ガスコンロのイグナイター交換費用の相場|故障の見極め方と修理・交換の判断基準
この記事を読むと分かること
- ガスコンロのイグナイター(点火装置)が故障したときの症状と原因の見分け方
- 自分でできる応急対処から、修理費用の相場と修理に出す前の確認事項
- 修理と交換どちらが得かの判断基準と、信頼できる業者の選び方
「チチチ」という音がしなくなった——イグナイターの故障かもしれません
ガスコンロの点火スイッチを押しても「チチチ」という音が鳴らない、または音はするのに火花が出ない——そんな状態になったとき、「イグナイターが壊れたのでは?」と心配になりますよね。
ガスコンロの「イグナイター」とは、電気で火花(スパーク)を作り出してガスに着火させる点火装置のことです。毎回の調理で使われる消耗部品であり、長年の使用で劣化するのは避けられません。
ただし、「チチチが鳴らない」「火がつかない」という症状の原因は、イグナイターの故障だけとは限りません。電池切れや点火プラグの汚れといった簡単な原因であることも多く、修理に出す前に自分で確認できることがあります。
この記事では、イグナイター故障の症状の見分け方から修理費用の相場、修理か交換かの判断まで詳しく解説します。
イグナイターとは——点火装置の仕組みを理解する
「イグナイター」はガスコンロの電気系統の中核を担う点火装置です。コンロのつまみを回したりスイッチを押したりすると、イグナイターが作動して高電圧の電気を発生させ、点火プラグに送ります。点火プラグはその電気を使って火花(スパーク)を放電し、ガスに着火します。
この点火の連鎖のどこかに問題が起きると、「チチチが鳴らない」「火花が出ない」「着火しない」という症状が現れます。
問題の発生箇所は主に以下の4か所です。
まず「電池」。ガスコンロの点火は乾電池の電力を使います(コンセント式のものは除く)。電池が切れていたり消耗していたりすると、イグナイターが作動しません。
次に「点火プラグ」。前項で解説した通り、点火プラグに汚れや水分が付着していると火花が出ません。
また「バーナーキャップ・炎口の詰まり」。バーナーキャップの穴(炎口)が汚れで詰まっていると、ガスが通らず着火しません。
そして「イグナイター(点火装置)本体」。上記をすべて確認・対処しても改善しない場合、イグナイター自体の故障が疑われます。
自分でできる確認・応急対処——修理に出す前に試すこと
イグナイター故障の前に、以下を順番に確認してください。多くの場合、これで解決します。
確認1:電池を交換する
ガスコンロのほとんどはアルカリ乾電池(単1または単2)で動いています。電池が消耗すると点火エネルギーが落ち、チチチが鳴らなくなったり着火しにくくなったりします。
重要な注意点として、必ずアルカリ電池を使ってください。マンガン電池ではエネルギーが不足して点火しにくくなります。新品のアルカリ電池に交換して試してみてください。
修理を頼む前に、まず新品のアルカリ電池に交換して試してください。電池の交換だけで直ることは珍しくありません。
確認2:点火プラグを清掃・乾燥させる
点火プラグに油汚れや水分が付着していると、スパークが正常に起きません。やわらかい歯ブラシで軽くこすって汚れを落とし、十分に乾燥させてから再度試してください。
点火プラグ(点火電極)の掃除のしかたは、バーナーキャップやグリルとあわせて、確かめる順番にまとめています。
確認3:バーナーキャップを確認・清掃する
バーナーキャップの炎口(小さな穴)が汚れで詰まっていると、ガスが正常に放出されず着火しません。バーナーキャップを取り外し、中性洗剤で洗浄した後、完全に乾燥させてから元に戻してください。
また、バーナーキャップの取り付け向きや位置がずれている場合も点火不良の原因になります。正しい向きで確実に取り付けられているか確認してください。
確認4:ガスの元栓・メーターを確認する
地震後や長期不在後はガスメーターの安全装置が作動してガスが止まっていることがあります。メーターのランプが点滅していれば、メーターのボタンを押してガスを復帰させる操作が必要です。
上記で解決しない場合——イグナイター故障の可能性
電池交換、点火プラグ清掃、バーナーキャップ清掃、元栓確認をすべて行っても改善しない場合は、イグナイター(点火装置本体)の故障が疑われます。
症状別の診断
「チチチという音は鳴るが火花が出ない」。この場合、イグナイターは動いているため、問題は点火プラグか炎口の汚れ・詰まりの可能性が高いです。上記の清掃を再度丁寧に行ってください。
「チチチという音がまったく鳴らない(スイッチを押しても無音)」。電池切れを確認した上でもNGなら、マイクロスイッチの故障またはイグナイター本体の故障が考えられます。この場合は修理業者への依頼が必要です。
「スパーク音はするが特定のバーナーだけ火がつかない」。そのバーナーの点火プラグ・炎口の問題の可能性が高いです。清掃で改善しなければ、その点火プラグの交換が必要かもしれません。
片方のバーナーだけ火がつかない場合は、点火プラグのほかに、鍋なし検知や炎検出部も確かめる場所になります。
「全バーナーが着火しない」。電池・元栓確認後も全バーナーがNGなら、イグナイター基板の故障か制御基板の故障が疑われます。
イグナイター交換・修理費用の相場
メーカー修理または修理業者に依頼した場合の費用目安は以下の通りです。
メーカーの修理料金は「出張費+技術料+部品代」で決まり、症状ごとの定額表は公開されていません。たとえばリンナイは、出張費3,300円〜・技術料5,500円〜・諸経費1,100円で、修理をしなくても訪問だけで9,900円〜かかり、修理をすればここに部品代が加わります(2026年9月時点・リンナイ公式「修理のお申し込み」より)。
点火プラグで済むのか、点火装置や制御基板まで交換が要るのかで部品代は大きく変わります。型番と症状を伝えて、見積もりを取ってから決めてください。
出張費は距離で変わり、夜間や休日は割増になるメーカーもあります(リンナイは技術料と出張費が5割増)。見積もり依頼時に、出張費と診断料が含まれているかを確認しましょう。
メーカー3社の出張料・技術料を並べた表と、修理と交換の比べ方は、次の記事にまとめています。
修理か交換か——判断の基準
メーカー修理は見てもらうだけで1万円前後かかります。テーブルコンロなら、修理より買い替えのほうが安く済む場合もあります。
修理が有利なケース
コンロの使用年数が5年未満、他の部品に問題がない、ビルトインコンロで買い替えより安い、という場合は修理が合理的です。
交換が有利なケース
以下の場合は、修理より交換を検討することをおすすめします。
コンロの使用年数が10年以上の場合。ノーリツはガスコンロの設計上の標準使用期間を「製造から10年」としています(2026年9月時点・ノーリツ公式より)。イグナイターを修理しても、ほかの部品の劣化で別のトラブルが起きることがあります。
修理費用が高額になる見込みの場合。ビルトインコンロの交換は本体代に工事費が加わります(東京ガスの機器交換の基本工事費は、コンロのみの交換で29,700円・2026年9月時点)。修理の見積もりと、交換の総額を並べて比べてください。
「修理後の部品保証が短い」「メーカーから部品の在庫切れと言われた」という場合。補修用部品の保有期間は、買った日ではなく製造が打ち切られた日から数えます。古いコンロは部品の供給が終わっていて、修理を断られることもあります。
コンロ交換を決めたら——業者選びで後悔しないために
イグナイター故障を機にコンロの交換を検討する場合、業者選びが最も重要です。
ガスコンロ(特にビルトインタイプ)の交換はガス機器の接続工事です。同じ位置のガス栓につなぎ替えるだけでなく、ガス栓を動かす工事が入るときは「簡易内管施工士」などの資格が必要になります。どんな資格を持つ人が工事をするのかを、依頼する前に確かめてください。
「10年保証」を掲げる業者は多くありますが、保証の対象(本体か工事か)、出張費の扱い、誰が保証を引き受けるのか(業者自身か保険会社か)は会社で違います。依頼する前に書面で確かめてください。
東京ガスの機器交換を第一推薦とする理由
関東にお住まいの方には、東京ガスの機器交換が有力な選択肢です。ただし対応エリアは商品と市区町村で決まるので、申し込む前に公式サイトで確かめてください。
Web専用のオンライン販売に絞って価格を抑えており、工事は東京ガスが委託する施工パートナーが担当します(2026年9月20日時点・東京ガス公式より)。問い合わせから工事後までの窓口が東京ガスに一本化されます。
東京ガスのエリア外の方には、上場グループ企業の株式会社交換できるくんが次点です。追加費用なしの明朗会計と8地区(札幌・仙台・関東・東海・関西・中国・愛媛・福岡)対応が強みで、見積もり後の追加請求トラブルが起きにくい業者として評価されています。
まとめ
ガスコンロが「チチチ」と鳴らなくなった、火がつかなくなったというとき、まず試すべきことは「電池交換」「点火プラグ清掃」「バーナーキャップ清掃」の3つです。これで多くのケースは解決します。
それでも改善しない場合はイグナイター故障の可能性があります。メーカー修理は見てもらうだけで1万円前後かかり、部品代はそこに加わります。コンロの使用年数が10年以上なら、修理の見積もりと交換の総額を並べて比べてください。
交換の際は、必ず資格を持つ信頼性の高い業者に依頼することが、安全で快適なコンロ環境を長く維持するための最重要ポイントです。
ガスコンロ交換おすすめサービス一覧
東京ガスの機器交換
首都圏に都市ガスを供給する東京ガスのサービスです。Web専用のオンライン販売に絞って価格を抑えており、工事は東京ガスが委託する施工パートナーが担当します(2026年9月20日時点・東京ガス公式より)。
ガスコンロの交換はこちら