cmのキッチン向けです。アイランドキッチンや大型システムキッチンに多く使用される大型サイズです。
レンジフードの幅を選ぶ際の基本原則は「現在使用中のコンロの幅をカバーするサイズ以上」です。次のセクションで詳しく解説します。
レンジフードの横幅は変更できる?現実的な難しさ
横幅変更は「基本的に難しい」が正解
レンジフードの幅変更を検討している方にとって、最初に知りたいのは「できるのかどうか」ですよね。結論から先に言うと、「変更はできるが、ほぼ常に追加工事が発生する」というのが実態です。
レンジフードは吸い込み幅を大きく保つため、吊戸棚と吊戸棚の間や、壁と吊戸棚の間に「ぴったり」のサイズで取り付けられていることがほとんどです。そのため、同じサイズでの交換が基本かつ最もスムーズな方法です。
幅90cmから60cm・75cmへの縮小は、できないわけではありません。ただし空いた幅をフード横の吊戸棚や横幕板で埋める必要があり、両側が吊戸棚になることで排気ダクトの取り回しも変わります。キッチンごと発注済みの場合は、すでに手配した90cmのフードの扱いも問題になります。
サイズ指定だけで簡単に交換できると思っていた方には意外かもしれません。レンジフードの横幅変更には、さまざまな追加工事や対応が必要になります。
サイズアップ(60cm→75cm、75cm→90cm)の場合
現在のレンジフードより大きい幅に変更する場合は、隣接する吊戸棚を埋める工事が必要になることがあります。具体的には以下のような工事が発生する可能性があります。隔壁または吊戸棚の改修、レンジフード横幅に合わせた幅幕板(横幕板)の付加、ダクト位置が変わる場合はダクト追加工事も発生することがあります。
レンジフードは天井や壁の下地に固定するため、取り付ける位置の下地によっては補強が必要になったり、重い機種を付けられなかったりすることがあります。事前に必ず現地調査や写真での確認を受けてください。
サイズダウン(90cm→75cm、75cm→60cm)の場合
現在のレンジフードより小さい幅に変更する場合、両サイドに隙間ができてしまいます。この隙間を埋めるための「横幕板」が必要になります。また、ペンダント型天井から吊戸棚の内側に取り付けるタイプのレンジフードでは、サイズダウンしようとすると壁付きの障害物やキャビネットの検討が必要になります。
また、小さいサイズに変更する場合でも、コンロの幅と同じか、それ以上にするのが基本です(後述)。そのため、コンロも同時に小型化する必要が生じる場合もあります。
横幅変更に伴う工事内容と費用相場
標準工事費の相場
価格を公開している東京ガスの機器交換では、同じサイズでの交換の基本工事費は、横幅60cm・75cmが38,500円、90cmが48,400円です(いずれも税込・2026年10月時点・東京ガス公式より)。出張費・既存機器の撤去・取付工事・廃棄処分などが含まれます。
本体と工事費を合わせた販売価格は、パロマ Cタイプ(コンロ連動なし)が106,138円〜、富士工業 LGRが159,241円〜です(税込・部材費込・基本工事費込・同)。なお東京ガスは、フードのない壁付け換気扇・フラット型・梁と重なるレンジフードからの交換は受け付けていません。
追加費用が発生するケース
サイズ変更を含む工事では、標準工事費の外にさまざまな追加費用が発生する可能性があります。
横幕板(横幅を埋める板): 東京ガスの機器交換では、横幕板の取り付け費用は基本工事費に含まれ、部材費が13,000〜16,000円程度かかります(2026年10月時点・東京ガス公式より)。横幕板は場合によって現場調査が必要とされています。
延長前幕板: 前幕板の長さが足りない場合に必要になります。部材の価格はメーカーと寸法で変わるので、見積もりで確認してください。
ダクト工事: レンジフードの高さや幅の変更によりダクトの位置が変わる場合、ダクトの延長または更新工事が必要になります。東京ガスは、消防条例への適合に必要なダクト部材(1個10,345円)を写真から数量を見積もって最初の見積もりに入れる方式で、あとから足されることはないとしています(同)。他社では扱いが違うので、見積書に含まれているかを確かめてください。
壁の補修: 高さや幅を変えると、これまでフードで隠れていた壁や天井が露出することがあります。その部分のクロスの張り替えなどが必要になる場合があります。
「見積もり内容の確認」が最重要
レンジフードのサイズ変更工事で最も多いトラブルの一つが「追加費用の発生」です。見積もり時点で「工事費は○○円」と提示されたのに、実際に工事をやってみたら「ダクト工事が別途○○円になります」と言われる、といったケースです。
見積もり時には必ず、工事費と本体代の内訳、幕板選定の有無と部材費、ダクト工事の要否と含まれる範囲、旧機撤去費、工事保証の内容と期間を確認しましょう。また、追加工事が発生した場合の対応方法も必ず確認しておきましょう。
サイズと取り付け高さを決めるもの
レンジフードのサイズと高さは、デザインのお好みだけでは決められません。決めているのは、機種ごとの施工説明書と、自治体の火災予防条例が定める離隔距離です。
幅:コンロの幅と同じか、それ以上が基本
レンジフードの幅そのものを定めた法令はありません。ただし煙と油を受け止めるには、コンロの幅と同じか、それ以上にするのが基本で、メーカーの施工説明書もこの組み合わせを前提にしています。コンロ幅60cmならレンジフード60cm以上、75cmなら75cm以上、90cmなら90cm以上が目安です。
たとえば幅75cmのコンロに、デザインやコストの理由で幅60cmのレンジフードを組み合わせると、煙や油を受け止めきれなくなります。コンロのサイズを同時に縮小するか、レンジフードを現行コンロの幅以上のサイズにすることを考えてください。条件は見積もりの際に業者へ確認しましょう。
高さ:火災予防条例の離隔距離で決まる
コンロの上方に必要な離隔距離は、各自治体の火災予防条例で決まっていて、その中身は国の省令(平成14年総務省令第24号 別表第一)にそろえられています。組込型のガスこんろ(14kW以下)の場合、上方の距離は、不燃材料で仕上げた部分までなら80cm、不燃材料以外のものまでなら100cmです。レンジフードは建築基準法施行令第20条の3第2項第四号で「不燃材料で造ること」とされているので、コンロ上面から80cmの位置に付けられます(2026年9月17日 e-Gov法令検索で確認)。
逆に、フードに燃えるフィルターを貼ると「不燃材料以外のもの」に変わり、100cmの距離が必要になります。上限側の高さは機種ごとの施工説明書で決まるので、現在の高さと大きく異なるレンジフードに変える場合は、事前に業者へ確認してください。
幕板(まくいた)とは?横幕板・前幕板について
レンジフード交換の見積もりや工事でよく登場する言葉が「幕板(まくいた)」です。初めて聞く方にはピンとこないかもしれません。幕板とは、レンジフード本体と天井または壁の間の隙間を埋めるための仕上げ板のことです。
前幕板(まえ幕板)
前幕板はレンジフード前面上部の隙間を埋める板で、新しいレンジフード本体の高さが旧機より低い場合などに必要になります。旧機の前幕板が長かった場合は、新しいレンジフードの上部を覆うための「延長前幕板」が必要になることがあります。部材の価格はメーカーと寸法で変わるので、見積もりで確認してください。
横幕板(横幅が変わる場合)
横幕板はレンジフードの左右の隙間を埋める板です。幅変更でレンジフード幅と吊戸棚の幅に差が生じた場合に必要となります。東京ガスの機器交換では部材費13,000〜16,000円程度(取り付けは基本工事費に込み・2026年10月時点)です。スリム型レンジフードに変更する場合、横幕板の必要有無を必ず業者に確認してください。
幕板のカット対応
キッチンに梁や障害物がある場合、幕板を現場でカットして対応できることもあります。ただし梁と重なるレンジフードの交換を受け付けない業者もある(東京ガスの機器交換など)ので、写真を送って事前に確認しましょう。
レンジフード交換業者の選び方——失敗しないために
工事の当日に起きやすいのは、養生が足りずに壁や床に傷がつく、といったトラブルです。見積もりの段階で、次の3点を文字でもらっておくと安心です。
①養生の範囲(壁・床・吊戸棚のどこまで覆うか)、②傷がついたときの対応と窓口、③工事保証の対象と期間。口頭の約束だけでは、あとで食い違ったときに確かめようがありません。
「10年保証」の実態を知れ
レンジフード交換業者のカタログやリーフレットには「工事保証10年」を謳う業者がとても多いです。しかしこの保証には注意が必要です。
レンジフードの補修用性能部品の保有年数は、リンナイ・ノーリツ・富士工業ともWebサイトで公開していません(2026年9月時点)。保証期間内でも部品がなく修理できないことはありえます。また、施工不良は設置直後数週間〜数ヶ月以内に発覚することが多く、10年後に原因を証明するのは難しくなります。
また、10年後の存続はどの業者にも保証できません。保証の年数より、保証の対象(工事か機器か)と窓口を書面で確かめることのほうが大切です。
東京ガスの機器交換が安心な理由
東京ガスの機器交換の対応エリアにお住まいの方には、東京ガスの機器交換も候補になります。対応エリアはガスの供給エリアとは別で、商品ごとに市区町村単位で決まるので、公式の商品ページで住所を確認してください。工事は東京ガスが委託する施工パートナーが担当します(2026年9月20日時点・東京ガス公式より)。
Web専用のオンライン販売に絞って価格を抑えており、基本工事費と販売価格、横幕板やダクト部材の扱いが公式サイトに載っているので、幅を変えるときの費用の見通しを立てやすいのが特徴です。
まとめ:レンジフードの横幅変更は「同サイズ交換」が基本
レンジフードの横幅変更について、改めて整理します。
レンジフードの交換は「同じサイズでの交換」が最もスムーズな方法です。幅を変更する場合は、幕板工事・ダクト工事・吊戸棚の改修などの追加工事が発生する可能性が高く、予算を超えるケースもあります。幅はコンロの幅と同じか、それ以上が基本で、高さは火災予防条例の離隔距離と施工説明書で決まります。
見積もりの段階で、追加費用が出る項目(横幕板・前幕板・ダクト・壁の補修)が内訳に入っているかを確かめることが、結果的にコストを抑える近道です。
レンジフード交換おすすめサービス一覧
東京ガスの機器交換
Web専用のオンライン販売に絞って価格を抑えており、工事は東京ガスが委託する施工パートナーが担当します(2026年9月20日時点・東京ガス公式より)。レンジフードはパロマ Cタイプが106,138円〜、富士工業 LGRが159,241円〜(いずれも税込・部材費込・基本工事費込。2026年10月時点)。対応エリアは商品ごとに市区町村単位で決まるので、公式の商品ページで住所を確認してください。
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