ICL手術は妊娠中でも受けられる?受けられない理由と産後のタイミング
この記事を読むと分かること
- 妊娠中・授乳中にICL手術が受けられない医学的な理由
- 妊娠前・産後のICL手術の最適なタイミング
- 視力矯正を急ぎたい妊婦さんへの現実的な代替案
妊娠中にICL手術を受けたいと思ったら、まず知ってほしいこと
妊娠中に「視力が落ちてきた」「コンタクトが辛い」と感じ、ICL手術を検討する方は少なくありません。妊娠中はホルモンバランスの変化によって体のあらゆる部分に影響が及びますが、目も例外ではありません。視力が一時的に変動したり、コンタクトレンズが合わなくなったりすることがあります。
しかし残念ながら、妊娠中のICL手術は原則として受けられません。先進会眼科も、公式サイトで「妊娠中または授乳中の女性」をICLの適応外に挙げています(2026年9月確認)。
この記事では、妊娠中にICL手術が禁忌とされる理由、産後いつから受けられるか、そして今すぐ視力を改善したい方への現実的な対応策をお伝えします。
私自身は2020年に先進会眼科でICL手術を受けました。円錐角膜という角膜の形状が特殊な疾患があったため、レーシックは断られていましたが、ICLは適合と判断されて手術に踏み切りました。術前視力0.07(-5D)から術後1.0まで回復し、現在(2026年)も何の不自由もなく過ごしています。
妊娠中の方に今すぐICL手術を勧めることはできませんが、正しい知識を持って「産後の手術」を計画することはできます。ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
なぜ妊娠中はICL手術を受けられないのか?医学的な理由
ホルモン変化による眼の屈折変化
妊娠中は、エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが大量に分泌されます。これらのホルモンは体の水分保持能力を高めるため、角膜の形状や厚みが変化します。結果として、視力や屈折度数(近視・遠視・乱視の程度)が妊娠前とは異なる状態になります。
ICL手術では、手術前の精密検査で測定した屈折度数に基づいてカスタムメイドのレンズを作製します。しかし妊娠中の屈折度数は「一時的な変化」であり、出産後には元の状態に戻ることがほとんどです。
つまり、妊娠中に測定した数値でレンズを作製しても、産後に度数が合わなくなる可能性が高いのです。これは手術の精度と結果に直接影響するため、信頼できるクリニックはいずれも妊娠中の手術を断ります。
使用する薬剤の問題
ICL手術では複数の薬剤を使用します。
- 散瞳薬(ひとみを広げる目薬):精密検査や手術時に使用
- 抗菌目薬(感染予防):術前・術後に点眼
- 消炎目薬・ステロイド目薬:術後の炎症抑制
これらの薬剤が妊娠中の胎児に与える影響については、十分な安全性データが確立されていません。万が一のリスクを避けるため、妊娠中の使用は基本的に禁忌とされています。
「少量の目薬くらい問題ないのでは?」と思われるかもしれませんが、目から吸収された薬剤は血流に乗って全身に回ります。胎児のいる妊婦さんへの投与は、最大限の慎重さが求められるのです。
手術中・術後の体への負担
ICL手術は局所麻酔(目の麻酔)で行われますが、仰向けで長時間静止する必要があります。妊娠後期になると、仰向けの姿勢は下大静脈を圧迫し、血圧低下や気分不快を引き起こすことがあります。
また術後は安静が必要であり、ストレスや精神的な不安定は回復に影響します。妊娠中という特殊な状況では、術後管理もより複雑になります。
妊娠中の視力変化はどれくらい起きる?
実際に妊娠中に視力変化を経験する方はどの程度いるのでしょうか。
眼科の臨床では、妊娠中に「コンタクトが合わなくなった」「視力が落ちた気がする」という訴えは珍しくありません。主な原因は以下の通りです。
妊娠中に起こりやすい眼の変化:
- 角膜の水分量増加による形状変化(コンタクトの装用感悪化)
- 屈折度数の一時的変化(視力低下・見え方の変化)
- 涙の分泌量変化(ドライアイ症状)
- 眼圧の変化(緑内障の方は特に注意が必要)
ほとんどのケースでは、産後数ヶ月以内にホルモンバランスが安定し、視力も元の状態に戻ります。妊娠中に「視力が落ちた」と感じても、産後まで様子を見ることが推奨されます。
妊娠中に度数が変わったと感じたら、その数値のまま手術の計画を立てず、眼科でいまの状態を診てもらってください。手術の相談は、産後に度数が落ち着いてからで間に合います。
授乳中もICL手術は控えるべき?
妊娠中と同様、授乳中もICL手術は基本的に推奨されていません。
理由は主に以下の2点です。
薬剤の母乳への移行
術前・術後に使用する目薬の成分は、血流を通じて母乳に移行する可能性があります。赤ちゃんへの影響を最小限にするため、授乳中の薬剤使用は慎重に判断されます。
視力の不安定性
産後の授乳期間中も、ホルモンバランスは変化し続けます。特にプロラクチン(母乳分泌を促すホルモン)の影響で、屈折度数が安定しないことがあります。
授乳が終わり、ホルモンバランスが落ち着いてから(一般的に断乳後3〜6ヶ月)が、ICL手術の適切なタイミングと言われています。
ICL手術を受けるのに最適なタイミングはいつ?
妊娠・出産・授乳を経てICL手術を受けるなら、以下のタイミングが理想的です。
妊娠前(最もおすすめ)
妊娠を考えているなら、妊娠前にICL手術を受けることが最善策です。
- 視力が安定した状態でレンズを作製できる
- 妊娠・育児中、コンタクトや眼鏡の手間から解放される
- 夜間授乳・おむつ替えなど、視力が必要な場面で裸眼で行動できる
「将来子どもが欲しいと思っている」という段階から、ICL手術を検討するのは非常に理にかなっています。
断乳後3〜6ヶ月以降
授乳を終えた後、ホルモンバランスが安定するまでの期間(一般的に3〜6ヶ月)が経過してから手術を受けるのが安全です。
この時期に精密検査を受け、度数が安定していることを確認してから手術日程を組むのが理想的な流れです。
産後の育児が落ち着いてから
現実的な問題として、産後は赤ちゃんの世話で手が離せない時期が続きます。ICL手術後は数日間の安静と術後通院が必要です。
家族の協力が得られるタイミング、例えば配偶者の休暇期間中や実家への里帰り中などを活用して手術を受けると、無理なく回復できます。
妊娠中の視力の問題、今すぐできる対応策
「妊娠中でICL手術は受けられないとわかったけれど、今の視力の問題をどうすればいいか」という方へ、現実的な対応策をお伝えします。
眼鏡への切り替えを検討する
妊娠中のコンタクト装用は、ドライアイや感染リスクの観点から推奨されないことがあります。眼鏡に切り替えることで、目への負担を減らすことができます。
眼鏡は最新フレームでもリーズナブルなものが増えており、「眼鏡に戻るのが億劫」という心理的ハードルは以前ほど高くありません。
コンタクトはシリコーンハイドロゲル素材を選ぶ
コンタクト継続使用の場合は、酸素透過率の高いシリコーンハイドロゲル素材のものを選ぶと、目への負担を最小限にできます。また装用時間を短くする、必ず毎日新しいものを使用するなど、衛生面に気をつけることが重要です。
眼科で定期的にチェックを受ける
妊娠中は眼圧が変化することがあります。特に緑内障のリスクがある方は、定期的な眼科受診を欠かさないようにしましょう。視力の変化も記録しておくと、産後の手術前検査時に参考になります。
産後にICL手術を考えているなら、今から準備できること
ICL手術は計画的に進めることで、より良い結果が得られます。妊娠中・育児中でも、今からできる準備があります。
クリニックの情報を収集する
どのクリニックで手術を受けるか、事前にリサーチしておくのは有意義です。費用・実績・アクセス・口コミなどを比較し、候補を絞っておきましょう。
私が受けた先進会眼科は、同院で眼科手術を受けた医師の数を2,240名と公表しています(公式サイト)。リスクを知っている医師が自分の手術先に選んでいるという点が、私にとって大きな安心材料でした。
医療費控除のことを把握しておく
ICL手術費用は確定申告で医療費控除の対象になります。歯医者やお薬代など、その年の他の医療費と合算して申告できます。還付額は支払額の一定割合ではありません。「1年間の医療費の合計 − 保険金などで補填される金額 − 10万円(総所得金額等が200万円未満の人は所得の5%)」が所得控除になり、そこに自分の所得税率(5〜45%)を掛けた額が戻ります(国税庁タックスアンサーNo.1120・2026年9月22日確認)。
産後の手術費用は、医療費控除を活用することで実質的な負担を大きく減らすことができます。ぜひ活用してください。
無料診察(カウンセリング)だけでも受けてみる
多くのクリニックでは、手術の前に無料の診察・カウンセリングを行っています。妊娠中・授乳中は手術を受けられませんが、「将来ICL手術を受けたい」という段階でのカウンセリングは受けることができます。
事前に自分の目の状態(近視度数、角膜の状態など)を把握しておくことで、産後にスムーズに手術準備を進めることができます。
先進会眼科では無料の術前検査・カウンセリングを行っています。まずは問い合わせてみることをおすすめします。
ICL手術の費用と医療費控除の活用方法
ICL手術は自由診療で、費用はクリニックによって異なります(たとえば仙台の2院は両眼税込59万〜79万円・2026年9月28日時点・各院公式)。決して安い金額ではありませんが、一度手術を受ければ長期間にわたってコンタクトや眼鏡の費用が不要になります。
産後の育児中に「毎朝コンタクトを入れる余裕がない」「深夜の授乳でもすぐ動ける」という状況を考えると、ICL手術への投資は非常にコスパが高いと言えます。
医療費控除でいくら戻る?
仮に、ICL手術費用70万円を支払い、保険金などの補てんが無く、総所得金額等が200万円以上の人で計算してみましょう:
- 医療費総額:70万円
- 控除対象額:70万円 − 0円(保険金などの補てん) − 10万円 = 60万円
- 所得税率20%の場合:60万円 × 20% = 12万円の所得税が戻る(このほか翌年度の住民税も下がる)
戻る額は所得税率と控除対象額で決まるので、人によって大きく変わります(国税庁タックスアンサー No.1120・No.2260)。確定申告の際に忘れず申請しましょう。
よくある質問
Q. 妊娠を計画中ですが、ICL手術は受けられますか?
妊娠前であれば受けられます。ただし、手術後に妊娠・授乳期を経ることで視力が一時的に変化する可能性があります。術後の視力が最終的に安定するまでに時間がかかることもありますが、手術そのものへの影響はほとんどありません。
Q. 出産後すぐにICL手術を受けられますか?
産後すぐは推奨されません。ホルモンバランスが安定するまで(断乳後3〜6ヶ月以上)待ってから精密検査を受け、度数が安定していることを確認してから手術を受けるのが理想です。
Q. 帝王切開の場合、ICL手術のタイミングに影響はありますか?
帝王切開による傷の回復も考慮する必要がありますが、ICL手術の適応判断は主に「視力の安定性」と「ホルモンバランスの安定」が基準となります。出産方法よりも、授乳終了からの期間の方が重要な判断基準です。
Q. 妊娠中に無料診察だけ受けることはできますか?
クリニックによって対応が異なりますが、妊娠中でも「将来的に手術を検討している」という相談のために来院することは可能な場合があります。手術の予約を取るのではなく、まずは相談ベースで問い合わせてみるとよいでしょう。
ICL手術するなら先進会眼科
私は2020年に先進会眼科でICL手術を受けました。円錐角膜という特殊な疾患があったため、レーシックは断られましたが、ICLは適合と判断されました。術前視力0.07(-5D)から術後1.0に回復し、2026年現在も快適に生活しています。
※ 筆者(しなちく)からのお友達紹介は、2026年9月に受付を終了しました。現在は紹介によるご案内を行っておりません。
ICLクリニックおすすめ3選
1. 先進会眼科
同院で眼科手術を受けた医師が2,240名と公表されています(公式サイト)。筆者が実際に手術を受けたクリニックです。
2. 品川近視クリニック
7年連続で国内最多症例として表彰された実績(2019〜2025年・米国STAAR SURGICAL社)を誇る全国展開のクリニック。豊富な実績と全国どこでも受診できるアクセスの良さが魅力です。
3. アイクリニック東京
東京のICLクリニックです。費用・適応検査の流れ・術後検診の回数は、公式サイトで確かめてから予約してください。