【不動産投資】固定資産税の軽減措置と減免・減額の適用例|課税明細の読み方
この記事を読むと分かること
- 固定資産税の基本計算と課税明細の読み方
- 住宅用地の1/3・1/6軽減措置の仕組み
- 新築・耐震・省エネで適用される減額措置と適用例
「計算されるまま」だと損をしているかもしれない
不動産を保有すると、毎年4〜6月頃(東京23区は6月)に「固定資産税・都市計画税」の納税通知書と課税明細書が届きます。軽減措置や減額の中には申告しないと適用されないものもあるため、「明細を読める」ようになっておくと、誤課税や減額の見落としを防げます。
本記事では、固定資産税の基本計算、住宅用地の軽減措置、新築・耐震・省エネで適用される減額措置と適用例を整理します。
固定資産税の基本計算
「課税標準額 × 1.4%(標準税率)」が基本です。市街化区域内の土地・家屋には「都市計画税」もかかり、税率は市区町村が0.3%を上限に決めます(東京23区は0.3%)。課税標準額のもとになる価格(評価額)は「固定資産課税台帳」に登録されており、所有者は市区町村(23区は都税事務所)で閲覧できます。土地・家屋の価格は3年ごとに見直されます(評価替え)。
住宅用地については「住宅用地の特例」があり、軽減される仕組みとなっています。
住宅用地の軽減措置
賃貸アパートやマンションの敷地も「住宅用地」として認められ、次の軽減を受けられます。
- 小規模住宅用地(200㎡以下部分): 評価額×1/6
- 一般住宅用地(200㎡超部分): 評価額×1/3
200㎡は住宅1戸あたりの面積で、アパートのように独立した住戸が複数ある場合は「戸数×200㎡」までが小規模住宅用地になります。8戸のアパートなら「1,600㎡」までが1/6軽減の対象になる計算です(東京都主税局)。
新築住宅の減額措置
床面積などの要件を満たした新築住宅は、一定期間「建物部分の固定資産税を1/2に」する減額措置があります(居住部分で1戸あたり120㎡相当分まで)。
- 一般の新築住宅: 3年度分 1/2減額
- 認定長期優良住宅: 5年度分 1/2減額
- 3階建以上の耐火・準耐火建築物: 5年度分 1/2減額
- 認定長期優良住宅で3階建以上の耐火・準耐火建築物: 7年度分 1/2減額
★賃貸アパートは床面積の要件に注意してください。貸家の共同住宅は、1戸ごとの床面積(廊下・階段などの共用部分をあん分して加えた面積)が40㎡以上240㎡以下であることが要件です(2026年4月1日以後の新築。2026年3月31日までの新築は40㎡以上280㎡以下)。25㎡前後のワンルームでは、共用部分を足しても40㎡に届かず、減額の対象外になることがあります(東京都主税局「固定資産税・都市計画税」・2026年10月25日確認)。
耐震改修・省エネ・バリアフリー改修の措置
古い住宅に関係する減額措置もあります。ただし、省エネ改修とバリアフリー改修の減額は「家屋の賃貸部分は減額になりません」とされており(東京都主税局)、賃貸に出している部屋には使えません。
- 耐震改修: 1982年1月1日以前からある住宅で一定の耐震改修をした場合、翌年度分の固定資産税を1/2減額(23区内は都の減免制度もある)
- 省エネ改修: 2014年4月1日以前からある住宅で、窓の断熱改修を含む省エネ改修をした場合、翌年度分の固定資産税を1/3減額(家屋の賃貸部分は対象外)
- バリアフリー改修: 新築から10年以上たった住宅で、65歳以上の方・要介護/要支援認定を受けた方・障害のある方が住み、一定のバリアフリー改修をした場合、翌年度分の固定資産税を1/3減額(家屋の賃貸部分は対象外)
これらの措置は申告が必要で、自動では適用されません。原則として改修工事の完了後3か月以内に、市区町村(23区は都税事務所)へ申告します。
課税明細で見るべきポイント
課税明細を受け取ったら、以下をチェックしてください。
- 「本価格」(評価額)と「課税標準額」(軽減後)の両方が記載されているか
- 住宅用地の軽減が適用されているか(「住宅用地」表記や面積区分)
- 新築住宅の減額措置が適用されているか(一定期間のみ)
- 前年と比べて突出した増減がないか(3年ごとの評価替えで上下する)
課税の誤りが見つかる例もあります。違和感があれば、明細を持って市区町村(23区は都税事務所)に相談し、内容を確認してもらうとよいでしょう。
長期収支シミュレーションに固定資産税を反映させる
固定資産税は毎年発生し、所有している限り避けられないコストです。現状の課税額だけではなく、「新築の減額期間が終わったとき」「3年ごとの評価替えで見直されたとき」の動きを見越してシミュレーションに反映させると、長期キャッシュフローを見誤りにくくなります。
しなちく長期収支シミュレーターでは、固定資産税の年額をシナリオごとに設定できるため、「新築減額の期間中」と「期間終了後」のキャッシュフローの動きを見ておけます。
まとめ:毎年「明細を読む」習慣を
固定資産税は、適用される軽減・減額措置が多岐にわたるため、明細を毎年読むだけでも「違和感」を見つけられるケースがあります。軽減期間とその後の動きをシミュレーションに反映させて、長期キャッシュフローの誤りを防ぎましょう。
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