千葉銀行のアパートローンは、賃貸用不動産を複数持つ人は使えません|1億円・35年以内の融資条件と、保証料・手数料の実額

この記事を読むと分かること
  • 千葉銀行の不動産投資ローン(金利選択型アパートローン)の融資条件・金利・審査基準の全体像
  • 公式の利用条件(とくに「複数の賃貸用不動産を所有していない方」)と、公表されていない基準の見分け方
  • 審査を通過するために準備すべき書類と千葉銀行ならではの評価ポイント

千葉銀行とはどんな銀行か

千葉銀行は千葉県に本店を置く地方銀行で、総資産規模は地方銀行の中でもトップクラスに位置します。千葉県内のシェアは非常に高く、千葉県民にとって最も身近な金融機関の一つです。アパートローンは個人向けの商品として、公式サイトに条件が公開されています。
不動産投資ローンとして提供しているのは「金利選択型アパートローン」という商品で、アパートや賃貸マンションの新築・購入・増改築に幅広く利用できます。地方銀行ながら最長35年・最高1億円という条件は、個人の不動産投資家にとって十分な規模感を持っています。
この記事では、千葉銀行公式の商品概要(2026年9月27日確認)に書かれている条件を先に並べ、公表されていない部分(金利の水準・年収の目安など)とは分けて書きます。

千葉銀行アパートローンの基本条件

融資金額と期間

千葉銀行の金利選択型アパートローンの基本スペックは以下のとおりです。
  • 融資上限額:最高1億円
  • 融資期間:最長35年
  • 対象用途:アパート・賃貸マンション等の新築・購入・増改築
  • 担保:購入・建設する不動産(原則として)
  • 団体信用生命保険:加入できる(保険料は銀行負担。付ける場合は借入時に満18歳以上満70歳未満、最終返済時に満75歳未満)
いちばん大事なのは利用条件です。公式の「ご利用いただける方」には、「貸出時の年齢が満18歳以上」「原則として安定した収入がある」「ちばぎん保証株式会社の保証を受けられる」に並んで、「複数の賃貸用不動産を所有していない方(今回のお借入れで購入する賃貸用不動産も含む)」とあります。つまりこの商品は、賃貸用不動産を1つだけ持つ個人向けで、2物件目・3物件目の買い増しには使えません(2026年9月27日・千葉銀行公式「金利選択型アパートローン」より)。借入には、保証料(35年なら借入100万円あたり20,688円)と保証会社の事務取扱手数料(借入500万円超なら55,000円・税込)が別にかかります。

金利の仕組み

「金利選択型」という名称のとおり、変動金利と固定金利を選択できる仕組みになっています。
固定金利の選択期間:3年・5年・7年・10年(10年は借入当初だけ。期間が終わったあとに選び直せるのは3年・5年・7年)
固定金利期間が終了した後は、再度変動金利または固定金利を選択できます。これにより、金利上昇リスクに対してある程度のヘッジが可能です。
アパートローンの利率は、千葉銀行の「ローン金利」一覧(2026年9月1日現在)に載っていません。公式に書かれているのは、変動金利は毎年4月1日・10月1日のローン基準金利を指標に年2回見直されること、借入時の「当行所定の利率」が適用されることまでです。ネットで見かける「最優遇◯%」のような数字は出所が確かめられないので、この記事には書きません。利率は窓口で確かめてください。

融資エリア(公式の商品概要には書かれていません)

千葉銀行公式の商品概要には、申込者の居住地や物件の所在地についての条件は書かれていません(2026年9月27日確認)。ネットでは「千葉県・東京都東部・埼玉県南部・茨城県南部」といった範囲が語られていますが、公式の裏づけはありません。
遠方の物件を考えているなら、物件を決める前に、取引する支店でその所在地を扱えるかを聞いてください。

審査で見られる属性・自己資金の基準

千葉銀行のアパートローン審査は、申込者の属性・自己資金・物件評価を総合的に判断します。以下に挙げる年収・金融資産・自己資金比率・利回りの水準は、千葉銀行が公表しているものではありません。投資家向けの情報サイトや体験談で語られている目安を整理したもの(2026年9月時点・編集部調べ)で、実際の基準は支店と案件によって変わります。数字そのものではなく「どの項目を見られるか」の目安として読んでください。

年収と金融資産の目安

千葉県内の支店を利用する場合:
  • 年収:700万〜1,000万円(初回取引の場合は1,000万円以上が望ましい)
  • 金融資産:1,500万〜3,000万円程度
東京都内・都心支店を利用する場合:
  • 年収:1,000万円以上が実質的な目安
  • 金融資産:3,000万円以上
これらはあくまで目安です。体験談の数字は、書かれた時期の基準で通ったものなので、いまの審査に当てはまるとは限りません。

自己資金の割合(フルローンは不可)

現在の千葉銀行では、フルローン(自己資金ゼロ)は基本的に行っていません。必要な自己資金の割合は申込者の属性によって異なりますが、目安は以下のとおりです。
  • 属性が非常に良い場合(年収高・金融資産豊富):物件費用の10%程度
  • 一般的なサラリーマン:物件価格の20〜30%程度
  • 自営業者:物件価格の50%程度のキャッシュが前提になるケースも
この点は過去と大きく変わっています。以前は属性次第でフルローンに近い融資を受けられたケースもありましたが、現在は自己資金を相応に用意することが融資のテーブルに乗る前提になっています。

物件の利回り基準

千葉銀行は物件評価において積算評価を重視しつつ、収益評価も加味します。物件の収益性については以下の利回り水準が目安とされています。
  • 新築アパート・マンション:表面利回り5%以上
  • 中古アパート・マンション:表面利回り7%以上
この利回りを下回ると「土俵に乗らない」とされ、担保不足分の自己資金上乗せを求められたり、融資自体が難しくなります。
積算評価とは、土地の評価額と建物の再調達価格を合計して物件価値を算出する方法です。千葉銀行は積算評価を基本としているため、「土地の値段が高いエリア(都心・千葉市内など)の物件」は評価が出やすく、融資が通りやすい傾向があります。

審査で不利になるケース

以下のケースでは審査が通りにくいことが報告されています。
  • 固定金利期間中に売却して返す前提の借入(固定金利期間中の繰上返済は、公式に「原則としてできません」とあります)
  • すでに賃貸用不動産を持っていて、今回の購入で複数になる(公式の利用条件から外れます)
  • ちばぎん保証株式会社の保証が受けられない
  • 属性が基準を下回る(年収・金融資産が目安以下)
  • 他の借入が多く、返済負担率が高い
このうち「すでに賃貸用不動産を持っている」は、申し込む前に自分で分かります。自己資金や物件の所在地の扱いも、物件を決める前に支店へ電話で聞けば分かるため、書類を用意してから断られる事態は避けられます。

千葉銀行融資の強みと弱み

強み(メリット)

①団体信用生命保険の保険料を銀行が負担する
団体信用生命保険に加入でき、その保険料は千葉銀行が負担します(公式より)。団信を付けると金利が上乗せされる銀行もあるので、比べるときはこの点を並べてください。
②中古物件や、賃貸用の店舗・事務所にも使える
資金使途は、アパート・貸家・賃貸マンションの新築、購入(中古物件を含む)、増改築に加え、賃貸用の店舗・事務所の建物まで入ります。付帯設備工事や火災保険料などの諸費用も含められます(公式より)。ただし、複数の賃貸用不動産を持つ人は対象外なので、買い増しを重ねていく投資家向けの商品ではありません。
③変動と固定を途中で切り替えられる
借入当初は変動か、固定(3年・5年・7年・10年)を選べ、借入期間中に切り替えることもできます。変動から固定への変更には条件変更手数料33,000円(税込)がかかります(公式より)。
④1億円以内・35年以内まで借りられる
借入金額は1億円以内(10万円単位)、借入期間は1年以上35年以内です。元金の返済を最長6か月据え置くこともできます(公式より)。

弱み(デメリット)

①賃貸用不動産を複数持つ人は使えない
最大の制約は利用条件です。今回購入する物件を含めて賃貸用不動産が複数になる人は対象外なので、2物件目以降の資金には使えません。
②年収や金融資産の基準は公表されていない
公式の条件は「原則として安定した収入がある方」までで、年収や金融資産の数字はありません。上で挙げた年収・金融資産の目安は公式のものではないので、自分が当てはまるかは審査を受けてみないと分かりません。
③フルローン・高LTV融資は期待できない
自己資金を厚く求めるスタンスは、資金効率を重視する不動産投資家には物足りなく感じることもあります。レバレッジを最大化したい方には向いていません。
④固定金利期間中は繰上返済ができない
固定金利期間中の繰上返済は、全額・一部とも原則としてできません。変動金利期間中や固定期間の終了時に繰上返済する場合も、手数料33,000円(税込)がかかります(公式より)。売却の時期が見えている人は、固定期間の長さとあわせて考えてください。

千葉銀行の利用をおすすめできる人・できない人

こんな人に向いている

  • 賃貸用不動産をこれから初めて持つ(購入後も1物件だけ)
  • 団信付きで借りたい(保険料は銀行負担)
  • 物件価格の20〜30%以上の自己資金を用意できる
  • 中古の賃貸物件や、賃貸用の店舗・事務所も検討している
  • 地域密着の銀行との長期的な関係を築きたい
  • 金利選択型ローンで金利リスクをコントロールしたい

こんな人には向いていない

  • すでに賃貸用不動産を持っていて、2物件目以降を買い増したい
  • 固定金利期間中に売却や繰上返済をする予定がある
  • 自己資金がほとんどない(フルローン希望)
  • 短期での転売・売却を前提とした投資スタイル
  • 借入額が1億円を超える
先に物件を決めてから融資先を探すと、条件に合わずに弾かれることがあります。まず融資先の条件(保有物件の数・保証・物件の所在地の扱い)を確認してから物件を探すという順番が重要です。

千葉銀行の審査を通過するためのポイント

事前に担当者と関係を作る

千葉銀行のような地方銀行では、事前に支店に相談に行き、担当者と関係を構築することが審査通過率に影響します。はじめから「この物件に融資してほしい」と持ち込むのではなく、「これから不動産投資を始めようとしている」という段階から相談すると、担当者がサポートしてくれるケースがあります。

精度の高い収支計画書を準備する

審査での最初の印象が重要です。甘い数字ではなく保守的な想定で組んだ収支計画書を持参することで、「この申込者は現実をわかっている」という評価につながります。家賃収入・空室率・管理費・修繕費・税金・返済額をすべて含めた長期収支シミュレーションを用意してください。
しなちくが自ら開発した長期収支シミュレーターは、これらの要素をすべて織り込んで銀行審査書類にそのまま転用できる形式で提供しています。物件の収支確認と同時に、審査対策の資料としても活用できます。

自己資金を十分に積んでから申し込む

現在の千葉銀行ではフルローンが難しいため、物件価格の20〜30%程度の自己資金を準備してから申し込むことが現実的です。自己資金が薄い状態で申し込むと「担保不足」と判断されやすくなります。

積算評価の高い物件を選ぶ

積算評価で見られる場合は、土地評価が高い物件(土地値が高い立地)は融資評価が出やすいです。反対に、築古で土地評価が低い物件は積算価値が低くなりがちで、融資が難しくなる場合があります。土地値がしっかりついた物件を選ぶことが、融資通過率を上げるポイントです。

千葉銀行以外の融資先も並行して検討する

千葉銀行の審査基準や融資エリアが自分の状況に合わない場合は、他の融資先も並行して検討することが重要です。不動産投資の融資先は千葉銀行だけではありません。
メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)は属性の高いサラリーマン向けに融資実績があります。オリックス銀行・静岡銀行・SBJ銀行なども投資用不動産に積極的な銀行として知られています。
重要なのは、一つの銀行に絞らず複数の金融機関に打診することです。銀行によって評価方法・対象エリア・属性基準が異なるため、ある銀行で断られても別の銀行では通るケースは珍しくありません。
ただし、複数の銀行に同時に審査を申し込みすぎると、信用情報に照会記録が残り逆効果になる場合があります。戦略的に順番を考えて動くことが必要です。このような融資戦略は、独学で学ぶよりも体系的に習得した方が失敗を避けられます。

購入前に必ず数字を確認する

千葉銀行を含むどの銀行で融資を受ける場合でも、物件購入前の長期収支シミュレーションは欠かせません。「利回りが高そう」という感覚だけで動くのは非常に危険です。
家賃収入・空室リスク・管理費・修繕費・固定資産税・ローン返済額・売却時の出口まで含めて計算することで、初めてその物件が「本当に買うべきか」を判断できます。
しなちくの長期収支シミュレーターは、これらすべての要素を織り込んで出口まで可視化できるツールです。千葉銀行への融資申し込みの際の事業計画書にもそのまま活用できます。

不動産投資を始める前にまず体系的に学ぶことが最重要

千葉銀行のアパートローンを利用するにしても、他の銀行を選ぶにしても、融資を受ける前にしっかりと不動産投資の知識を身につけることが不可欠です。
融資の仕組みを理解していないまま銀行に相談に行っても、的外れな質問をしてしまい担当者の信頼を損なうことがあります。反対に、基礎知識を持った投資家は担当者からも「本気の投資家」として扱われ、丁寧なサポートを受けやすくなります。
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千葉銀行アパートローン まとめ

千葉銀行の金利選択型アパートローンは、賃貸用不動産を1つだけ持つ(これから持つ)個人向けの商品です。借入は1億円以内・35年以内で、団信の保険料は銀行が負担します。利率は公表されていません(2026年9月27日・千葉銀行公式より)。
中古物件や賃貸用の店舗・事務所にも使え、変動と固定を途中で切り替えられるため、1物件を長く持つ計画なら候補になります。
一方で、複数の賃貸用不動産を持つ人は使えないこと、固定金利期間中は繰上返済ができないこと、保証料と手数料が別にかかることは、申し込む前に押さえておく必要があります。「千葉銀行で借りられるか」は、まず自分の賃貸用不動産の保有状況と、希望物件の所在地を扱えるかを窓口で確かめるところから始めてください。
どの銀行で融資を受けるかという問いの前に、「まず不動産投資の基礎を学んでから、自分の属性に合った融資先を戦略的に選ぶ」という順番を守ることが、長期的な成功への近道です。

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