金利上昇が不動産投資に与える影響|リスクと対策を徹底解説

この記事を読むと分かること
  • 金利上昇が不動産投資のキャッシュフロー・価格・返済額に与える具体的な影響
  • 変動金利型ローンのリスクとキャッシュフローへの具体的な影響
  • 金利上昇局面で取る不動産投資の実践的な対策
2024年以降、日銀が利上げを進めたことを受けて「金利上昇が不動産投資にどう影響するのか」を心配する投資家や検討中の方が増えています。結論から言うと、金利上昇は不動産投資にマイナスの影響を与える面がありますが、良い物件・健全なキャッシュフロー・正しい判断をしていれば必ずしも致命的になるとは限りません。

金利上昇が不動産投資に及ぼす3つの影響

影響①: 返済額の増加
変動金利型ローンを組んでいる場合、金利が上がるとその分だけ返済額が増えます。たとえば借入3,000万円・返済期間30年・元利均等返済で試算すると、毎月の返済額は金利1%で約9万6,500円、2%で約11万900円、3%で約12万6,500円です。金利が1%上がるごとに、毎月およそ1万4,000〜1万6,000円(年間17万〜19万円程度)増える計算になります(編集部試算)。もともとキャッシュフローが赤字の物件では、特に深刻な影響になります。
影響②: 不動産価格の変動
金利が上がるとローンを組んで購入できる投資家の購買能力が低下し、不動産需要が緩やかに下押しする傾向があります。一方、インフレ下で金利が上昇する場合、不動産価格と金利の動きがバラバラになることが多く、必ずしも一方的な下落になるとは限りません。
影響③: 表面利回りの変化
金利が上がると投資家が求める利回り(期待利回り)の水準も上がり、同じ家賃の物件でも価格が下がりやすくなるとされます。ただし影響の大きさは、エリアや物件タイプによって大きく異なります。

変動金利型ローンと固定金利型ローンの違い

不動産投資ローンには大きく2種類あります。金利上昇リスクへの対応を考える上で、自分のローンがどちらのタイプかを先に確認しましょう。
変動金利型
6ヶ月または1年ごとに金利が見直され、市場金利に連動します。日本の不動産投資ローンの多くがこのタイプです。金利が低い時期は月々の返済額が安くなりますが、上昇時には返済負担が増すリスクがあります。
固定金利型
借入の全期間にわたって金利が固定されるタイプです。金利上昇の影響を受けない一方、当初の金利は変動金利型より高く設定される傾向があります。長期的に金利が上がっていく局面では有利になる可能性がありますが、投資用ローンでは全期間固定を扱っていない金融機関もあります。

金利上昇局面で不動産投資家が取るべき対策

キャッシュフローを再シミュレーションする
現在保有中の物件について、金利が上昇した場合のキャッシュフローシミュレーションを行いましょう。現在金利+1%、+2%の場合でプラスキャッシュフローを維持できるか確認することが大切です。
追加返済で元金を減らす
金利上昇期に元金を減らしておくことで、以後の利息負担を抑える戦略もあります。ただし、繰上返済ができるか、手数料がかかるかを先に契約内容で確認してください。
赤字物件の整理・売却
金利上昇期に、キャッシュフローが常に赤字の物件を持ち続けると、金融機関からの評価が下がり、次の融資にも響きかねません。思い切って売却したほうが、資産全体に良い影響を与える場合もあります。
次の物件購入を見送る判断基準の見直し
金利上昇局面は、金融機関の融資条件が厳しくなりやすい時期です。無理な借入で次の融資の余地を狭めないためにも、金利が上がってもプラスの収支を保てる事業計画が立てられるまで、次の物件購入を待つ判断も賢明です。

金利上昇局面で不動産投資を始める際のポイント

前提: 目先の金利の動きだけで判断しない
投資家は「長期的にプラスになるか」で判断する必要があります。金利が少し上がったからといって購入をやめる必要はなく、すでに織り込んだ上で適切な物件を選択する姿勢が大切です。
おすすめ: 健全性指標を確認する
物件を買うときも保有している間も、「借入比率(LTV:物件価格に対する借入額の割合)」を抑え、「返済余裕率(DSCR:年間の営業収益÷年間の返済額)」に余裕を持たせておくことが、金利上昇局面での耐久力に直結します。DSCRが1を下回ると、家賃収入だけでは返済をまかなえない状態です。

まとめ:金利上昇は「健全な物件」なら耐えられる試練

金利上昇局面における不動産投資のまとめです。
変動金利型ローンを組んでいる場合、返済額の増加でキャッシュフローが悪化するリスクは確かに存在します。しかし、健全なキャッシュフロー・安定した入居率・需要の安定したエリアを備えた物件であれば、工夫しながら保有を続ける余地があります。
一方、現在赤字キャッシュフローの物件や高いLTVの物件は金利上昇局面において特にリスクが高まるため、購入前に十分なシミュレーションを行うことは非常に重要です。

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