不動産投資の長期収支シミュレーションのやり方|計算の決め方と失敗しない数字の読み方

この記事を読むと分かること
  • 不動産投資の長期収支シミュレーションが必要な理由と計算の全体像
  • 表面利回りと実質利回りの違い・正しい計算方法
  • キャッシュフロー・出口(売却)まで含めた長期シミュレーションの組み方
「表面利回り8%なら儲かる」と思って物件を購入したら、実際には毎月赤字だった、というのは不動産投資の典型的な失敗例です。なぜこうなるのでしょうか。表面利回りには、実際の投資で発生する多くの費用が含まれていないからです。
この記事では、不動産投資の収支シミュレーションの正しいやり方と、失敗しない数字の読み方を解説します。

表面利回りと実質利回りの違い

表面利回りの計算式

表面利回り(グロス利回り)は「年間想定賃料収入 ÷ 物件購入価格 × 100」で計算します。物件価格2,000万円で月10万円の家賃なら、表面利回りは6%です。
しかし表面利回りには、次の費用が含まれていません。管理委託費・修繕積立金・固定資産税・都市計画税・火災保険料・空室損失・ローン返済の金利部分などが含まれないのです。

実質利回りの計算式

実質利回り(ネット利回り)は「(年間賃料収入 − 年間経費) ÷ 物件購入価格 × 100」で計算します。
年間経費には管理費(年間賃料の5〜10%)・修繕費(年間賃料の5〜10%)・固定資産税(物件によって異なるが年5〜20万円)・保険料(年1〜3万円)・空室損失(想定空室率分)が含まれます。
一般的に、実質利回りは表面利回りより2〜3%低くなります。表面利回り8%の物件の実質利回りは5〜6%程度が目安です。

長期収支シミュレーションが必要な理由

実質利回りだけでも不十分です。不動産投資の収支は時間とともに変化するからです。
家賃収入は時間とともに下落傾向にあります(築古になるほど入居者の希望賃料が下がる)。修繕費は時間とともに増加します(設備の老朽化・建物の劣化)。ローン返済は元金返済が進むにつれて完済が近づきますが、変動金利の場合は金利変動リスクがあります。固定資産税は建物の減価に伴い軽減される側面がありますが、土地分は変わりません。
これらを全て織り込んで「30年間のキャッシュフロー」を見ることで初めて、「本当にこの物件は買う価値があるか」が判断できます。

長期収支シミュレーションの組み方

ステップ1:基本データを揃える

物件価格・築年数・構造・所在地・現在の家賃・融資条件(金額・金利・期間)・管理会社の手数料率を調べます。

ステップ2:収入の想定を立てる

現在の家賃をベースに、毎年0.5〜1%の家賃下落を織り込みます。空室率は現在の周辺相場を調査した上で、最低でも10〜15%を想定します。

ステップ3:費用の想定を立てる

管理委託費・修繕費・固定資産税・保険料を年間で計算します。修繕費については、築年数が古い物件ほど多めに(年間家賃収入の10〜15%程度)見積もることが重要です。

ステップ4:ローン返済を計算する

融資額・金利・融資期間を入力してローン返済額を計算します。変動金利の場合は、「現在の金利」「金利+1%」「金利+2%」の3パターンでシミュレーションを行いましょう。

ステップ5:出口(売却)の想定を立てる

何年後に売却するか、売却価格はいくらを想定するかを設定します。売却価格は保守的に(購入価格より低い)設定することが重要です。

ステップ6:全体を通じたキャッシュフローを計算する

各年の「家賃収入 − 費用 − ローン返済」を計算し、累計キャッシュフローがどう推移するかを確認します。売却時の売却益(または損)も加算します。

シミュレーター活用のすすめ

上記の計算を手動でExcelなどで行うのは大変です。しなちく長期収支シミュレーターを使えば、必要な項目を入力するだけで長期収支が自動計算されます。銀行の審査書類にも転用できる形式です。

計算結果から学ぶ「良い物件・悪い物件」の判断基準

シミュレーションを繰り返すと、良い物件と悪い物件の違いが数字で見えてきます。
良い物件の特徴として、空室率15%・金利+1%のストレスシナリオでもキャッシュフローがプラスを維持できること、30年間の累計収益(家賃収入−費用−ローン返済+売却益)がプラスであること、実質利回りが借入金利より2〜3%以上高いことなどが挙げられます。
一方、悪い物件の特徴は、表面利回りは高いが実質利回りが低い(費用が多い)こと、空室率が少し上がるとキャッシュフローがマイナスになること、30年後に売却しても累計でマイナスになるシナリオが多いことなどです。

まとめ

不動産投資の収支計算は、表面利回りだけでなく実質利回りと長期シミュレーションを組み合わせることが重要です。物件購入前に必ずシミュレーションを行い、「最悪のシナリオでも耐えられるか」を確認しましょう。
数字の感覚は繰り返し計算することで磨かれます。まずはシミュレーターを使って多くの物件データを入力する練習から始めてください。

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