退去時のハウスクリーニング費用の相場と負担ルールを徹底解説!数十万円の請求を回避する方法

この記事を読むと分かること
  • 退去時のハウスクリーニング費用は、国土交通省のガイドラインでは原則として貸主(大家さん)の負担とされていること
  • 借主の負担になるのは、契約書の特約がある場合や、通常の清掃をしていなかった場合であること
  • 自分で業者を手配するときに、二重払いにならないよう確かめておくこと
※ この記事の料金は、東京ガスのハウスクリーニング公式の料金一覧を2026年10月8日〜9日に確認した税込価格です。ガイドラインの内容は、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」に基づきます。
退去の時期が近づくと気になるのが、「ハウスクリーニング費用はいくらかかるのか」「敷金から何が引かれるのか」という点です。
実は、退去時のハウスクリーニング費用は、国土交通省のガイドラインでは原則として貸主の負担とされています。ただし、契約書に特約があれば借主の負担になることがあります。この記事では、負担のルールと、請求を受けたときに確かめることを整理します。

退去時のハウスクリーニング費用は誰が払う?原則を知ろう

国土交通省ガイドラインの原則

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、借主が通常の清掃をしている場合、専門業者による部屋全体のクリーニングは、次の入居者を確保するためのものとして貸主(大家さん)の負担とするのが妥当とされています。
借主の負担になるのは、通常の清掃をしていなかった場合です。この場合は、部位または住戸全体の清掃費用相当分を借主が負担するとされています。
また、民法第621条では、通常の使用によって生じた損耗や経年変化は、借主が原状に戻す義務の対象から除かれています。

借主負担になる条件「特約」

それでも借主の負担になるケースが多いのは、賃貸借契約に「退去時のハウスクリーニング費用は借主の負担とする」という特約が入っていることが多いためです。
ガイドラインでは、通常の原状回復の範囲を超える負担を借主に求める特約が有効になるには、次の3つが必要とされています。
  • 特約の必要性があり、暴利的でないなど、客観的・合理的な理由があること
  • 借主が、特約によって通常の原状回復の範囲を超える負担を負うことを認識していること
  • 借主が、特約による負担を受け入れる意思を示していること
契約書に金額が具体的に書かれていれば、借主がその負担を認識していたと判断されやすくなります。反対に、金額も範囲も書かれていない特約は、請求の根拠として弱くなります。

契約書を確認するのが最重要

退去時の請求で揉める原因の多くは、入居時に契約書の特約を読んでいなかったことです。今からでも遅くないので、契約書の中に「ハウスクリーニング」「クリーニング費用」といった項目があるか、金額が書かれているかを確認しておきましょう。

退去時ハウスクリーニング費用の金額は、まず契約書で決まる

特約に金額が書かれている場合、請求される金額はその額が基本です。間取りごとの「相場」より、まず自分の契約書を見てください。
特約が無い、または金額が書かれていない場合に、どのくらいの金額になるかの目安として、東京ガスのハウスクリーニングの公式料金を挙げます。
場所東京ガスの料金(税込)
キッチン19,800円
浴室17,600円
レンジフード17,600円
トイレ13,200円
洗面所13,200円
エアコン(お掃除機能なし)13,200円
※ 2026年10月8日〜9日時点・東京ガスのハウスクリーニング公式の料金一覧より(税込)。セットメニューにすると、単品で別々に頼むより5%〜20%安くなると公式に書かれています。駐車場を用意できない場合は、規定の駐車場代が別にかかります。
部屋全体を清掃する場合は、場所の数や部屋の広さ、汚れ具合によって金額が変わります。請求を受けたときは、どの場所をいくらで清掃したのか、内訳を出してもらうことが大切です。

退去費用の請求でよくあるトラブル

退去時の敷金・原状回復をめぐる相談は、消費生活センターに多く寄せられています。よくあるのは、次のようなケースです。
  • 契約書の特約に書かれた金額に加えて、「原状回復」としてさらに上乗せで請求された
  • 長く住んだことで生じた汚れや日焼けなど、通常の損耗や経年変化の分まで請求された
  • 退去時の立会いで確認のサインをしたあとに、高額な請求書が届いた
ガイドラインのQ&Aでは、立会いでのサインが単に損傷があることの確認であれば、原状回復費用の負担を了承したものではないと考えられる、としています。疑問がある場合は、立会いの場で質問するなど、慎重に確認しましょう。

退去費用が高くなるケースと、請求に疑問があるとき

借主の負担になりやすいケース

次のような汚れや傷は、借主の故意・過失や、通常の清掃をしていなかったことによるものとして、借主の負担になりやすくなります。
  • タバコのヤニ汚れやにおい:壁紙の張り替えが必要になると、金額が大きくなることがあります
  • ペットによる傷や汚れ:柱や壁の傷、においが残った場合は借主の負担になりやすくなります
  • 掃除をしなかったことによるカビや汚れ:結露を放置して広がったカビなどは、借主の負担とされることがあります

請求に疑問があるケース

反対に、次のような請求は、根拠を確かめる余地があります。
  • 契約書にクリーニングの特約が無い
  • 特約はあるが、金額も範囲も書かれていない
  • 日焼けによる壁紙の変色など、通常の損耗や経年変化を理由に請求されている
  • 請求の内訳が示されていない
賃貸住宅標準契約書では、敷金から差し引く場合、貸主は差し引く債務の額の内訳を借主に明示することとされています。内訳を出してもらい、それでも納得できない場合は、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談してください。

入居時・契約時に確認しておくポイント

退去時のトラブルの多くは、入居時の確認不足が原因です。

確認ポイント1:ハウスクリーニング特約の有無と金額

契約書の特約欄に、退去時のハウスクリーニング費用を借主が負担するという記載があるかを確認しましょう。ある場合は、金額が具体的に書かれているかも確認します。「実費」とだけ書かれている場合は、退去時の金額が読めません。

確認ポイント2:入居時の部屋の状態を写真で記録する

入居時に、傷・汚れ・設備の状態を写真で記録しておきましょう。ガイドラインでも、入退去時にチェックリストを作り、写真などを併用して確認することが重要とされており、トラブルになったときの証拠資料にもなります。

確認ポイント3:敷金の精算ルールを確認する

敷金から何が差し引かれるのかを、契約前に確認しておきましょう。

管理会社の指定業者か、自分で手配するか

自分で業者を手配すれば安くなると考える人もいますが、先に確かめることがあります。

自分で手配する前に確かめること

  • 特約に清掃費用の金額が書かれていないか:金額の決まった特約がある場合、自分で業者に頼んでも、その金額が敷金から差し引かれることがあります。そうなると、清掃費用を二重に払うことになります
  • 管理会社が自分で手配した清掃を認めるか:契約書に「指定業者による」と書かれている場合は、認められないことがあります
特約が無い、または自分で手配した清掃を認めてもらえると確認できた場合に、自分で業者を選ぶ意味が出てきます。必ず事前に管理会社へ確認してください。

自分で手配するなら、東京ガスのハウスクリーニングも候補に

自分で業者を手配できると確認できた場合、対応エリア内であれば東京ガスのハウスクリーニングも候補になります。
  • 対応エリアは東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県と、群馬県・茨城県の一部です
  • オリコン顧客満足度調査のハウスクリーニング 関東部門で、2025年に続き2026年も第1位(81.6点・回答者5,211人)です
  • 申し込みの時点で料金が確定し、場所ごとの料金が公式に掲載されているので、管理会社の請求額と比べやすくなります
  • 専用の研修施設で技術研修とマナー研修を行い、そのテストに合格したサービススタッフが訪問するとしています(2026年9月27日時点・東京ガス公式より)

退去前に自分でできる掃除

通常の清掃をしていれば、ハウスクリーニング費用は原則として貸主の負担です。退去前に、日常の掃除の範囲をきちんと済ませておきましょう。
  • 床の掃除機がけと拭き掃除
  • キッチンやレンジフードの表面の油汚れ
  • 浴室の水アカやカビ
  • トイレ・洗面所の掃除
  • 壁に貼ったものをはがした跡の確認
エアコンの内部や換気扇の内部など、市販の道具では手が届きにくい場所は、無理に分解せず、必要に応じてプロに頼むことを検討してください。

まとめ:退去時のハウスクリーニングは、知っているかどうかで差が出る

  • 退去時のハウスクリーニング費用は、ガイドラインでは原則として貸主(大家さん)の負担
  • 契約書の特約があれば借主の負担になることがある(特約が有効になるには条件がある)
  • 特約に金額が書かれていれば、まずその額が基準になる。請求を受けたら内訳を出してもらう
  • 自分で業者を手配する前に、二重払いにならないかを管理会社に確認する
  • 入居時の部屋の状態を写真で記録しておくことが、退去時のトラブルへのいちばんの備え
契約書の内容を事前に確認し、請求に疑問があるときは内訳を確かめたうえで、消費生活センターにも相談しましょう。

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