ハーマン ピアットのワイドグリルとマルチグリルの違い|マルチグリル版は「ピアットバリ」という別シリーズです
この記事を読むと分かること
- ピアット(焼網のワイドグリル)とピアットバリ(マルチグリル)は、いまは別シリーズとして売られていること
- 焼網は「直火で焼く」、マルチグリルは「焼く・煮る・蒸す・あたためる・ノンフライ・パン」の6モードという守備範囲の違い
- 希望小売価格の差は、同じ75cmで15,000円前後しかないこと
ピアットを出しているのはハーマンです(ノーリツのグループ会社)
最初に、メーカー名をはっきりさせておきます。「Piatto(ピアット)」を出しているのは株式会社ハーマンで、ノーリツ本体のビルトインコンロのラインアップにピアットは載っていません(ノーリツ公式のビルトインコンロ一覧・2026年9月12日確認)。ハーマンはノーリツの100%子会社で、ハーマン公式も自社サイトの中で「グループ会社であるノーリツの商品情報にリンクします」と案内しています。「ノーリツのピアット」と呼ばれることが多いのは、この資本関係が背景にあります。
そのうえで、いま押さえておきたいのはワイドグリルとマルチグリルが、同じシリーズの中の選択肢ではなくなっていることです。ハーマン公式の現行ラインアップでは、焼網グリル(ワイドグリル)のものが「ピアット」、マルチグリルのものが「ピアットバリ」という別々のシリーズページに分かれています(2026年9月12日確認)。つまり「ピアットのグリルを2つから選ぶ」のではなく、「ピアットかピアットバリか」を選ぶことになります。
この記事では、その2つの違いを公式の仕様に沿って整理します。
ワイドグリルとは何か——網焼き仕様の王道グリル
ワイドグリルの基本構造
ワイドグリルは、「焼き網」を使って食材を直接火で焼く従来型のグリルです。名前の通り、庫内が「ワイド(広い)」設計になっているのが特徴で、大きなサイズの魚や食材でも無理なく焼くことができます。
焼き網の下に受け皿が配置されており、焼き汁や脂が受け皿に落ちる仕組みです。直火に近い状態で食材を焼くため、魚の皮がパリッと仕上がる、肉に香ばしい焦げ目がつくといった「直火焼き」ならではの美味しさを引き出せます。
ワイドグリルでできること
毎日の食卓でよく使われる調理法として、魚の塩焼きや西京焼き、サンマやアジなど一尾の魚を丸ごと焼くのはもちろん、干物や切り身の焼き物も得意です。餅やチーズトーストなど、直火で焼き目をつけたいものにも最適で、鶏肉や豚バラなど脂が多い肉類のグリル調理にも対応しています。
ガスの直火で焼くため、熱の回りが早く短時間での調理が可能です。特に「毎日の夕食で魚を焼く」というご家庭にとって、使いやすさと仕上がりの両面で優れた選択肢となります。
ワイドグリルの掃除について
ワイドグリルのやや面倒な点は、受け皿と焼き網の洗い物が発生することです。魚を焼いた後は脂と焦げが受け皿に残るため、毎回洗浄する必要があります。
現行のピアットのグリルは「無水両面焼」です(ハーマン公式・2026年9月12日確認)。受け皿に水を張る必要はなく、遠赤外線とガス火の対流熱で上下から焼くため、途中で裏返す手間もありません。お手入れ側では、焼網にフッ素コート、庫内側面に着脱式サイドカバーが付き、どちらも取り外して洗えます。排気口落下物ガードは別売です。
マルチグリルとは何か——プレート仕様の多機能グリル
マルチグリルの基本構造
マルチグリルは、専用の「グリルプレート」を使って食材を調理する新世代グリルです。焼き網を使わず、プレートの上に食材を置いて加熱します。
公式が挙げている調理モードは6種(焼く/あたためる/ノンフライ/煮る/蒸す/パン)で、ほかにオートメニューが5種(切り身・姿焼きの魚、トースト、鶏もも焼き、ごはん)あります(ハーマン公式・2026年9月12日確認)。公式は「ロースター・トースター・電子レンジ・炊飯器・ノンフライヤー・圧力鍋・蒸し器・ホームベーカリーの1台で8役」という言い方をしていますが、同時に「調理機器全ての調理メニューは調理できません」とも書いています。置き換えられるのは各機器の一部の使い方、と読むのが正確です。
なお、「炒める」は公式の調理モードに入っていません。フライパンの代わりに炒め物をする用途で選ぶと、期待と違うことになります。
マルチグリルでできること
できることは、上の6モードがそのまま答えになります。魚や肉を焼くほかに、煮もの(材料と調味料を入れて閉めるだけ)、蒸しもの、油で揚げないノンフライ、パン。公式は煮ものについて「上下の温度ムラが少ないので、仕上がりのムラや煮くずれを抑えられる」と説明しています。
専用容器(プレートパンL)は本体に付属します。容器にはセラミックコーティングが施されていて、汚れがこびりつきにくく、油汚れも落としやすい、というのが公式の説明です。専用容器を正しく入れないと点火しない「プレートルック機能」も付いています。
マルチグリルの掃除について
マルチグリル側のお手入れで効いているのは、両サイドのバーナーを無くして庫内側面をフラットにした構造です(公式は「フラット構造」と呼んでいます)。凹凸が減るぶん拭きやすく、側面には焼網側と同じ着脱式サイドカバーも付きます。専用容器はセラミックコーティングです。
食洗機に入れてよいかどうかは、付属品ごとに取扱説明書の指示が違います。ここで「だいたい手洗い」と丸めると、洗える部品まで手洗いすることになるので、購入した機種の取扱説明書で部品名を見て確認してください。
ワイドグリルとマルチグリルの違いを徹底比較
それでは、両タイプの違いを具体的に比較してみましょう。
調理方法の違い
| 項目 | ワイドグリル | マルチグリル |
|---|---|---|
| 基本調理器具 | 焼き網 | グリルプレート |
| 直火焼き | ○ | △(プレート越し) |
| スチーム調理 | × | ○ |
| 炒め物 | × | ×(公式の調理モードに無い) |
| 煮物 | × | ○(調理モード「煮る」) |
| 揚げ物 | × | △(調理モード「ノンフライ」) |
| 庫内サイズ | 広め | コンパクト |
仕上がりの違い
魚や肉を「パリッと香ばしく焼きたい」という方には、ワイドグリルの方が向いています。直火に近い状態で焼くため、皮のパリッと感や表面の焼き色が出やすいのです。あなたも「グリルで焼いた魚の皮がパリッとしている」という体験をしたことがあると思いますが、それがワイドグリルの真骨頂です。
一方で、マルチグリルでも焼き目はつきますが、プレート越しになるため直火焼きほどの焦げ目はつきにくい側面があります。その代わり、じんわりと均一に火が通るので、ふっくらと仕上がる点ではマルチグリルが優れています。素材の旨みを閉じ込めた蒸し焼きのような仕上がりになるため、パサつきが気になる食材には適しています。
調理の幅の違い
料理の種類で言えば、マルチグリルのほうが守備範囲が広いです。焼く・あたためる・ノンフライ・煮る・蒸す・パンの6モードがあるので、グリルを「もう一つの加熱器」として使えます。ただし前述のとおり、炒め物は公式のモードにありません。
対してワイドグリルは「焼く」に特化した仕様なので、料理の幅という面ではマルチグリルに劣ります。しかし「魚を毎日焼く」という使い方に限定すれば、シンプルで使いやすい点は大きな強みです。余計な機能がない分、操作も直感的で迷いがありません。
価格差について
差は、思っているほど大きくありません。ハーマン公式の希望小売価格(2026年9月12日確認・税抜)は次のとおりです。
| シリーズ | グリル | 75cm | 60cm |
|---|---|---|---|
| ピアット | 焼網(ワイドグリル) | 290,000〜323,000円 | 285,000〜318,000円 |
| ピアットバリ | マルチグリル | 305,000〜338,000円 | 300,000〜333,000円 |
同じ天板・同じ幅どうしで比べると、差は15,000円前後です。ピアットバリにはプレートパンLが付属するので、容器代を別に買わずに済むぶんも含まれます。「マルチグリルは高いから焼網にする」という決め方は、この価格帯ではあまり効きません。使うかどうかで選んでください。
なお、これは希望小売価格です。実際の販売価格は販売店によって変わります。
どちらを選ぶべき?調理スタイル別おすすめガイド
ワイドグリルがおすすめの方
毎日魚を焼く方には、ワイドグリルが向いています。日本の食卓に欠かせない魚の塩焼きや干物を直火で短時間に香ばしく仕上げたい方は、ワイドグリルの方が理にかなっています。毎日使うものだからこそ、シンプルな操作性を重視した方がストレスが少ないです。
シンプルな調理が好きな方にも向いています。「魚焼きはグリル、炒め物はフライパン」という明確な使い分けをする方にとって、マルチグリルの多機能さはかえって過剰に感じることがあります。ただし価格を理由に焼網を選ぶ意味は薄いです。上の表のとおり、希望小売価格の差は同じ幅どうしで15,000円前後しかありません。
魚の焼き加減にこだわる方にとっても、「皮はパリッと、身はふっくら」という理想の焼き上がりを追求するなら、直火焼きのワイドグリルの方が有利です。料理の仕上がりへのこだわりが強いご家庭には、ワイドグリルをおすすめします。
マルチグリルがおすすめの方
料理のバリエーションを広げたい方には、マルチグリルが理想的です。フライパンやオーブンの代わりとしてグリルを活用したい方、新しい料理に挑戦したい方にとって、煮物や蒸し料理、スイーツまで1台で対応できる点は大きな魅力です。
コンロ周りをすっきりさせたい方にも向いています。フライパン類や調理器具を減らし、グリルで複数の調理をこなしたいという方にとって、マルチグリルはキッチンの収納スペース節約にもつながります。
油で揚げずに仕上げる「ノンフライ」と「蒸す」のモードがあるので、揚げ物や蒸し物を別の調理器具なしで作れます。離乳食や介護食のように、食材を柔らかく仕上げたい場面でも「蒸す」が使えます。
ケーキや焼き菓子を焼いてみたい方には、オーブンを持っていないけれどお菓子作りに挑戦したいという場合にマルチグリルがオーブン代わりになるケースがあります。ただし温度管理がオーブンほど精密ではないため、用途は限られます。
使い勝手の差は、口コミではなく構造から予想できます
焼網のほうが「長いもの」を置ける
ワイドグリルは従来品に比べて庫内の幅を約20%広げた設計です(ハーマン公式)。さんまのような長い魚を曲げずに置けるのは、この幅から来ています。一方で焼網と受け皿は毎回洗う部品として残ります。直火で焼くぶん脂が落ち、落ちた先が受け皿になるためです。油はねを減らしたい場合は別売のロティプレートに対応していて、公式はグリル庫内への油はねを99.9%カットすると説明しています(さんま4尾をオートグリルで調理し、庫内お手入れ部品への飛び散り量を5回測定した平均値・ハーマン調べ)。
マルチグリルは焼き色がつきにくい代わりに、庫内が汚れにくい
マルチグリルは専用容器の中で加熱します。食材が直火に当たらないので、焼網ほどの焦げ目はつきません。裏を返すと、脂が庫内に飛ばず容器の中に留まるということでもあります。庫内側面をフラットにした構造と合わせて、掃除の対象が「庫内」から「容器」に移るのが本質的な差です。
だから、選び方は「どちらが優れているか」ではありません
焼き色を取るか、後片づけの場所を変えるか。ここが分かれ目です。毎日魚を焼いて焼き目にこだわるなら焼網、グリルで煮る・蒸すまでやりたいならマルチグリル、という順で考えると迷いません。
「10年保証」に惑わされないコンロ選びのポイント
コンロの販売店やメーカーのパンフレットで「10年保証」という言葉をよく目にします。しかし、この保証に実態があるかどうかは、よく考えてみる必要があります。
メーカーが公表しているのは「何年で壊れるか」ではなく、次の2つです。ビルトインこんろの設計上の標準使用期間は製造から10年(リンナイ・ノーリツ各社公式)。そして補修用の部品を持っている期間は、買った日からではなく製造が打ち切られた日から数えます(リンナイのビルトイン式ガスこんろは整備用部品を製造打ち切り後10年、ノーリツは補修用性能部品を製造打ち切り後5年)。
つまり、店頭に並んでいる時点ですでに製造打ち切りが近い型番なら、買った年から数えた「10年」より早く部品が切れることがあります。10年保証を見るときは、保証の年数ではなくその型番がいつ製造打ち切りになるかのほうが効きます。
施工不良があった場合にそれが10年後に発覚するとは考えにくいです。施工に起因するトラブルは多くの場合、設置後数週間から数ヶ月以内に現れます。10年後に「これは施工が原因だ」と証明することは、現実的にはほぼ不可能です。
そして忘れてはならないのが「業者の存続リスク」です。現在は元気に営業している中小規模の業者でも、10年後に同じ会社が同じ体制で存続している保証はどこにもありません。会社が倒産したり事業を縮小したりすれば、10年保証は事実上無効になります。
この観点から、コンロ交換の際に最も信頼性が高いのは、長期にわたって存続し続けられる財務基盤と組織体制を持つ事業者に依頼することです。東証プライム上場の東京ガスのような大手企業は、そういった意味でも安心感があります。
ガスコンロの交換タイミングと費用の目安
交換が必要なサインを見逃さない
コンロの交換時期は、製品の不調が起きてから考えるのでは遅い場合があります。以下のサインが見られたら、早めに交換を検討しましょう。点火しづらくなったり火がつかないことがある場合、火力が安定しない・炎の色が乱れる場合、コンロ本体やグリルからガス臭がする場合、天板のガラスにヒビが入っている場合、グリルの扉が閉まりにくくなった場合などは、交換のサインです。
特に「ガス臭がする」場合は安全上の問題があるため、すぐに使用を中止してガス会社または販売店に連絡しましょう。
交換にかかる費用
本体の希望小売価格は、上の表のとおりです(ハーマン公式・2026年9月12日確認・税抜)。実際にいくらで買えるかは販売店によって変わるので、ここでは相場の数字を置きません。見積もりは「本体の割引後価格」と「工事費」を分けて出してもらうと比べられます。同じ総額でも、本体が安いのか工事が安いのかで、追加費用が出たときの伸び方が変わるためです。
複数の業者に一斉見積もりを依頼する「一括見積もりサービス」には注意が必要です。個人情報が複数の業者に共有されることで、しつこい営業電話に悩まされるケースもあります。信頼できる業者を直接選んで相談する方が、結果的にトラブルが少ない傾向があります。
交換業者の選び方——資格と実績で安心を買う
必要な資格は、工事の中身とガスの種類で変わります。いまあるガス栓に同じ位置でつなぎ替えるだけなら、専用の資格は要りません。ガス栓の位置を動かす、配管を分岐する、といった工事が入るときに資格の話になります。プロパン(LPガス)なら液化石油ガス設備士、都市ガスでガス可とう管を扱うならガス可とう管接続工事監督者、というようにガス種で持っているべきものが違うので、「資格があるか」ではなく「うちの工事で必要な資格は何ですか」と聞くのが早いです。ちなみに簡易内管施工士はガス事業者などの認定で、国家資格ではありません。
業者を選ぶときに確認したいのは、施工実績、アフターフォローの窓口、そして見積もりの内訳(追加費用が出る条件が書いてあるか)です。
東京ガスの機器交換は、対応エリアが市区町村単位で、しかも商品ごとに決まっています(東京ガス公式も「対応エリアは商品によって異なります」と明記)。ガスの供給エリアとは別物なので、「関東だから使える」とは限りません。申し込みの前に、郵便番号でコンロが対象になっているかを確認してください。
まとめ——ワイドグリルかマルチグリルか、答えはあなたの食卓にある
ピアット(ハーマン)のワイドグリルとマルチグリルの違いを整理しましょう。いまは「ピアット=焼網」「ピアットバリ=マルチグリル」という別シリーズです。
ワイドグリルは、直火で魚や肉を香ばしく焼き上げることに特化した、シンプルで使いやすいグリルです。毎日魚を焼くご家庭や、直火焼きの仕上がりにこだわる方に向いています。操作がシンプルで日々のストレスが少なく、価格も比較的抑えられます。
マルチグリル(ピアットバリ)は、焼く・あたためる・ノンフライ・煮る・蒸す・パンの6モードを持つグリルです。料理の幅を広げたい方、コンロ周りをすっきりさせたい方に適しています。希望小売価格の差は15,000円前後なので、判断材料は値段よりも「そのモードを使うか」です。
「どちらが正解」という答えはなく、あなたの日々の調理スタイルがどちらのタイプに合っているかで選択が変わります。毎日の夕食でどんな料理を作っているかを振り返りながら、自分のキッチンに合う方を選んでみてください。
そして、いずれのコンロを選ぶにしても、工事の品質と業者の信頼性は必ず確認しましょう。良い製品も、確かな技術を持つ業者が正しく設置してこそ、本来の性能を発揮します。
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