【不動産投資】福岡銀行の不動産投資ローンの融資条件とメリット・デメリット(一棟アパート・マンション)

この記事を読むと分かること
  • 福岡銀行の不動産投資ローンの主な条件と選ばれやすい物件タイプ
  • 使うときのメリットと注意したいデメリット
  • 他の地銀・メガバンクとの使い分けポイント

福岡銀行の特徴

概要

福岡銀行は九州・福岡を拠点とする中核の地方銀行で、不動産投資ローンも取り扱っています。首都圏のワンルームマンション中心のローンとは違い、一棟アパート・マンションを中心に見てくれる銀行として九州エリアで評価されています。

融資エリア

主に九州・福岡エリアを中心に、取引先の勤務先や住居地、物件所在地との関係性を見て判断されます。九州以外でも、より限定的に見てもらえるケースがあります。

申込者の属性

一般的に、安定した本業収入と一定以上の金融資産を持つサラリーマン・事業主に見てもらえます。年収700万円クラスが一つのラインと言われます。

融資期間

最長は建物の法定耐用年数を基準に、アパートでは最長で30年、鉄骨・RC高層だと最長で35年というケースが見られます。築古物件は耐用年数を超えた期間設定が難しくなります。

金利手数料

金利は属性・物件・期間により違いますが、年率2%台が一つのラインとされます。手数料は初回でローン額の1〜2%程度が一般的です。

融資比率(自己資金割合)

準フルローンに近いケースもある一方、一般的には物件価格の10〜20%を自己資金として見るケースが中心です。

審査機関

収益評価・積算評価を使うと言われます。総合的に評価されるため、ある程度の頭金と安定した収入があり、物件の収益性を説明しやすいケースでは話が進みやすいとされます。

福岡銀行の利用をおすすめな人

九州・福岡エリアに拠点を持つ人

勤務先・住居地・物件所在地が九州エリアにあるオーナーは、市場評価もしやすく、話を進めやすい銀行とされます。

九州エリアで長期保有を考える人

鉄骨・RC高層を長期保有してインカムゲインを計画したい人には、長期の返済期間を見てもらえるメリットが大きいでしょう。

よくあるデメリットと作り込み

首都圏の取り扱いは限定的なため、「首都圏の一部エリアの区分マンションだけ」を狙うオーナーには適しません。九州・福岡エリアで事業を作るという視点が重要です。
金利負担と長期保有によるキャッシュフローを、長期収支シミュレーションでストレステストしておくと、シミュレーションと他銀行の比較もしやすくなります。

公式の商品概要に書かれている条件(2026年9月22日 取得)

ここまでに挙げた金利や年収のラインは、市場で言われている目安です。福岡銀行が個人向けに公開している商品は「ふくぎんアパートローン」で、商品概要のページには銀行自身が書いた条件が項目ごとに並んでいます。目安と公式を混ぜないために、まず公式の記載だけを抜き出します。
項目福岡銀行「アパートローン」商品概要の記載
ご利用になれる方お借入時の年齢が満20歳以上。団体信用生命保険に加入するなら借入時年齢満20歳以上71歳未満、完済時年齢82歳未満。原則として別途家計を賄うだけの安定収入があること
資金のお使いみちアパートの建築資金(土地代金・付帯工事費を含む)および購入資金、これらにかかる諸費用、他行アパートローンの借換資金。諸費用には火災保険料・登記費用等を含む
ご融資金額(1)建物本体価格(土地代を含む)・付帯工事費・諸費用の合計額と、(2)事業採算見込みその他を総合的に勘案して銀行が妥当と判断した金額の、低いほうが限度。団信に加入する場合は1億円が限度
ご融資金利借入申込時と固定金利期間終了時に、変動金利か固定金利かを選ぶ。変動は短期プライムレートの変更の都度見直し。利率はいずれも当行所定
ご返済期間最長30年以内(ただし、構造などに応じて最長期間は異なる)
担保ご融資対象物件に普通抵当権を設定
保証人原則不要
手数料不動産担保取扱手数料として1件につき55,000円(税込)。これ以外に保証料はかからない
出典:福岡銀行「アパートローン」および同「商品概要」(いずれも2026年9月22日取得)。
表のうち、読む前に気をつけたい行が2つあります。ひとつは借換えで、使えるのは他行のアパートローンからの借換えだけです。福岡銀行のローンから福岡銀行のローンへの借換えには使えないと明記されています。もうひとつは商品名と使途で、公式の記載は一貫して「アパート」です。商品概要にマンションという語は出てきません。RC造の一棟マンションを同じ商品で扱えるかどうかは、窓口で確かめてください。

手数料は融資額の何パーセントではなく、1件55,000円の定額です

ここが、他所で見かける解説といちばん食い違うところです。福岡銀行のアパートローンの手数料は、不動産担保取扱手数料として1件につき55,000円(税込)と書かれています。融資額に対する定率ではありません。
金額の感覚として、借入5,000万円で定率1%なら50万円ですが、この商品では55,000円です。差は445,000円あります。定率のつもりで初期費用を積んでおくと、借りる側の見積もりが数十万円単位でずれます。
あわせて確かめておきたい点が3つあります。
  • 保証料は別にかかりません。商品概要に「上記以外に保証料はいただきません」と書かれています
  • ただし「なお、場合により追加手数料をいただく場合がございます」という但し書きが付いています。55,000円で必ず打ち止め、とまでは書かれていません
  • 団体信用生命保険は、保険料を別に払う形ではなく、融資金利に0.4%が加算される形です。毎月の返済額に溶け込むので、初期費用の表には出てきません

固定金利を選ぶときは、終了の10営業日前という締切があります

金利の選び方まわりは、商品概要にかなり細かく書かれています。借りたあとの手間に直結する部分なので、条件を先に並べます。
決まっていること商品概要の記載
固定金利期間の選択肢2年・3年・5年・7年・10年の5種類
固定金利期間中の変更変動金利への変更も、固定金利期間の変更もできない
固定から変動への切替固定金利期間の終了時に限り可能
何もしなかった場合終了日の10営業日前までに再度固定金利の申し出がないと、自動的に変動金利になる
変動を選んだ場合所定の手続きにより、借入中でも固定金利へ変更できる
適用される金利の時点申込時ではなく、実際に融資を受ける日の金利
固定から固定へ更新したい人にとって、10営業日前は実質的な締切です。期間終了の案内が来てから考え始めると間に合わないことがあるので、固定を選んだ時点で終了月を控えておくのが安全です。また、固定金利期間終了時に選び直す利率は借入当初の利率とは別物である、という注意書きも商品概要に入っています。

アパートローンの適用金利は公表されていません

福岡銀行の「ローン商品利率一覧表」(2026年9月1日から2026年9月30日お借り入れ分)に載っているのは、住宅ローン・学資ローンDX・教育カードローン・ニューオートローンDXなどです。この一覧にアパートローンの行はありません(2026年9月22日に取得したページを機械で走査し、アパートの文字は0件でした)。商品概要も「当行所定の利率」としか書いていません。
したがって、この記事を含めてインターネット上に出ている年率の数字は、いずれも公式に確認できる値ではありません。実際の金利は、物件の資料をそろえたうえで窓口に聞くしかないという前提で読んでください。

法人・個人事業主には「ロングリリーフ」という別の入口があります

アパートローンは個人向けの商品です。法人や個人事業主が不動産を担保に借りる場合は、同じ福岡銀行でも「ふくぎん不動産担保ローン ロングリリーフ」という別の商品になり、条件の作りがかなり違います。
項目アパートローン(個人)ロングリリーフ(法人・個人事業主専用)
対象お借入時の年齢が満20歳以上の個人九州内(福岡銀行の指定する地域)で事業を営む法人および個人事業主
資金使途アパートの建築資金・購入資金と諸費用、他行アパートローンの借換運転資金、設備資金、金融機関借入のおまとめ資金
融資金額合計額と妥当と判断した金額の低いほう(団信加入時は1億円が限度)100万円から5,000万円未満(1万円単位)
融資期間最長30年以内1ヶ月以上20年以内
利率当行所定(変動・固定から選択)年4.875%から11.875%(変動金利型)
担保普通抵当権土地・建物に根抵当権
保証人原則不要法人は必要に応じて代表者、個人事業主は原則不要
不動産担保取扱手数料1件55,000円(税込)融資実行時に55,000円(税込)
繰上返済商品概要に記載なし期限前の一括返済は繰上げ返済時元金の2.5%。一部繰上返済は手数料不要
団体信用生命保険加入すると金利に0.4%加算任意。加入すると金利に年0.5%上乗せ。実行時年齢満18歳以上76歳未満、完済時満81歳未満
出典:福岡銀行「ふくぎん不動産担保ローン ロングリリーフ」(2026年9月22日取得)。
この表で見落としやすいのは担保の行です。アパートローンは普通抵当権、ロングリリーフは根抵当権と書かれています。根抵当権は、同じ枠で繰り返し借りることを前提にした設定なので、次の物件まで見据えているなら、どちらで設定されるかは確認する価値があります。
なお、ロングリリーフの資金使途は運転資金・設備資金・おまとめ資金で、賃貸物件の取得を名指しした記載はありません。投資用物件の購入に充てられるかどうかは、事業計画とあわせて相談する話になります。

自宅を担保にするローンでは、投資用物件は買えません

福岡銀行には、会社員や年金受給者が自宅を担保に借りる「FFGホームエクイティローン」もあります(融資金額100万円から2,000万円、融資期間1年から20年、変動金利年5.725%=住宅ローン基準金利+2.0%、2026年4月1日現在)。使いみちは自由と書かれていますが、注意事項の1番目に「事業性資金にはお使いになれません」と明記されています。賃貸経営は事業性資金なので、この商品で投資用物件を取得することはできません。

申し込みに必要な書類は、物件の資料まで含めて10種類以上あります

商品概要には提出書類の一覧も載っています。一般的なローンの必要書類と違うのは、事業として審査される部分です。
  • 借入申込書、個人情報同意書、ご本人さま確認資料、見積書
  • 経営(事業)計画書
  • 所得証明書または確定申告書等(3年分)
  • 既存保有賃貸物件の現状がわかる資料
  • 物件に関する資料:建設予定地および所有不動産の固定資産評価額がわかる資料、現地訪問承諾書、土壌汚染に関する確認書、建設予定地の登記簿謄本、住宅地図、字図、地積測量図、工事請負契約書、設計図 など
確定申告書等が3年分というのは、今年の数字だけでは足りないという意味です。独立直後や転職直後の人は、ここで期間が足りなくなります。また、土壌汚染に関する確認書と現地訪問承諾書は、土地から始めるアパート建築を前提にした書類です。中古の一棟を買う相談で持ち込む場合は、どの書類が必要になるかを先に聞いておくと、資料集めの空振りが減ります。

この記事の数字のうち、公式で確認できたもの・できなかったもの

この記事の前半は、公開前から市場で言われている目安をまとめたものです。2026年9月22日時点の公式サイトと突き合わせた結果を、そのまま表にします。削っていないのは、他所で同じ数字を見た読者が照合できるようにするためです。
この記事の記載2026年9月22日時点の公式での扱い
アパートでは最長で30年一致。商品概要は「最長30年以内」
鉄骨・RC高層だと最長で35年公式には無い記載です。商品概要の上限は30年で、「構造などに応じて最長期間は異なります」とだけ書かれています
金利は年率2%台が一つのライン確認できません。商品概要は「当行所定の利率」、ローン商品利率一覧表にアパートローンの行がありません
手数料は初回でローン額の1%から2%程度一致しません。公式は1件55,000円(税込)の定額で、保証料は別にかかりません
年収700万円クラスが一つのライン公式に年収の下限はありません。条件は「原則として別途家計を賄うだけの安定収入がある方」です
自己資金は物件価格の10%から20%が中心公式に割合の記載はありません。融資額は合計額と銀行が妥当と判断した金額の低いほう、という書き方です
団体信用生命保険に加入できる一致。ただし金利に0.4%が加算される点は公式にしか書かれていません
表の右側が「公式に無い」となっている行は、誤りだと決まったわけではありません。銀行が条件のすべてを公開しているとは限らず、実際の融資では公表されていない基準が使われます。ただし、公表されていない数字を前提に初期費用や返済計画を組むと、窓口で話が変わります。面談の前に、右側の列をそのまま質問リストとして使ってください。

まとめ

福岡銀行は九州エリアの不動産投資オーナーにとって重要な選択肢のひとつです。長期返済・不動産評価のよさを活かし、他銀行とセットで検討すると、よりよい条件を引き出しやすくなります。

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