給湯器の壁掛け型と床置き型の違いとは?選び方・設置変更時の注意点を徹底解説
この記事を読むと分かること
- 給湯器の壁掛け型と床置き型(据え置き型)の具体的な違いとそれぞれの特徴
- 各設置タイプのメリット・デメリット、選択する際の判断基準
- 交換時に設置タイプを変更する際の追加費用や工事内容、リスク
はじめに
給湯器の購入や交換を検討する際、「壁掛けと床置きはどう違うの?」という疑問は、多くのご家庭で生じる課題です。実は、この選択一つで、毎日の使い心地、メンテナンスの手間、そして交換時の費用まで、大きく変わってきます。
本記事では、給湯器の設置タイプの違いを徹底的に解説し、あなたにぴったりな選択をサポートします。さらに、交換時に注意すべきポイント、施工業者選びの重要性についても、実例を交えながら紹介します。
給湯器の設置タイプとは?基本を理解する
給湯器は、大きく分けて壁掛け型と床置き型(据え置き型)の2つの設置方式があります。まずは、それぞれの基本的な特徴を理解することが重要です。
壁掛け型給湯器とは
壁掛け型は、その名の通り、給湯器本体を壁に直接取り付けるタイプです。一戸建てやマンションの外壁に取り付けられることが多く、コンパクトな設計が特徴です。特にマンションのPS(パイプスペース)設置では、壁掛けタイプが主流となっています。
サイズ: 幅600mm × 奥行200~250mm × 高さ600mm程度
設置場所: 外壁、PS内、ベランダなど
床置き型(据え置き型)給湯器とは
床置き型は、地面に設置した台や架台の上に給湯器本体を置くタイプです。タンクを内蔵するセミ貯湯式やロードヒーティング対応モデルなど、より機能性に優れた製品が多い傾向にあります。
サイズ: 幅600mm × 奥行500mm以上 × 高さ800mm~1,200mm程度
設置場所: 戸建ての庭、玄関脇、勝手口周辺など
壁掛け型給湯器のメリットとデメリット
メリット
1. スペース効率が優れている
壁掛け型の最大の利点は、設置面積が小さいことです。下方のスペースが空くため、マンションのPS内などの限られたスペースでも設置可能です。庭が狭い一戸建てでも、外壁に取り付けるだけで済むため、駐車スペースや物置の邪魔にならないという大きなメリットがあります。
2. 修理・交換作業が効率的
壁掛けタイプは高い位置に設置されるため、作業員一人でも点検・修理が容易です。給湯器が故障した際のトラブル対応も、床置きタイプより迅速に対応できることが多いです。
3. 燃焼音が小さい(石油給湯器の場合)
石油給湯器に限定されますが、壁掛けタイプの方が床置きタイプより燃焼音が小さいという報告があります。これは、振動が床に伝わりにくい設計だからです。
4. 排気筒の危険性が低い
壁掛けタイプは高い位置に設置されるため、排気筒による火傷や接触の危険性が低くなります。小さなお子さんやペットがいるご家庭には安心な設計です。
5. 雨や雪の影響を受けにくい
床置き型と異なり、給湯器本体が地面に近くないため、雨水の溜まりや雪による影響が少なく、機器の腐食リスクが低いです。
デメリット
1. 掃除が手間
壁掛けタイプは高い位置に設置されるため、本体上部のホコリや蜘蛛の巣の掃除が難しくなります。脚立を用意する必要があり、安全性の面でも注意が必要です。
2. 振動音が響く可能性
給湯器の運転音が壁を通じて室内に伝わることがあります。特に、壁の厚さが薄いアパートや、寝室の近くに設置されている場合、夜間に運転音が気になるというケースが報告されています。
3. 壁への負担
給湯器の本体重量(通常30~40kg程度)が壁にかかるため、壁の強度に問題がある場合は補強が必要です。特に築年数が古い建物では、事前に壁の状態を確認する必要があります。
4. 交換時の手間
壁掛けタイプから別タイプへの交換では、配管や電源配線の大幅な変更が必要となり、工事費が割高になる可能性があります。
床置き型(据え置き型)給湯器のメリットとデメリット
メリット
1. 掃除がしやすい
床置き型は地面に近い位置に設置されるため、本体全体の掃除が容易です。汚れやゴミが付着した場合も、手軽に清掃できます。メンテナンスの手間が少ないという点は、長期的に見ると大きなメリットです。
2. 壁への負担が少ない
本体重量が床に直接かかるため、壁への負担がありません。これにより、壁の補強工事が不要となり、築年数が古い住宅でも安心して設置できます。
3. 貯湯タンク機能の選択肢がある
セミ貯湯式給湯器(タンクを内蔵したモデル)は、床置きタイプのみの選択肢です。タンク内のお湯を保温することで、少ない燃料で効率的に給湯できます。
4. 地震による落下リスクがない
床置き型は、壁掛けタイプとは異なり、給湯器が落下するリスクがありません。地震対策を重視する地域では、床置きタイプが選ばれることが多いです。
5. 設置スペースの融通性
壁掛けタイプのような壁の強度制約がないため、庭の好きな場所に設置できる自由度があります。
デメリット
1. 設置スペースが大きい
床置き型は本体が大きいため、庭や玄関脇に一定のスペースが必要です。狭い庭の場合、駐車スペースと競合する可能性があります。
2. 修理に時間がかかる可能性がある
本体が重く、かつ複雑な構造の場合、修理に複数人の作業者が必要になることもあります。そのため、修理に時間がかかり、場合によっては即日対応ができないケースがあります。
3. 湿気や土埃の影響を受けやすい
給湯器の下部が地面に近いため、雨水の溜まりや湿度の高い環境での腐食リスクが高まります。また、土埃や落ち葉が通気口に詰まり、給湯器の効率が低下することもあります。
4. 小動物による被害
野良猫や小動物が給湯器の下に侵入し、配管や排気経路に干渉してしまうケースが報告されています。特に、山間部や郊外では注意が必要です。
5. 錆の進行が早い
湿気や塩分(沿岸地域)の影響により、床置き型は壁掛けタイプより錆が進行しやすいです。定期的なメンテナンスが必要となります。
壁掛け型と床置き型の比較表
| 項目 | 壁掛け型 | 床置き型 |
|---|---|---|
| スペース効率 | ◎ 優れている | △ 広いスペース必要 |
| 掃除のしやすさ | △ 手間がかかる | ◎ 容易 |
| 壁への負担 | △ 補強が必要な場合も | ◎ なし |
| 修理・交換の効率 | ◎ 迅速な対応が可能 | △ 時間がかかる可能性 |
| 防錆性 | ◎ 優れている | △ 劣る |
| 貯湯機能 | ✗ 選択肢なし | ◎ セミ貯湯式が選択可能 |
| 地震対策 | △ 落下リスク | ◎ 安心 |
| 初期費用 | △ やや高い | ◎ やや安い |
マンション・PS設置の場合:特別な注意点
集合住宅(マンション・アパート)の多くは、PS(パイプスペース)という給湯器用スペースに壁掛けタイプが設置されています。PS設置には独特の選択肢と注意点があります。
PS設置の種類
PS標準設置
- 給湯器本体全体が見える設置方式
- 排気方向の自由度が高い
- スペースを有効活用できる
PS扉内設置
- 給湯器の排気部分だけがPS扉に開いた穴から出る設計
- 階段から2m以内の場合は必須(安全基準)
- 排気口と扉の穴が正確に合致する必要がある
PS設置での交換時の注意点
1. サイズ制限の厳格さ
PS内に設置できる給湯器のサイズは、既存機種とほぼ同じサイズに限定されることが多いです。規格外のサイズに交換する場合は、アダプターやケースの追加購入が必要となり、追加費用が発生します。
2. 扉内ケースの設置
扉内設置の場合、給湯器のサイズが変わると、新しい扉内ケース(別途購入)を設置する必要があります。この工事は繊細で、排気口の位置のズレが許されません。ズレると排ガスが屋外に排出されず、PS内に滞留し、周囲の配管や構造に悪影響を及ぼす危険性があります。
3. 特注色の追加費用
既存機種が特注色(シルバーメタリックなど)の場合、同じ色で交換しようとすると、納期が1~2ヶ月遅れて、追加費用が1万~3万円必要となることがあります。
4. 管理組合の承認
マンションの場合、給湯器交換前に管理組合の承認が必要な場合があります。PS内に設置する給湯器の仕様変更には、機械室の図面提出が求められることもあります。
交換時に設置タイプを変更する場合の費用と注意点
設置タイプ変更が可能なケース
壁掛け型から床置き型への変更
- 庭に十分なスペースがある一戸建て
- 既存の配管を活用できる場合
費用の目安: 標準工事費(3~5万円)+ 追加配管工事費(2~10万円)+ 新規基礎工事費(1~5万円)= 総計6~20万円
床置き型から壁掛け型への変更
- 石油給湯器からガス給湯器への転換が伴う場合が多い
- 配管・電源の大幅な変更が必要
費用の目安: 標準工事費(3~5万円)+ 配管変更費(5~15万円)+ 壁補強工事費(2~8万円)= 総計10~28万円
追加費用が発生するケース
1. ドレン排水工事
エコジョーズなど高効率給湯器への交換では、給湯器の排水ドレンを屋外に排出する工事が必要です。これにけて3~8万円の追加費用が発生します。
2. 三方弁ユニットの取付
PS設置からエコジョーズへの交換では、給湯器内部の水圧バランスを制御する三方弁ユニットが追加で必要となり、部材費と工事費で2~5万円程度要します。
3. 高所作業費
PS設置から戸建の壁掛けへの変更など、高い位置での作業が必要な場合、高所作業費として1~3万円が加算されます。
4. 既存配管の撤去・新設
既存配管が交換後の給湯器の仕様に合わない場合、配管全体の交換が必要となり、5~15万円の費用が発生することもあります。
変更できないケース・推奨されないケース
給湯専用から浴室機能付きへの変更
- 給湯と浴槽への供給機能を同時に追加する場合、浴室全体のリフォームが必要
- コスト: 50万~200万円以上
- 推奨: 現在の給湯方式のまま、効率の良い同タイプへの交換
給湯暖房熱源機への追加
- 床暖房やセントラルヒーティング機能を新たに追加する場合
- 既存配管では対応できず、配管全体の再施工が必須
- 推奨: 別途ヒートポンプや加熱システムの導入を検討
「10年保証」の実態:あなたが知っておくべき真実
給湯器の販売業者やメーカーが謳う「10年保証」は、消費者にとって大きな判断材料となることが多いです。しかし、この保証にも限界と条件があります。
保証内容の実際
メーカー保証(通常): 1~2年間(部品故障のみ)
販売業者の延長保証: 最大10年(有償オプション)
メーカーの標準保証は1~2年で、10年保証は販売業者の独自サービスであることがほとんどです。保証の対象は「部品の製造不良」に限定され、以下のケースは保証外となります。
- 経年劣化による故障
- 使用方法の誤りによる故障
- 自然災害(落雷、台風)による故障
- 設置不良による故障
保証の活用のコツ
- 保証書の内容を丹寧に確認 - 保証期間、対象範囲、免責事項を必ずチェック
- 施工会社の資格を確認 - 認定施工業者による施工が、保証の条件であることが多い
- 定期メンテナンスの実施 - 年1~2回の定期点検が保証を維持する条件の場合がある
- 保証の更新手続き - 有償延長保証の場合、更新手続きの期限を管理する
給湯器選び:設置タイプ決定の判断基準
壁掛け型を選ぶべき場合
✓ マンション・PS設置が前提となっている
✓ 庭が狭く、スペース効率を重視したい
✓ 修理・交換の効率性を重視する
✓ 防錆性(沿岸地域)を重視する
✓ 小さなお子さんやペットの安全を優先したい
床置き型を選ぶべき場合
✓ 一戸建てで庭に十分なスペースがある
✓ セミ貯湯式など貯湯機能を活用したい
✓ 壁への負担を最小化したい(築年数が古い建物)
✓ メンテナンスの手軽さを重視する
✓ 地震対策を重視する地域に住んでいる
施工業者選びの重要性
給湯器の設置タイプ選びと同じくらい重要なのが、どの業者に交換を依頼するかという判断です。特に設置タイプの変更を伴う場合、施工業者の資格と経験が、工事の成功を大きく左右します。
認定施工会社の重要性
給湯器の製造メーカー(ノーリツ、パロマ、リンナイなど)は、各地域に「認定施工会社」を指定しています。この認定を受けた業者は、以下の条件を満たしています。
- ガス機器設置スペシャリスト資格を保有
- 高圧ガス販売主任者資格の取得
- 液化石油ガス設備士資格(LPG地域)の保有
- 給湯器の施工実績が豊富
認定施工会社による工事では、メーカー保証が有効となり、工事後のトラブル対応も迅速です。
施工業者の信頼性チェックリスト
□ メーカーの認定施工会社リストに記載されている
□ 現地調査を無料で実施している
□ 見積もり時に詳細な工事内容を説明している
□ 追加費用が発生する可能性について事前に説明している
□ 施工後の定期メンテナンスサービスを提供している
□ 緊急対応(深夜・土日)に対応している
□ 施工実績と口コミ評価が良好である
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まとめ:あなたに最適な給湯器選び
給湯器の壁掛け型と床置き型の選択は、単なる「どちらでもいい」という問題ではなく、今後10年以上の快適さと費用に直結する重要な決定です。
重要なポイント:
- 現在の設置タイプを理解する - マンションならPS設置、一戸建てなら壁掛けまたは床置き
- スペースと機能のバランスを考える - 限られたスペースか、貯湯機能が必要か
- メンテナンスの手間を考慮する - 掃除のしやすさ、修理対応の効率
- 設置タイプの変更は慎重に - 数万~数十万円の追加費用が発生する可能性
- 認定施工会社に依頼する - メーカー保証と品質を確保するための必須条件
給湯器交換は、多くのご家庭にとって数十万円の決断です。本記事の情報を参考に、ご家庭の状況に最適な選択をしてください。そして、交換時には必ず複数の業者に見積もりを依頼し、費用だけでなく、施工内容と保証内容を丁寧に比較することをお勧めします。