ノーリツ ピアットのワイドグリルとマルチグリルの違いを徹底比較|価格差1万円は価値があるか
この記事を読むと分かること
- ピアット ワイドグリルとマルチグリルの本質的な違いが「焼き網の有無」にあることと、それが日常の使い勝手にどう影響するかが分かる
- 約1万円の価格差に見合う機能差があるのかどうか、自分の調理スタイルで判断できるようになる
- コンロ交換で後悔しないための業者選びの重要ポイントが分かる
ワイドグリルとマルチグリル最大の違いは「焼き網の有無」
はじめにひとつ。ピアット(piatto)は、ノーリツの現行ビルトインコンロの性能早見表に載っていません(ノーリツ公式・2026年9月8日確認)。これから新品を買う場合の選択肢は、マルチグリルタイプか、焼網グリルタイプかになります。すでにピアットを使っている方の買い換え先を考えるときも、見るべきはこの2つの違いです。
ノーリツのグリルには、大きく分けて「焼網グリル(ワイドグリル)」と「マルチグリル」の2種類があります。カタログを見ると似たような機能に見えますが、設計の考え方が違います。
最も重要な違いは、焼き網(グリル網)の有無です。
ワイドグリルは、従来のグリルを幅広にしたもので、金属製の焼き網が付属しています。サンマやアジなどの魚を直火でこんがり焼くには最適な構造です。一方、マルチグリルは焼き網の代わりに「マルチグリルポット」という専用容器を使って調理します。この専用容器があることで炒め物、煮込み、蒸し料理、揚げ物など多彩な調理が可能になりますが、逆に言えば「網の上に食材を直接乗せて焼く」という使い方ができません。
この一点を理解するだけで、どちらが自分に合うかの判断がほぼできてしまいます。「コンロで魚をよく焼く」という方はワイドグリル一択です。「魚はフライパンで焼けばいい、グリルでいろいろな料理を試したい」という方はマルチグリルが楽しい選択肢になります。
ピアット ワイドグリルとマルチグリルの主なスペック比較
| 項目 | ワイドグリル | マルチグリル |
|---|---|---|
| グリル幅 | 約31cm(ワイド) | 約31cm(ワイド) |
| 焼き網 | あり | なし(マルチグリルポット使用) |
| 主な調理方法 | 焼き(直火) | 焼き・炒め・煮る・蒸す・揚げる等 |
| 付属容器 | 標準グリル皿 | マルチグリルポット(蓋付き) |
| 自動調理メニュー | 焼き魚など基本メニュー | 多彩なオートメニュー |
| 現行の希望小売価格(税込) | 274,340円〜/228,470円〜 | 375,540円〜 |
価格差の目安は、現行の希望小売価格で見ると「約1万円」では収まりません。ノーリツの現行品ではマルチグリルタイプが375,540円〜、焼網グリルタイプが274,340円〜/228,470円〜です(税込・2026年9月8日確認)。中古や在庫品の実売では差が縮まることもありますが、定価ではグレードごとの差です。
マルチグリルでできること
「1台8役」という言い方を見かけますが、ノーリツ公式が性能早見表に載せているのは「オートメニュー14メニュー」と「調理モード12モード」です(2026年9月8日確認)。「8役」は公式の数え方ではありません。以下は、専用容器を使ってできる調理の代表例です。
1. 焼く
マルチグリルポットの底面で肉や野菜を焼きます。フタをすることで熱を閉じ込め、外側はこんがり、中はしっとりと仕上げられます。ステーキやチキンソテーなど、フタをしながら焼き上げる料理に適しています。
2. 炒める
フタを開けて短時間で炒め物ができます。コンロの火力と違い、グリルの熱源が上下から当たるため、短時間で均一に仕上がります。野菜炒めや焼きそばなども手軽に作れます。
3. 煮る・煮込む
スープや煮物、ポトフなどの煮込み料理が作れます。グリルの庫内が密閉空間になるため、吹きこぼれの心配も少なく、安全に煮込めます。コンロを占領せずに煮込み料理を進行できる点が便利です。
4. 蒸す
少量の水を加えてフタをすることで蒸し調理が可能です。野菜の蒸し料理や茶碗蒸し、蒸しパンなども作れます。蒸し鶏など、低温でじっくり火を通したい料理にも向いています。
5. 揚げる
少量の油でもグリル内の熱が全方向から当たるため、少ない油で揚げ物ができます。唐揚げ、コロッケ、フライドポテトなど、大量の油を使わずに揚げ物を楽しめるのは大きな魅力です。
6. グリル(オーブン焼き)
フタをしたままグラタン、ドリア、ラザニアなどのオーブン料理が楽しめます。チーズをとろけさせながら焼き上げる料理に特に適しており、オーブンレンジを別途持つ必要がなくなる場合もあります。
7. 温める
ご飯や総菜などを温め直す際に使えます。電子レンジよりも「焼き目」をつけながら温めたいときに便利です。ピザやパンのリベイクにも活用できます。
8. 燻製
専用の燻製チップを使った本格燻製もできます(機種によって対応の有無あり)。スモークチーズやスモークサーモンなど、自宅で本格的な燻製料理を楽しみたい方に喜ばれる機能です。
これだけの調理法が一台でできるのは確かに魅力的です。ただし、次のセクションで説明する「焼き網がないことの盲点」を知った上で判断することが大切です。
マルチグリルの「盲点」:焼き網がない意味
マルチグリルの多機能性に注目が集まりがちですが、購入後に後悔するケースで最も多いのが「焼き魚ができない(焼きにくい)」という声です。
あなたも「多機能なほうがいいだろう」と思って選ぼうとしていませんか?そのお気持ちはよく分かります。しかしこの点だけは、購入前にしっかり理解しておくことをおすすめします。
正確には「焼けないわけではない」のですが、従来の焼き網のように直接食材を乗せて焼くことができません。サンマなどの魚をマルチグリルで焼くには、マルチグリルポットの中に入れて焼くことになります。しかし、実際にやってみると「網で焼いたときのような皮のパリパリ感が出にくい」「脂が落ちきらない」「仕上がりが蒸し焼きに近くなる」という問題が出ることがあります。
また、マルチグリルポットはサイズが決まっているため、大きなサンマ1尾をまるごと焼こうとしても入りきらないことがあります。尾を折ったり、半分に切って焼くことになると、「せっかくのグリルなのに」という不満につながります。
「魚はスーパーの惣菜を買うか、魚焼き専用のフライパンで焼けばいい」という割り切りができる方なら問題ありません。しかし、「週に2〜3回は自分でグリルで魚を焼く」という習慣がある方は、ワイドグリルを選んだほうが日々の満足度が高いでしょう。
さらに注意すべき点として、「マルチグリルを買ったが魚が焼きたくなった」という場合、後から焼き網だけを購入して使用することは構造上難しいため、後戻りがしにくいというリスクもあります。コンロは10年以上使うものです。「最初の選択」がその後の毎日の調理体験を左右します。
ワイドグリルのメリット
「マルチグリルのほうが多機能だから上位モデル」という誤解を持つ方も多いですが、ワイドグリルにはマルチグリルにはない独自のメリットがあります。
焼き魚がおいしく焼ける
これが最大のメリットです。焼き網の上に食材を乗せ、下火・上火の直火で焼くことで、食材から出た余分な脂が落ち、皮はパリッと、身はふっくらと焼き上がります。この食感はマルチグリルポットでは再現が難しいとされています。
焼き魚の美味しさの多くは「余分な脂が落ちること」によって生まれます。直火焼きの焦げ目と香ばしさは、ガスコンロのグリルならではの体験です。「コンロを変えたら魚がおいしくなった」と感じる方が多いのも、ワイドグリルが普及している理由のひとつです。
使い慣れた調理法をそのまま使える
ワイドグリルは「大きくなった普通のグリル」です。今まで使ってきた操作方法とほぼ同じなので、新しい調理方法を覚える必要がありません。特に年配の方や、家電・調理器具の新機能を積極的に使いたくないという方には、ワイドグリルのシンプルさが大きな安心感になります。
「便利な機能があっても結局使わない」という経験は誰でも一度はあるはずです。自分の調理スタイルに合わない機能にお金を払うよりも、シンプルで使いやすいものを選ぶほうが、長期的な満足度は高くなります。
手入れがしやすい
焼き網はステンレス製で、食洗機対応モデルも多くあります。使ったら洗う、というシンプルなメンテナンスです。マルチグリルポットも洗いやすく設計されていますが、容器の底面・内壁・フタと複数パーツの管理が必要になります。
価格が安い
現行の希望小売価格では、焼網グリルタイプが274,340円〜/228,470円〜、マルチグリルタイプが375,540円〜です(税込・2026年9月8日確認)。「多機能は必要ない。魚がきれいに焼ければそれでいい」という方には、コストパフォーマンスの面でもワイドグリルが優れています。
どちらを選ぶべきか:チェックリスト
以下のチェックリストで、あなたがどちらに向いているかを確認してみましょう。
ワイドグリルが向いている人
- 週に1回以上、魚をグリルで焼く習慣がある
- サンマ・アジ・サバなど、まるごと焼く機会が多い
- 新しい調理機能よりも、使い慣れた操作感を重視する
- コンロの予算をなるべく抑えたい
- 調理器具はシンプルなほうが好き
- キッチンに別でオーブンやオーブンレンジがある
マルチグリルが向いている人
- 魚はフライパンで焼くか、外食で済ませることが多い
- グラタン、ラザニア、ローストチキンなどのオーブン料理を家で作りたい
- 揚げ物・煮込み・蒸し料理など、グリルで多彩な料理を試したい
- 新しい調理体験を積極的に楽しみたい
- グレードごとの価格差(定価で約10万円前後)を出せる
- キッチンにオーブンがなく、グリルで代用したい
コンロ部の火力や安全機能は、どちらのグリルを選んだかではなく、型番ごとの仕様で決まります。グリルをどう使いたいか、という点だけで判断してください。迷ったときは「自分は今のグリルで何をよく焼いているか」を思い返してみると、答えが見えてきます。
両グリルに共通するピアットのメリット
ワイドグリルかマルチグリルかにかかわらず、ピアットシリーズ全体に共通するメリットについても確認しておきましょう。
大火力のリッターバーナー
ピアットの左右バーナーは高火力のリッターバーナーを採用しており、強い炎でフライパン料理や大きな鍋での調理をパワフルにこなします。中央バーナーは煮込みに向いた低火力設定となっており、用途に合わせた火力使い分けが自然にできる設計です。
グリルの自動調理機能
焼網オート(切身・姿焼き・干物)やプレートオート(焼き魚・トースト・あたため)など、選んでおけば消火まで自動で進む機能があります(ノーリツ公式・2026年9月8日確認)。対応するメニューはグレードで差があるので、型番の仕様表で確かめます。
センサーによる安全機能
調理中に鍋が空になったり、油が高温になりすぎたりすると自動的に火を弱める・止める機能があります。万一ガスを消し忘れた際の自動消火機能も搭載されており、安全面では万全です。小さな子どもがいるご家庭や、調理中に目を離すことが多い方にとって心強い機能です。
天板のお手入れのしやすさ
ピアットの天板はガラスコートまたはホーロートップが採用されており、こびりつきにくく拭きやすい設計になっています。毎日の掃除の手間を大幅に軽減してくれます。料理後すぐに濡れた布巾でさっと拭けるため、キッチンをきれいに保ちやすいです。
デザイン性
ノーリツ ピアットはスタイリッシュなデザインで、キッチンに設置するとシステムキッチン全体の印象が引き締まります。カラーバリエーションも豊富で、キッチンの雰囲気に合わせたコーディネートが楽しめます。
どこで差が出るのか(構造で説明します)
ここからは、両方の違いが日常のどこに出るのかを、構造の面から整理します。
マルチグリルが得意なこと
フタをして庫内を密閉させられるので、グラタンやドリアのようなオーブン寄りの料理をグリルで受けられます。コンロの口をふさがないのも利点です。
少ない油での揚げ物も、上下から熱が当たる庫内の構造によるものです。コンロで揚げるときのような油はねが周囲に広がりません。
蒸す・煮るといった、水分を逃がさない調理ができるのも、ふた付き容器だからです。
マルチグリルが苦手なこと
焼網がないので、食材から出た脂が下に落ちません。魚を容器に入れて焼くと、仕上がりは直火焼きより蒸し焼きに近づきます。
容器は本体・ふた・ハンドルに分かれているため、洗うパーツは焼網だけのときより増えます。
グリルで魚しか焼かない場合、多機能の分の価格差は使われないままになります。
焼網グリルが得意なこと
焼網の上に直接乗せるので、余分な脂が下に落ちます。皮の焼け方と香ばしさは、この構造から来ます。
現行の焼網グリルタイプには、焼網オート(切身・姿焼き・干物)とプレートオート(焼き魚・トースト・あたため)の両方があります(ノーリツ公式・2026年9月8日確認)。
専用容器(ロティプレート)も別売で用意されているので、後からプレート調理を足すこともできます。
ここまでをまとめると、違いは「脂を下に落とすか、容器の中に閉じ込めるか」の1点に集約されます。魚を直火で焼きたいなら焼網、汁気やオーブン風の料理をグリルに回したいならマルチグリルです。
どちらを選ぶにせよ、事前に「自分はグリルで何をしたいか」をはっきりさせておくことが後悔しない選択につながります。
ピアットのシリーズ内位置づけ
ノーリツのビルトインコンロラインナップの中で、ピアットはどのような位置づけになっているのかを整理しておきます。
ノーリツの現行の性能早見表は、グリルで分けて並んでいます(ノーリツ公式・2026年9月8日確認)。「ピアット」はこの表に載っていません。
マルチグリルタイプ(375,540円〜・税込)
専用容器が付属し、オートメニュー14メニュー・調理モード12モード。グリル液晶表示・音声ガイド・感震停止機能・鍋なし検知機能を備えます。
焼網グリルタイプ(274,340円〜/228,470円〜・税込)
無水両面焼のワイドグリル。焼網オートとプレートオートの両方を持ち、ロティプレートは別売です。上位側には温度クック機能や音声ガイドが付きます。
その下の帯(201,630円〜/174,900円〜/162,250円〜など・税込)
無水両面焼のスタンダードグリルで、オート機能は機種によって差があります。炊飯機能は左右バーナー対応の機種もあります。
ピアットを使っている方が買い換える場合、マルチグリルを使っていたならマルチグリルタイプ、焼網を使っていたなら焼網グリルタイプが、使い方を変えずに済む選択肢です。
他社で同じ価格帯に当たるのは、リンナイのデリシア(350,900円〜)・リッセ(270,600円〜)、パロマのクレア(366,300円〜)・フェイシスグランド(274,340円〜)です(各社公式・税込・2026年9月8日確認)。グリルの方式と天板素材で選び分けます。
コンロ交換は施工業者選びが最重要
機種を決めたら、次は交換業者選びです。ここを誤ると、せっかくの高品質なコンロも台無しになりかねません。実は、コンロ選びよりも業者選びのほうが失敗リスクが高いとも言えます。
資格なし業者のリスク
ビルトインコンロの交換は、すでにあるガス栓につなぐだけなら内管工事にはなりません。ガス栓の位置を動かす、配管を切断・延長するといった工事が入るときだけ、その工事に対応できる業者かどうかを確かめます。
なお、簡易内管施工士は業界団体の資格であって国家資格ではありません。資格名を並べてもらうより、「今回の工事にガス栓を動かす作業が入るか」を聞くほうが確実です。入るなら、その工事を誰が行うのかを見積もりの段階で確かめます。
見積もりの安さだけで決めず、工事の範囲・施工体制・工事後の連絡先を揃えて比べます。
「10年保証」のカラクリを知っておく
多くのコンロ交換業者が「10年保証」を宣伝しています。しかし実態を見ると:
- メーカーが公表しているのは「設計上の標準使用期間=製造から10年」と「部品の保有期間」の2つだけで、何年で故障が増えるかは公表されていない
- 部品の保有期間は買った日ではなく「製造打ち切り後」から数えます。ノーリツのコンロは製造打ち切り後5年、リンナイのビルトイン式ガスこんろは10年で、保証期間内でも部品が無ければ直せません
- 施工不良は設置直後の数週間〜数ヶ月以内に発覚することがほとんどであり、10年後の問題を証明することはほぼ不可能
- 中小規模の業者は10年後に存続しているとは限らない
つまり「10年保証」は、部品があることと、保証する側が続いていることの2つが揃って初めて使えます。保証の年数だけでなく、何が対象で、どこに連絡するのかを契約前に確かめておきます。
東京ガスの機器交換という選択肢
東京ガスの機器交換は、ビルトインコンロの交換をWebから申し込めるサービスです。見積もり先が1社に限られるので、一括見積もりサイトのように複数社から連絡が来ることはありません。
申し込み先が1社に限られるので、連絡が来る先を自分で絞れます。施工は認定を受けた工事会社が行います。
対応エリアは限られているので、自分の住所が入っているかを公式で確かめてから申し込みます。本体価格と基本工事費がサイト上で見えるので、他社の見積もりと並べて比べやすい形です。
対応エリアに入っている方は、まずここで本体価格と基本工事費を見て、他社の見積もりと並べて比べると判断しやすくなります。
まとめ:ピアット ワイドグリルとマルチグリルの選び方
この記事のポイントを整理します。
ワイドグリル(焼網グリル)とマルチグリルの最大の違いは焼き網の有無です。なお、ピアットはノーリツの現行の性能早見表には載っていません(2026年9月8日確認)。
マルチグリルは専用容器を使ってオーブン風の料理まで受けられますが、焼き網がないため、直火で魚を焼くことができません。一方ワイドグリルは幅広の焼き網で、脂を下に落としながら焼けます。
価格差(現行の定価では約10万円前後)に価値があるかどうかは、あなたの調理スタイル次第です。「週に何度も魚を焼く」という方にとってマルチグリルは価格が高い上に使い勝手が悪くなる可能性があります。逆に「魚はあまり焼かない、グラタンや煮込み料理をグリルで楽しみたい」という方には、追加投資に十分な価値があります。
機種を決めたら、次は業者選びです。「10年保証」という言葉だけで選ばず、今回の工事にガス栓を動かす作業が入るか、保証の対象は何か、連絡先はどこかを見積もりの段階で確かめます。
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