ハーマンとノーリツの違いは、交換のときに効いてきます|ハーマンブランドのコンロは現行10シリーズなのに、取替の窓口はノーリツ側です
この記事を読むと分かること
- ノーリツとハーマンの正確な関係と、公式沿革でたどれる経緯
- ブランド名が2つある理由と、今どちらを買うことになるのか
- ハーマン製品を使っている方が交換時に確認しておくべきこと
ハーマンはノーリツの100%子会社です。法人としては別ですが、実質は同じ会社グループと考えて差し支えありません。
ただしもともとは大阪ガスグループの会社だったという経緯があり、これがブランド名が今も2つ残っている理由につながっています。「型番を検索したのに別ブランドのページが出てきた」という混乱は、この経緯から生まれています。
この記事では、両社の公式サイトで確認できる事実だけを使って関係を整理し、交換を検討している方が実際に気をつけるべき点を説明します。
先に結論だけ
- 株式会社ハーマンは株式会社ノーリツ(東証プライム上場)の100%子会社
- ハーマンという社名になったのは1986年(公式沿革)。ただし会社概要上の設立は平成13年9月で、これは2001年の会社分割によるものです。ルーツは1930年創業の陽栄製作所で、国産第1号のガス器具を手がけた歴史ある会社
- もともとは大阪ガスグループに属していたが、現在はノーリツグループ
- ハーマンブランドのビルトインコンロは今も現行で、公式サイトに10シリーズ並んでいます(2026年9月13日確認)。ただし取替の窓口は、ハーマン自身がノーリツ側に案内しています
- 交換を考えるならブランド名より、既存機器の型番と設置寸法を押さえるほうが実務的
公式沿革でたどるハーマンの歴史
ハーマンは新しい会社ではありません。公式サイトの沿革をたどると、戦前から続く2つの会社が源流であることが分かります。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1930年 | 株式会社陽栄製作所が事業開始。国産品第1号製品「R-121」が誕生 |
| 1950年 | 多田金属工業株式会社が事業開始。鉄コックの生産を開始 |
| 1977年 | 多田金属工業が株式会社ターダに社名変更 |
| 1986年 | 陽栄製作所(ダンホット)とターダを統合し、株式会社ハーマンが設立 |
| 2001年 | 会社分割により、製造部門を株式会社ハーマンプロ、販売部門を株式会社ハーマンに。同年、株式会社ノーリツと業務・資本提携 |
| 2011年 | 事業活動を強化するため、ハーマンとハーマンプロを合併統合 |
※ 株式会社ハーマン公式サイトの沿革をもとに作成。なお1986年に統合された陽栄製作所・ターダの両社は、当時大阪ガスグループに属していました。
1930年の「R-121」は国産品第1号とされており、日本のガス器具の歴史そのものに関わる会社です。ハーマンというブランド名が1986年からなので新興メーカーに見えますが、中身は90年以上の蓄積があります。
もう一つ大事なのが、この系譜は長く大阪ガスグループに属していたという点です。1986年に統合された陽栄製作所・ターダの両社とも、当時は大阪ガスグループの会社でした。ハーマンの本社が今も大阪市此花区にあるのはこの名残です。
その後2001年にノーリツと業務・資本提携を行い、現在はノーリツグループの一員となっています。関西のメーカーが、神戸に本社を置くノーリツの傘下に入ったという流れです。
なお、取替の窓口がノーリツ側になるということは、依頼先によって扱えるブランドと見積もりの出し方が変わるということでもあります。関東圏にお住まいなら、申し込みから工事まで一社で完結する「東京ガスの機器交換」なら窓口が一本化されるので、どのブランドで出せるかも含めて相談できます。
ノーリツとの関係を正確に言うと
株式会社ハーマンは、株式会社ノーリツの100%子会社です。ノーリツの公式サイトの国内グループ会社一覧にも記載があり、事業内容は「温水機器・厨房機器の製造・販売」とされています。
出資比率の根拠は、ノーリツの第76回定時株主総会招集ご通知の事業報告「重要な親会社および子会社の状況」です。ここに「株式会社ハーマン 資本金310,000千円 当社の出資比率100.0% 温水機器・厨房機器の製造・販売」と明記されています(2026年9月時点・ノーリツ公式サイトのPDFで確認)。つまりノーリツの完全子会社です。両社の関係は2001年の業務・資本提携から始まっています。
なお、ノーリツ公式の「国内グループ会社」一覧にも株式会社ハーマンは載っていますが、そちらに出資比率の記載はありません。数字を確かめたいときは上の事業報告を見てください。
利用者から見て実務的に重要なのは、同じグループの製品なので設計・部品・サポート体制が共通しているという点です。ブランドが違っても、中身は同じ会社のものと考えて差し支えありません。
なぜブランド名が2つあるのか
ハーマンは長くOEM供給を担ってきました。ハーマンが製造したガスコンロを、他社ブランドやキッチンメーカーのブランドで販売する形です。
そのため「システムキッチンに最初から付いていたコンロ」がハーマン製、というケースが数多くあります。購入時にハーマンという社名を意識していなかった方が、交換のときに初めて気づく——これが「型番を調べたら別ブランドが出てきた」という混乱の正体です。
ただし、それは「ハーマンブランドの商品がもう無い」という意味ではありません。ハーマンブランドのビルトインコンロは、2026年9月時点でも現行の商品として公式サイトに並んでいます。
ハーマンブランドは今も現行です|公式サイトに並ぶ10シリーズ
株式会社ハーマンの公式サイトの商品情報ページには、2026年9月13日時点でビルトインコンロが10シリーズ掲載されています。「ハーマンブランドは終わった」「流通在庫しかない」というのは事実と違います。
| シリーズ | ノーリツブランド側にも同名があるか |
|---|---|
| プログレ | ある |
| ピアット | ない(ハーマン側だけ) |
| ピアット バリ | ない(ハーマン側だけ) |
| プラスドゥ | ある |
| ファミ(オートタイプ) | ある |
| ファミ(スタンダード) | ある |
| ネロ | ある |
| ガラストップ | ない(ハーマン側だけ) |
| メタルトップ | ある |
| コンタクトタイプ | ない(ハーマン側だけ) |
※ 2026年9月13日に株式会社ハーマン公式サイトの商品情報ページで確認。シリーズ名は同ページの表記によります。
ピアットがノーリツのラインアップに無いのは、正常です
ノーリツ公式のビルトインコンロ一覧で名前を確認できるのは、プログレ・プラスドゥ・オルシェ・ネスト・ミッケ・ファミ・ネロ・メタルトップなどで、ピアットという名前は出てきません(2026年9月13日確認)。同じ日に開いたノーリツのコンロ性能早見表でも、ピアットの文字は0件でした。
つまりピアットとピアット バリは、ハーマンブランド側にだけあるシリーズです。ノーリツの商品ページで見つからないことは、生産が終わったことの証拠にはなりません。逆に、オルシェ・ネスト・ミッケはノーリツ側にだけあり、ハーマンの商品情報ページには出てきません。
| どちらにもある | プログレ、プラスドゥ、ファミ、ネロ、メタルトップ |
|---|---|
| ハーマン側だけ | ピアット、ピアット バリ、ガラストップ、コンタクトタイプ |
| ノーリツ側だけ | オルシェ、ネスト、ミッケ |
※ 両社の公式サイトで、シリーズ名を確認できたものだけを並べています(2026年9月13日)。
それでも「取替はノーリツへ」と案内しているのは、ハーマン自身です
ハーマンの商品情報ページには、ビルトインコンロとビルトインオーブンレンジのそれぞれに「機器本体の取替をお考えのお客さまはこちら」という導線があり、その注記に「グループ会社であるノーリツの商品情報にリンクします」と書かれています。さらにレンジフード・テーブルコンロ・浴室暖房乾燥機の3つは、ハーマンのサイトに商品ページそのものが無く、同じ注記でノーリツ側へ送られます。
ハーマンが自社の会社概要に掲げている事業内容は「システムキッチン用ビルトインコンロ、レンジフード等の開発・製造・販売」です。システムキッチンに組み込まれる用途が本業で、あとから1台だけ取り替える窓口のほうはノーリツ側に置かれている、という分担になっています。
これが「ハーマンブランドは現行なのに、交換ではノーリツを選ぶことになる」という、一見矛盾して見える状況の中身です。
なお、ハーマンの商品情報ページには食器洗い乾燥機のカテゴリがありません。FB4515などハーマンの食洗機をお使いの方は、ハーマンの食洗機に後継機はありません|FB4515の部品保有期間は10年、替えられるのは幅45cmのスライドオープンですをご覧ください。
数字で見るハーマン
| 項目 | 公式の会社概要に書かれている内容 |
|---|---|
| 資本金 | 3億1,000万円 |
| 売上 | 170億円(2025年度) |
| 従業員数 | 439名(2026年1月現在) |
| 系列 | 株式会社ノーリツ グループ(プライム市場) |
| 事業内容 | システムキッチン用ビルトインコンロ、レンジフード等の開発・製造・販売 |
※ 2026年9月13日に株式会社ハーマン公式サイトの会社概要ページで確認。
ノーリツが事業報告でハーマンの事業内容を「温水機器・厨房機器の製造・販売」と書いているのに対し、ハーマン自身の会社概要は「システムキッチン用ビルトインコンロ、レンジフード等」と、より狭く書いています。どちらも公式の記載ですが、いま何が買えるのかを知りたいときは、ハーマン自身の書き方のほうが実態に近いと言えます。
今から交換する場合、どうなるのか
「ハーマンのコンロを使っているので、またハーマンにしたい」という方は多いのですが、新規交換では実質的にノーリツブランドの機種を選ぶことになります。
ノーリツの主なビルトインコンロは次のとおりです(2026年9月時点・ノーリツ公式の商品ラインアップより。価格は希望小売価格の税込)。グレードは価格順ではなくグリルの方式で分かれます。マルチグリルはプログレだけで、他は焼網グリルです。
| シリーズ | 位置づけ |
|---|---|
| プログレ | 最上位。マルチグリル搭載(希望小売価格375,540円〜) |
| プラスドゥ | 高火力でダッチオーブン調理もできるロングセラー。焼網グリル(316,250円) |
| オルシェ | 調理中の温度が見える独自機能。焼網グリル(274,340円〜) |
| ネスト | 調理性・お手入れ性重視。つやめきガラス(228,470円〜) |
| ミッケ・ファミ・メタルトップほか | シンプルタイプ。ファミは162,250円〜、メタルトップは91,520円〜 |
ハーマンブランドの現行シリーズをそのまま選びたい場合は、システムキッチンを扱うメーカーや、ハーマン製品を取り扱う販売店に問い合わせることになります。ハーマン自身が取替の案内をノーリツ側へ置いているぶん、1台だけ入れ替える経路では見つけにくいのが実情です。なお旧型番は部品供給の期間が先に終わるため、長く使う前提なら現行品を選ぶほうが合理的です。
※ 部品の保有期間はメーカーの製造打ち切り後から起算されます。型落ち品は購入した時点ですでに期間が進んでいる点にご注意ください。
交換を考え始めたきっかけが「火がつかない」なら、本体を替える前に電池と表示を確かめてください。ハーマンは、2022年7月から2023年7月に生産したガスビルトインコンロの一部で電池の減りが早くなることがあると公表しており、対象の製品は点検と基板の交換を無償で受けられます。
交換時に確認しておきたい3つのこと
① ブランド名より「型番」を控える
サポート窓口の案内も、後継機種の特定も、型番が起点になります。ハーマンかノーリツかというブランド名だけでは特定できません。銘板シールを写真に撮っておくのが確実です。
② 設置寸法(間口)を確認する
ビルトインコンロは間口60cmと75cmが主流です。ブランドが変わっても寸法が合えば設置できますが、逆に同じブランドでも寸法が違えば入りません。ここもブランド名より優先して確認すべき項目です。
③ 「10年保証」の長さで業者を選ばない
メーカーが公表しているのは「何年で壊れるか」ではなく、設計上の標準使用期間(製造から10年)と、補修用の部品をいつまで持つかの2つです。部品の保有期間は買った日ではなく製造が打ち切られた日から数え、ノーリツのコンロは5年、リンナイのビルトインこんろは10年とされています(2026年9月時点・各社公式より)。年数の長さより、部品が手に入るうちに直せるかどうかが効きます。
それよりも、その保証を出しているのが誰か(メーカーなのか、工事をした会社なのか)と、工事をする人が資格を持っているかのほうが実質的です。施工会社が独自に出す保証は、その会社が無くなれば使えなくなります。メーカー保証と施工保証は別物なので、見積書のどちらに書かれているかを確かめてください。
施工業者の選び方
ガスコンロの交換で何の資格が要るかは、工事の中身とガスの種類で変わります。同じ位置のガス栓に可とう管でつなぎ替えるだけならガス可とう管接続工事監督者の範囲で、ガス栓そのものを増設したり位置を動かしたりする内管工事が入ると簡易内管施工士(ガス事業者の認定で、国家資格ではありません)が要ります。LPガスの設備工事なら液化石油ガス設備士(こちらは国家資格)です。見積書の工事範囲を示して、今回の工事でガス栓を動かすのか、どの資格を持つ人が来るのかを聞いてください。
関東圏にお住まいなら、東京ガスの機器交換を検討候補に入れることをおすすめします。東証プライム上場の東京ガスが運営するサービスで、工事は東京ガスが委託する施工パートナーが担当します(2026年9月20日時点・東京ガス公式より)。ノーリツのコンロも取り扱っており、Web専用のオンライン販売に絞って価格を抑えています。対応エリアは市区町村単位で決まっているので、先に公式で確かめてください。
よくある質問
Q. ハーマンとノーリツは同じ会社ですか?
法人としては別ですが、株式会社ハーマンは株式会社ノーリツの100%子会社です。実質的には同じ会社グループと考えて問題ありません。
Q. ハーマンの型番を調べたらノーリツのページが出てきました
同じグループなので正常です。ハーマンは長くOEM供給を担ってきたため、同一機種が複数のブランド名で流通してきた経緯があります。
Q. 今からハーマンブランドのコンロは買えますか?
買えます。株式会社ハーマンの公式サイトには、2026年9月13日時点でビルトインコンロが10シリーズ掲載されています。ただし1台だけ取り替える窓口は、ハーマン自身がノーリツ側に案内しているため、リフォームの経路ではノーリツブランドの機種を勧められることが多くなります。
Q. ピアットはもう無くなったのですか?
無くなっていません。ピアットとピアット バリは、2026年9月13日時点で株式会社ハーマンの公式サイトに現行シリーズとして掲載されています。ノーリツ公式のビルトインコンロ一覧にピアットが出てこないのは、このシリーズがハーマンブランド側にあるためです。同じ日のノーリツのコンロ性能早見表でも、ピアットの文字は0件でした。
Q. ハーマンは古い会社なのですか?
ブランドとしては1986年設立ですが、源流は1930年創業の陽栄製作所です。国産品第1号のガス器具を手がけた歴史があり、長く大阪ガスグループに属していました。
まとめ
- 株式会社ハーマンは株式会社ノーリツの100%子会社
- ハーマンの社名は1986年から(会社概要上の設立は2001年)だが、ルーツは1930年創業で90年以上の蓄積がある
- もともとは大阪ガスグループだったが、2001年の業務・資本提携を経てノーリツグループへ
- ハーマンブランドのビルトインコンロは今も現行(公式サイトに10シリーズ・2026年9月13日確認)。ただし取替の窓口はノーリツ側で、そう案内しているのはハーマン自身
- 交換時はブランド名より型番と設置寸法を優先して確認する
- 業者選びは保証年数より、その保証を誰が出しているかと施工資格で判断する
「ハーマンとノーリツ、どちらが良いか」という問いは、実は同じグループの中での話です。悩むべきはブランドではなく、機種のグレードと、工事を任せる相手のほうです。
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