ICL手術で不適合と言われたら?主な理由と対処法を経験者が解説
この記事を読むと分かること
- ICL不適合と診断される5つの主な条件(前房深度・角膜内皮・眼疾患・度数・年齢)とその背景
- 不適合と言われてもセカンドオピニオンで解決できるケースがある理由
- 円錐角膜でレーシック不適合だった筆者がICLで1.0に視力回復した実体験
ICL手術の「不適合」とは?まず正確に理解しよう
ICL手術を受けたいと思って調べたとき、あるいは検査に行ったとき「不適合かもしれない」という言葉を目にして不安になった方も多いと思います。
「不適合」と言われると「もうこの手術は一生受けられない」と感じてしまうかもしれませんが、実際はそう単純ではありません。不適合と判断される理由にはいくつかのパターンがあり、その内容によっては別のクリニックで改めて検査を受けると判断が変わることもあります。
この記事では、ICL手術で不適合と言われる主な条件と、その場合にどう動くべきかを、実際にICLを受けた経験者の視点からわかりやすく解説します。
ICL不適合になる主な理由5つ
ICL手術の適応基準は、日本眼科学会・日本白内障屈折矯正手術学会(JSCRS)のガイドラインに基づいています。主な不適合理由を5つ解説します。
理由①:前房深度が浅い
前房深度とは、角膜の内側から水晶体までの距離のことです。ICLレンズはこのスペース(後房)に挿入されるため、前房深度が不十分だとレンズを安全に配置できません。
先進会眼科が公式サイトで適応外として挙げているのは「浅前房および角膜内皮障害の方」という書き方で、何mm未満が適応外という数値は公表されていません(2026年9月21日に公式サイトで確認)。前房が狭い状態でレンズを入れると、房水の流れが妨げられ眼圧が上昇し、緑内障のリスクが生じるためです。線引きの数値は測る機器と院の方針で動くので、「何mmだから駄目」ではなく、検査で出た値を医師がどう読むかで決まると考えてください。
前房深度は生まれつきの眼球の構造に起因するものが多く、自分でコントロールできる要素ではありません。ただし、測定の精度がクリニックの機器や技術によって異なることもあり、「境界例」の場合は別のクリニックで計り直すと結果が変わることもあります。
理由②:角膜内皮細胞数が少ない
角膜内皮細胞とは、角膜の透明性を維持するために必要な細胞です。この細胞は一度失われると再生しないため、ICL手術後も一定の密度を長期的に維持することが求められます。そのため、術前に角膜内皮細胞の密度が規定値以上あることが条件の一つです。
加齢や長年のハードコンタクトレンズ使用などにより角膜内皮細胞が減少している場合、手術が適応外と判断されることがあります。若い方でも、過去にコンタクトレンズを酸素透過率の低いものを長時間使用し続けていた場合は注意が必要です。
理由③:眼疾患がある
緑内障・白内障(進行したもの)・黄斑変性・網膜剥離・角膜の異常など、活動性の眼疾患がある場合は、ICL手術の適応外になります。これらの疾患がある状態で手術を行うと、症状を悪化させるリスクがあるためです。
ただし、眼疾患があるからといって一律に不適合となるわけではありません。疾患の種類・進行度・治療状況によって判断が異なります。疾患の治療が一段落してから改めて適応検査を受けると、状況が変わる場合もあります。
理由④:近視度数が適応範囲外
ICLで使うレンズには度数の規格があり、その範囲を外れると適応外になります。先進会眼科が公式サイトでICLの向く人として挙げているのは「強度の乱視、近視の方(近視度数-6D以上)」です(2026年9月21日に公式サイトで確認)。ただしこれは向いている人の説明であって、下限の基準ではありません。同院は近視が弱い方でも適応になる場合があると説明しているので、「度数が軽いから受けられない」と自分で決めつけないでください。強い側についても、強度近視・強度乱視の特殊レンズは納期が2〜3ヶ月かかる場合があると公式が案内しています。自分の度数が収まるかどうかは、レンズの規格と在庫まで含めて適応検査で判断されます。
また、乱視の度数が非常に強い場合、または角膜の形状が特殊な場合も、適切なレンズを選定できないとして不適合になる可能性があります。
理由⑤:年齢・ライフステージの問題
先進会眼科は公式サイトで、ICL治療の適応年齢を18歳以上、未成年の場合は保護者の同意が必要としています(2026年9月20日確認)。18歳未満が対象外なのは、成長期は眼軸が伸びて度数が変動しやすく、視力がまだ安定していないためです。視力が変化し続けている状態でICLを入れても、その後に度数が合わなくなってしまいます。なお18歳は最低ラインで、実際には「直近1〜2年で度数が安定しているか」で判断されます。院によって基準が違うので、年齢だけで決めつけないでください。
また、妊娠中・授乳中の方も、ホルモンバランスの変化が視力に影響する時期であり、手術は適切ではないとされています。出産・授乳が落ち着いてから改めて検討することをおすすめします。
重症のアトピー性皮膚炎がある方も、目を強くこすることで術後のレンズ位置がズレるリスクがあるため、通常は適応外となります。アトピーの状態や皮膚科的なコントロール状況を確認しながら、医師と相談することが重要です。
「不適合かも」と不安な方へ:セカンドオピニオンのすすめ
不適合と診断されたとき、最初の反応として「もう諦めるしかない」と思う方も多いようです。しかし、一つのクリニックでの判断がすべてではありません。
なぜかというと、ICLの適応判断はクリニックごとに基準のさじ加減が異なる部分があるからです。使用する機器の精度、担当医師の経験・判断基準、また術前検査の実施方法によっても結果が変わることがあります。
特に以下のようなケースでは、別のクリニックでの再検査を検討することをおすすめします。前房深度を「浅め」と言われたが適応外とまでは言い切られなかった、「慎重症例」「経過観察後に再判断」という言葉が出た、検査の説明が不十分で理由が今ひとつ納得いかないといった場合です。
無料もしくは低コストで行える適応検査が多いため、複数のクリニックを受診して比較することは決して珍しいことではありません。「本当に不適合なのか」を確認するためだけでも、まず無料診察の予約をしてみることが大切です。
レーシック不適合でもICLが受けられる場合がある
ここで重要なポイントをお伝えします。「レーシックで断られた=ICLも無理」とは限りません。
レーシックとICLは、視力矯正の仕組みが根本的に異なります。レーシックは角膜を削る手術のため、角膜が薄い方・強度近視の方は不適合になりやすいです。一方、ICLは角膜を削らず眼の中にレンズを入れる方法ですので、角膜の厚みに関する条件はほぼ関係ありません。
レーシック不適合でもICLなら対応できるケースとして、以下のようなものがあります。角膜が薄い方(角膜の厚みが足りずレーシックが受けられない場合でも、ICLは角膜を削らないため適応になることがあります。受けられるかどうかは適応検査で判断されます)、強度近視の方(日本眼科学会のガイドラインでは-6.00D以上の近視はレーシックの慎重適応とされ、先進会眼科は近視が強すぎる場合(-10D以上)をレーシックの適応外として挙げています。ICLは角膜を削らないため、この制限を受けません)、乱視が強い方(トーリックICLで対応可能)、円錐角膜(先進会眼科は適応外の条件として「進行性円錐角膜の方」を挙げています。2026年9月20日に公式サイトで確認。進行が止まっているかどうかで扱いが変わるため、可否は必ず検査で判断してもらってください)などが挙げられます。
つまり、レーシックを断られた方こそ、ICLの可能性をぜひ確認してみてください。
ICL不適合と言われたらどうする?代替選択肢を整理
残念ながら複数のクリニックで確認した上でもICLの適応外と判断された場合、以下の選択肢があります。
セカンドオピニオンを続ける:先述の通り、クリニックによって判断基準が異なります。特に「前房深度が惜しい」「軽度の円錐角膜疑い」などグレーゾーンの場合、実績豊富な専門クリニックに相談することで道が開けることがあります。
眼鏡・コンタクトレンズを継続する:「絶対に裸眼生活がしたい」という強い希望がなければ、高性能の眼鏡や1日使い捨てのコンタクトレンズも、現代の技術では十分快適な視力補正を提供しています。コンタクトで問題なく生活できている方なら、無理に手術を急ぐ必要はありません。
将来の白内障手術のタイミングを待つ:将来白内障が発症した場合、白内障手術の際に度数入りのレンズを選ぶことで視力矯正を同時に行うことができます。「今はICLが難しいが、将来の白内障手術で裸眼視力を改善する」という考え方も一つの選択肢です。
私(しなちく)の体験:円錐角膜でレーシック不適合→ICLで1.0に回復
ここからは、私自身の話をさせてください。
私は元々、視力矯正手術を検討していましたが、最初に受けた検査で「円錐角膜」という診断を受けました。円錐角膜は、角膜の形状が正常な円錐形より歪んでいる疾患です。この疾患があるとレーシックを受けることができません。角膜を削るレーシックは、円錐角膜では角膜をさらに薄くしてしまい、症状を悪化させるリスクがあるためです。
レーシックが受けられないと分かったとき、正直かなりがっかりしました。「もう視力矯正手術は諦めるしかないのか」と思ったこともあります。しかし担当医から「ICLなら適応できる可能性があります」と教えてもらい、ICLという選択肢に出会いました。
2020年に先進会眼科でICL手術を受け、術前視力0.07(-5D)から術後1.0へ回復しました。2026年現在、手術から6年が経ちますが、視力は安定したままで、何の不自由もなく日常生活を送っています。
先進会眼科を選んだ最大の理由は、ICL患者のうち22.5%が医療者だという公式の数字です(先進会眼科公式・2022年6〜9月集計/2026年9月20日確認)。リスクを正確に理解している立場の人が一定の割合で選んでいる、という事実は判断材料になりました。
私の体験から言えることは、「レーシックが不適合=視力矯正手術をあきらめる」ではないということです。不適合と言われた時点で諦めずに、別の選択肢をきちんと調べることが大切です。まず無料診察だけでも予約して、自分がICLに適合しているかどうかを確認されることをおすすめします。
※ 筆者(しなちく)からのお友達紹介は、2026年9月に受付を終了しました。現在は紹介によるご案内を行っておりません。
不適合の判断が変わる場所と、変わらない場所
体験談の引用は載せていません。出所が媒体名だけの引用は、読者が自分で確かめられないためです。代わりに、判断が分かれる場所を整理します。
判断が変わりやすいのは、数値が基準の境目にあるときです。前房深度は測る機器と測り方で小数点以下が動くので、境目だと言われた人は院を変えると結論が変わることがあります。角膜内皮細胞の密度も同じです。
逆に、判断が変わりにくいのは、適応外の条件そのものに当たっているときです。先進会眼科が公式サイトで挙げている適応外は、重症の糖尿病や重症のアトピー性疾患など創傷治癒に影響する全身性・免疫不全疾患の方、妊娠中または授乳中の女性、進行性円錐角膜の方、浅前房および角膜内皮障害の方です(2026年9月20日確認)。ここに当たっている場合、別の院へ行っても結論はほぼ同じです。
手術は一生に関わる医療行為です。適合・不適合の判断を複数の専門家から受けた上で、慎重に判断することが大切です。不適合と診断されたことへの落胆は当然ですが、一つの判断が最終回答ではないことを覚えておいてください。
ICL手術費用と医療費控除の活用
ICL手術費用は、医療費控除の対象になるとされています。ただし国税庁の質疑応答事例にICL手術を名指しした項目は見当たらないため(2026年9月時点)、適用の可否は所轄の税務署に確認してください。歯医者や薬代などその年の他の医療費と合算して申告します。還付される金額は、その年の医療費の合計とご自身の所得税率で決まり、「費用の何%が戻る」という決まり方はしません。
大手3院が公表している基本料金(両眼・税込)は、先進会眼科が427,000円〜(マイナス3D未満)、品川近視クリニックが407,000円〜(マイナス4D未満)、アイクリニック東京が580,000円〜です(2026年9月20日に各院の公式サイトで確認)。度数が強い場合と乱視用レンズを使う場合は追加費用がかかり、加算の数え方も院によって違うため、自分の度数と乱視を当てはめた総額で比べてください。他の医療費と合算することも可能なので、家族全体の医療費と一緒に申告すると効果的です。
まとめ:ICL不適合と言われても諦めないで
ICL手術の「不適合」は、決して最終判断ではありません。この記事でお伝えしたポイントを整理します。
ICL不適合の主な原因は、前房深度が浅い・角膜内皮細胞数が少ない・眼疾患がある・近視度数が範囲外・年齢やライフステージの問題、の5つです。一つのクリニックで不適合と言われても、セカンドオピニオンで判断が変わることがあります。レーシック不適合(角膜が薄い・強度近視・円錐角膜)でもICLなら受けられるケースが多くあります。完全に不適合な場合でも、眼鏡・コンタクト継続や将来の白内障手術という選択肢があります。
まず「自分は本当に不適合なのか」を確かめるためにも、無料診察を受けることをおすすめします。適応検査は無料または低コストで受けられる院が多く、費用の負担は小さく済みます。ただし散瞳薬を使う検査があると当日は数時間まぶしさやピントの合いにくさが残るので、車の運転を予定に入れないようにしてください。その一歩が、裸眼生活への道を開くかもしれません。
ICL手術するなら先進会眼科
筆者(しなちく)は2020年に先進会眼科でICL手術を受け、2026年現在も視力が安定して快適に過ごしています。ICL患者のうち22.5%が医療者だと公表している先進会眼科を、自信を持っておすすめします(先進会眼科公式・2022年6〜9月集計/2026年9月20日確認)。
※ 筆者(しなちく)からのお友達紹介は、2026年9月に受付を終了しました。現在は紹介によるご案内を行っておりません。
ICLクリニックおすすめ3選
ICLを受けるなら以下の3クリニックがおすすめです。
先進会眼科
ICL患者のうち22.5%が医療者だと公表しており(公式・2022年6〜9月集計/2026年9月20日確認)、筆者自身も手術を受けたクリニックです。東京・名古屋・大阪・福岡に拠点があります。
品川近視クリニック
視力矯正を専門とするクリニックで、全国に院があります。ICLの基本料金は407,000円〜(両眼・税込/マイナス4D未満)です(2026年9月20日に公式サイトで確認)。
アイクリニック東京
東京にあるICL専門クリニックです。ICLの基本料金は580,000円〜(両眼・税込)です(2026年9月20日に公式サイトで確認)。