給湯器の上方排気型とは?マンションPS設置の特徴・主な排気型との違い・交換注意点を徹底解説
この記事を読むと分かること
- 上方排気型はマンションのPS内に設置される給湯器の一種で、排気口が上方向を向きPS内を通じて上方へ排気する設計になっている
- 交換の際は必ず同じ上方排気タイプの機種を選ぶ必要があり、排気方向を変更するには大規模な工事が必要になる
- 上方排気型は排気管の劣化・詰まりによるリスクがあるため、交換時に排気管の状態確認も合わせて行うことが重要
給湯器の交換を業者に相談したら「上方排気型ですね」と言われた——マンションにお住まいの方にはこうした経験がある方もいるでしょう。PS(パイプシャフト)設置型の給湯器には排気方向によって複数の種類があり、上方排気型はその一つです。
この記事では、給湯器の上方排気型の特徴、前方・後方排気との違い、交換時の注意点、排気管のリスク、費用の目安、そして業者選びのポイントまで詳しく解説します。
給湯器の排気方式の種類とPS設置型の概要
マンションに多いPS設置型の給湯器は、排気方向によって主に前方・後方・上方の3タイプがあります。それぞれの特徴は以下の通りです。
前方排気型:排気口がPSの扉側(前方)を向き、扉の開口部から排気が出ます。最も一般的なタイプです。
後方排気型:排気口がPSの奥側(後方・壁面)を向いているタイプ。PS内後方の排気管を通じて外気に排出されます。
上方排気型:排気口が上方向を向いており、PS内に設置された縦型の排気管を通じて建物上部へ排気します。
上方排気型はその名の通り、排気ガスをPS内の縦方向(上方)へ排出する設計のため、PS内に垂直の排気管(煙突状の管)が設置されています。
上方排気型の特徴
上方排気型の主な特徴は以下の通りです。
縦型排気管がPS内に設置されている:排気管は給湯器の上部から接続されて上方向に延び、建物の屋上付近または共用の排気系統に接続されています。この排気管の存在が上方排気型の最大の特徴です。
排気が建物上部へ向かう:排気ガスが上方向に排出されるため、住戸の扉面や後方壁面に排気が直接向かない設計です。
排気管の劣化・詰まりリスク:排気管が縦方向に長く設置されているため、長期使用によって排気管内部に汚れが蓄積したり、排気管自体が劣化したりするリスクがあります。排気管が詰まると不完全燃焼が発生し、一酸化炭素中毒などの重大事故につながる危険があります。
古いマンションに多い傾向:上方排気型は比較的古いマンションに見られることが多く、近年の新築マンションでは前方排気型が主流になっています。
上方排気型給湯器を交換するときの主な注意点
同じ上方排気タイプの機種を選ぶ
交換の際は必ず上方排気タイプ対応の機種を選ぶ必要があります。前方排気型や後方排気型に変更しようとすると、既存の排気管を撤去して新たな排気経路を設ける大規模な工事が必要になります。費用も大幅に増加し、マンションの共用部分に関わる工事として管理組合の承認が必要になる場合があります。
排気管の状態確認を合わせて行う
給湯器本体を交換する際に、既存の排気管の状態も確認してもらうことを強くおすすめします。排気管に亀裂・腐食・詰まりがある場合は、給湯器本体の交換と同時に排気管の交換・清掃も行いましょう。劣化した排気管をそのまま使い続けると、不完全燃焼や排気漏れのリスクがあります。
管理組合・管理会社への事前確認
マンションでの給湯器交換では管理組合・管理会社への事前申請が必要です。上方排気型の場合、排気管が共用スペースに影響する場合があるため、通常の前方排気型より確認事項が多くなる場合があります。
エコジョーズへの変更時のドレン排水確認
上方排気型でもエコジョーズへの交換時にはドレン排水管と中和器の設置が必要です。PS内の排水経路の確保を業者に確認してもらいましょう。
対応機種の確認
上方排気型は前方排気型と比べて対応機種が少ない場合があります。希望するメーカー・機能・号数に対応した上方排気型機種があるかを事前に業者に確認しておきましょう。
排気管の劣化が招く危険とその確認方法
上方排気型の給湯器で特に注意が必要なのが、排気管の劣化問題です。
排気管が劣化・詰まると起こること:排気管が詰まると燃焼排気が正常に排出されず、不完全燃焼が起きます。不完全燃焼では一酸化炭素(CO)が発生し、一酸化炭素中毒という命にかかわる事故につながります。
定期的な点検が重要:給湯器本体の点検と合わせて、排気管の状態も定期的に確認することが重要です。10年以上使用している上方排気型の給湯器がある場合は、排気管の交換も含めた点検を業者に依頼することをおすすめします。
点検のサイン:給湯器から黒煙や異臭がする、換気していても目がチカチカする・頭痛がするなどの症状がある場合は、すぐに使用を中止して専門業者に連絡してください。
上方排気型給湯器の交換費用の目安
上方排気型(PS設置型)給湯器の交換費用の目安は以下の通りです(本体代+リモコン代+工事費+処分費の総額)。
給湯専用機:12万〜18万円程度
ふろ給湯器・オートタイプ:14万〜21万円程度
ふろ給湯器・フルオートタイプ:17万〜26万円程度
排気管の交換・清掃が必要な場合は、追加で2万〜5万円程度の費用が発生することがあります。費用が予想外に高くなることを避けるためにも、事前の現地確認と詳細な見積もりの取得が重要です。
業者選びのポイントと「10年保証」の実態
上方排気型の給湯器交換は、特に専門知識と経験が必要です。
上方排気型の施工実績確認:「上方排気型の交換実績はありますか?排気管の点検も対応できますか?」と直接確認することで、適切な業者かどうかを判断できます。
簡易内管施工士の資格確認:ガス配管工事に必要な国家資格です。有資格業者による施工が安全な交換の基本です。
「10年保証」に惑わされない:保証期間の長さより企業の安定性・資格・施工実績を重視しましょう。メーカー部品の供給は製造終了から約10年が目安で、保証期間中でも修理不能になるケースがあります。中小業者の10年後の存続も保証されていません。
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まとめ
給湯器の上方排気型とは、マンションのPS内に設置され、排気ガスをPS内の縦型排気管を通じて上方向へ排出するタイプです。交換時は必ず上方排気対応の機種を選ぶ必要があります。
上方排気型特有の注意点として、排気管の劣化・詰まりリスクがあります。給湯器本体の交換と同時に排気管の状態確認・必要に応じた清掃・交換を行うことで、不完全燃焼の危険を防げます。マンションでの交換には管理組合への事前確認が必須で、有資格業者への依頼が安全な交換の鍵です。
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