不動産投資の収支表をエクセルで作る方法|初心者向けテンプレートと項目解説
この記事を読むと分かること
- 不動産投資の収支表に必要な項目を1つ残らず組み込む方法
- エクセルで収支表を自作する手順と無料テンプレートを活用するポイント
- 表面利回りだけでなくキャッシュフローまで読み取れる収支表の見方
はじめに:収支表なしの不動産投資は「目隠し運転」と同じ
不動産投資を始めようとしている方が最初につまずきやすいのが、「どうやって収支を計算するか」という問題です。物件のチラシに書かれた「利回り8%」という数字だけを見て購入してしまい、実際には毎月赤字という事態は、残念ながら珍しくありません。
そうは言っても、エクセルで収支表を作るなんて難しそう——そう感じる方も多いはずです。でも安心してください。この記事では、不動産投資の収支表に必要な項目と作り方を、初心者の方でもすぐに実践できるよう丁寧に解説します。
収支表を作ることは、数字の整理だけが目的ではありません。「この物件を買って本当に大丈夫か」という判断を、感覚ではなく事実ベースで行うための道具です。購入前に必ずこの作業を行う習慣をつけましょう。
不動産投資の収支表が必要な理由
「利回り」だけでは判断できない
不動産投資の物件情報には必ず「表面利回り◯%」という数字が載っています。しかしこの数字は、実際の手取り収益とは大きくかけ離れている場合がほとんどです。
表面利回りの計算式は「年間家賃収入÷物件価格×100」です。この式には、管理費・修繕費・税金・空室損失・ローン返済などのコストが一切含まれていません。表面利回りが8%でも、これらのコストを差し引いた実質利回りは4〜5%、ローン返済後のキャッシュフローはマイナスになることも十分ありえます。
収支表を作ることで、こうした「見えていないコスト」を可視化できます。
銀行融資の審査にも使える
収支表(収支計画書)は、銀行の融資審査においても重要な書類です。「物件を購入してどう運用するか」を数字で示すことで、融資担当者への説明が具体的になり、審査の通過率が上がります。
特に初めて融資を受ける場合、しっかりとした収支計画書を持参することが、信頼性を高める有効な手段になります。
複数物件を比較検討できる
複数の物件を比較する際も、同じフォーマットの収支表があると比較が格段に楽になります。「A物件は表面利回り7%、B物件は8%」という比較ではなく、「ローン後キャッシュフローはA物件が月+2万円、B物件は月-1万円」という実態ベースの比較ができます。
収支表に入れるべき項目
収支表に必要な項目は大きく「収入」「支出」「融資条件」「評価指標」の4つに分けられます。
収入項目
収入の中心は家賃収入ですが、それだけではありません。以下の項目を含めます。
月額家賃収入は各室の賃料合計です。満室時の賃料をベースにしますが、必ず空室損失を差し引いたシミュレーションも行ってください。空室率5〜10%を想定するのが標準的です。
礼金・更新料収入は入居者の入れ替わり時や契約更新時に発生する一時的な収入です。長期保有シミュレーションでは、2〜3年ごとに一定額を見込む形で組み込みます。
駐車場収入がある場合は別途計上します。
支出項目
支出は多岐にわたります。見落としが多い項目ほど注意が必要です。
管理委託費は月額家賃の5〜10%が相場です。自主管理の場合は不要ですが、遠方物件や初心者の場合は管理会社に委託するケースがほとんどです。
修繕費・修繕積立金は建物の経年劣化に対応するコストです。新築時は低くても、築年数が経つにつれ増加します。年間家賃収入の5〜10%を積み立てとして見込むのが現実的です。大規模修繕(外壁・屋根・給排水管など)も10〜15年ごとに発生します。
固定資産税・都市計画税は毎年かかる税金です。物件価格の0.5〜1.5%程度を目安にします。
火災保険料は年払いまたは5〜10年一括払いが一般的です。
ローン返済額は元金+利息の毎月の支払い総額です。元利均等払いの場合は毎月一定ですが、金利変動シナリオも試算しておくことが重要です。
その他費用として、確定申告の税理士費用、空室時の入居付け広告費、原状回復費用なども見込んでおくと精度が上がります。
融資条件
借入金額・金利・借入期間の3つが収支計算の根幹です。金利は現在の水準だけでなく、0.5%・1%上昇したシナリオも必ず計算しておきましょう。
評価指標
収支表から算出すべき主要な評価指標は以下の通りです。
表面利回りは基礎指標として算出します。ただしこれだけでは判断しないことが鉄則です。
実質利回りは管理費・修繕費・税金などの経費を差し引いた後の利回りです。こちらが実際の収益力を示します。
ローン後キャッシュフロー(月次・年次)は毎月・毎年の手取り収益です。この数字がプラスかどうかが、投資の継続性に直結します。
累積キャッシュフロー(10年・20年・30年)は長期的な収益見通しです。出口(売却)時点での総収益がプラスかどうかを確認します。
投資回収期間は自己資金を何年で回収できるかの指標です。
エクセルで収支表を作る手順
では、実際にエクセルで収支表を作る手順を説明します。
ステップ1:シート構成を決める
まず、エクセルブックのシート構成を決めましょう。おすすめは以下の3シート構成です。
「物件概要シート」には物件名・所在地・構造・築年数・購入価格・建物比率などの基本情報を入力します。このシートの数値が他のシートに参照される形にすると、後から変更が楽になります。
「月次収支シート」は毎月の収入・支出・キャッシュフローを管理します。家賃収入から各経費とローン返済を差し引いた月次キャッシュフローを計算します。
「長期シミュレーションシート」は10〜30年の長期収支を計算します。家賃の下落率、修繕費の増加、売却時の価格を変数として設定できる形にすると、複数シナリオでの検討が可能になります。
ステップ2:入力セルと計算セルを色分けする
エクセルの操作でよくあるミスが「入力すべきセルに誤って数式を上書きしてしまう」ことです。これを防ぐため、手入力するセル(黄色など)と数式が入った計算セル(白など)を色分けしておくと管理が楽になります。
ステップ3:金利変動シナリオを複数作る
1つの金利だけで計算するのではなく、「現行金利・+0.5%・+1.0%」の3パターンを並べて計算できる構成にします。これにより、金利上昇時のリスクを事前に数値で把握できます。
ステップ4:家賃下落率を設定する
物件の家賃は築年数とともに下落します。年間0.5〜1%程度の下落率を設定し、長期シミュレーションに反映させましょう。楽観的な前提だけで計算すると、15〜20年後に収支が悪化した際に対処が遅れます。
ステップ5:出口(売却)シミュレーションを加える
不動産投資は「売却まで含めた総合収益」で評価すべきです。物件価格が10年後に何%下落するかを想定し、売却益(または売却損)を含めた総合収益を計算します。
無料テンプレートの活用と注意点
エクセルを一から作るのが難しい場合、インターネットで公開されている無料テンプレートを活用する方法もあります。
無料テンプレートのメリット
多くの不動産投資関連サイトが無料でテンプレートを公開しており、物件価格・家賃・ローン条件を入力するだけで利回りやキャッシュフローを自動計算できるものが揃っています。初心者にとっては、収支表の項目を学ぶ教材としても役立ちます。
無料テンプレートの注意点
ただし、無料テンプレートをそのまま使う場合にはいくつかの注意点があります。
項目が不足している場合があるという点が最大の注意点です。特に修繕費の長期積み立て、家賃下落率の反映、金利変動シナリオが組み込まれていないテンプレートは、実態より楽観的な数値が出やすくなります。
テンプレートを信頼しすぎないことも重要です。数式の設定ミスや想定条件が自分の物件と合わない場合があります。計算結果の意味を理解したうえで活用してください。
しなちく長期収支シミュレーターのご紹介
しなちく(当ブログ運営者)が自ら開発した長期収支シミュレーターは、家賃収入・ローン返済・管理費・修繕費・税金をすべて織り込んで、売却時点までのキャッシュフローを可視化できます。銀行の審査書類にそのまま転用できる形式で提供しており、この記事で説明した項目がすべて含まれています。
実際の投資家の声——収支表への取り組み
「不動産投資始めて最初の1年は感覚でやってたけど、エクセルで収支表ちゃんと作ったら年間キャッシュフローがマイナスだった。表面利回りだけ見てた自分が恥ずかしい」
— Xより(不動産投資家アカウント)
「収支シミュレーションのエクセルを作るのが難しくて、結局フォーマット探してダウンロードしたけどIRRとか経常利益率とかよく分からなくて…ちゃんと勉強してから使わないと意味ないと思った」
— Yahoo!知恵袋より
「物件の収支計画書を自分で作れるようになってから、業者の言う「利回り○%」が実態と乖離してることがよく分かった。今では物件見る前に必ず自分でシミュレーションしてる」
— Xより(2025年)
これらの声が示すように、収支表を「作れる」だけでなく「読める・解釈できる」ところまでスキルアップすることが重要です。そのためには、エクセルの使い方と並行して、不動産投資の基礎知識を学ぶことが欠かせません。
収支表を作る前に——基礎知識の習得が先
「エクセルで収支表を作ろう」と思っても、不動産投資の基礎知識がなければ、何を入力すればいいかも分からないままです。
たとえば「実質利回りの計算式は?」「NOIとは何か?」「DCRって何を意味する?」——これらの概念を理解していなければ、テンプレートを埋めても数字の意味が掴めません。
まずは不動産投資の基礎から体系的に学ぶことをおすすめします。ファイナンシャルアカデミーの不動産投資スクールは、こうした収支計算の考え方から融資・物件選びまで体系的に学べる講座として60万人超の受講実績を持ちます。体験セミナーは無料ですので、まず一度参加してみることをおすすめします。
収支表の見直しタイミング
収支表は物件購入時に一度作ったら終わりではありません。定期的な見直しが必要です。
購入時は最も詳細なシミュレーションを行います。複数シナリオを想定したうえで意思決定します。
入居者の入れ替わり時は家賃の変化(増減)を反映させます。
金利の変動時は返済額を更新し、キャッシュフローへの影響を再計算します。
修繕実施後は実際にかかった費用を記録し、今後の積み立て計画を見直します。
毎年の確定申告時は実際の収支を記録・集計する機会です。税理士との相談材料にもなります。
こうした定期的な見直しにより、収支表が「単なる購入時の計算書」から「経営管理ツール」へと進化します。
まとめ——収支表は不動産投資の「経営の羅針盤」
不動産投資の収支表は、面倒な作業ではなく「投資を成功させるための必須ツール」です。
表面利回りだけで判断して後悔する前に、本記事で紹介した項目をすべて組み込んだ収支表を作成してください。特に以下の3点は必ず確認しましょう。
金利変動シナリオ(+0.5%、+1.0%)での月次キャッシュフロー、空室率10%を想定したシミュレーション、そして10年・20年・30年の長期収支と出口(売却)を含めた総合収益——これらが揃って初めて「この物件を買っていいか」の判断ができます。
しなちくの長期収支シミュレーターは、これらすべてを一つのシートで確認できるよう設計されています。ぜひ活用してください。
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