ホールICLとは?仕組み・審従型との違い・光のにじみを元患者が徹底解説

この記事を読むと分かること
  • ホールICLの仕組みと「ホール(穴)」が必要な理由
  • 従来型ICLとの違いと安全性が向上した根拠
  • 術後の光のにじみ(ハロー・グレア)がいつ改善するか

ホールICLとは?まず結論から

「ホールICL」という名前を初めて耳にした方も多いかもしれません。これは現在の標準的なICL(眼内コンタクトレンズ)手術で使われているレンズの種類のことです。
ホールICLとは、レンズの中央部に直径約0.36mmの小さな孔(ホール)が開いているICLレンズのことです。 2014年4月に日本で薬事承認を取得し、現在はICL手術の主流となっています。正式名称は「Hole ICL KS-Aqua PORT®」といいます。
なぜ小さな孔が必要なのか。その理由を理解するためには、従来型ICLとの違いを知る必要があります。

従来型ICLとホールICLの違い:なぜ「ホール」が必要か

ICL手術では、白目と黒目の境目に小さな切開を加え、眼内レンズを水晶体と虹彩の間に挿入します。このとき、眼球内を循環している「房水(ぼうすい)」という液体の流れが問題になります。

房水とは何か

房水は眼球内を満たす透明な液体です。毛様体で産生され、水晶体を栄養し、シュレム管から排出されることで眼内の圧力(眼圧)を一定に保っています。この流れが正常に保たれないと、眼圧が上昇し、緑内障などのリスクが高まります。

従来型ICLの問題点

ホールのない従来型ICLを眼内に挿入すると、レンズ自体が物理的な障壁となり、房水の正常な循環を妨げる可能性があります。これを「瞳孔ブロック」といいます。眼圧が上昇すると緑内障のリスクが高まり、また水晶体に栄養が届きにくくなることで白内障を引き起こすリスクもありました。
そのため従来型ICLでは、手術の前段階として「虹彩切開術(YAGレーザー)」を行う必要がありました。虹彩(瞳の茶色や黒い部分)にレーザーで小さな孔を開け、房水の迂回路を作るのです。
ところがこの虹彩切開術が角膜内皮細胞を減少させるリスクがあること、手術手順が増えること、などの問題がありました。

ホールICLが解決したこと

ホールICLは、レンズ自体に直径0.36mmの小さな孔を設けることで、房水がそのホールを通って自然に循環できるようにしました。これにより:
  • 虹彩切開術が不要になった
  • 術前の処置が減り、手術の手順がシンプルになった
  • 眼圧上昇リスクが大幅に低減された
  • 白内障の発生率が0.49%まで低下した(旧型と比較して大幅改善)
この改良は、ICL手術の安全性を飛躍的に向上させました。現在の日本では事実上すべてのICL手術でホールICLが使用されています。

ホールICLの白内障発生率はどのくらい?

白内障はICL手術の懸念事項のひとつでしたが、ホールICLの導入により大幅に改善されています。
旧型ICL(ホールなし)の時代:水晶体への栄養供給不足や房水の流れの乱れにより、数%の患者に白内障が進行するリスクがあったとされています。
ホールICL(現在の標準):白内障の発生率は約0.49%という非常に低い数字が報告されています。これはICL手術を受けていない一般集団における自然発生白内障率に近い水準であり、実質的なリスク増加がないとも言われています。
なお、0.36mmのホールは光学的に非常に小さいため、通常の視力や視野には影響しません。

ホールICLの安全性:現状のリスク評価

ホールICLは従来型と比べて大幅に安全性が向上していますが、完全にリスクがないわけではありません。

現在も残るリスク

術後眼内炎(感染症):切開部から細菌が侵入することで、0.02%の確率で発生する可能性があります。非常に稀ですが、発症した場合は視力への影響が大きいため、術後の目のこすりや感染対策は重要です。
角膜内皮細胞の減少:ICLレンズと角膜が接触を繰り返すことで、角膜内皮細胞(角膜の透明性を保つ細胞)が徐々に減少する可能性があります。ただし、適切なレンズサイズ選択と定期検診によってリスクは管理できます。
ハロー・グレア現象:手術後しばらくの間、夜間に光源の周囲にリング状の光(ハロー)が見えたり、光がにじんで見えたりすることがあります。これについては次のセクションで詳しく説明します。

ホールICL特有の光のにじみ問題:ハロー・グレアとは

ホールICLに関して最もよく議論されるのが、術後の「光のにじみ」——正式には「ハロー・グレア現象」です。

なぜハロー・グレアが起きるか

ハロー・グレアが起きる主な原因は2つあります。
①眼球の屈折特性の変化:ICLを挿入することで眼球内の光の屈折が変わり、特に夜間に瞳孔が開いたときに光が分散しやすくなります。
②ホール部分による微細な光の回折:ホールICL特有の問題として、中央の孔(0.36mm)に光が当たった際に微細な回折が生じ、光の周囲に輪っかが見えることがあります。ただし、これは凝視したときに一瞬見える程度で、日常生活に大きく影響するほどではないとされています。

どのくらいの人に起きるか

術後1週間以内では約5〜6割の方がハロー・グレアを感じると言われています。ただし多くの方は時間の経過とともに慣れ、改善していきます。目安として:
術後の時期状況
術後〜1週間ハロー・グレアを強く感じる方が多い
1ヶ月後徐々に薄れてくる
3ヶ月後ほとんどの方が気にならなくなる
6ヶ月〜1年後慢性的に残る方は稀

改善しない場合は

術後6ヶ月以上経過してもハロー・グレアが著しい場合は、レンズサイズの不適合や眼圧の問題が疑われることがあります。担当医に相談し、経過観察や必要に応じた処置を検討してください。

ホールICLと従来型ICLの比較まとめ

項目従来型ICL(旧型)ホールICL(現在の標準)
レンズの穴なし中央に0.36mmの穴
虹彩切開術(前処置)必要不要
白内障発生リスク数%約0.49%
眼圧上昇リスクありほぼなし
ハロー・グレアあり(術後一時的)あり(術後一時的)
日本での承認〜2013年2014年4月〜現在

実際の口コミ・体験談

ホールICLへの満足の声

「術前視力0.08から術後1.5に改善され、手術から約3年経過しても視力低下や不具合がなく、なぜもっと早くやらなかったのかという後悔しかないです。」
— Yahoo!知恵袋より
3年以上経過しても良好な視力を維持しているケースは多く報告されています。
「3年経過した今も視力1.5を維持できており、ハローグレアも慣れたのか全く気になりません。」
— 口コミ情報より
ハロー・グレアは最初は気になっても、時間とともに慣れて気にならなくなるという声が非常に多いです。

術後のハロー・グレアに関する声

「ICLの術後について。3日程前にICLを受けました。翌日の視力回復は良好でしたが、光のにじみがあり屋外がまぶしく感じます。」
— Yahoo!知恵袋より
術後初期の光のにじみは、ほとんどの方が経験します。クリニックからも術前に説明があるはずなので、「こういうものだ」と理解して過ごすことが重要です。
「ICL手術を受けて半年が経ちました。光のにじみは最初の頃から比べると、ずいぶん気にならなくなってきました。夜の運転も慣れれば問題ない感じです。」
— 口コミ情報より
半年程度で夜間運転に支障がないレベルまで改善したという体験談です。

筆者(しなちく)の体験:先進会眼科でホールICLを受けた話

私は2020年に先進会眼科でICL手術を受けました。その時点で日本ではすでにホールICLが標準となっており、私もホールICLを受けています。
術前の視力は0.07(-5D)で、円錐角膜という角膜の形状異常があったためレーシックは受けられず、ICLを選択しました。術後の視力は1.0まで回復し、2026年現在も何の不自由もなく快適に過ごしています。
術後のハロー・グレアについて、確かに最初の1〜2週間は光がにじんで見えました。特に夜間に車のヘッドライトが光の輪のように見えたことを覚えています。しかし1ヶ月ほどで気にならなくなり、それ以降は特に問題を感じていません。
先進会眼科を選んだのは、医療従事者の利用率が高いという信頼性からです。リスクを理解しているプロが選ぶクリニックというのは、最も説得力のある推薦理由だと感じています。
先進会眼科で手術を受ける場合、筆者(しなちく)からのお友達紹介を利用すると手術代が3万円安くなります。筆者自身が先進会眼科で手術を受けた経験があるため、紹介が可能です。ただし紹介の際に個人情報(氏名等)をお伝えいただく必要があるため、信頼いただける方のみご活用ください。
ICL手術費用は確定申告で医療費控除の対象になります。歯医者やお薬代など、その年の他の医療費と合算して申告することで、所得に応じて費用の10〜30%が戻ってきます。

ホールICLについてよくある質問

Q. ホールICLの「穴」は視力に影響しますか?
A. 通常の視力・視野には影響しません。ホールは直径0.36mmと非常に小さく、脳が自然に補正するため普段の見え方に支障はありません。ただし、特定の光を凝視したときに光の輪が見えることがあります。
Q. 現在のICL手術はすべてホールICLですか?
A. 日本では2014年以降、ホールICLが標準となっており、現在の主要クリニックではホールICLが使用されています。不安な場合は事前にクリニックへ確認してください。
Q. ホールICLとICLは別物ですか?
A. 「ICL」はICL手術全体を指す総称で、「ホールICL」はその中で現在標準的に使われているレンズの種類です。現在の日本ではICL手術=ホールICLといっても過言ではありません。
Q. ホールICLの術後にハロー・グレアが出たらどうすればいいですか?
A. 多くの場合は1〜3ヶ月で改善するため、まずは担当医に状況を報告しながら経過観察します。夜間の運転が不安な場合は術後しばらく夜間運転を控え、サングラスや眼疲労対策を行いながら目が慣れるのを待ちましょう。

まずは無料診察で自分に向いているか確認しよう

ホールICLは現在のICL手術の標準形であり、従来型と比べて格段に安全性が向上しています。「ホール」という言葉に少し不安を感じる方もいるかもしれませんが、実際にはそのホールが安全性の要となっているのです。
「自分はICLを受けられるのか」「費用はいくらか」「術後のハロー・グレアはどのくらい続くのか」といった疑問は、無料診察で専門医に直接聞くのが最も確かです。
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